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税理士が経営コンサルタントをする意味とは

経営コンサルタントを行う税理士が増えている!理由と目指す方法

2024/11/20

社会保険労務士、税理士・公認会計士、司法書士、弁護士などの「士業」の有資格者はそれぞれ高い専門性を持ちながら独占業務が存在するため、かつては各業種の業務範囲がはっきりと区別されていました。しかし最近では資格者の増加や競争の激化により、業務の境界が曖昧になり、それぞれの業務が交差する部分で競合が発生しています。特に経営コンサルティングがその代表的な例です。

今後も選ばれる税理士になるためには、経営コンサルティングの視点が求められます。

そこでこの記事では税理士による経営コンサルタント業務について特集し解説します。

経営コンサルタントを行う税理士が増えている

日本全国の経済が成長期にあった時代には、税理士事務所を開業するだけで、営業活動をしなくてもクライアントを獲得できる状況でした。しかし現在では中小企業の数が少なくなり税理士へのニーズも減少しており、最近では実務における顧問契約の解約や顧問料の単価低下に悩む税理士事務所が増えています。

さらにクラウド会計の普及に伴い、従来の帳簿記帳代行を中心とした税理士事務所は今後、会計の自動化により業務縮小のリスクに直面する可能性があります。

これからは、会計ソフトなどのテクノロジーを活用しながら競争に勝ち抜き、明確に付加価値を提供できる税理士であることが大切です。その付加価値を提供するためには税務にとどまらず、経営に対するアドバイスを含めたコンサルティング業務を行うことが基本的には選択肢の中心となるでしょう。

もともと経営コンサルティングを行う税理士は存在していましたが、近年ではこの分野がさらに重視されています。

会計ソフトの高度化や経費削減を目的に、自社で会計を処理できるよう改善している企業が増えており、税務に加えて、付加価値の提供に需要があり、不可欠となっています。

税理士が経営コンサルティングを行うメリット

税理士が経営コンサルティング業務を提供することには、以下のようなメリットがあります。

まず税理士は日常的にクライアント企業の経営状況を把握し、信頼関係を築いているため、経営課題に関するアドバイスを行いやすい立場にあります。もし税理士が経営コンサルティングの知識を持っていれば、クライアントが経営上の課題に直面した際に、効果的に経営支援・コンサルティング・課題解決方法・施策を提案できるでしょう。

通常、税理士に依頼される業務は独占的な分野ですが特定の業種や業界に限定されない場合、多くの競合が存在します。そこで経営コンサルティングができる税理士であれば、「付加価値のある税理士」として認識され、税務以外の業務でも頼りにされる存在になることができます。会計業務がIT化される中でも、経営コンサルティングを提案することで、売上を維持・拡大できる可能性が高まります。

さらに、コンサルティング業務のスキルを磨くことで、キャリアアップや転職時にも有利に働く可能性があります。新規顧客の開拓を目指す際も、経営コンサルティングができることは大きな強みになるでしょう。

そして経営コンサルティング会社のクライアントは一般的に大手企業や官公庁が多い一方、税理士の顧客は主に中小企業です。そのため、税理士がコンサルティング業務を提供する場合、通常の経営コンサルティング会社と競合することが少ないといえます。また、中小企業は大手コンサルティング会社に依頼することに対して敷居が高いと感じることがあり、その点で税理士が身近なアドバイザーとして最適な存在となるでしょう。

税理士と経営コンサルタントの違い

税理士の仕事

税理士は、主に税務や経理に関するアドバイスや業務代行を行う職業です。税理士業務としては具体的には、①税務相談、②税務代理業務、③税務書類の作成、④記帳や給与計算などの経理業務代行、⑤経営コンサルティングやアドバイザリー業務、などの業務があります。

この中で、①②③の税務に関する3つの業務は、法律により税理士の独占業務とされており、税理士の主な業務となっています。

近年会計ソフトやツールの進化によりかつては税理士に依頼していた業務内容を、コスト削減のため自社で処理する企業が増加してきています。そのため税理士法人への依頼も、決算報告書の作成代行のみというケースが増えつつあります。

このような状況の中、経営コンサルティング業務も手掛ける税理士が増えてきた背景には、税理士の従来の業務量の減少が一因としてあると考えられます。

経営コンサルタントの仕事

経営コンサルタントは、企業が抱える経営上の課題を解決するためにアドバイスを提供する職業です。具体的には経営戦略の策定や事業再生、資金調達など、多岐にわたる相談や助言を行います。ただし経営に関する分野は非常に広範であり、1人のコンサルタントが全ての課題に対して適切なアドバイスを提供できるわけではありません。

そのため、経営コンサルタントは一般的に、自身の専門分野を持って業務を行うことが多いです(特に中小企業向けでは、1人のコンサルタントが多様な分野に対応することもあります)。

主な専門分野としては、経営戦略、事業再生、資金調達のほか、IPO支援、事業承継・M&A、財務・経理、人事、DX(デジタルトランスフォーメーション)、特定業界(医療、飲食など)があります。各分野での情報を基に、短期・中期・長期の戦略立案を行い、企業を支援していくのがコンサルタントの役割です。

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税理士が経営コンサルタントになるために必要なスキル

経営やクライアントの業界に関する知識

経営コンサルティングを行うためには、経営全般に関する幅広い知識とスキルが求められます。自身で事業を運営して成果を上げるのが理想的ですがそうでない場合でも、中小企業診断士などの資格取得に向けた勉強や、経営者による書籍を読むことで成長していくことが重要です。

たとえ財務系に特化したコンサルティングを志す場合でも、経営全般の知識があると強みとなります。また、クライアントの置かれている状況を正確に理解しておくことも不可欠です。

たとえば、飲食業界が感染症の影響で厳しい状況にある中で、「周辺の競合店との競争が激化している」といったアドバイスは的外れになりかねません。常に情報を収集し、クライアントが属する業界に関する専門知識や最新の動向を把握し続けることが求められます。

ヒアリング能力

多くのケースで、経営コンサルティングを必要とするクライアントは、複数の問題に直面し、冷静に対応できなくなっています。複雑に絡み合った問題に苦慮しているため、コンサルタントはまず、クライアントから問題をヒアリングし、第三者の視点で整理・可視化するところから始めます。

このヒアリングの段階で、問題の全体像を正確に把握できなければ、後のコンサルティングがどれだけ優れていても、根本的な解決には至りません。そのため、ヒアリング能力は経営コンサルタントにとって必須のスキルといえるでしょう。

プレゼンテーション能力

解決策がまとまったら、いよいよクライアントに提案します。その際、提案の構成や表現がクライアントにとって理解しやすいものにすることが重要です。クライアントに、この解決策が最良の選択であると納得してもらうために、提案力は欠かせません。

合意が得られたら、その計画を実行する段階に移ります。クライアントに寄り添いながら、確実に計画を実行し、成功を導くサポートをしていきます。

情報処理能力やITスキル

経営者は、経営コンサルタントに対して論理的で客観的に納得できるアドバイスを求めています。合理的な助言と言ってもよいでしょう。そのためには、物事を論理的・客観的に説明できる情報が不可欠であり、その多くは数字に基づいたものです。つまり、経営コンサルタントには数字を根拠にした分析力や情報処理能力が強く求められる職業でもあります。

さらに、昨今では企業の規模に関わらずDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が大きな関心事となっています。しかし、多くの企業はITに関する知識が不足しており、時代に取り残されるのではないかという危機感を抱えています。そのため、経営コンサルタントがITに関する相談を受ける機会も増えることが予想されます。今後コンサルタントとして活躍するためには、IT関連の知識を深めることが推奨されます。

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税理士以外で有利な資格

税理士資格は、税務や税法における専門家であることを示す資格です。同じように、経営に関する知識を証明できる資格として、中小企業診断士があります。

中小企業診断士は独占業務を持つ資格ではありませんが、取得の過程で経営に関するアドバイスに必要な知識を学ぶことができます。また、中小企業診断士の試験には財務や会計に関する内容も含まれているため、税理士資格を持つ方にとっては比較的取りやすい資格と言えます。

さらに、国際税務のコンサルタントを目指す場合には、ビジネス英語のスキルが重要です。TOEICで最低700点程度のスコアがあれば、国際税務を扱うコンサルティングファームへの転職時に有利になるでしょう。

経営コンサルタントとして評価される資格としては、中小企業診断士やMBAなどが挙げられ、これらは経営知識を持っていることを示す手段となります。

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コンサルティングもできる税理士を目指すならコンサルティングファーム

昨今コンサルティングファームで税理士資格を活かし、活躍する税理士が増えています。

コンサルティングファームの主な種類

総合系コンサルティングファームは、企業の経営全般にわたり、事業戦略の策定からシステム構築まで幅広いサービスを提供します。戦略系コンサルティングファームは、主に大企業や外資系企業を対象に、M&Aなどを含む経営戦略に関する助言を行います。

シンクタンク系コンサルティングファームは、経済調査や官公庁向けのリサーチを行う研究所的な役割を持ち、ITやマネジメントのコンサルティングを手がけています。企業・事業再生系コンサルティングファームは、業績が著しく悪化した企業の再建を専門的にサポートします。

IT系コンサルティングファームは、システム構築やITを活用したビジネス支援に特化しています。マーケティング系コンサルティングファームは、広告や市場調査など、マーケティングに関するサービスを提供します。

人材系コンサルティングファームは、採用や評価を含む人材戦略に関するサービスを提供します。

この中で税理士資格が特に評価されやすいのは、財務や会計に関わりが深い総合系や企業・事業再生系のコンサルティングファームです。

逆に、戦略系や人材系のように税務との関連性が低い分野では、税理士資格はあまり評価されにくい傾向があります。自身のスキルを活かせる分野を選んで転職を検討することが推奨されます。

コンサルティング力でクライアントから求められる税理士に

税理士にも付加価値が求められる時代が到来しています。どのような税理士を目指すかを考えながら、自分のキャリアプランや働き方を見直してみましょう。もしコンサルティングも行える税理士を目指すのであれば、コンサルティングファームに転職することで、経験やスキルを効率的に習得することが可能です。

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