公認会計士試験の突破に必要なこと!試験にまつわる基礎知識まとめ
2023/11/02
公認会計士の試験は国家試験の中でも特に合格率の低いものとして知られている難関試験です。
しかし、いくら難関とは言っても、毎年1000人以上の人が合格しています。やり方次第では受かる可能性が上がるのですから、受ける前からあきらめてしまう必要はありません。
公認会計士は特別な受験資格が要らない試験です。だれでも挑戦できるのですから、しっかり対策をしてチャレンジしてみましょう。
ここでは、公認会計士試験に関する基礎知識をご紹介します。
コンテンツ目次
公認会計士の試験について知りたいことは?
まずは、公認会計士試験を受験するためにどんな情報を欲しがっている人が多いのかを調べてみました。アンケート結果をランキング形式でご紹介します。
【質問】 | 公認会計士試験を受けると決めたらどんな情報を真っ先に知りたいですか? |
【回答数】 | 合格率:29 試験制度・内容:103 勉強方法:68 |
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20歳以上の男女
調査期間:2017年03月07日~2017年03月14日
有効回答数:200サンプル
「どんな試験なのかを知るところから」という人が過半数
今回のアンケートでは、公認会計士の試験制度や内容から知りたいという人が過半数を占めました。
- どのような仕事なのか、試験は何段階あってどのような勉強をしたらいいのか、資格が取れた後の就職はどうするのか…と段階を踏んで知りたいです。(40代/パート・アルバイト/女性)
- 制度や内容を知らなければ勉強方法もわからないと思うので。合格率は受けると決めたらあんまり気にしません。一桁パーセントだろうがコンマパーセントだろうが、自分がそこに入るかどうかが重要ですし。(30代/会社員/男性)
試験制度や内容を重視する人のコメントを見ると、試験の概要がわからなければ勉強の仕方も考えられないと考えている人が多いことがわかります。どんな試験なのかを知ったうえで、自分がチャレンジできるような試験かどうかを見極めたいという意見もありました。次に多かったのは勉強方法を選んだ人でした。
- 国会資格の中でも最難関の試験であるため、受験すると決めたら有効な勉強方法を知りたい。(30代/会社員/男性)
- 資格試験は対策がとても重要だから。傾向と対策をしっかり分析して学習しなければ、時間の無駄になるばかりか、ずれた学習をしても合格からほど遠くなってしまう。(40代/会社員/女性)
勉強方法を選んだ人は、受けると決めているのであれば、勉強方法を知ることが最も合格への近道だろうと考えている様子がうかがえます。限られた時間で効率よく勉強する方法を知りたいという声が多く聞かれました。
最後に、選んだ人が最も少なかった合格率についてのコメントです。
- 合格率によって勉強するかしないか決めたいと思っています。(40代/会社員/男性)
- 自分でなれるのか無謀な挑戦なのか見極めたいから(30代/パート・アルバイト/女性)
合格率を選んだ人のコメントを見ると、合格率を見て自分でもチャレンジできる試験かどうかを判断したいという内容が目立ちました。合格率が低かったら勉強すらしたくないという人も多いことから、資格を取りたいというよりも、取れるなら取ってみたいという感覚であることがうかがえます。
これらの結果から、公認会計士という資格をどれくらい理解しているか、どれくらい興味を持っているかによって最初に知りたい事柄が異なることがわかります。
このことを踏まえて、公認会計士試験についての詳細を見て行きましょう。
目指して求人を探すなら
「会計求人プラス」
公認会計士や税理士を目指すなら、実務経験を積みながら資格取得も目指せる事が理想です。会計業界に特化した求人サイト「会計求人プラス」ならそんな職場も探せます!
公認会計士の試験は合格率10%程度の狭き門……合格者の傾向は?
公認会計士試験の合格率は例年10%台と言う低さです。しかし、かつてはもっと合格率の低い試験でした。
では、問題が簡単になったということなのでしょうか?実はそうではありません。問題自体は難化しているにもかかわらず、合格率が上がって10%台になったのです。
平成23年の公認会計士の合格者数が約1,500人だったことを受けて金融庁が公表した「平成 24 年以降の合格者数のあり方について」という文書の中には「合格者数は抑制的に運用されることが望ましい」という文言がありました。合格者数と比較して、実際に公認会計士として活躍できている人が少ないのだから、もっと合格者の数が少なくした方がよいだろうという意味です。
この文書が公表されて以来出願者数は年々減り、平成23年は2万3,000人だった出願者数が平成26年以降は約1万人で落ち着いています。それに対して合格者数は、約1,500人から1,000人程度にまで減っただけで、平成26年以降は横ばいです。
公認会計士試験は厳しい受験資格がない国家試験のため、誰でも受けられる分だけ、かつてはあまり勉強できていなくても出願して、記念受験のような受け方をしている人がいました。しかし、金融庁の文書が公表され、問題が難しくなるとわかったころから、記念受験で済ますような人が減ってきたことが受験者数の減少、合格率の上昇に繋がっていると考えられます。
なお、合格者の傾向を見ると、大学や会計大学院に在学中の学生の割合が多く、合格者の半分以上を占めます。しかし、それは出願者数も学生が多いからで、出願者に占める合格者の割合で言うと、会計士補や会計事務所員など普段から会計の仕事に就いている人も学生に近い合格率を保っています。やはり、勉強時間を確保しやすい人や会計について学びやすい環境の人が有利なようです。
詳しくは、「公認会計士の試験は10%台の合格率!目指すべき点数は?」 をご参照ください。
公認会計士の試験は全9科目!選択科目が合格のカギ!
公認会計士の試験科目は科目数が多いということで、何から手を付けてよいかわからないという人がいます。しかし、公認会計士試験は短答式試験に合格してから、論文式試験を受験するという2段階選抜の形です。ですから、短答式試験で受験する科目から先に勉強する必要があります。
公認会計士の試験科目は、必須科目と選択科目に分かれていて、必須科目は「財務会計論」「管理計算論」「監査論」「企業法」「租税法」の5科目です。
必須科目のうち、短答式試験で受けなければならないのは、「財務会計論」「管理計算論」「監査論」「企業法」の4科目で、「租税法」は論文式試験のみの科目です。ですから、時間差で勉強を開始するのであれば、租税法は他の科目よりも後から始めてもよいということになるでしょう。
全部の必須科目が論文式試験では試験科目になりますが、「財務会計論」と「管理会計論」の範囲を合わせて「会計学」として出題されます。そのため、4科目というカウントの仕方になります。論文試験の5科目目は選択科目の中の1科目です。「経営学」「経済学」「民法」「統計学」の中から1つを選んで受けることになります。
つまり、公認会計士試験では選択の余地が少ない分だけ、どの科目を選んで受けるかが合格のカギを握ると言えます。
詳しくは、近日公開「公認会計士の試験は9科目!内容と学習方法をマスター」をご参照ください。
公認会計士の試験を独学で突破!どんな勉強法がいいの?
公認会計士の試験は合格率の低い難しい試験のため、独学で合格にこぎつけるのは難しいと言われています。しかし、絶対に合格できないのかと言うと、そうでもありません。実際に独学で合格している人もいます。
独学で公認会計士の試験に臨むにはそれ相応の覚悟が必要ですが、教材を吟味し、スケジュールの立て方やペース配分を工夫できれば無理というわけではありません。独学で公認会計士の試験を受けるメリットは費用を抑えられることと、自分のペースで勉強できるという点です。時間もお金もある人が独学で公認会計士を目指すのはおすすめできませんが、現実問題として、仕事や子育てなどが忙しくて、専門学校に通うような時間は作れないという人もいるはずです。そういう人が自分のペースで勉強をしてチャレンジをするというのであれば、独学もありということになります。
それ以外の選択肢がないという状態であれば、モチベーションが保てないなどと言う甘えもなくなります。独学でチャレンジするのは楽ではありませんが、厳しいことを覚悟したうえで臨むのであれば公認会計士を目指す方法として独学もあり得ます。
詳しくは、近日公開「公認会計士の試験を独学で合格するには?効率的な勉強法3ステップ!」をご参照ください。
知っておきたい公認会計士への道のり!試験の免除制度とは?
公認会計士の試験には様々な免除制度があります。
短答式試験と論文式試験の両方に免除制度があり、短答式試験では一部科目の免除と全科目の免除があります。
免除制度は、学歴や職歴により、公認会計士として十分な知識や能力があるとみなされる場合に認められる特例です。そのため、細かく条件が定められており、申請するためにはその条件に当てはまることを証明する書類を添付する必要があります。免除を受けるためには、願書を提出するときに証明書のコピーを添付する必要があるため、前もって申請して証明書を受け取っておく必要があります。申請してから審査に時間がかかる場合もあるため、免除を受ける場合には、できるだけ早く申請しておくようにしましょう。
申請は郵送とインターネットのいずれかで行います。詳しくは公認会計士・監査審査会のホームページで確認するようにしましょう。
詳しくは、近日公開「公認会計士の試験は免除制度で合格のチャンス?免除制度を徹底解説!」をご参照ください。
会計大学院なら試験が一部免除?合格率は上がるの?
会計大学院は会計のプロとして活躍できる人材を育てるために設けられた教育機関です。
大学の大学院という形で設置されていますが、一般の大学院のような研究指導や論文審査を中心にしたものではなく、もっと実務に即した内容になっているのが会計大学院の特徴です。しかし、予備校のように公認会計士試験の対策を中心とした内容でもないため、公認会計士試験に合格することだけを目的にすると、試験とは関係のない余分なことをする時間が多くもったいないと感じる人もいるようです。
そもそも、会計大学院は将来会計の実務を行うために必要な知識やノウハウを学ぶところですから、試験に受かった後まで見越して通うのに適した機関です。
会計大学院を修了すると、公認会計士試験では短答式試験の4教科のうち3教科までの免除を受けることが可能です。ただし、出願者数に対する合格率は会計大学院に在学中の受験者は約15%~18%と大学在学中の受験者とほぼ同じという状況ですから、会計大学院に通ったら特別高くなるというわけではありません。ですから、試験科目の免除目的や公認会計士試験に合格することだけを目的に通うのであればおすすめはできませんが、公認会計士になった後のことを考えると、社会人の入学が多い会計大学院に通うことは異業種交流や人脈形成が可能なため、重要な経験になると言えます。
詳しくは、近日公開「会計大学院に通うと試験が免除?会計大学院のメリットとデメリットまとめ」をご参照ください。
まとめ
公認会計士の試験は、合格率だけに注目すると、なかなか手を出しにくい難関試験に見えるかもしれません。
しかし、毎年確実に1000人以上は合格しています。会計のプロとして独占業務を任されるわけですから、それに見合った能力を持っている人だけしか合格できないようになっていることは重要です。
将来公認会計士として仕事をする上では、その難関試験を突破したということが信頼を得ることに繋がりますから、免除制度なども上手に活用して合格を目指しましょう。
目指して求人を探すなら
「会計求人プラス」
公認会計士や税理士を目指すなら、実務経験を積みながら資格取得も目指せる事が理想です。会計業界に特化した求人サイト「会計求人プラス」ならそんな職場も探せます!
投稿者情報
-
会計事務所や税理士事務所、一般企業の経理職など会計業界の求人情報が豊富な「会計求人プラス」を運営し、多くの求職者の方、会計事務所の採用ご担当者とお話をさせていただいています転職エージェントです。
異業種から会計業界へ転職を希望している方をはじめ、これから税理士や公認会計士を目指す未経験の方や、今までの税務・会計の知識・経験を活かして年収アップやスキルアップしたい方などを全力で支援しています。
その一環として、会計業界でお役に立つ情報をお届けするために10年以上記事を書いています。是非、会計業界で働く人が楽しく、知識を得られるような情報をお伝えできればと思います。
最新の投稿
- 士業2024.10.17不動産鑑定士試験の難易度はどのくらい?難しすぎると言われる理由を解説
- 経理の資格2024.09.12日商簿記2級は意味のない資格?やめとけという意見が多い理由とは
- 士業2024.09.09不動産鑑定士の平均年収の現実とは?男女別、年代別、働き方で変わるのか解説
- 税理士2024.09.04日商簿記1級合格の難易度や合格率は?取得方法や独学でも取得できるのか