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大学で税理士を目指す

大学から税理士を目指すには?大学や学部の選び方、合格までの戦略の立て方を解説!

税理士試験は難関国家試験に5科目合格しなくてはならず、更には実務経験も積まなくてはならないので、税理士資格取得するまでに何年もかかるというイメージがありませんか?

実際に税理士試験の科目合格制度を活用し、1科目ずつ数年かけて5科目合格を目指す方も多いと思います。1科目ごとに膨大な勉強量をクリアしなくてはならないので1年で5科目合格するという受験者はごくごく稀なケースであるといえるでしょう。

では、令和5年より受験資格も緩和されたということもあり、大学在学中に税理士試験合格することは可能なのでしょうか?

この記事では大学の学部選びから、税理士試験に合格するための戦略の立て方などを徹底解説します。

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税理士について

税理士の仕事内容

 税理士は、「税の専門家」と呼ばれます。申告や申請、税務調査の立ち会いや不服申し立てなどを代理して行う税務代理、税務書類の作成、税務相談などを行います。これらの税金にまつわる業務は、法律によって税理士だけが行うことができる「独占業務」とされています。

 税理士は、税理士事務所や税理士法人などで活躍している場合が多いでしょう。相手は個人、個人事業主や中小企業などが中心で、経営サポートや相続に関する相談、税務申告書や試算表の作成や決算業務など多岐にわたります。他にも成年後見人として高齢化社会に向けた支援や、国税審判官、監査人などさまざまな分野で活躍する人がいます。

税理士の適性と求められるスキル

 税理士になるためには、数年間にわたる試験勉強に耐え、低い合格率に立ち向かう「忍耐力」が必要です。また、会計業務や、税額の計算をする際に数字を「正確に素早く処理する能力」が必要になります。数学などの能力は特に必要なく、実際の細かい計算はパソコンが扱えれば問題ありませんが、ざっと財務諸表の数字を掴めることができれば、スムーズに仕事をこなすことができるでしょう。

 また、強い倫理観・正義感が必要です。理由としては社会的責任を担う税理士にとって、法令順守は非常に重要です。納税者をサポートする役割を負いますが、納税者の節税意識に応えようとするあまり、法律を遵守しないことがあってはなりません。

 加えて、コミュニケーション能力が高い人が向いているといえます。納税者の税務相談や悩みに柔軟にアドバイスを行い、寄り添うことの出来る人が好まれる職業です。

税理士の働き方、年収、将来性

 働き方により、年収や将来性は異なります。
 一般的に下記のような選択肢が考えられます。それぞれの働き方については後述します。

  1. 税理士法人で働く
  2. 税理士事務所で働く
  3. 独立開業
  4. 企業内税理士

 年収は、1.税理士法人で働く場合、BIG4と呼ばれる税理士法人に就職した場合には非常に年収が高く、1~4年目で6~700万円、4~12年目で7~1,200万円、パートナーとなれば数千万円の年収となるでしょう。

一般的なサラリーマンと言える2.税理士事務所で働く場合には一概に言えませんが、低くなる傾向があります。

税理士資格を取得し、経験を積んだ後に3.独立開業する人も多いでしょう。独立開業すると、収入大幅アップの可能性もあります。営業力などで差がつきます。

4.企業内税理士としては、勤務する企業によって年収は異なりますが、給与額に資格手当などが付与されることが考えられます。

 将来性に関しては、AI普及により会計処理や書類作成・申告などが簡単に行えるようになり、税理士は淘汰されるのではないかといわれていますし、また不景気などで中小企業が減少しているため、顧問先が減り、収入が減るのではないかともいわれています。

しかし、AI普及でただちに税理士の仕事がなくなることはないでしょう。個人や中小企業が相手の業務では人の力がまだまだ重要です。むしろ、AIを利用して業務を効率化させ、AIではできない経営戦略やビジネス戦略、専門知識を活かした高付加価値業務を行うことが将来性に繋がると考えられます。

大学での学び方と学科の選び方

税理士試験の受験資格を得られる学部を選ぶ

 令和5年度の試験より、会計科目の受験資格は撤廃されました。税法科目について、大学で社会科学に属する科目を履修すると受験資格が得られます。商学部、経営学部、経済学部、法学部への進学がおすすめです。学部による有利不利はありませんが、商学部や経営学部では税理士試験科目である会計学や財務会計、簿記が学べるため、試験内容に直結する授業が履修できます。

税理士に関する講座やコースがある大学

 税理士に関する講座やコースがある大学を選択するメリットは「税理士を目指す人が多い」ことでしょう。受験資格を得られる履修科目のカリキュラムを設定していることはもちろん、税理士に関する情報を得やすい環境で過ごせることはメリットです。

税理士の資格取得者が多い大学

 税理士の資格取得者が多い大学は、学ぶ環境が整っているといえます。実際には、税理士試験に合格できるかどうかは自分の努力次第ではありますが、上記と同様に、整った環境に身を置くことは大切です。

資格取得が単位になる大学

 税理士試験の一部科目合格をすると、単位として認める大学があります。例えば、香川大学や関西大学、東京経済大学、松山大学などでは、税理士試験簿記論の合格者は簿記論関連の授業の単位、財務諸表論の合格者は財務諸表論関連の授業の単位がもらえます。Webで大学サイトを検索し、大学選びの参考にしましょう。
 税理士を目指しながら大学の単位を取得できることは非常に魅力的です。

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在学中の資格取得と試験科目免除制度

大学での履修による受験資格取得

前述のとおり、会計科目の受験資格が撤廃され、税法科目について、学識、資格、職歴のいずれか1つの要件を満たせば受験資格を得られることになりました。

  • 学識:大学で社会科学に属する科目を1科目履修している者
  • 資格:日商簿記検定1級や司法試験、公認会計士短答式試験に合格した者
  • 職歴:銀行や法人等の会計に関する事務、税理士等の補助業務などに2年以上の従事をした者

 社会科学とは、法律学、経済学、社会学、政治学、行政学、政策学などが該当します。文系学部で受験資格を満たすのが近道ですが、日商簿記1級に合格することや、職歴を満たすことでも受験資格は得られます。受験資格のハードルが下がり、より早く税理士資格へのチャレンジが可能になったといえるでしょう。詳細は国税庁のサイトで確認することができます。

大学院における学位取得による試験科目免除制度

 大学院に進学し、執筆した修士論文を国税審議会に提出・認定されることで2科目が免除される制度があります。
 会計科目の免除には簿記論や財務諸表論といった会計科目等の研究、税法科目の免除には所得税法や法人税法などの税法に関する研究についての学位が必要です。一般的には商学研究科、法学研究科、経済学研究科が該当しますが、免除対象の講義が用意されているかどうかは確認が必要です。進学する場合には注意して検討しましょう。

税理士になるための戦略の立て方

文系学部から税理士になる方法

 前述のとおり、商学部や経営学部など税理士試験に直結する授業を履修するのがお勧めです。履修しても税理士試験に合格できる知識が身につくわけではありません。履修を通して考え方の素地を養い、専門学校などで試験合格を目指すと良いでしょう。

理系学部から税理士になる方法

 理系学部では、税理士という資格が身近ではないため目指す人は少ないでしょう。ただし、受験資格は社会科学を1科目履修すれば良いため、該当する科目が履修できれば受験資格をクリアできます。該当する科目がない場合には、日商簿記検定1級などに合格することで受験資格を得られます。

効率的な勉強法と専門学校の活用

 大学生のうちから税理士を目指す最大のメリットは「勉強時間の確保」でしょう。学部の合間時間を活用しながら、大学と並行して専門学校や予備校に通学するか、通信講座を受講するなどして、社会人の受験生よりも有利に試験対策を行うことができます。

独学での学習よりも専門学校や予備校、通信制講座などで体型だって学ぶことにより効率的に学習進めることが可能となりますので、学習プランは事前に検討しておくといいでしょう。

その点では、理系学部は実験や研究が忙しく、時間の確保が難しいかもしれません。時間を確保しやすい学部を選択することも一案です。

税理士を目指す学生のキャリアパス

税理士法人

 大手の税理士法人では、顧客企業のM&Aや国際税務など、規模の大きな実務経験を習得することができます。資産税に特化した部署、相続税に特化した部署など、身に付けたい業務に就くことで強みを作り、専門性の高い税理士を目指すことができます。大きな数字を扱うことにやりがいを感じるかもしれません。

会計事務所

 会計事務所では、主に個人事業主や中小企業の経営相談や会計・税務業務、個人の相続などの経験を積むことができます。地域密着型の事務所も多く、経営者と直接話せるのが魅力です。クライアントから信頼される喜びも感じられるでしょう。幅広い業務の経験は独立開業する場合にも役立ちます。

一般企業の経理職

 一般企業の経理職では、会計処理や決算書作成など、税理士試験で学習し、習得する知識を活かすことができます。税理士資格の取得はキャリアアップにも繋がり、収入アップも望めます。福利厚生などが充実した企業などを選べば、安定した生活を確保できます。

金融機関・コンサルティングファーム

 銀行やコンサルティングファームなどでも、税理士試験で取得した会計・税務の知識を活かすことができます。融資相手の経営状況の分析やコンサルティングを行ううえで大きな武器になるでしょう。融資やお金に関する深い知識を身に付けた税理士を目指すことが可能です。

税理士資格は早めに学習していくことが大切!

税理士試験は、2、3年でクリアできる人もいれば、10年以上かかる人もいます。できるだけ短期間で取得できるよう、早めに学習していくことがポイントになります。働きながら試験勉強をする社会人よりも、勉強時間を確保しやすい大学在学中にスタートすることがおすすめです。

また、合格科目は生涯有効(科目合格制度)ですから、早めに取得すると余裕をもって具体的なライフプランを組むことができます。1科目でも合格していると履歴書に記載できますので就職時にも有利です。
 どんな税理士になりたいのかを想像してライフプランを組んでみましょう。選択肢が多く、魅力的な職業です。

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投稿者情報

税理士副業ライターSOU
税理士副業ライターSOU
現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しています。会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。

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