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公認会計士の試験は全部で9科目!試験の流れと内容を詳しく紹介

2020/09/14

公認会計士は、数ある国家資格の中でも特に難関として知られる資格のひとつです。
資格を取得することで、会計の専門家として監査業務を独占的に行えるようになるうえに、研修を受けて税理士登録を行えば税理士業務も行えるようになります。

このように活躍の幅の広さが魅力的な公認会計士ですが、受験科目は全部で9科目もあり、資格を得るためにはその中から必須5科目・選択1科目の合計6科目を受けて難関試験に合格しなければなりません。
そこで、公認会計士試験の流れと受験科目の内容について解説します。

公認会計士試験は全部で9科目!合格までの道のりは?

公認会計士試験の試験科目には必須科目と選択科目があり、試験形式は短答式試験と論文式試験の2段階選抜という形になっています。受験資格はなく、誰でも受けることが可能です。受験者は主に経済学部系の大学生や資格専門学校で勉強された方が中心で、実務経験を積んだ会計事務所のスタッフを含めて30代以下がほとんどを占めます。

<Step1>
短答式試験で「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」の必須4科目に合格する

<Step2>
論文式試験で「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」「租税法」の必須5科目(※)と、「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の中から選択1科目に合格する

※論文式試験では「財務会計論」と「管理会計論」は「会計学」という1科目扱いのため、正式には4科目

試験は上の流れとなり、論文式試験は先に短答式試験に合格していないと受けることができません。短答式試験に合格した際は次からの短答式試験の受験が免除されますが、免除される期間は2年間だけです。例えば、令和2年度の試験で免除を受けた場合は令和3・4年の短答式試験の免除となり令和5年度は短答式試験から受けなおす必要があります。そのため、何年もかけてゆっくり受かればよいというわけにはいきません。

しかも、合格基準点は科目ごとに設けられているため、1科目でも基準点に満たないものがあると合格できないという厳しい面があります。
例えば、短答式試験に関しては総点数の70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率が合格基準点となります。ただし、1科目につき、その満点の40%に満たないものがある方は不合格となることがあります。
また、論文式試験に関しては得点比率の52%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率が合格基準点となります。しかし、1科目につき、その満点の40%に満たないものがある方は不合格となることがあります。

短文式試験と論文式試験で回答方法は異なっても、基本的に共通の科目の勉強内容は同じです。短答式試験は選択回答なので文章で回答する論文式試験より簡単なイメージがありますが、消去法でも回答できてしまうため細かい知識を問われる場合があります。
論文式試験では試験用参考法令基準集が配布され、文章での回答になります。基準集で条文を引くには記述箇所を覚えておく必要がありますが、試験時間が足りないので企業法以外は条文を引いている時間はないのが実際のところです。論文式試験の合格を果たすには、企業法以外は条文を理解した上で頭に入れておくぐらいの覚悟が必要になるでしょう。

試験科目数が多く、勉強しなければいけない範囲が広いうえに、どの科目もまんべんなく基準点を上回ることを要求される点が、公認会計士試験の難易度を上げています。

必須科目を詳しく紹介

公認会計士試験における必須科目は「財務会計論」「管理会計論」「監査論」「企業法」「租税法」の5科目です。

短答式試験では「財務会計論」「管理計算論」「監査論」「企業法」の4科目を受けます。
「財務会計論」と「管理会計論」は短答式試験においては別の科目として考えられており、「財務会計論」の配点は200点、「管理会計論」の配点は100点です。ちなみに、「監査論」の配点も100点、「企業法」の配点も100点です。

一方、論文式試験は「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」と選択科目の5科目を受けます。
論文式試験では「財務会計論」と「管理会計論」の2つを合わせて、「会計学」という配点が300点の1科目として扱われます。
その他、「監査論」の配点は100点、「企業法」の配点は100点、「租税法」の配点は100点、選択科目の配点が100点です。
「租税法」以外の必須科目は短答式・論文式両方に共通した試験科目ですが、「租税法」は論文式試験のみの試験科目です。

財務会計論
計算部分の「簿記」と理論部分の「財務諸表論」からなります。短答式試験は「財務会計論」として同じ時間に行われます。
簿記については時間内に正確に解くため反復練習が必要です。
財務諸表論については簿記でならう会計処理を理論的に説明したものです。合格には理解と暗記の両方が必要です。

管理会計論
管理会計論はいわゆる原価計算と予算実績差異分析などの狭義の管理会計からなります。財務会計論と同じく、計算だけでなく論述問題も出題されます。
やはり計算については時間内に正確に解くため反復練習が必要です。
論述問題に関しては頻出となる論点をしっかりと抑えられるかどうか、が大きなポイントです。

監査論
公認会計士の独占業務である監査に関する科目です。他の科目以上に得意な人と苦手な人が分かれる傾向があります。
得意な人は「なぜそのような監査制度になっているのか」「なぜそのような監査手続を行うのか」を監査基準や監査基準委員会報告書などに出てくる文章表現を使って説明できる人です。監査を行う際のイメージを膨らませることが重要です。

企業法
会社法・商法・金融証券取引法に関する試験科目です。
得意にするには「条文を理解し引けるようになること」と「趣旨を説明できるようになること」が必要です。
定義などの暗記も必要ですが、より重要なのは条文及び趣旨に対する理解です。

租税法
税金に関する科目です。法人税・消費税・所得税が主な試験範囲です。
やはり計算については時間内に正確に解くため反復練習が必要です。
論述問題に関してはある程度の暗記が必要です。

選択科目は「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4科目で、論文式試験の際に1科目だけ選んで受けることになります。そのため、受験科目は短答式試験4科目・論文式試験5科目の、のべ9科目という計算になります。
ただし短文式と論文式で共通の科目があるため、実質的な受験科目は必須科目5科目と選択科目1科目の計6科目になります。ですから、早めにどの科目を選択するかを決めておいたほうが効率よく学習できます。
一般的には短答式試験の1ヶ月ほど前までは選択科目や租税法の勉強も行います。

選択科目を詳しく紹介

先の段落で述べた通り、選択科目は「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の4科目です。選択科目が関係するのは論文式試験のみで、4科目の中から1科目を選んで受験することになります。それぞれの科目の特徴と学習のポイントは次の通りです。

経営学

受験者の約8割が選択していることもあり、基礎的な部分からの出題が多く、難易度としては他の選択科目よりは低めです。財務論の部分で数学的な知識が必要にはなりますが、あまり高度なことは問われません。分散や期待値の算出、一次関数の計算はできるようにしておいたほうがよいでしょう。

経済学

経済学は社会科科目だと思っている人も少なくないようですが、公認会計士の試験の選択科目では数学に近いものだと考えたほうが無難です。出題範囲が広く、微分に関する知識が必要になります。微分についてしっかり理解できていないと解けない問題も出てくるため、数学が不得意な場合はおすすめできません。また、経済学を得意とする人しか受験しないため、小さなミスが響きやすい科目でもあります。

民法

民法は条文が多く、適用範囲が広いため、覚えることが多く、学習に時間がかかります。法律科目に強い人にはおすすめですが、民法を得意としている人しか選ばない科目ということもあり、ちょっとしたミスが大きく響きやすい科目でもあります。ただ単に条文を覚えるのではなく、判例や適応例と共に条文を理解することが大事です。

統計学

勉強すべき範囲は少ないものの、計算内容は高度です。暗記するような項目が少ないため、一度得意科目にしてしまえば楽に対応できます。成功すれば他の受験生に差をつけやすい科目と言えますが、細かいミスをすると、致命傷になりやすい科目でもあります。

選択科目はどれを選択すればいい?

公認会計士の試験では、試験科目のうち選択できるのは1科目だけです。しかし、どの1科目を選ぶかが合格のカギを握っていると言っても過言ではありません。
なぜなら、選択科目4科目はそれぞれ必要とされる学習目安時間が大きく異なるからです。

勉強時間の目安は、経営学:200時間~、統計学:250時間~、民法:450時間~、経済学:400時間~ というイメージです。

そのため、実際の試験の際も4科目の中では学習目安時間の短い経営学を選ぶ受験生が最も多いという結果になっています。
経営学と同じく学習目安時間の短い統計学ですが、かなり専門性が高く計算の難易度も高いため、よほど得意な人以外は避けた方が無難です。
資格を取得した後さまざまな場面で活用できるという点でも、選択科目は経営学を選ぶのがおすすめです。

試験の免除で合格のハードルを下げられる?

税理士の有資格者であれば「租税法」の免除、税理士試験のうち簿記論と財務諸表論の科目合格者であれば短文式の「財務会計論」の免除など、短文式試験の合格以外にも一部・全部の試験免除制度は公認会計士試験にもあります。
とはいえ、条件は司法試験や税理士試験の合格者、博士の学位授与など取得が厳しいものとなっています。当てはまりそうであれば免除を受けると良いですが、免除を目当てに取得を狙うのは見送った方が良いでしょう。

まとめ

短答式試験は年に2回あり、どちらかに合格すれば毎年8月にある論文式試験に進むことができます。
短答式試験の免除期間は2年間であること、科目ごとに合格基準点があることなどを踏まえると、短答式試験の合格だけを考えて短答式試験の必須4科目だけしか勉強しないというわけにはいきません(※)。
同時進行で論文式試験のみの科目も対策を進めておくなど、しっかりとした学習計画を立てることが合格への近道です。

※論文式試験では細かい知識に関する丸暗記が不要になるため、短答式試験の免除があると勉強範囲が多少削減されます。これを利用して「選択肢を選べるように勉強する短答式試験」と「文章を書けるように勉強する論文式試験」を分けて合格を目指す方法も無くはありません。しかし、論文式試験を2年間の免除で合格する前提となるため短答式試験の合格だけを意図的に狙うよりも、試験結果が短答式試験の合格のみに留まってしまった場合の勉強法程度にしておいた方が良いでしょう。

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