税理士でも知っておきたい相続に携わる資格と難易度!国家資格と民間資格を紹介
税理士業務の1つである相続。相続問題は突然起こるものであり、突然クライアントから相談を受けることもあるでしょう。税理士は相続に詳しいという認識が一般的ですが、相続には、財産の評価、名義変更、親族間のトラブルなどを含んでおり、ケースによっては複数の専門家で対応することが最善であると考えられます。
この記事では、相続や事業承継に関わる国家資格・民間資格をわかりやすく解説し、税理士・弁護士・司法書士などの独占業務や難易度、相続士・事業承継士など注目の民間資格までを比較して紹介します。
コンテンツ目次
相続や事業承継を扱う国家資格とは?
相続は多数の独占業務が関連するため、他士業との連携が必要とされます。税理士として相続の相談を受けた際、「どの専門家と連携すれば良いか」を知っておくと、クライアントに対し、スムーズなサービス提供を行うことができます。
相続業務に関する資格には、国家資格と民間資格があります。国家資格は、法律で独占業務が定められており、取得の難易度は高く、勉強時間も多く必要とされています。 業務の代行などは国家資格しか認められていません。
税理士
税理士には、①税務代理、②税務書類の作成、③税務相談、の3つの独占業務があります。
よって、税理士の相続における対応範囲は、相続が発生する前の財産管理や節税のアドバイス、贈与税の申告などが挙げられ、相続の発生後は相続税の計算や申告、納税のサポートなどが挙げられます。
税金面からのアドバイスだけでなく、親族間などで揉めないような配慮も必要です。
税理士資格には、税理士試験の合格が必要です。
科目合格制度で、会計科目2科目と、税法3科目に合格する必要があります。合格科目は生涯有効なため、5科目合格するまでの期限はありません。試験は年に1回、合格まで数年かかることがほとんどで、10年以上かかる場合もあります。
5科目合格の他に、大学院などで一部科目免除が認められる制度や、税務署勤務による一部科目免除の制度もあります。
また、弁護士資格、公認会計士資格保有者は税理士資格の登録が可能とされています。
なお、税理士登録には2年以上の実務経験が必要です。
弁護士
弁護士業務のうち、相続における対応範囲は、遺産分割時の法律相談、紛争や揉め事の解決、依頼者以外の相続人との交渉や訴訟の際には代理人として活動することなどが挙げられます。
被相続人が遺言書を残している場合にはその内容に従って分割することがほとんどですが、ない場合には相続人同士で分け方を話し合って決めることになります。
相続は相続財産の多寡にかかわらず、親族間の揉め事や訴訟に発展するリスクをはらんでいます。そのような場合に弁護士が解決に向けて活動します。
司法試験を受験するためには、予備試験に合格するか、法科大学院を修了しなければいけません。
また受験回数に制限が設けられており、国家資格の中でも最難関といわれています。
司法書士
司法書士は、相続財産に不動産がある場合、名義変更の登記手続などを行います。被相続人から相続人への「相続登記」に関する資料等を作成し、法務局に申請します。手続きをミスなくスムーズに完了させることができるでしょう。
独占業務は、登記・供託手続きの代理、法務局・裁判所・検察庁に提出する書類の作成などとされています。
相続登記の依頼を受けるのは弁護士も可能ですが、実務の専門性から、実質的には司法書士の業務といえます。
また、遺産分割協議書の作成を行うこともできます。
難易度は非常に高く、合格率が4~5%程度とされています。
行政書士
行政書士の主な業務は、官公庁に提出する書類や権利義務に関する書類、事実証明に関する書類の作成などです。
相続に関する業務としては、遺言書の作成サポートや財産目録の作成、遺産分割協議書の作成などが挙げられます。
また、建設業などの事業承継が絡む際には、行政への許認可申請も依頼できます。
相続財産の自動車や株式などの名義変更、銀行口座の相続手続きなど煩雑な手続きを代行してもらうことが可能です。
行政書士の合格率は10~14%程度と、難易度は高めです。
不動産鑑定士
不動産鑑定士の独占業務は、不動産の価値を正しく評価し、鑑定する「不動産鑑定」です。不動産鑑定評価書を作成します。
相続財産に土地や建物が含まれている場合、金額が大きいため相続税に大きな影響があります。そのため、不動産の評価額や分割方法が重要なポイントとなります。
例えば土地には、整形地だけではなく、形状や道路との面し方もさまざまで、路線価や固定資産税評価額だけをもって評価することが妥当ではない場合があります。
そのような場合に、不動産鑑定士に評価してもらい、通常の方法よりも大幅に評価額を下げられる場合があるのです。
不動産鑑定士の最終合格率は5~6%程とされており、こちらも難易度は高いといえるでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、独占業務ではありませんが、中小企業の経営戦略の策定や実行の専門的なアドバイスが主な業務です。
相続に関する業務としては、事業承継についてのアドバイスが挙げられます。
中小企業診断士の最終合格率は5%程度となっており、試験範囲が非常に広く、難易度は高い資格といわれています。
ファイナンシャルプランニング技能試験(FP)
FPについても、独占業務ではありませんが、資産やお金の使い方などの一般的なアドバイスができる専門家です。
相続に関しては、相続税対策や事業承継などについて助言を行うことができるでしょう。
FPは1級~3級まであり、勉強次第で誰でも取得は可能です。
相続だけでなく、年金や資産運用、保険など総合的な観点からアドバイスが可能です。
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相続や事業承継を扱う民間資格とは?
一方、民間資格はどのようなものがあるのでしょうか。
相続に関する民間資格は数多くありますが、独占業務ではなく、一般的に知名度は低いものがほとんどです。
また、前述のとおり、各専門家の独占業務に抵触しないよう注意が必要で、業務の代行などはできません。
法的な手続きや税務については国家資格の領域です。
「相談の入り口」にはなり得るため、実務的にはクライアントと専門家の橋渡しをする役割になるでしょう。
相続士
相続全般についてのアドバイスや支援を行います。税理士や司法書士などの専門家と連携し、相続人をサポートし、相続問題を総合的に支援します。
資格取得の難易度は低く、全国のテストセンターでコンピューターを利用して行う試験です。
相続アドバイザー
相続アドバイザーは、相続アドバイザー協議会の会員を指す場合と、銀行業務検定協会が主催する相続アドバイザー試験の合格者を指す場合がありますが、相続アドバイザー試験の合格者について解説します。
相続アドバイザーは、相続手続きや相続税の計算、遺言書の作成などに関するアドバイスを行います。金融機関において相続に関する実務やアドバイスを行うことを目的としているため、金融機関に勤務している人が取得を目指す場合が多いです。
相続アドバイザー試験は、一通りの学習を行えば解ける問題がほとんどです。
相続カウンセラー
相続カウンセラーは、相続全般のカウンセリングや支援を行う資格です。
相続人の悩みを理解し、税理士や司法書士などの専門家への橋渡しを行います。
相続診断士
相続診断士は、相続の基本的な知識を身につけ相続診断ができる資格です。
資格試験の合格率は約90%以上となっており、難易度は低いでしょう。
相続鑑定士
一般社団法人などの民間団体が認定する資格で、相続の相談窓口や状況整理を行います。
事業承継士
相続の中でも事業承継に特化した資格です。
事業承継に関するアドバイスやサポートに関する知識を得ることができます。相続以外の場面でも役立つことがあるでしょう。
事業承継アドバイザー
事業承継について総合的で専門的なアドバイスができるとされています。
事業承継を行う会社の企業価値を把握し、計画を立てます。
遺言執行士
専門家と連携し、遺言書の作成や執行完了までをサポートする資格です。
2015年に誕生した、比較的新しい資格です。
終活カウンセラー
相続発生前の、終活に関するアドバイスができます。
カウンセラーとして相談者の悩みを聞き、課題を洗い出すサポートなどが主な業務となるでしょう。
終活は周知されているワードであるため、クライアントにも興味を持ってもらいやすく、受け入れられやすいかもしれません。
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まとめ
相続に関する業務は幅広く、すべての知識を完璧に有することは困難です。また、業務を行う際は他の専門家の独占業務に抵触しないか注意する必要があります。
相続の全体的な流れや知識、他の専門家とどのように連携すればよいかを把握しておけば、クライアントから相続の相談を受けた際、スムーズに対応することができます。他の資格の業務内容を理解しておくとことで円滑な進行につながります。
また、民間資格は直接的な実務に繋がらない場合もありますが、名刺に資格名を入れることで相続に関する相談を受けるきっかけになるかもしれません。目的に合わせて資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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投稿者情報

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