
わかりやすく教えて!公認会計士になるにはどうすればいいの?
2021/08/13
取得することが非常に難しいことで有名な国家資格である公認会計士ですが、最難関試験に合格すればBIG4監査法人に就職することも十分可能です。また、公認会計士の資格を取得できれば、試験を請けることなく税理士の資格も取得することができる、非常に魅力ある資格でもあります。
では、公認会計士になるにはどのような手順が必要か、詳しく理解していますか?
公認会計士になるためには、まず短答式試験と呼ばれる公認会計士試験に合格し、次に論文式試験にも合格する必要があります。その試験に合格したら実務経験2年間を経て最低1年間補修所に通った後、修了試験に合格する必要があります。さらに修了試験に合格したら登録を受けてやっと公認会計士になれます。登録を受けるまでは公認会計士として仕事をすることはできません。そこで公認会計士になるための各ステップについて詳しくお伝えします。
☆まずは筆記試験をクリアしよう
公認会計士になるには最初の関門として公認会計士筆記試験に合格する必要があります。試験は短答式試験と論文式試験に分かれており短答式試験に合格した人は論文式試験に進むことができます。短答式試験はマークシート形式で試験科目は財務会計論と管理会計論、監査論そして企業法の4科目です。合格基準は70%とされていますが、各科目最低でも40%に達しないといけないことになっています。税理士試験のような科目合格制度はありませんので一発勝負となることが特徴です。
12月上旬と5月下旬に試験がありますので年2回の受験チャンスがあります。合格率は10%程度です。5%程度まで下がる場合もあれば15%になることもあります。また司法試験合格者は短答式試験が免除となっています。
論文式試験は筆記試験で試験科目は監査論と租税法、会計学そして企業法の必須4科目と経営学、経済学、民法、統計学から1科目選択で全5科目となっています。理解力や応用力が求められる試験であることが特徴です。合格率は短答式試験よりも高く70%前後になることが多い傾向です。筆記試験はまず短答式試験に合格することが公認会計士になるためのポイントといえるでしょう。短答式試験と論文式試験に合格すると日本公認会計士協会準会員として登録されます。(※1)
※1.【忙しい社会人向け 公認会計士の資格取得ガイド】公認会計士になるには

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☆2年間の業務補助経験が必須!
公認会計士筆記試験に合格しても公認会計士協会の準会員になれるだけですので正会員としての公認会計士にはなれません。筆記合格しただけの段階で「公認会計士」と名乗ると公認会計士法による処罰の対象となりますので注意しましょう。
公認会計士として登録を受けて仕事ができるようになるためには最低2年間の実務経験が必要となります。一般的には筆記試験を受ける前か合格後に監査法人などに就職し実際に公認会計士の補助として会計業務や監査業務に関する知識やノウハウを身につけることになります。
監査法人だけでなく一部の金融機関や保険会社などで仕事をしても実務経験年数にカウントされます。また一般の事業会社でも財務関連業務やコンサルティング会社での財務分析業務なども実務経験と認められる場合があります。監査法人以外の業務で実務経験を積む人も増えているといわれています。
どういった仕事が実務経験として認められるかについては公認会計士法施行令第2条に規定されています。実際に公認会計士として仕事を行うためには知識だけでなく実務的な能力が求められることが多い傾向です。公認会計士になろうと考えている場合は試験対策と合わせて実務経験をどのように積むかについてもしっかりと計画を立てておく必要があるでしょう。(※1)
☆公認会計士試験(修了考査)に挑戦する
公認会計士の筆記試験に合格し2年以上の実務経験を積んだら、いよいよ最後のステップになります。
最後のステップは補修所に通って修了するとともに公認会計士試験に合格することです。補修所とは公認会計士として仕事を行っていくにあたって必要になる業務知識やノウハウをマスターするための研修所です。原則は3年間通う必要がありますが、実務経験が2年以上ある場合は1年間に短縮できます。筆記試験を受けながら実務経験を積んでおけば、試験合格後最短1年でこのステップを終えることが可能です。
補修所では原則として270時間の講義と10回の考査やレポート提出があり、eラーニングによる自習も必要になりますので、それなりに時間はかかります。仕事をしながら補修所に通う場合は時間管理をうまく行うことが求められるでしょう。
補修所の過程を修了したらいよいよ最後の関門である公認会計士試験です。正式には「修了考査」といいますが、この試験に合格すると公認会計士正会員として登録を受ける準備が整うことになります。合格率は70%前後です。合格率は高く感じるかもしれませんが、筆記試験に合格し実務経験が2年以上ある人でも30%程度は合格できない試験ですので決してやさしい試験とはいえないでしょう。(※1)

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☆公認会計士になるには登録が必要!
独占業務がある他の資格と同様に公認会計士になるためには登録が必要です。公認会計士と名乗って仕事をする場合、公認会計士法第17条に日本公認会計士協会に備えられている名簿に登録を受けなければならないと定められています。公認会計士の修了考査に合格したら日本公認会計士協会に公認会計士開業登録申請書類を提出しましょう。
申請書類が受理されると公認会計士協会による審査が行われます。「申請書や添付書類に不備がないか」「資格登録を受ける要件を満たしているか」などが審査されます。審査の結果認められると名簿に登録されると同時に官報に公告され晴れて公認会計士となります。登録申請者には登録年月日と登録番号が通知されることになっています。申請に必要となる書類は「公認会計士試験合格証書」や「実務補修修了証書」「公認会計士開業登録申請書」「履歴書」さらには「登録免許税領収書」などがあります。2005年度までは現行の試験制度と違いますので公認会計士試験第3次試験合格証書が必要となります。詳細については公認会計士協会ホームページの公認会計士開業登録の手引きを参照することをおすすめします。(※2)
☆まとめ
公認会計士になるためには試験や実務経験、登録などいくつかのステップを踏む必要があります。まずは、必要な勉強時間が3000時間とも5000時間とも言われている短答式試験と論文式試験に合格することが最初のハードルになります。
特に「質」の難易度が高いとわれている超難関試験ですので、無計画に挑むのではなく、戦略をたてて効率的に勉強をすすめることが重要です。
ここがクリアできれば、あとは仕事をしながら実務経験を積むことで晴れて公認会計士になれる可能性がぐっと高まります。
会計業務や経理業務のスキルアップやキャリアアップを図りたいと考えている人でも、公認会計士になったら会計業務だけでなく監査業務などでも活躍することも可能になってきますので、将来のキャリアパスを見据えて資格取得を目指して下さい。

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