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日商簿記3級は取得する価値はあるのか?

日商簿記3級は独学で学ぶべき?学び方で変わる資格取得のメリットとは

2021/11/25

会計に関する資格の中でも最もメジャーなのは日商簿記ではないでしょうか。税理士法人や税理士事務所、一般企業の経理などの会計業界で働いている方にとっては知らない方はいらないくらい浸透している資格だと思います。日商簿記は初級から1級までレベルがあって、大変多くの方が受験しています。一般的には簿記2級からが本格的な簿記を習得できて、簿記1級になるとかなり難しい試験となっていて、簿記3級はあくまでも入門編というポジションであるという理解をしている方が多いと思います。

では会計業務に未経験な人や、経理で働いているけどキャリアップのために資格がほしいと思っている人にとって、簿記3級を取得することにはメリットがあるのでしょうか。また、就職・転職を考えた際に多少でも有利になるのでしょうか。日商簿記3級の解説をするとともに、簿記3級を取得する意義についてもふれていきます。

そもそも日商簿記とは?

日商簿記検定は、企業の経営活動を適切かつ正確に処理するための能力を身に着ける検定です。

日商簿記検定3級は、「複式簿記」で記録・計算・整理する試験で、試験時間は60分、合格点は100点満点中の70点以上とされています。試験は年に3回(6月、11月、2月)行われ、検定価格(2021~2022年)は3級2,850円になっており、その他、1級7,850円、2級4,720円です。

日商簿記検定を取得する人は、企業の経理担当者や財務担当者が受験するものとイメージされる方も多いと思いますが、経理や財務担当者の枠を超えて、さまざまな職種の人がビジネススキルにひとつとして取得する人気の高い検定です。

現在では、多くの企業が採用やスキルアップに活用する検定として、企業が取得を促すほどコスパのいい検定です。

簿記3級の試験内容とは

簿記検定は2020年12月より2級、3級にネット試験が追加されました。また、従来の統一試験も2021年6月試験(第158回)より出題形式が大きく変更されています。
これから日商簿記3級を受験しようと試験勉強を始める方は問題有りませんが、以前のテキストなどを利用されている人は注意してください。
出題形式が変わっているので、過去問を本番の模擬試験として勉強されることはあまりおすすめできないかもしれません。

新試験における配点は以下のとおりです。

問題内容 配点
仕訳問題 45点
帳簿・伝票等問題 20点
精算表・財務諸表 35点
合計 100点

また、日商簿記3級の出題範囲は2019年に改定され、電子記録の債券債務やクレジット売掛金処理についての範囲が追加されるなど、より実践的な知識が求められるようになりました。

2021年には、日本商工会議所は、簿記検定試験での出題にあたって基礎的な指針として、「商工会議所簿記検定試験出題区分表」を制定しました。

「商工会議所簿記検定試験出題区分表」について詳しく知りたい方は下記PDFからご確認ください。

2021年度試験(2021年4月1日~2022年3月31日)「商工会議所簿記検定試験出題区分表」
引用:日本商工会議所 商工会議所の検定試験

日商簿記3級の難易度や合格率は?

簿記3級の難易度や合格率は?

日商簿記検定3級は、株式会社の実務経理に困らない程度の会計知識が問われます。株式会社の経理では、発行する株式や余剰金の配当についての知識を必要となるので、株式が絡む仕分や計算が中心です。試験年度によって合格率は変動するものの、過去10回の試験を見てわかるように約50%が3級の平均合格率です。

日商簿記検定3級の合格率(過去10年)

受験者数 実受験者数 合格者数 合格率
158(2021.6.13) 58,070名 49,313名 14,252名 28.9%
157(2021.2.28) 70,748名 59,747名 40,129名 67.2%
156(2020.11.15) 77,064名 64,655名 30,654名 47.4%
155(2020.6.14) 77,064名 64,655名 30,654名 47.4%
154(2020.2.23) 100,690名 76,896名 37,744名 49.1%
153(2019.11.17) 99,820名 80,130名 34,519名 43.1%
152(2019.6.9) 91,662名 72,435名 40,624名 56.1%
151(2019.2.24) 中止
150(2018.11.18) 111,657名 88,774名 38,884名 43.8%
149(2018.6.10) 101,173名 79,421名 35,189名 44.3%
148(2018.2.25) 102,212名 78,243名 38,246名 48.9%

2021年6月13日実施の第158回は出題形式の変更と制限時間の短縮(90分から60分)があったこともあり、合格率が大きく低下しました。
簿記3級の場合は特に、過去問で対策している人も多かったこともあるのか、大きな影響があったようです。

引用:日本商工会議所・各地商工会議所ホームページ 3級受験者データ

合格に必要な勉強時間はどれくらいなのか

日商簿記検定3級の勉強平均時間は、約50〜80時間が必要だとされています。最初から問題集や過去問を解くよりは、1度テキストを読み通してから問題を解いていくことをおすすめします。
理由としては、日商簿記3級の知識は、簿記の基礎知識であるからです。

今後、日商簿記検定2級の受験を考えている方は、簿記の基本を理解していなければ、2級の問題で理解できずに挫折することも考えられます。日商簿記3級のテキストは、多少時間をかけてでも読み返して理解を深めましょう。
日商簿記3級の試験勉強は、資格取得を目的としているだけではなく、将来的なスキルアップのための基礎固めとも考えて、1つ1つ学んだことをきちんと理解することも心掛けてください。

また、働きながら資格取得を目指している方は、試験日までのスケジュール表を作成し、全ての項目を満遍なく解くことで、短時間で効率的に合格に近づくことができます。

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簿記3級の勉強方法は

日商簿記3級を効率的に短時間で合格するためのコツをご紹介します。勉強方法はシンプルで、以下の3ステップを繰り返すだけです。

1. テキストを読みこむ
2. 問題集や過去問題を解く
3. 間違えた部分をテキストで復習する

それでは、この3つのステップそれぞれにどういった意味があるのかを見てみましょう。

テキストを読みこむ

日商簿記3級を勉強する際は、基礎知識を理解しながらテキストを読み進めるのが理想です。いきなり問題を解く方もいますが、はじめて簿記検定にチャレンジする方は非効率です。合格率が約50%あるとはいえ、会計の知識がない状態で問題を解くのは難しいです。最初に難しいと感じてしまった場合は、勉強するモチベーションにも影響が生じるので、まずはテキストを理解しながら読み進めることを意識してください。

もちろん、1週目で理解を深めるのは困難です。最低3周することを前提に、問題を解く中で不明点や疑問点があった場合は、理解するまで読み直すことが合格への近道です。

問題集や過去問題を解く

テキストを3周読み終えた後は、実際に問題集や過去問題にトライしてみましょう。問題集を中心に解きすすめ、過去問は直近5回分程度に絞って勉強するのがおすすめです。

問題集や過去問題は、何度も解いていると答えを覚えてしまうこともありますが、答えを丸暗記しても合格できません。問われている仕訳・計算方法・数字であるかを理解することが重要なのです。

正解した問題を解き直すことよりも、間違えた問題の解説・ポイントを理解することを重視してみましょう。

ただし、前述でもお伝えしましたが、2021年6月試験(第158回)より出題形式が大きく変更されていますので、過去問を本番の模擬試験として勉強されることはあまりおすすめできないかもしれません。

間違えた部分をテキストで復習する

日商簿記3級を短時間で効率よく合格するためには、新しい問題を解くことよりも、ある程度出題範囲を絞って、間違えた問題を復習する方が理解を深めることにつながります。

間違えた問題を放置するのではなく、間違えた日に解答解説でポイントを理解して、次の日にもう一度問題を解来ます。テスト前にもう一度確認して解けるようであれば、本番でも問題を落とす可能性が低くなります。

簿記3級を取得したメリット・デメリット

≪簿記3級取得のメリット≫

日商簿記検定3級取得の一番のメリットは、経理業務・会計業務への転職に活かせることです。取得だけで有利になるわけではありませんが、将来へのスキルアップや自己啓発として取得したことを上手くアピールすることができれば就職・転職の際に有利になる可能性もあります。

もちろん、簿記検定で学んだ知識を活かして仕事をすることも可能です。企業の経理部や財務部では、帳簿管理や税金の計算などが業務内容のひとつであるため、理解した基礎知識を応用しながら仕事に活用できます。

また、会計業界、経理に関わらない職種の方でも、簿記3級を取得するメリットはあります。

例えば、営業の方であれば、取引先の経営状況を判断できるようになります。財政状況から分析することできるようになりますので、新規開拓などでの営業活動が効率的にすすめることができるでしょう。
また、一般企業にお勤めの経理、財務部門以外の方であっても、自社の経営状況をみることができるようになりますので、自社の健全性などを確認し、安心して業務に力を入れることができるようになるでしょう。
近年、急激に増えているフリーランスや個人事業主の方にとっては、経理処理をご自身でやらなくてはいけない方も多いと思いますが、簿記3級を取得することで、会計処理をスムーズにできたり、確定申告の際にも困ることはなくなるでしょう。

何よりも簿記3級は、上位資格を取得するための入門編とも言われています。簿記2級、1級へいきなりチャレンジすることも可能ですが、まず3級で勉強方法をしっかりと確立し、試験勉強のためではなく簿記に関する基礎知識を理解することで、上位資格の取得がとても効率的にできるようになると思います。

≪簿記3級取得のデメリット≫

日商簿記検定を受験するためには、受験料(2,850円)やテキスト代、問題集代などののお金がかかります。一度の試験で合格するとは限らないので、その後の受験料とテキスト代等を考えると、ある程度の出費が見込まれます。

さらに、3級に合格するためには勉強時間を確保しなければいけないため、興味を持っている方以外にはあまりおすすめしません。

ただし、自分のスキルを磨きたい方やとりあえず資格が欲しい方には、自己投資と考えていただければ、合格率も高い試験でもありますのでコスパの良い資格であることは間違いありません。

簿記3級は独学でも合格は十分可能!

日商簿記検定3級は独学で合格できる資格ですが、将来の計画がある方などには独学で学ぶことはあまりおすすめしません。

なぜなら、独学で3級を取得できたとしても、勉強の方法が試験対策に偏ってしまったりすることが多く、間違った理解をしてしまったり、意図をしっかり把握しないまま試験勉強を進めている可能性があるからです。

簿記を学ぶ上で簿記3級で学べる基礎知識はとても重要であり、基礎知識を複雑化・応用している検定が日商簿記2級であると考えてください。簿記の基礎知識をきちんと理解できていない状態で、3級に合格したとしても会計知識として役に立たない可能性があり、更には2級へステップアップしようと調整下としても基礎知識を理解していないのでゼロから勉強のし直しということにもなりかねません。つまり、簿記検定3級の理解は、将来のビジネススキルや2級取得に大きな影響を与える基礎だということが言えるでしょう。

また、3級の知識がある人でも、2級の学習期間は、約6か月(250時間~350時間)以上かかるとされています。一方、簿記検定の通学・通信講座・予備校なら150時間~250時間が目安です。
効率的に基礎知識となる日商簿記3級の理解を深めたい方は、通学・通信講座・予備校等の利用が効率的でしょう。

日商簿記3級は就職・転職が有利になるのか?

就職・転職に役に立つ資格なのか?

結論から申し上げると、日商簿記3級を取得したとしても、それだけでは就職や転職に有利にはならないでしょう。ただし、企業会計に興味があることへのアピールや、上位資格(日商簿記2級、1級や税理士など)を目指すための入り口として取得したことなど、簿記3級のみではなく、将来性や会計業界に魅力を感じたきっかけとしてなどと関連したアピールができるようにすることでライバルと差をつけることが可能となります。

さらに、会計事務所のパートやアルバイトは、採用条件に日商簿記3級程度の知識が必須であることが多いため、会計事務所のパート・アルバイトの求人に応募する場合には有利に働く可能性が非常に高いことも覚えておきましょう。

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まとめ

日商簿記3級は、しっかり勉強時間を確保すれば、独学でも十分に合格できる資格です。そのためか、非常に多くの方が取得している資格でもあるので、簿記3級を取得したからといって、就職や転職に直結して有利になるような大きなプラス要素にはなり得ませんが、ビジネススキルのひとつとしては非常に役に立ちます。

さらに、企業経理の基礎を理解することで、日商簿記2級へのステップとして考えたり、会計に興味を持ち、税理士への道を検討したりする足がかりになるでしょう。

日商簿記2級よりも勉強時間が少なくて合格可能な日商簿記3級は会計の基礎を学び、理解することに非常に適した資格でもあります。
これから2級の取得や、1級を考えている人や、税理士資格へ挑戦しようと考えている場合も、簿記3級をスキップして難関試験に挑戦するのも、1つの効率化ではありますが、3級取得を基礎固め、土台作りとして捉え、足場をしっかり固めてから難関試験に挑むというのも、難関試験の勉強効率を大きくあげることができる心の効率化を実現できる可能性が多いにあるのです。

これからの貴方のキャリアプランを前提として、どのような資格取得フローを計画するか、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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