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会計業界における新型コロナウイルスの影響

2020/10/16

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、社会・経済へ深刻な影響をもたらしています。その深刻さは2008年のリーマン・ショック以上だともいわれており、今後も多大な影響を与えると予測されています。
そのコロナ・ショックは今後、会計業界にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
またコロナ禍において、税理士は今後のキャリアをどう考えるべきかを考察します。

コロナ・ショックが会計業界に及ぼす影響

コロナ・ショックにより、人々の社会・経済活動は大きく変革を余儀なくされました。日本では緊急事態宣言が発令されて人々には外出自粛が求められたため、経済活動は一時的に停滞しました。コロナウイルスの影響はとてつもなく大きく、世界的にも不況を引き起こしており今後も影響が拡大することが予測されています。

人々の生活様式は一変し、働き方も大きく変わりました。具体的には三密(密閉、密集、密接)を避けて、可能な限り近隣の人と距離(ソーシャルディスタンス)をとらなければなりません。特に外出自粛要請下では「接触しない」「外出しない」といった行動抑制が基本となったほどです。

一旦は外出自粛要請が解除されたところですが、今後も感染状況が拡大した場合は再度自粛要請が発令する可能性が考えられています。経済活動の再開は順次されていますが、自粛以前と同じ状況に戻ることはなく、今後はこれまでとは違った社会になると考えられています。
経済の先行きに明るい要素が見えないことから人々の考え方も内向きになり、財布のひもは固く、不況の波もしばらくは続くことが想定されています。その結果、企業にはリストラの嵐が巻き起こることも予想されます。そのような企業や個人を顧客とする会計業界も、当然ながら変化していく必要があるでしょう。

直接的なところでは、会計事務所職員の働き方も変化していきます。まずはテレワークや時差出勤といった、接触回避の施策の実施が考えられます。
また、顧客との面談やセミナーの集客・運営もWeb会議を利用するなどの変化が出てくるでしょう。それに伴い、会計事務所の経営手法までも変革を受けることになるのは容易に想定されます。職員への教育内容やスタイル、マネジメントやブランディング手法、業務効率化などに影響が出ると言われています。

リーマン・ショックの際は企業の倒産が相次ぎ、大手監査法人や大手税理士法人では報酬が激減したため大規模なリストラが敢行されました。反面、中小の会計事務所や税理士法人は大きな影響を受けずに済ませることができました。

しかし、今回はリーマン・ショックと違い不況の原因は現在も特効薬の無いウイルスです。感染拡大や収束の見込みが不明のため、景気回復の時期も不透明です。人々の社会活動も大きく変わることが予測されており、影響が長ければ長いほど存続が危ぶまれる企業や個人事業主が多くなるとも、影響によっては大企業でも安心できないとも言われています。

また、コロナ・ショックの影響の大きさはアメリカの失業率が世界恐慌以降最悪の14.7%水準となったことや、国内の4月の消費者態度指数(内閣府発表)が比較可能な平成16年以降で過去最低の21.6と、リーマンショック時最低の27.5を下回ったことなどからも分かります。

大手企業は新卒採用を含めて慎重な姿勢を出していますが、この状況で需要が増加し積極的に設備投資や人材採用を図っている企業もあります。先行き不安のある業種からの異業種転換を受け入れて若年層の人材確保を図ったり、同業他社から流出した優秀な人材を引き込んだりするケースは珍しくないでしょう。
会計業界も例外ではなく、新卒採用に慎重な動きが見られる反面、税理士試験後となる8月を狙って積極的に採用活動に力を入れている会計事務所も多く見られます。

コロナ禍における会計事務所と顧客との付き合い方


社会に大きな変革をもたらしたコロナ・ショックにより、税理士も環境に適応していく必要に迫られていくことが予測されます。そこで、ご自身が所属している会計事務所を分析してみてください。このとき2つの観点から精査する必要があります。

まず、所属している会計事務所のメインの顧客層がどのような業種かに着目してください。現時点で先行き不安が見られる職種、今後の継続状況により先行き不安だと見られている業種があります。
4月の消費動向では被服・履物の売上が55.4%まで下がり、自動車は5月の新車販売台数が44.9%も減ったなど、未曾有の状況です。外食産業や宿泊業も大幅な痛手で、パブ・居酒屋などは外食産業全体の65.7%減と比較して91.4%減と、致命的な状況です。
仮にメインの顧客層が先行き不安の業種に属していると、会計事務所の収益に大きな影響が出てしまいます。また、全体の顧客に対して先行き不安の業種の顧客の割合がどの程度かも知る必要があるでしょう。

次に、所属している会計事務所が事務所の経営維持のためにどのような方策をとっているかに着目します。
先行き不安の業種の顧客に対し、会計事務所は顧客に寄り添い、先行き不安から脱却する方策を提案し共に考えていくことが必要です。所属する会計事務所は、この対応ができているでしょうか?

これまでのように会計だけ見ている事務所や、情報発信をしてくれない事務所は淘汰されていく可能性が高まってきています。
現時点でも補助金や給付金の情報提供や申請手続きなど、今後に関する相談が多数寄せられているところでしょう。今後は融資や給付金や助成金、ちょっとした相談に乗ってくれる、パートナーとしてお客様に寄り添う会計事務所が重宝される時代となるのではないでしょうか。顧客は現在のような非常時においては、通常とは異なるサービスを税理士に求めるものだと思われます。

例えば、固定費の削減やキャッシュポジションを高めるというお題目を提言するのは誰にでもできます。しかし、顧客が求めているのは税理士が月次決算業務を通じ顧客の事業構造を把握し、中期事業計画の策定をした結果、速やかに融資を受給させるといったような目に見える結果なのではないでしょうか。

今後税理士が歩むべき道とは

アフター・コロナともウィズ・コロナともいわれている今後の社会環境下で、税理士はどのような役割を担って行くべきでしょうか?

ダーウィンの進化論でも、環境変化への対応の重要性が主張されています。税理士の顧客である経営者の役割は未来がどう変わるのかを把握し、その環境変化に対応して生き残っていくための方策を講じることです。
それならば、税理士の役割というのは顧客に寄り添い、明るい未来をどうやって見せていけるかが重要ではないかと考えられます。

ウィズ・コロナ、アフター・コロナの社会に求められる税理士は、より差別化されてくるでしょう。資格を持っているだけでは一生暮らしていける保証はありません。特に、今回のように社会の仕組みが大きく変化した場合にはなおさらです。
専門知識を活かし、社会に貢献し、顧客のためになる自分だけにしかできないサービスを提供してこそ一生涯の仕事になり得ます。

今後を踏まえて自分の強みを見直し、所属する会計事務所の顧客層や顧客への対応方針・方策を客観的に捉え、将来を見据えることも大切です。
それでも先行き不安が残るようでしたら、転職も視野に入れて考えてもいいかもしれません。

ウィズ・コロナ、アフター・コロナの世界はこれまでの世界とは大きく変わっていくとの見通しが多数を占めています。今までの無駄を洗い出して効率化を求められるようになり、社会構造すべてが再構築されていく可能性は低くはありません。
そのような社会の中では、当然ながら税理士に求められる役割も変わってきます。そんな転換期の今だからこそ自分自身の強みを見直し、オンリーワンの働き方や自分の居場所を真剣に考えるときではないでしょうか?

<参考>
内閣府

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