
司法書士の資格の魅力とは?取得までの流れ・仕事内容を紹介
2021/10/28
司法書士は、土地購入における不動産登記や、会社設立の際の商業登記に必要な書類の作成や申請を、依頼者に代わって行う職業です。国家資格でもあるため、試験に合格しなければなりませんが、年齢・学歴・性別に関係なく誰でも受験ができ、毎年多くの人がチャレンジしています。
この記事では
・司法書士の資格を所得する流れが知りたい
・司法書士試験合格のための勉強法をマスターしたい
・試験内容を予め把握したい
・資格取得後の仕事内容や就職先が知りたい
という方に向けて解説します。これを読めば、資格取得までにやるべきこと、資格を取得した後の働き方が分かります。これから司法書士を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
司法書士の資格の魅力
司法書士は、法律の専門的な知識に基づいて、登記手続きの代行、裁判所や検察庁・法務局などの行政機関に提出する書類作成などを行います。国家資格のため試験に合格する必要があり、毎年、多くの人が受験しています。司法書士の資格の魅力とは、どのようなものなのでしょうか。
資格取得にチャレンジしやすい
司法書士試験は、年齢・学歴・性別を問わず、誰でも受験することができます。高校や大学を卒業してから目指す人もいれば、社会人として働きながら受験にチャレンジする人もいます。このように多くの人々に門戸が開かれているのが司法書士の魅力です。
少ない費用で独立しやすい
司法書士は実務を重視した資格です。そのため、資格を取得すればすぐに独立することも可能です。また、医者の場合、独立開業するにあたって、診療所の開設などに多くの資金を必要としますが、司法書士は、司法書士会の登録料や会費等の費用がかかるものの、基本的にパソコンさえあれば業務が開始できます。オフィスは自宅でも問題ありませんので、少ない資金で独立しやすのも魅力の一つです。
生涯現役で活躍できる
司法書士は、独立開業すれば定年がありませんので、働く意欲さえあれば生涯現役で活躍できます。実際に60歳を超えても、意欲的に働く司法書士もいますし、60歳を過ぎてから資格を取得する方もいます。生涯現役で働ける職業はなかなかありませんので、長く元気に働き続けたい方におすすめの資格です。

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司法書士になるには
司法書士の資格取得までの流れ
司法書士は、国家資格ですので試験に合格しなければなりません。試験は毎年1回行われ、年齢や性別、学歴に関係なく誰でも受験できます。
しかし、憲法、民放、商法、刑法などに関する知識や、不動産登記、商業登記に関する高度な知識が求められるため、多岐にわたる分野の学習が必要です。合格までにはどのような道のりがあるのでしょうか。資格取得までの流れを紹介します。
司法書士の資格取得のための勉強法
●資格スクールに通う
司法書士の資格勉強の方法として、一般的に知られているのが資格スクールへの通学です。法律の知識に詳しい講師から、直接講義を受けますので、分からない点はすぐに確認できます。学習面のみならず、試験の出題傾向などにも詳しいので、より効率的に学習を進めることができます。合格までの道のりは長いですが、自分ひとりで戦う独学や通信講座と違って、周りには同じ目的を持った生徒が集まります。通学しているうちに親しい仲間もできるでしょう。お互いに切磋琢磨しながら合格へのモチベーションを上げるにも良い方法です。
●オンライン講座を利用する
働きながら、合格を目指したい方にはオンライン講座があります。自宅PCに限らず、最近ではスマホで受講できる講座も登場しています。電車での移動時などのスキマ時間を活かして学習できます。講師による分かりやすい動画での解説や、過去問題の練習、記述式対策などの講座も充実しています。忙しい方でも無理なく取り組める学び方です。
●独学で学ぶ
資格スクールや通信講座で学ぶと、まとまったお金が必要です。スクールなら交通費に加え、通学時間もかかるでしょう。お金をかけずに合格を目指すなら独学で学ぶ方法があります。かかるのはテキスト代で済みますし、自分の理解度に合わせて自分のペースで学習が進められます。社会人から目指すなら、仕事と両立しながら自宅で取り組めます。一方、法律は毎年のように改正が行われるので、市販のテキストでは最新情報に対応していない可能性もあり、最新の出題傾向がつかめないデメリットもあります。
資格試験以外でなれる方法もある
司法書士は、試験に合格することだけが唯一の方法でありません。法律の専門的な知識が必要であることから、裁判所や検察局に勤めた経験があれば資格が取れます。しかし、最低でも10年以上の実務経験があり、かつ法務大臣からの認定も必要なため、このキャリアから司法書士になるのは稀なケースです。
資格取得後の主な仕事内容
司法書士の資格を取得すれば、どのような仕事に携わることができるのでしょうか。主な仕事内容を紹介します。
<主な仕事内容>
●登記業務…家や土地などを購入した際の「不動産登記」や、会社設立の際の「商業登記」などを行います。
●書類作成…行政機関や法務局に提出する書類や、検察庁や裁判所への申し立ての書類を作成します。
●企業法務…企業活動における法律上のルールを把握しトラブルを解決する業務を行います。
●供託業務…有価証券や金銭を供託所である法務局に預け、渡すべき相手に適切に分配する手続きを行います。
●相続・成年後見業務…遺言書の作成や相続による不動産の移転登記の手続きなどを行います。
司法書士の試験概要
司法書士試験は、年齢・学歴・性別に関係なく誰でも受験することができます。高卒以上でなければならないとか、大学で法律科目の履修が必要という制限もありません。司法書士試験は、筆記試験(7月)と口述試験(10月)に行われ、法務局または地方法務局が指定した場所が試験会場となります。ここでは、試験の出願から合格発表までの全体的な流れを紹介します。
司法書士試験の流れ
●4月・5月(出願)
・願書配布期間…4月中旬頃より、法務局および地方法務局で願書の配布が始まります。
・出願期間…5月中旬から下旬。法務局および地方法務局の総務課に郵送か持参で提出します。
●7月(筆記試験)
筆記試験は、毎年7月の第1または第2日曜日に行われます。筆記試験の流れは以下の通りとなります。
・午前の部…マークシート式で憲法、民法、商法、刑法の試験を受けます。
・午後の部…マークシート式と記述式。マークシート式は、不動産登記法、商業登記法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法を受け、記述式は不動産登記法書式、商業登記法書式を受けます。
●10月(合格発表・口述試験)
筆記試験の合格者には通知書が郵送で送られ、この通知書が口述試験の受験票となります。また、口述試験は以下の内容で実施されます。
・試験形式…口述式
・試験科目…不動産登記法、商業登記法、司法書士法
・所要時間…1人あたり15分程度
●11月(最終合格発表)
最終合格者は「官報」で発表されるほか、法務局または地方法務局でも掲示されます。また、法務省の公式サイトでも発表されます。
司法書士試験の近年の合格者数・合格率
近年の司法書士試験の合格状況はどのような推移なのでしょうか。ここでは、令和2年度の合格状況を男女の数やその割合、平均年齢などに分けて紹介します。また、近年の合格者の推移についてもお伝えします。
●司法書士試験の結果概要(令和2年度)
・出願者数:14,431人
・受験者数:11,494人
・合格者数:595人 ※男性:437人(73.4%)女性:158人(26.6%)
・合格者の平均年齢:40.02歳
・最低年齢:21歳
・最高年齢:73歳
参照元:
令和2年度司法書士試験の最終結果について
●近年の司法書士試験の合格者推移
年度 | 出願者数 | 合格者数 |
令和2年(2020) | 14,431人 | 595人 |
平成31年(2019) | 16,811人 | 601人 |
平成30年(2018) | 17,668人 | 621人 |
平成29年(2018) | 18,831人 | 629人 |
平成28年(2017) | 20,360人 | 660人 |
参照元:
法務省 司法書士試験
司法書士に向いている人
司法書士の仕事は、専門的な法律の知識に基づいて、不動産登記や会社の商号登録、債務整理などを行います。いずれも個人や企業の将来に大きな影響を与える重要な仕事です。このような仕事では、書類作成の「正確性」や、提出期限を守る「計画性」、仕事を最後までやり遂げる強い「責任感」が求められます。
また、司法書士の仕事は、法律や書類を相手にするだけでなく「人」も介在します。不動産登記や債務整理などをスムーズに進めるため、お客さまとの意思疎通が必要になりますし、法務局、裁判所などの担当者との適切なコミュニケーション能力も求められますので、仕事を正確にこなせる人、ポジティブで責任感の強い人、コミュニケーション能力が高い人などが向いていると言えるでしょう。
司法書士が活躍できる求人をご紹介!
司法書士の就職先
司法書士事務所
司法書士の就職先として最も多いのが、司法書士事務所です。司法書士事務所にも事業内容によっていくつか種類がありますが、主に次のようなものがあります。
●不動産…土地購入の際に必要な不動産登記を主な事業とする事務所
●商業…会社設立に必要な商号(社人)の登録などを行う事務所
●信託…財産を第三者に管理を任せる「民事信託」を主な事業とする事務所
●債務整理…任意整理・破産・個人再生などの「債務整理」を行う事務所
就職先として司法書士事務所を検討するなら、どの分野で活躍する司法書士になりたいのかを考えて選びましょう。
弁護士事務所
司法書士は、法律の専門的な知識を有していることから、弁護士事務所で働く方もいます。主に弁護士のアシスタントを担う「パラリーガル」として、契約書・遺言書といった文書作成、法令や判例の調査などを行います。また、実績や経験を積めば、将来的に独立する方法もあります。
一般企業
司法書士には、一般企業の法務部で働く選択肢もあります。法務部は、企業活動において法律に関わる問題を処理する部署で、例えば顧客から訴訟を起こされた場合の法的な紛争解決などがあります。また、近年企業にコンプライアンスを求める動きが進んでいますが、法令を遵守するための組織づくりや整備を行うことも法務部の仕事です。その他にも、司法書士としての経験や実績を積んだ後に、独立開業して自分の事務所で働く方法もあります。
司法書士事務所の選び方
数ある司法書士事務所の中で、自分に合った就職先と出会うには、どのような基準で探せば良いのでしょうか。最後に司法書士事務所の選び方を
「事業内容」「事業所規模」の2つのポイントに絞って紹介します。
事業内容
先ほど、司法書士事務所の事業内容を紹介しましたが、もう一度おさらいしましょう。
●不動産…土地購入の際に必要な不動産登記が主な事業内容
●商業…会社設立に必要な商号(社人)の登録などがメイン
●信託…財産を第三者に管理を任せる「民事信託」を中心に事業展開
●債務整理…任意整理・破産・個人再生などの「債務整理」が主たる事業内容
まずは、司法書士として「どんな業務に携わりたいのか」を考えましょう。
事業所規模
事業所の「規模」によっても職場環境が変わります。その特徴を紹介します。
●個人事務所(10人以下)…代表者との距離も近いため、仕事だけでなく事務所経営も身近で学べる。しかし小規模のため、関われる案件数は少ない。
●中規模(10人以上)…個人事務所と比べて案件数が多い。希望すれば様々な案件に関われるが、ひとりで処理しなければならないケースもあり、激務になる可能性がある。
●大規模(30人以上)…有名企業との取引が多い。様々な案件に関われるが迅速な対応力が求められるため、仕事が分業で進められることが多い。仕事全体の流れを習得したい方にとっては不満が残る可能性もある。
以上、2点をチェックしながら「ここで働きたい!」という事務所を絞り込んで行きましょう。しかし、それでも「どこを選べば良いのか迷ってしまう…」という方には、司法書士の求人を集めた求人サイトの活用をおすすめします。
司法書士が活躍できる場所には、会計事務所もあります。会計事務所では、主に企業の税務申告や記帳代行を行っていますが、不動産登記や
商業登記なども手伝って欲しいというニーズもあるため、司法書士の存在が必要になるケースもあります。
現在、司法書士の資格を勉強中で、会計業界への就職に興味があるなら、会計求人プラスがおすすめです。会計業界に特化した求人サイトで、未経験OKの求人も豊富にご用意しています。会計求人プラスは、特にこのような方を対象としています。
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