公認会計士の報酬とは?目指すなら知っておくべき料金の仕組み!
2023/11/02
数ある国家試験のなかでも難関と言われる公認会計士。やりがいや高い報酬を求めて多くの人が目指す資格です。
会計をはじめ税務やコンサルタントなどの業務も行うなど多くの業務をこなす公認会計士ですが、その報酬内容についてよく知られていない実態があるようです。
どのような仕事から報酬を得ているのか、また内訳はどうなっているのかなどは会計のプロを目指すうえでは知っておくべきことでしょう。
ここでは、公認会計士の報酬内容や、報酬の算出要件、計算方法などをご紹介します。公認会計士として業務を進めていく場合には重要な内容ですので、しっかりおさえておきましょう。
☆公認会計士の報酬は監査報酬?
公認会計士報酬の内訳を見ていく前に、公認会計士の仕事内容にはどういうものがあるのかを案内しておきましょう。
公認会計士の仕事のうち、最も重要なのは「監査」です。証券取引所に株式を上場している企業、あるいは5億円以上の資本金を所有している大企業については、正しく法律に則った経営を行っているかどうかの調査を受ける義務があります。この調査が「監査」であり、監査を行うことが公認会計士の主な業務となります。
監査では、企業の財務諸表を元に正しいお金の流れが行われているか、経営状態に問題がないかを十分にチェックします。
公認会計士の仕事の大半は監査であるため、会計士の多くは監査法人に所属していますが、監査以外の仕事を行う場合もあります。企業経営や会計に関する相談を受けアドバイスを行う「コンサルティング」や、税金に関する書類の作成や申告など、税理士と同様の業務を行うこともできます。(※1)
独立開業している会計士の場合は、コンサルティングや税務の仕事が主な業務となりますが、監査法人に所属している場合は、主な業務が監査となります。公認会計士の大きな役割は、正しい会計が行われているかをチェックすることにあります。そういう意味でも公認会計士の報酬は、基本的に監査に対する報酬が主なものとなります。
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☆監査報酬の算出要件と計算方法
公認会計士の監査報酬とは、どのような要件を基準に算出されているのでしょうか。
監査の算出は、その監査にどれくらいスタッフが必要だったか、単価はいくらなのか、そしてかかった時間はどれくらいか、という基本的な単位を元とします。それらの基本的な単位を監査工数で計算して監査報酬が算出されるのです。
日本公認会計士協会では、監査報酬の請求対象に含めることができる監査費用の範囲報酬額を定めています。
1つ目には人件費で、公認会計士や会計士補など、監査を支える専門スタッフのための費用となります。これには、年金費用や退職金等を含んでよいことになっています。
2つ目には教育研修費です。スムーズな監査を行うために必要な、公認会計士および専門スタッフに対するITを含む教育研修費や研究調査費を報酬に含むことが可能です。
さらに、事務所運営維持費として不動産賃借料、情報機器費やソフト関連費等の施設費を請求することができます。また、旅費交通費、通信費、印刷配送費や職業賠償保険料などその他の経費も含めることが認められています。最後に、事務所組織を維持発展させるために必要な費用も請求範囲となっています。監査報酬の計算方法については、作業時間・拘束時間に対して支払うタイムチャージ方式で算出する方法と、基本報酬と執務報酬とに分けて算出する方法とがあります。(※2)
※2.【はいとみコンサルティング】監査報酬はどのように計算されるのか
☆公認会計士事務所の規模で違う監査報酬とは
監査報酬は、監査にかかった人員、時間、経費などによって適正に算出されます。それは事務所の大小に関係するものではありません。監査報酬の算出要件や計算方法においては、どんな事務所でも同じ内容で行われますが、一方で監査報酬が公認会計士事務所の規模で違うという事実があります。
同じ契約内容の仕事であるならば、できるだけ高い報酬を手に入れたいと思うのは人情でしょう。監査報酬の金額に違いが出るのはどういうことが背景にあるのでしょうか。考え方の鍵になるのが請求対象に含めることができる人件費と計算方法です。
算出要件のうち、人件費は実際に業務を進めた公認会計士を始め専門スタッフと、その年金費用などを含めていいことになっています。大手の監査法人では、たくさんの会計士とスタッフを抱えており、また大企業をはじめとしたクライアントは、監査にかかる費用を捻出するだけの体力を持つ企業がほとんどです。
体力のあるクライアントからの案件であればあるほど仕事も大きくなり、監査に必要となる工数も大きくなります。対して、規模の小さい事務所では、監査に当てられる人員や他の費用も規模の大きい事務所と比べるとそう多くはないでしょう。このような要因が関係して事務所により監査報酬に差が出る傾向にあります。
☆案件の難易度により報酬額が変わることもある
大手事務所と小規模事務所では、案件の規模により監査報酬額に違いが発生することがありますが、そのほかの要因で報酬額が変わるケースもあります。
監査報酬額が変わるケースとしては、案件の難易度の違いによる場合が主なものです。大手企業は本体だけではなく、グループ企業など関連会社を持ち多角的に経営を行う場合があります。
そういった場合、経営の収支やキャッシュフローなどのお金の流れも複雑になるケースが多く、監査もその分だけ難易度が上がります。企業単体のみの監査と比べた場合、多くの関連企業を抱える大企業では、財務諸表の分析から調査などにかかる人員や時間も相応に必要となり、報酬請求額も増えていくことになります。監査報酬額は、単純に企業の経営状況、事業の規模に比例するのではありません。企業の経営スケールに関連する、案件の複雑さ難易度によっても変わることがあるのです。
☆まとめ
公認会計士は会計のプロとして、企業の経営のコンサルティングや税務相談、提出なども請負うことが可能ですが、本領を発揮するのは監査業務です。
証券取引所に株式を上場している大企業などには、適切な会計処理を行っているか監査を受けることが法律で定められています。こういった企業の経営状況をチェックし、健全で適切な会計処理をしているかどうか重要な判断をするのが公認会計士の役割なのです。
監査にかかる費用は人件費をはじめ教育費や施設費などもありますが、それらを監査報酬として請求できます。監査法人事務所など監査をもっぱらの業務としている事務所では、監査業務の流れや教育体制がしっかり整っている場合があり、会計士としての業務を基礎から学ぶこともできます。また、高い監査報酬を手に入れることも可能です。
会計士の基礎ともいうべき監査業務を身につけ、大きくキャリアを積んでいきましょう。
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