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経理のリモートワークは難しい?

経理はテレワークが難しいと言われる理由とは?解決方法はあるのか解説

2023/11/01

新型コロナウィルス感染症が5類になり、その影響は落ち着きつつありますが、この数年での社会全体の変化は大きく、働き方においても多様化が浸透しテレワークという働き方も一般的になりました。

特に転職を考えている人の中には、テレワークを実施している会社かどうかは重要な条件の1つとなっている人が増えたのは間違いないでしょう。

しかし、実際に求人を探してみると、経理のポジションでテレワークができる求人は想像よりも少ないと感じる人が多いのではないでしょうか。テレワークが普及し始めた頃から、経理業務はテレワークに向いていない、経理業務は出社しないとできないなどの意見が多く見受けられるようですが、それはなぜなのでしょうか。

この記事で、なぜ経理はテレワークの導入が難しいのか、その理由について解説します。また、解決するためのポイントやテレワークの実現に必要な準備についてお伝えします。

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経理はテレワークが難しいと言われる理由とは?

それでは、どんなも理由から経理はテレワークが難しいと言われているのでしょうか。

最大の要因「紙媒体」を無くせない

経理業務の特徴として「紙媒体」での業務量の多さがあります。経理担当者は、請求書や領収書などの書類を根拠に、取引先への支払いや入金される売上など、お金にまつわる情報を把握して会計システムで整理することが大半の仕事です。この「紙媒体」に関しては、自社で発行するものもあれば取引先から送付されるものとあります。請求書などが自社に紙ベースで郵送されるのであれば、担当者は出社してその現物を確認する必要があるのです。

つまり、自社の請求書などを電子化したとしても、取引先から「紙媒体」が送付されるのであれば状況は変わりません。これが、経理は完全にテレワーク化するのが難しいと言われる最大の要因です。

押印が必要なケースがまだある

2020年4月、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて政府が緊急事態宣言を発出しましたが、そのなかで書類に押印をするために出社する人が多く見られました。その背景には、社内規定や慣習により、決裁書類や経理に関連する書面への押印や自筆のサインなどが求められることがあり、そのために出社しなければならないという事情がありました。

社内のルールで前から決まっている、押印しないと失礼なのでは、取引先から押印を求められるから仕方ない、といった意識が根強い印象でした。このような押印にまつわるしがらみが残っているケースがまだまだあり、経理業務をテレワーク化する障害になっているようです。

セキュリティ面でのリスクを払拭できない

十分なセキュリティが担保されていない自宅や社外のネットワークを利用することで、リモートワークの環境を介して社内ネットワークにマルウェアが侵入するケースや、悪意のあるWEBサイトにアクセスすることでマルウェアなどのウィルス感染や情報漏洩といった事態に陥る危険性がテレワークにはあります。また、クラウドベースのツール活用により、会社の情報が外部からアクセスしやすい環境にさらされやすく、情報漏洩のリスクが高まると言えます。

経理もテレワークを導入するメリットは?

テレワーク導入のメリット

経理業務をテレワークにすることは難しいと言われていますが、実現できれば以下のようなメリットがあります。

経理職のライフワークバラランスの充実

まず、テレワークの目的のひとつである、ワークライフバランスが向上することがメリットとしてあげられます。通勤時間が無くなるため、その時間を家事や育児、その他の自分の時間として使うことができるのです。

デジタル化(ペーパーレス)などコスト削減

デジタル化を推進すれば、紙での管理がゆえに発生していたファイリングや廃棄作業が減り、印刷費用や紙ファイルの保管にかかるコストが削減されるメリットがあります。銀行・役所などへの届け出、税金関連の申告・納税など、外出が必要な業務も電子化することで移動時間や人件費の削減が見込まれ、効率的になります。

また、デジタル化を進める上での知っておくべき電子帳簿保存法について、更に詳しく知りたい場合は「経理業務のテレワークを実現する第一歩!電子帳簿保存法を知ろう!」の記事をご覧ください。

人材確保がしやすくなる

人材を募集するにあたり、時間や場所に縛られない採用活動が可能となり、より優秀な人材を獲得できることができるでしょう。すでに働いている人材でも、出産・育児、介護、配偶者の転勤や地方への転居などで通勤が難しいなど、やむを得ない事情が生じても、離職せずに勤務することができます。スキルをもつ人材が離れることなく働き続けられれば、会社にとっても新たな人材獲得に係るコストが抑えられるなど、メリットがあると言えるでしょう。

事業継続性が高まる

テレワークは働き方改革の側面だけではなく、まさに新型コロナウィルスのような感染症の流行といったパンデミックや自然災害などの緊急事態における会社や団体の事業継続計画(Business Continuity Planning,以後BCP)の施策としても有効です。BCPの観点から、ネットワークさえ接続できていれば緊急事態であっても従業員の安全を確保しながら社外の環境でも通常通りの業務を行うことができ、事業継続を止めないという点は非常に重要なポイントです。

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経理業務のテレワークを実現するために必要なこと

テレワークを実現するために必要なポイントを以下にあげます。どのポイントも、これまで当然だった仕組みや業務の流れをいかに効率的な手法に変えていくか、手法を変えても問題ないのだという意識改革が重要です。

ペーパーレス、デジタル化を徹底する

社内決裁をワークフローツールで行う、FAXをデータ変換するサービスを導入するなど、さまざまな紙での業務を見直しし、ペーパーレス化を推進する。

ハンコ文化を変革する

2020年6月に、内閣府・法務省・経済産業省が発表した「押印についてのQ&A」を参考に、これまでのハンコ文化を見直し、電子署名や電子認証サービスを活用する。

決済業務をデジタル化する

銀行はインターネットバンキングを利用するなど、オンライン上で決済業務が完結する仕組みを取り入れる。

テレワーク導入のポイント

実際にテレワークを導入する手順として、どのような準備を進めていくのでしょうか。以下のように整備するものはさまざまです。事前にポイントを押さえましょう。

PC環境のセキュリティ対策

自社でサーバーやネットワークを構築する方法もありますが、ICTの専門的な知識が必要でコストがかかります。そのため多くの会社がセキュリティも担保されたサーバーやデータベース、ネットワークなどをレンタル感覚で使用できるクラウドサービスという仕組みを利用します。またPCのウィルス感染防止に必要な知識や、正しいネットワークへの接続方法など、詳しくない人でも利用できるように研修やマニュアルなどで周知していくことも重要です。

業務をマニュアル化する

可能であればテレワーク化する前に、既存の業務を洗い出し、紙やハンコ、対面で行っていた業務に着目しながら業務フローを整理してマニュアル化します。それらをいかにデジタル化できるのかを踏まえて、新たに導入するツールの選定に役立てるのが理想的です。そして、そのマニュアルをテレワーク用に改訂し、誰でもどこからでも業務ができるように準備すれば、テレワーク後の勤務がスムーズになるでしょう。

コミュニケーションを補うツールを導入

社内共通のツールとして、メールやチャット、掲示板、スケジュール管理、WEB会議システムなど、紙上や対面で通常行っていたコミュニケーションをオンライン上でできる仕組みの導入が必要です。

デジタル化を推進するためのツールを導入

経理業務をデジタル化するツールであれば、クラウド型の会計システムや経費精算のワークフロー、請求書の発行ツール、インターネットバンキングなどがあります。無料で利用できるものから有料のもの、カスタマイズできるものなどさまざまです。自社の業務内容に合ったものを選定することがポイントです。

経理のテレワークを実現できれば恩恵も大きい

経理業務は請求書や経費精算など、他部署の従業員の業務にも関わるものです。それらがデジタル化され、紙やアナログな業務が削減されれば、会社全体の生産性の向上にもつながるのではないでしょうか。経理業務をテレワーク化することは会社にとっても恩恵が大きいものなのです。

まとめ

経理業務をテレワークで対応することによるメリットはとても大きいことは間違いありません。しかし、紙や印鑑といったアナログな業務をゼロにすることができないというケースもまだまだ散見されます。また、経理が扱う情報は個人情報を含め、機密情報も多いことから、セキュリティ対策は必須と言えるでしょう。

事前の準備は必要ですが、ペーパーレス化やデジタル化を進めることは会社全体としてのメリットも大きく、コスト削減、生産性の向上、業務効率化など、さまざまな効果が見込めます。まだ経理業務にアナログな面が多いと感じている会社であれば、経理はテレワークが難しいと思い込まずに検討してみるのはいかがでしょうか。

また、「テレワーク可」の条件に絞って転職を考えている人にとっては、このようなテレワークに関する事情を把握し、すでにテレワークの環境が整っている会社だけではなく、デジタル化やペーパーレス、DXを推進しているような会社に着目することも有効でしょう。働き方改革や業務効率化にも注力している兆しがあれば、今後、働きやすい環境に変化していく可能性があるはずです。

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投稿者情報

税理士副業ライターSOU
税理士副業ライターSOU
現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しています。会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。

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