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公認会計士と税理士はどちらがおすすめ?

目指すべき資格はどっち?税理士と会計士の違いを解説

2023/12/29

「公認会計士」と一般の人が混同しやすい職業に「税理士」があります。どちらもお金に関わる仕事をする士業という点が共通していますし、実際に公認会計士と税理士両方の肩書きで仕事をしている人も大勢いるからです。しかし、公認会計士と税理士はそれぞれ公認会計士法、税理士法という異なる法律によって規定されている国家資格です。

また、どちらも超難関国家試験としても有名で、「質」の難易度が高い公認会計士試験、「量」の難易度が高い税理士試験といわれています。同じ会計業界の仕事ではありますが、似ているようでまったく異なる2つの国家資格のどちらを目指すか決めてしまう前に、その違いについて知っておきましょう。

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公認会計士と税理士の独占業務(メイン業務)の違い

公認会計士と税理士では、メイン業務(独占業務)が異なります。

公認会計士の独占業務は「財務諸表監査」です。一方の税理士は、「税務書類の作成」「税務代理」「税務相談」が独占業務に当たります。
ここからは、公認会計士と税理士の業務内容について詳しくご紹介しましょう。

公認会計士の独占業務

公認会計士の独占業務は「会計監査」であり、その中心となる業務は会計監査と財務に関するコンサルティング業務です。財務諸表の監査とは、各企業が作成した財務諸表が正しく作られているのかを、第三者である公認会計士が監査することを指します。公認会計士が確認することで、財務諸表の信頼性が保証されます。

公認会計士は、大手監査法人に勤めて多くの経験を積み、人脈を広げて独立開業するケースがみられます。単独では受注しにくい会計監査の仕事だけではなく、税務を行えるよう税理士資格も取得して独立開業をすることもできます。

税理士の独占業務

税理士の独占業務は税務代理・税務書類の作成・税務相談が主な業務です。税金の専門家として、税に関する業務全般を中立的な立場で行います。税金の申告書類は企業で作成することもできますが、複雑でわかりにくいため、多くの企業が税理士との顧問契約を結びます。年末調整や確定申告、決算書などで必要な税務書類を代理で作成することができるのは、税理士だけです。

税理士の多くは、税理士事務所・税理士法人で税務業務を中心に仕事をするのが基本です。中には、多数の企業の税務・会計を見ている経験から、コンサルティング事業を展開する事務所もあります。法人向けとしては、資金調達などのような企業経営のサポート業務も行っています。

税理士の独占業務は、税務相談や税務書類提出の代行など、企業・個人のどちらにも発生する業務です。それにより、税理士業務の対象となる顧客の範囲が広くなります。そのため、独立開業して事務所を開く税理士が多くみられます。

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就職先・働き方・年収の違い

公認会計士と税理士には、就職先・働き方・収入などにも違いがあります。収入に関しては比較することが難しい部分もありますが、それぞれの特徴を紹介します。

公認会計士の働き方

公認会計士は、主に監査法人で働くことが一般的です。

大企業の監査業務などの大規模な監査が多いため、1人で完結するような業務は少ないでしょう。チームを組んで業務に取り組むことがほとんどです。監査法人という企業に、社員として働いている人が多いのです。

公認会計士試験に合格した人の約9割が、監査法人へ就職するといわれています。大手の監査法人は4社あり、国内の上場企業の監査業務シェアの8割を占めています。勤務地は、東京や大阪などの大都市が中心です。大都市には大企業が集中していることが、その理由の1つです。

税理士の働き方

税理士の働き方は公認会計士とは異なり、いくつかのパターンがあります。税理士事務所・税理士法人に所属するケースや独立して開業するケースも多くなっています。街中で「〇〇税理士事務所」という看板を目にしたことがある人も多いでしょう。税理士法人や個人事務所で勤務しながら実務を学び、試験に合格した後に独立開業する人が多いためです。

税理士にも大手の税理士法人がありますが、全体の1割程度です。税理士の就業エリアは大都市に多い傾向がありますが、全国に幅広く存在しています。

税理士は企業の会計業務のサポートや税務の代行によって、企業へのアドバイスも行います。

年収の違い

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、公認会計士・税理士ともに統合されているため、さほど開きはありません。しかし、一般的には公認会計士のほうが収入は高いといわれています。監査法人に就職する公認会計士と比べると、税理士は小規模・零細の事務所が多く、それにともない収入にもばらつきが出る傾向にあるからです。公認会計士・税理士ともに大手監査法人や大手税理士法人のマネージャークラスになると、高収入が期待できるでしょう。

公認会計士は、4大監査法人に勤務した場合で1,000万円から1,200万円といわれています。4大監査法人以外の監査法人でも、年収は1,000万円前後と高収入です。
公認会計士が大手の税理士事務所に勤務した場合の年収は800万円前後でしょう。税理士が中堅の税理士法人に勤務した場合は600万円程度が相場です。大手の税理士事務所と比較すると低くなります。税理士は独立開業する事が多く、独立すると収入は青天井になります。

公認会計士・税理士ともに高い英語力を身に着け、国際税務やIFRSなど対応業務の幅を広げることも、収入アップの一手段です。

また、税理士の年収について、更に詳しく知りたい場合は「税理士の年収は高い?20代〜50代の年代や働き方による違いを解説!」の記事をご覧ください。

公認会計士の年収について、更に詳しく知りたい場合は「公認会計士の年収はどれくらい?年代・勤務先別の違いまで徹底解説!」の記事をご覧ください。

公認会計士と税理士はクライアントが異なる

公認会計士と税理士は、クライアントにも違いがあります。具体的に、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、それぞれのクライアントについてご紹介します。

公認会計士のメインクライアントは「大手企業」

公認会計士は、財務諸表が正しく作られているのかの確認を行います。そのため、監査の対象となるのは主に上場企業や大規模な会社です。小規模な会社や個人商店などには財務諸表作成の義務はないため、公認会計士のクライアントになることはほとんどありません。例えば、最終事業年度の貸借対照表に資本金として5億円以上を計上した企業などが当てはまります。または、貸借対照表の負債額が200億円以上の株式会社も監査が義務となっています。

公認会計士はクライアントに寄るというよりも、中立な立場での活躍となります。

税理士のメインクライアントは「中小企業」

税理士のクライアントは大企業から個人まで幅が広いため、公認会計士のクライアントよりも多くなっています。税理士の仕事は、税に関する業務全般であることから、企業の大きさを問わず申告の義務があります。所得税や相続税も申告義務があるため、個人もクライアントです。そのため、公認会計士と税理士のクライアントの数を比較すると、圧倒的に税理士のほうが多いです。

税理士は、企業と一緒に経営と向き合うパートナーとして活躍する立場です。

資格取得条件の違い

公認会計士資格・税理士資格は、ともに国家資格であり、それぞれの試験に合格する必要があります。どちらも実務経験を積んだ上で登録を行うことができます。そのため、試験合格の前後に補助業務などといった実務経験を積むことが条件になっています。公認会計士、税理士の資格を取るための条件をそれぞれご紹介します。

公認会計士になる方法

合格制度 一括合格制
受験資格 なし
実務経験 2年+実務補修3年
受験者の中心層 20代
主な受験スタイル 勉強に専念しながら受験

公認会計士になるためには、短答式と論文式の2段階試験に合格したうえで、実務経験2年と実務補修3年を満たす必要があります。受験資格が設けられていないため、資格試験自体は誰でも挑戦することができます。一定の期間にまとまった勉強時間を要するため、大学生や時間にゆとりがある20代の受験者が多くなっています。

公認会計士になる方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。
公認会計士になるまでに必要なことは?試験から登録の流れ、就職先までを解説します

税理士になる方法

合格制度 科目合格制
受験資格 あり
実務経験 2年以上
受験者の中心層 40代
主な受験スタイル 仕事をしながら1~2科目を受験

税理士試験は1科目ずつ受験できるため、仕事をしながら資格取得を目指す人が多いでしょう。受験者の中心層が40代と、少し高めなのがポイントです。税理士になるためには長い時間をかける必要があります。

税理士になる方法は、以下の記事で詳しく紹介していますのでチェックしてみてください。
税理士になる方法とは?資格取得までの道のりを徹底解説

試験内容の違い

税理士も公認会計士も国家資格であり、どちらも「難易度が高い」という共通点があります。試験の内容には大きく違いがあります。それぞれの試験内容について、詳しくご紹介します。

公認会計士の試験内容

公認会計士試験では、広範囲で一定以上の知識を要求されます。選択科目も少ないため、苦手分野を避けることは難しいでしょう。受験する科目ごとに、高い知識が要求されます。

試験の内容は、大企業の会計制度や製造業の工業簿記・原価計算などの学習が必要です。試験範囲は広く9科目の学習をしなければなりません。公認会計士試験では合格点だけでなく、不合格点も設けられています。1科目でも不合格点があれば、他の科目が合格点に達していても不合格になってしまいます。なるべく苦手な科目をなくすように勉強しましょう。

税理士の試験内容

税理士の試験は、税に関する「租税法」についての学習が必須です。受験科目の選択が可能ですが、1つの科目ごとに非常に高い知識を要求されます。法律の暗記をしなければならいため、合格するには多くの時間が必要でしよう。暗記が得意な人に適しています。合格点が設けられており、合格点を超えた人の中から上位の人が合格するという方法がとられています。ただ単に合格点に達していれば良いというわけではありませんので、ご注意ください。

会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の必須科目の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必須。)の3科目の合計5科目に合格しなくてはなりません。
試験の違いについては以下の記事に詳しく紹介しています。
税理士試験と公認会計士試験の難易度の違いとは?必要な勉強時間はどれくらい?

どちらを選ぶべきか迷ったら

公認会計士と税理士は、どちらも国家資格で「難易度が高い」「合格率が低い」という共通点があります。これから資格取得を目指す場合は、自分はいったいどちらを選ぶべきなのでしょうか。ここでは、それぞれの資格に向いている人について解説します。

公認会計士に向いている人

公認会計士は、中立の立場で監査業務を行う必要があります。一定の厳格さが求められるので、責任感があり感情に流されず指摘できる強さのある人に向いています。
また組織で行うことが多いため、チームで仕事をしたい人や、コミュニケーション能力が高い人も適しているといえるでしょう。

受験環境としては、十分に勉強時間が取れる大学生も向いています。公認会計士に合格するためには、4,000時間程度の学習時間が必要といわれています。勉強が好きで継続して試験勉強に取り組むことができる人に向いているでしょう。集中して合格を目指したい人も、ぜひ公認会計士に挑戦すると良いでしょう。

税理士に向いている人

税理士の主なクライアントは、中小企業や個人です。「企業の成長をサポートしたい」という人や、企業に寄り添うスタイルが好きな人に向いています。人とのコミュニケーションを得意とする人は、能力を十分に発揮できるでしょう。
学習のスタイルは、働きながら資格取得を目指す人に適しています。短期集中型というよりも長期間にわたり、ゆっくり時間をかけて資格を取りたいという人は、税理士が良いでしょう。

税理士法人などで実務経験を積んだ後、独立開業して事務所を開く税理士も多くいます。独立したい人にも税理士が向いているといえるでしょう。

働きながら資格取得ができるのはどちら?

公認会計士と税理士のどちらも難関試験だが、税理士試験は科目合格制度があるため、働きながら資格取得を目指しやすいという特徴があります。
逆に公認会計士試験は一度で合格を目指す必要があるため、試験勉強に時間をかけることができる学生時代に目指す人が多いのです。

税理士は働きながら1科目ずつ合格を目指すため、税理士登録をできるようになる年齢が高めの傾向があります。

キャリアプランに合った資格を目指そう

税理士と公認会計士は、一見すると似ていますが仕事内容も資格取得方法も異なります。

公認会計士は監査業務のエキスパート、税理士は税務のエキスパートです。公認会計士は税理士試験の免除がありますが、公認会計士が税理士の上位互換というわけではありません。どちらも難易度の高い国家資格の1つであり、強い意志を持って試験勉強に臨まなければなりません。また、実務をするためには、資格の取得だけでなく知識と経験が必要不可欠です。

対象となるクライアントの規模や業務上の立場・役割も違うため、事前にキャリアプランを計画したうえで目指す資格を選択することをおすすめします。

どちらも性質が違いますが、お金にまつわる士業の資格としてやりがいのある仕事ですので、苦労して目指すだけの価値はあるかと思います。
目指す前に事前調査を怠らず、どちらを目指すかを決めてみてはいかがでしょう。

晴れて難関試験に合格した際には、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。
苦労して合格したのですから、これまでのスキルや経験も加味して最大限活かした転職先を見つけたいものですよね。
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