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税理士になる前には知っておくべき基本知識

登録方法は?実務経験は?税理士になるために知る必要がある基本知識とは

2023/11/02

税理士は、主に税務に関わる業務を担う税金のプロフェッショナルです。(※1)中でも、税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つの業務に関しては、税理士が独占的に行うこととされています。(※2)独占的な業務があり、比較的安定したニーズがある税理士は、法人や事務所に所属して働く方法のみならず、独立することも可能となっている仕事です。ただし、実際に税理士として活躍するためには税理士資格を取得するだけではなく、定められた手続きを行うことも必要となります。

手続きでは税理士登録を行うことが必須となっていますが、税理士試験の合格者と税理士試験の免除者に限っては、その登録の際に実務経験を明示することも求められているのです。そこで、税理士として働く前に把握しておきたい税理士登録の具体的な方法や必要となる費用、登録を行うにあたり認められる実務経験の内容などについて詳しくご案内します。

※1.【日本税理士会連合会】税理士とは

※2.【LEC東京リーガルマインド】税理士の仕事

☆具体的な方法とは?税理士登録の流れとは

税理士登録の具体的な流れとは

税理士の資格取得後、ただ専門知識を活かした業務を行うだけであれば、特に手続きを行うことは必要ありません。しかし、実際に税理士として働くためには税理士登録の手続きを行い、税理士名簿に登録してもらうことが必須となります。(※3)税理士登録の具体的な手続きとして行うべきことは主に2つです。1つが登録書類の提出、もう1つが登録に関わる費用の納付となっています。

手続きの流れとしては、まず、日本税理士会連合会が定めている税理士登録申請書に必要事項を記載します。そして、所定の書類を添付し登録申請書と合わせて、日本税理士会連合会に提出するのです。ただし、これらの書類の実際の提出先となるのは登録を受けようとする税理士事務所または税理士法人の所属事務所を管轄する税理士会となっています。

日本税理士会連合会への提出書類となっているからといって、日本税理士会連合会の拠点となる事務所に直接提出しに行かないように注意しましょう。登録申請書類などが提出されると、税理士会から申請書の副本が管轄する税務署長や都道府県長、市区町村長宛に送付されます。そして、正本は税理士会の各支部などに送り届けられるのです。税理士会の各支部では受理した書類に基づいて登録調査を行います。登録調査には面接調査も行われますが、この面接調査を行うのは各税理士会の支部ではなく税理士会の登録調査委員会です。税理士会での登録調査の結果、登録に適しているとみなされると、次に日本税理士会連合会による調査と審査があらためて行われます。(※4)審査で税理士の資格を取得していることが確認でき、特に登録を拒否しなければならない事由がない限りは、登録は認可されます。(※5)

※3.【日本税理士会連合会】登録の流れ・手数料

※4.【日本税理士会連合会】「税理士登録・開業の手引」(平成27年4月1日改訂)

※5.【南九州税理士会】税理士になるためには?

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☆具体的な内容は?税理士の実務経験とは

税理士になる4つの手段

税理士になるための方法には4つの手段があります。1つ目が税理士試験に合格することす。そして、2つ目が税理士試験の免除を受けることとなっています。さらに、3つ目が弁護士の資格を取得していること、4つ目が公認会計士の資格を取得していることです。(※6)そして、これらの4つの方法のうち、税理士試験の合格者と税理士試験の免除者については、税理士登録にあたり実務経験を持っていることが求められています。実務経験とは租税または会計に関する事務のうち所定の業務に従事した経験です。通算して2年以上あることが必要となります。具体的に紹介すると租税に関する事務とは、税務官公署での事務、その他の官公署や会社などでの税務事務のことです。

会計に関する事務とは

また、会計に関する事務とは貸借対照表勘定と損益勘定を利用し、会計についての計算などを行う事務のことです。たとえば、簿記で原則に基づいた取引仕訳を行ったり、仕訳帳等から各勘定に転記したり、決算手続きに関する事務を行ったりといった簿記会計に知識を要する業務が該当しています。ただし、特別な判断が必要ではない機械的な事務は会計に関する事務として認められず、実務経験として認められないため、注意しましょう。

機会的な事務とは

機械的な事務とは、簿記会計の知識を持っていない人でもできるような事務をいいます。電子計算機を使って入出力を行うような単純な事務は機械的な事務として扱われ、実務経験には含まれません。(※4)なお、これらの実務経験を行っていた期間は、税理士試験に合格した時や試験科目が全て免除されることが決定した時の前でも後でも構わないとされています。(※5)

※4.【日本税理士会連合会】「税理士登録・開業の手引」(平成27年4月1日改訂)

※5.【南九州税理士会】税理士になるためには?

※6.【日本税理士会連合会】税理士の資格取得

☆事前にチェック!税理士の登録書類の種類と注意点

税理士の登録書類の種類とは

提出書類には複数の種類があるため、提出漏れや記載間違いがないように事前にしっかりと確認しておくことが大切です。登録申請をする、すべての人が準備すべき書類として、まず、税理士試験合格証書のコピーといった取得している資格を証明するための書面が必要となります。既定のルールに沿って業務を行うことなどを約束する誓約書も提出すべき書類です。誓約書は日本税理士会連合会や税理士会の所定の様式を使うことが決まりとなっています。さらに、登録申請書については正本が1通、副本が3通、税理士会の控え用に1通と、合計5通を準備しておかなければいけません。(※5)副本と税理士会の控え用は正本のコピーでも問題ありませんが、必ず、正本の原寸大で文字がはっきりとわかるような状態にして両面コピーすることが条件です。

申請書の裏面には忘れずに登録申請料の領収書を貼りつけておきましょう。また、税理士証票への貼り付け分も含めて3葉の写真も用意しておくことも忘れないようにしましょう。申請書とともに本籍地の市区町村が発行した身分証明書のほか、戸籍抄本か個人事項証明書を1通、世帯全体の記載がある住民票の写し1通の提出も要します。加えて、申請者が成年被後見人や被保佐人、被補助人として登録されていないことを証明する証明書も必須です。登録されていないことの証明書は全国の法務局や地方法務局の本局にある戸籍課窓口で発行してもらうことが可能となっています。なお、役所などで発行してもらう書類については提出日前3カ月以内に発行されたものでなければいけないという規定があるため、注意するようにしましょう。

そして、これらの書類と併せて履歴書の提出も求められていますが、履歴書は日本税理士会連合会所定の様式のものを使用しなければいけないことに留意が必要です。「賞罰・免許・資格」の欄には税理士となる資格についての記載が必ず必要となるため、書き漏れがないように気を付けておかなければいけません。この他にも、適正な申告納税を行っているかの確認のため、直近2年分の確定申告書のコピーか住民税の(非)課税(所得)証明書といったものもすべての人が提出すべき書類として挙げられています。(※4)ただし、申請者個々の条件や税理士会によっては、これら以外にも提出する書面が求められたり、書面の部数が異なっていたりする場合もあるため、自分は何の書類を何部提出しなければいけないのか、あらかじめ確認しておくと安心です。(※7)

※4.【日本税理士会連合会】「税理士登録・開業の手引」(平成27年4月1日改訂)

※5.【南九州税理士会】税理士になるためには?

※7.【日本税理士会連合会】登録に必要な提出書類等

☆いくら必要?税理士登録をするための費用

税理士としての登録にかかる具体的な費用として挙げられるのが、まず、登録手数料と登録免許税です。登録手数料の納付を行うことは日本税理士会連合会会則により定められていて、登録の際に行うことが必要となっています。(※3)納付方法は各税理士会が指定する方法で行うこととし、たとえば、現金支払いや郵便振り込みといった方法です。登録免許税においては、登録申請の書類提出の際に領収書のみが求められます。このため、事前に国税収納機関の窓口で品川税務署宛に振り込み手続きを行っておかなければいけません。

国税収納機関とは日本銀行や郵便局、国税の収納を行っている代理店である銀行をさします。さらに、税理士登録を行うためには、各税理士会に対して納付する費用も必要です。税理士会に入会するための入会金や、会館建設費といった会が求める特別会費といったものもかかります。(※4)

このほかにも登録の際に受ける研修の受講料や申請にかかる手数料などを含めると、おおよそ20万円ほどが登録にかかる費用です。(※8)ただし、所属する税理士会の規模によって登録費用の詳細な金額は違うため、確認しておくことが必要となります。(※9)

※3.【日本税理士会連合会】登録の流れ・手数料

※4.【日本税理士会連合会】「税理士登録・開業の手引」(平成27年4月1日改訂)

※8.【公認会計士ナビ】税理士登録ってどうやるの?会計士が税理士登録するまでのリアルな手順を公開!

※9.【税理士通勤講座】税理士の資格維持にかかる費用は?

☆どんな道がある?税理士のさまざまなキャリアプラン

所属税理士と開業税理士という選択について

専門性の高い税理士の仕事をする上で将来のキャリアをしっかりと構築していきたいと考えることもあるでしょう。税理士には法人や事務所で1社員として働いたり、所属税理士となったりする働き方と、独立して自ら事務所を立ち上げる開業税理士としての働き方とがあります。(※8)

開業税理士として働く場合には、自分の得意とする業務に力を入れた実務経験を積んでいくことが可能となります。対して、社員や所属税理士として法人や事務所に勤務する場合には、一般企業のほか、たとえば会計事務所や金融機関、コンサルティングファームといったところが主な勤務先です。

一般企業であれば、税務だけではなく、専門事務所と比べて幅広い業務を経験することができます。そして、会計事務所の場合、大手の税理士法人に勤務すれば、国際的な仕事や大きな案件にも携わることが可能です。テクニカルな仕事やレベルの高い仕事が求められる分、収入の高さも比例する傾向にあります。

逆に規模の小さい個人の会計事務所であれば主に中小零細企業や中堅規模の企業、あるいは大きければ上場企業をクライアントとしているケースがほとんどです。大手の事務所と比べると仕事の規模が小さい分、クライアントにとって、より身近な存在となる税理士としての業務を経験することができるようになります。金融機関であれば、顧客へのアドバイザー的な役割を担うケースと、金融機関内での会計税務に関わる専門チームに配属されるケースとがあります。

そして、コンサルティングファームでキャリアを積む場合には、税務業務とともにコンサルティング業務の経験を積むことが可能であるという点が特徴です。ただし、コンサルティングファームごとに専門とするフィールドに違いがあり、経験できる内容は異なってきます。たとえば、M&Aや株式公開の支援、企業再生に関わる業務の経験を積みたい場合には、会計系のコンサルティングファームがおすすめです。会計系のコンサルティングファームは、税理士法人などが経営していることもあるため、これらの業務を経験できる機会が多くなる傾向にあるからです。(※10)

※8.【公認会計士ナビ】税理士登録ってどうやるの?会計士が税理士登録するまでのリアルな手順を公開!

※10.【カイケイ・ファン】税理士のキャリアパス

☆まとめ

独占的な業務も担う税理士は、社会的役割の大きい仕事です。税理士が活躍する場は、大小ある税理士事務所のみならず、一般企業や金融機関、コンサルティングファームなど幅広くなっています。ただし、実際に税理士として活躍するためには、税理士登録を行うことが必須です。正しく税理士登録を行うためにも、登録の流れをしっかりと把握しておくようにしましょう。また、登録に必要な書類や費用の準備も事前に確認しておくと安心です。

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