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科目合格者の年収の実態とは

年収と税理士試験での科目合格数は関連あるのか?

2023/11/02

正式な税理士となるためには、税理士試験で必修科目2科目、必修選択科目1科目、選択科目2科目の合計5科目に合格する必要があります。ただ、最難関試験と言われているだけあって、そこまでいくにはかなりの年月が必要となり、税理士になってから就職するというのでは社会人としてのスタートが大きく遅れてしまうことになってしまいます。

そのため、多くの人は何科目か合格した時点で税理士事務所などに就職し、残りは働きながら合格を目指すことになるのです。そこで気になるのが、税理士事務所に就職した場合の合格科目と年収の関係です。果たして合格科目の数は年収にどの程度影響するのでしょうか。その点について解説していきます。

☆科目合格なしでも採用されるが年収は低い

科目合格数は年収以前に採用の可否にも大きく関係してきます。会計業界に特化しているような専門的な求人サイトでは、求人情報の募集項目として科目合格が条件となっている求人も多いようです。合格科目の数が採用条件を満たしていないと、門前払いになってしまうところもあるのです。一方で、科目合格ゼロでも採用してくれる税理士事務所も存在します。その代わり、そういった事務所はかなり限定的になるため、さまざまな手段を使って根気よく探していく必要があります。

ちなみに、合格科目数や実務経験の有無を問わないケースが多いのは、新人育成に余裕のある中堅事務所や個人事務所などが大半です。逆に、常に忙しくて即戦力が求められる大手では、経験者を欲していて求職者のスキルレベルを判断するために税理士試験の科目合格しているかの判断基準にもされているケースが多いようです。

経験者を探している会計事務所には、科目合格なしからの就職・転職は困難だと思われます。ただ、学力やコミュニケーション能力が特に優れている場合は、大手でも採用されることもあります。また、合格科目数を問わない事務所であっても、職場環境に問題があり、離職率が高いために採用条件が緩いといったケースもあるので注意が必要です。

次に、採用された場合の年収ですが、合格科目がゼロでも簿記3級などを持っていれば300万円前後が相場だと言われています。これは一般の新入社員の年収と比較すると特に低い数字ではありません。しかし、税理士の資格を取得していると年収500万円以上も十分可能であるため、それと比べると大きな差があると言えるでしょう。(※1)

『※1【MS-JAPAN】未経験の税理士の場合、初年度の年収はどれくらいですか?

科目合格で資格手当は支給されるのか

☆科目合格で資格手当を支給する事務所は多い

税理士事務所などでは正式な税理士ではなくても、科目合格数の多い人材を高く評価する傾向があります。そのため、多くの事務所では合格科目が増えるごとに資格手当を支給しています。金額は事務所によっても異なりますが、1科目合格するごとに基本給に5000円~1万円をアップというところが多いようです。つまり、年収に換算すると6万円~12万円、5科目合格すれば30万円~60万円のアップという計算になります。これだけではそれほど大きなアップには思えないかもしれません。

しかし、合格科目を増やし、その知識を活かして実績を積んでいけば当然ベースの給料も上がってきます。その効果を加味すれば、科目合格によってかなりの額の年収アップが期待できることになります。例えば、ある調査によると、税理士試験を1科目のみ合格している者の平均年収が約370万円なのに対して、5科目合格者では平均年収は約514万円です。その差は144万円になるので、単純計算で1科目合格することに36万円年収がアップしたということになります。ちなみに、試験に5科目合格したからといってすぐに税理士になれるわけではありません。合格後に通算で2年以上の実務経験を経験し、税理士会に登録して初めて正式な税理士になれるわけです。したがって、科目合格の他に、税理士登録のタイミングも給料アップの大きなチャンスとなります。(※2)

『※2【MS-JAPAN】税理士試験科目合格数ごとの年収相場(2016年版)

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☆会計2科目プラス税法1科目から評価され始める

大手の税理士事務所では、3つ以上の科目合格を採用条件としているところが多く、たとえそうした条件を設けていないところでも、3科目以上合格していると就職が俄然有利になってきます。したがって、他業種で働きながら税理士を目指している場合は、3科目合格が税理士業界に転職するベストタイミングだと言えるでしょう。それに、早めにこの業界に入ってしまうと仕事が忙しくて受験勉強の時間が確保できなくなる可能性がありますし、5科目合格を待って歳を取りすぎてしまうと転職自体が難しくなってしまいます。

例えば、4科目合格なら普通はどの事務所からも引く手あまたのはずですが、そこに実務経験ゼロという要素が加わると採用を敬遠される可能性が高くなるのです。もちろん、まだ若ければ話は別ですが、ある程度年齢を重ねている者に対しては、採用者側も合格科目が4科目や5科目に達する前に実務経験を積んでいることを期待しているわけです。また、すでに税理士事務所に勤めている場合は、3科目以上合格すると給与が一気にアップする可能性が高くなります。そういう意味でも科目試験3科目合格は、ひとつのターニングポイントだと言えるでしょう。ただし、3科目なら何でも良いというわけではなく、できれば必修科目である会計2科目と、必修選択科目である税法1科目を先に合格しておきたいところです。
2科目以上であれば評価される

☆年収を上げるには勉強に理解のある事務所を選ぼう

税理士事務所に勤めながら税理士試験の受験勉強を行うのは大変です。しかし、だからといって5科目すべて合格するのを待っていたのでは年齢的に就職が難しくなる可能性が高くなります。そこで、重要になってくるのが事務所の選び方です。

当然のことながら、連日残業続きで休日出勤が当たり前のような職場では、落ち着いて受験勉強をすることはできないでしょう。このような事務所に就職してしまうと、たとえ入社前に3科目合格していても残りの2科目が何年たっても取れないなどといったことになりかねません。したがって、事務所を選ぶ際には、プライベートな時間がどれだけ取れるかをチェックしておくことが大切です。あるいは、残業が多くても繁忙期と閑散期がはっきりしている事務所を選ぶという手もあります。そうすれば、繁忙期は実務経験を積む期間だと割り切って、閑散期にまとめて受験勉強ができるからです。その場合は、閑散期が試験期間と重なる事務所を選ぶようにしましょう。また、受験勉強に対して協力的な事務所を選択することも大切です。例えば、試験が近づくと勤務時間を短くしてくれたり、特別休暇を与えてくれたりする事務所もあります。そういうところを選べば、試験勉強の計画も立てやすくなります。(※3)(※4)

『※3【税理士法人ベリーベスト】働きながら税理士を目指したい方へ
『※4【税理士業界就職応援メディア】会計事務所ってどういうポイントで選べばいいの?(未経験者向け)

税理士の年収の実態とは?20代・30代・40代の年齢別や働き方別に解説!

☆勉強時間と実務経験を積む時間のバランスが重要

合格科目が少ない間に税理士事務所に就職・転職すると、受験勉強が大変になってしまいます。しかし、5科目すべて合格してから就職するというのも、デメリットが多くてあまりおすすめできません。大切なのは、勉強時間の確保と実務経験の蓄積の兼ね合いです。一般的には、必修科目の2科目か、それに選択必修科目を加えた3科目合格の時点での就職がベストだとされていますが、それも諸条件によっても変わってきます。就職・転職を希望する職場の待遇や環境なども加味したうえで、ベストだと思うタイミンを探っていきましょう。
特に重要なのは、就職・転職をするための求人情報をどこで探すかということです。大手の総合的な求人サイトなどでは、税理士試験の勉強を許容してくれるような事務所かどうかは、求人情報を見てもわからない場合が多いでしょう。もし、希望の条件に沿った事務所を効率的に探そうと思っているのでしたら、会計業界に特化しているような専門求人サイト、または転職エージェントを利用することをおすすめいたします。専門サイトで条件にマッチした会計事務所を見つけ、税理士試験に合格することを目指しましょう。

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