税理士の報酬額を決める際のポイントとは?
2023/11/02
「事業を立ち上げようと思うけど、確定申告や年末調整なんて今までやったことない!」という方は、税金のプロである税理士に相談することを検討します。しかしなかには「税理士に相談するのは高額な費用が必要」というイメージを持っていて、相談することをためらう方もいるかもしれません。
確かに税理士に支払われる報酬は、商品のように値札が貼られているわけではないため、普段税理士を利用しない方には相場がよく分からず、なんとなく高いというイメージを持ってしまうようです。税理士の報酬には、確かにはっきりとした値段はありませんが、大体の相場というものがあります。
では、税理士報酬の相場は一体どれぐらいなのでしょうか?
法人や個人事業主における税理士報酬の相場
税理士の報酬は2002年まで税理士法によって決められていましたが、現在では自由化されています。先ほど述べたように、現在では特にはっきりとした値段は決まってはいませんが、2014年に日本税理士連合会が行った調査が参考になります。
一般企業や個人事業主を対象に行ったアンケートで、法人の場合における月額顧問料は1万円~3万円以下が53.5%で一番多く、個人も同様に1万円~3万円以下が50.9%と最も多い結果になりました。
また、法人での決算や個人における確定申告の決算報酬は、法人が10万円~20万円以下(42.8%)、個人は5万円以下(50.6%)が最も多い結果となっています。
アンケート結果の最も多い金額で年間に必要な報酬を計算しても、法人の場合は月額顧問料と決算報酬を合わせて最大56万円、個人事業主の場合は最大41万円です。
税理士報酬のポイント
税理士報酬が高いか、安いかを見極められるポイントとしては、訪問頻度、記帳を頼むかどうか、売上金額の3つが挙げられます。
当然、訪問頻度が多く、記帳の代行を依頼し、かつ売上金額も大きい会社や個人事業主ほど報酬は高くなります。
大体の目安としては、法人の場合、年商1,000万円未満で月額顧問料が2万円~3万円程度で、記帳の代行を依頼される場合はさらに1万円程度加算されます。また、決算報酬は月額顧問料の4~6カ月分を目安に考えると良いでしょう。
個人事業主で同じく年商1,000万円未満の場合、月額顧問料2万円~2万5千円程度で、記帳の代行や決算報酬は法人とほぼ同じ程度です。
年間の売上額が1,000万円未満の場合は、法人でも個人でもそれほど報酬の違いはありませんが、年間売上額が大きくなればなるほど、報酬の差が大きくなることが多いです。
税理士を選択する際に重視されること
依頼者が税理士を選択する際には、金額だけではなく税理士との相性も重要視します。決算や確定申告は担当者と税理士との二人三脚で行う必要があるため、コミュニケーションが重要になってきます。個人事業主の場合は特に、税理士に内緒にしているような事項があると、適切なアドバイスがもらえない場合もありますので、相談しやすい人を第一に選びます。
また、自分の要望をしっかりと聞いてくれた上で適切なアドバイスをしてくれるかも依頼者にとっては大切な要素といえます。ただし、いくら依頼者が勉強していたとしても、税理士は税金についてのプロです。自分の要望に沿った提案ばかりをしてくる税理士ではなく、自分にはなかった視点で提案をしてくれる税理士の方が依頼者にとっては嬉しいでしょう。プロとして、依頼者にとって適切なアドバイスができることが依頼者から選ばれる重要な要素でしょう。
適正な税理士の報酬額とは?
依頼者は税理士に支払う報酬は安ければ、安いほどいいと考えがちですが、あまりに相場からかけ離れた報酬を提示することは避けた方がよいかもしれません。
税理士登録者数は増えており、税理士同士の競争も激しくなっています。そのため、報酬を下げてでも顧客を獲得しようとする税理士がいるのも事実です。しかし、本当に自分の提案力に自信があって、顧客もそれなりに抱えている税理士は簡単には値下げしません。値下げしたことが他の顧客に対してバレてしまうと信用にもかかわります。
また、先ほど述べたように税理士は経営についての内部情報をオープンにしてもらう必要がありますので、信用されることが重要です。依頼者としても会社経営を左右することなので金額だけで決めることはしないでしょう。報酬の根拠をしっかりと示したり、依頼者にとって1番必要なサービスを提案、提供して満足度を高めることを重視しましょう。
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