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士業別の難易度

10士業(8士業)の難易度とは?それぞれの合格率を徹底比較!

2023/11/01

税理士や公認会計士などの「士業」といえば、「難しい試験を突破しなくてはならない」というイメージが強いのではないでしょうか。本記事では、様々な士業の概要や難易度(試験の合格率)の比較、必要な勉強時間の目安について解説します。各士業の業務内容や魅力についても紹介していますので、士業への従事を目指している方は参考にしてみてください。

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「士業」の定義とは

そもそも士業とは、「○○士」という名称がつく職業の通称です。税理士や弁護士、司法書士など、「士」がつく職業をまとめて士業と呼びます。高度な専門知識と知見を活かして国・企業・個人の営みを支援し、社会全体の公平性や信頼性を確保する役割を担う職業です。8士業・10士業の詳細は、以下の記事にて詳しく解説していますので、こちらの記事もぜひご覧ください。
8士業とは?10士業やその他の国家資格の種類をまとめて解説!

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各士業の難易度を比較

8士業及び10士業は、いずれの職業も難関資格のイメージが強いもの。では、各士業の難易度を比較した際はどのような結果になるのでしょうか。発表されている合格率を参考に、各士業の難易度や必要な勉強時間の目安・合格者数をまとめてみました。

税理士の難易度

令和4年度における税理士試験の合格率は、19.5%と報告されています。具体的な内訳は、受験者数28,853人に対し合格者は5,626名という結果となりました。なお、令和3年度の合格率は18.8%で、0.7%増加という結果になっています。税理士試験突破に必要となる勉強時間の目安は、3,000時間前後とされています。ただし、この数値はあくまで目安と捉えておきましょう。「法務や税務の事前知識が全くない」「独学で試験突破を目指す」といった場合は、さらに多くの勉強時間を確保しなくてはなりません。合格率も低いため、数年単位で試験対策を練る受験者が大半です。
しかし、晴れて税理士となった後は、安定した収入や高い社会的信用を得られるでしょう。くわえて、個人から法人にいたるまで様々な方から頼りにされる職業でもあります。「複雑な税の専門知識を活かして、人や国に貢献できる」というやりがいを得られる職業です。

税理士の難易度や合格率について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
税理士試験の合格率や難易度がどれくらいかを解説。他士業との比較とは?

弁護士の難易度

令和4年に実施された弁護士(司法試験)の合格率は、45.5%という結果でした。受験者数は3,082人、合格者数は1,403人と報告されています。合格率や合格者数だけを参考にすると、やや合格しやすいと感じるかもしれません。しかし、司法試験には2とおりの受験資格が設けられています。法科大学院を修了する、もしくは司法試験予備試験に合格するといういずれかの条件を満たさなければ、司法試験を受験できません。弁護士試験突破に必要な勉強時間は、予備試験をパスするだけでも1,000~5,000時間かかるといわれているため、最低でも5,000時間以上と考えておくと良いでしょう。法科大学院の修了を目指す場合、2,000~3,000時間以上が勉強時間の目安となります。

弁護士のやりがいは、法律の専門知識を活かして人々の権利や利益を守れること。犯罪やトラブルに巻き込まれた方にとって、弁護士は頼もしい味方です。「専門知識を駆使して困っている人を守りたい」という正義感が強い方は、大きなやりがいを感じられるでしょう。

弁理士の難易度

弁理士とは、特許法をはじめとする「知的財産法」を取り扱う専門職です。令和4年度の発表によると、弁理士試験の合格率は6.1%、受験者数3,177人に対し合格者数は193人という結果でした。合格者の年齢属性としては、30代の合格者が最多で36.3%と報告されています。なお、合格者のうち最年少者は20歳、最年長者は61歳であることも分かっています。合格のための勉強時間は、2,000~3,000時間が目安だと考えておきましょう。

弁理士は、顧客の斬新なアイデアや技術を守る「特許法」の専門家です。「自分の知識や経験が顧客の財産を守っている」という、大きな誇りを持てる職業だといえます。また、顧客が持つアイデアや技術のなかには、世に大きな影響を与える可能性を秘めているものもあります。顧客の苦労や創意工夫が詰まったアイデア・技術に、常に触れられるのも弁理士の魅力です。

司法書士の難易度

法律の知識を活かし、個人・法人の各種書類作成や手続きの代行業務を行うのが司法書士です。司法書士試験の合格率は、令和4年度のデータによると5.18%。受験者数12,727人に対し、合格者は660人と報告されています。司法書士試験の例年の合格率は4~5%と低く、士業のなかでも特に難関な資格だといえるでしょう。目安となる勉強時間は、一定の知識を備えた予備校生を基準とすると3,000時間程度。全くの独学で受験に臨む場合は5,000時間以上、場合によっては10,000時間以上かかることも覚悟しておきましょう。

司法書士は、複雑な登記関連のエキスパートとして、個人から法人まで様々な方から頼りにされる職業です。また、定年がなく安定した収入を得ながら働き続けられる職業でもあるため、「元気なうちは現役で働き続けたい」と考える方にとって、司法書士は魅力的な職業の一つといえます。

司法書士の難易度や合格率について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
司法書士試験の科目と難易度をご紹介!合格後の研修の種類も解説

行政書士の難易度

行政書士とは、行政へ提出する許認等の申請書類を作成したり、官公署へ提出する書類の相談業務を担当したりする法律家です。合格率は、令和4年度の試験結果によると12.13%。受験者数47,850人のうち、合格者は5,802人という結果になりました。目安となる勉強時間は、法律や法務の知識がない場合だと800~1,000時間程度です。合格率が低い難関資格であることには変わりありませんが、他の法律系の士業と比較するとややハードルが低く、挑戦しやすい資格だといえるでしょう。

行政書士は学習する範囲が広く、他の法律系資格に共通する学習事項を幅広く学べます。したがって、法律系の資格の入門として捉え、行政書士を足がかりにして他の法律系資格の取得を目指し、ステップアップしていくことも可能です。法律の知識を駆使して顧客を裏側からサポートするという役割を担っているため対応する業務範囲も幅広く、弁護士・税理士・会計士など他の士業と連携することもあります。行政書士になることで、多様な士業の方と協力でき、多岐にわたる分野で活躍できるという魅力があります。

行政書士の難易度や合格率について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
行政書士試験の難易度と合格率は?他試験との比較や対策のポイントまで徹底解説!

社会保険労務士の難易度

人事や労働、社会保険問題に関する法律のエキスパートが「社会保険労務士(社労士)」です。社会保険・労務・雇用を扱う資格のなかでは唯一の国家資格であるため、高いニーズが期待できます。そんな社労士の合格率は、令和4年度のデータによると5.3%という結果になりました。受験者数40,633人に対し、合格者は2,134人と報告されています。必要な勉強時間の目安は、800~1,000時間ほどです。

法律知識を駆使して、複雑化する雇用・労働・社会保険に関する問題を解決するのが社労士の仕事です。専門知識を持たない経営者や労働者をサポートし、両者の橋渡し役を担うこともあります。健全な経営を実現するためには、社労士の知識が不可欠。企業や個人の労働問題を解決するという形で社会に貢献できる職業です。

社労士の難易度や合格率について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
なぜ社会保険労務士(社労士)試験が難関なのか解説!難易度と合格率に潜む罠とは?

土地家屋調査士の難易度

土地家屋調査士とは、顧客に代わって不動産登記のうちの「不動産表示登記」を行う専門職です。主に、登記に必要な土地・家屋に関する調査や測量を行うため、不動産に関する複雑な法律の知識にくわえて、民法の知識や測量に関連する計算処理能力・作図能力が不可欠な難関資格といわれています。令和4年度に実施された土地家屋調査士試験では受験者数4,404人のうち、424人が合格したと発表され、合格率は9.62%でした。勉強時間の目安は1,000~1,500時間程度とされています。

土地家屋調査士の魅力は、高度な専門知識と社会的信用を得られること、土地の専門知識を活かして困っている人の役に立てることなどが挙げられます。個人レベルから行政・国レベルの社会貢献が可能です。

海事代理士の難易度

海事代理士は、船舶登録をはじめとする「海事代理法」のエキスパートです。陸上とは異なる「海」の法律家として、海上で活動する層から頼りにされる存在といえます。試験は筆記試験・口述試験があり、口述試験は筆記試験合格者に対してのみ実施されます。海事代理士の合格率は、令和4年時点で55.1%、受験者数361人に対して合格者数は199人でした。法律系の国家資格としては合格率が高めですが、法律・海事用語に馴染みのない方は苦労させられるでしょう。参考書や問題集も少なく、合格率によらず難易度の高い資格だといえます。勉強時間は、法律知識・海事用語から勉強する初学者では500~900時間程度です。

船舶や湾港のエキスパートとして、ニッチなニーズに応えられるのが海事代理士のやりがいといえます。また、海上には陸上とは異なる危険性や利害関係があります。それらのリスクを熟知し、法律知識を駆使して関係者を守るのも海事代理士の重要な役割です。

公認会計士の難易度

各企業の財務諸表(企業の経営成績やお金の流れ等を示す諸表)が適切に作成されているかを監査するのが、公認会計士の仕事です。くわえて、会計や経理業務、コンサルティング業務に携わる公認会計士も少なくありません。令和4年に実施された公認会計士試験の合格率は7.7%でした。具体的な内訳は、受験者数18,789 人に対して合格者は1,456 人です。公認会計士は試験科目が全9科目と多く、インプット・アウトプットの両方を地道に実践する必要があります。勉強時間の目安は2,500~5,000時間ほどです。

そんな公認会計士の魅力は、安定した収入が期待できることと、若いうちから財務に関する「専門家」として活躍できる点にあります。また、会計監査という責任を背負うため、「自分が顧客の正しさを証明している」という誇りを持てる仕事です。正確な処理能力や試験を突破する粘り強さはもちろんですが、強い正義感や倫理感も求められます。

公認会計士の難易度や合格率について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
公認会計士試験の合格率はどのくらい?難易度や対策方法について解説します

中小企業診断士の難易度

中小企業診断士とは、中小企業の経営課題を診断し、その診断結果に基づいたアドバイスを行う専門職です。経営に関するコンサルティング業務を担ったり、経営診断書や改善計画書を作成したりするのが主な業務。中小企業診断士試験は一次試験・二次試験で構成されており、両方に合格した上で実務補習を受講するか、または診断実務に従事してはじめて中小企業診断士として就労できます。中小企業診断士の合格率は、一次試験で28.9%、二次試験は18.7%です。試験突破のために必要な勉強時間は、トータルで1,000時間程度とされています。

中小企業診断士の魅力は、活躍の場やチャンスが豊富にあることです。顧客の経営や事業の方向性に密接に関われることはもちろんですが、社内の課題にもいち早く気づけるようになるでしょう。知識を適切に活かせれば、社内外から重宝される人材を目指せます。くわえて、経営者層をはじめ幅広いキャリア・立場の方と関われるため、人脈を広げやすいのも中小企業診断士の魅力です。

中小企業診断士の難易度や合格率について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
中小企業診断士試験の難易度は?合格率や勉強方法も解説

不動産鑑定士の難易度

専門知識を用いて、不動産の価値を適切に鑑定するのが「不動産鑑定士です。不動産関連の資格のなかでも難易度が高いことにくわえ、資格所有者が全国的に少なく希少価値の高い資格だといえます。不動産鑑定士試験の合格率は、令和4年時点で16.4%。受験者数871人のうち、143人が合格しています。必要な勉強時間は、2,000~4,000時間程度。目安に開きがあるのは、試験システムが短答式試験・論文式試験の2段階構成になっていることと、短答式試験合格後に授与される論文式試験の受験権利が3年で失効することが関係しています。

不動産鑑定士は、時には億単位の金額がつく価値の土地を扱うスケールの大きな仕事。くわえて、不動産のあるところ全てに仕事があり、景気や左右されることなく活躍のチャンスが用意されているのが大きな魅力です。

不動産鑑定士の難易度や合格率について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
不動産鑑定士試験の難易度とは?合格に必要な勉強時間は?

これまでご紹介してきた8士業及び10士業の資格名とそれぞれの難易度(合格率)、勉強時間の目安を、一覧表でまとめました。こちらもぜひ参考にしてみてください。

資格名 難易度(合格率) 勉強時間の目安
税理士 19.50% 3,000時間前後
弁護士 45.50% 5,000時間以上
弁理士 6.10% 2,000~3,000時間前後
司法書士 5.18% 3,000~10,000時間以上
行政書士 12.13% 800~1,000時間前後
社会保険労務士 5.30% 800~1,000時間前後
土地家屋調査士 9.62% 1,000~1,500時間前後
海事代理士 55.10% 500~900時間前後
公認会計士 7.70% 2,500~5,000時間
中小企業診断士 18.70% 1,000時間前後
不動産鑑定士 16.40% 2,000~4,000時間前後

働きながら士業を目指すこともできる!

仕事をしながら士業を目指すことは可能です。ただし、難関試験を突破するには、たくさんの時間と努力が必要です。各士業の試験は合格率が低く、年単位の試験計画が必要となる資格も珍しくありません。合格率が比較的高く感じられるものでも、馴染みのない専門用語をインプットするのに時間がかかったり、そもそも受験資格のハードルが高かったりして、苦戦を強いられることが多いでしょう。働きながら士業試験の突破を目指すのは難しい挑戦といえます。
仕事と勉強の両立は簡単ではありませんが、実務を通して実践的な知識を身につけられるという点でメリットもあります。例えば、法律事務所で働きながら司法書士を目指す場合は、実際に書類作成や手続きを行う中で、試験で求められる知識が自然と身につくでしょう。税理士を目指す場合は、税理士事務所で確定申告や年末調整といった税務に携わることで、消費税法・法人税法・住民税法といった税法の知識を深めることができます。
どの士業を目指すかにもよりますが、公認会計士や税理士などは、資格があっても実務経験や実務補助の経験がなければ士業として働くことができない職種です。このように実務経験を要する士業を目指す場合には、仕事と勉強との両立をはかることで、試験勉強だけに専念するよりも早いタイミングで士業登録までたどり着ける可能性があります。

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会計業界ライターZEN
会計業界ライターZEN
税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。

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