税理士の人数は増えている?減っている?最新統計でわかる税理士業界の現状
2026/07/14
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コンテンツ目次
税理士の人数は全国に何人いる?
税理士業界の現状を把握するために、まずは税理士登録数をみてみましょう。
最新年度における税理士登録者数
2026年5月末現在、日本税理士会連合会の調べによると日本全国における税理士登録者数は82,233人となっています。
税理士として業務を行うためには、税理士名簿に登録をする必要があるため、税理士登録者数は、税理士として業務を行うことができる人数の指標となります。
なお、登録者数=実際に活動している人数ではありません。登録はしているが業務を行っていない、という人も含んでいます。
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税理士の人数の推移
昭和から平成、令和にかけての税理士数の推移をみてみましょう。
国税庁のデータによれば、1975年には32,436人、1985年には47,342人でした。2015年には75,643人、2022年には80,692人となりました。昭和から平成にかけては急激に増加し、令和に入って8万人を超えてからは緩やかな増加、近年は横ばい傾向、という推移が読み取れます。なお、税理士登録者数は減少した年がありません。
税理士登録者数が伸び悩んでいる理由
減少はしていないものの、近年は横ばい傾向です。登録者数が伸び悩んでいる理由を挙げてみましょう。
第一に、試験の難易度が上がっていることと、受験期間の長期化が挙げられます。税法は毎年改正が加えられ、年々複雑化しています。それに伴い、税理士試験も難易度が上がっています。税理士試験は年1回しかなく、合格に要する期間が長期化しており、貴重な時間を削って勉強に励まなければなりません。このような状況を背景に、受験にチャレンジする人は減っているものと考えられます。
第二に、国税OBによる構造の変化が挙げられます。国税OBは、試験免除により税理士登録することができるうえ、新規登録者における割合が大きいという特徴があります。2021年度の新規登録者の内訳では、国税OBが50%ほどを占めていました。「団塊の世代」の国税OBが大量に税理士登録をした時期もありました。そのような「人口構造」に伴い、国税OBの登録者数が減少していると考えられ、影響を与えているといえます。
第三に、若年層の「士業離れ」が挙げられます。AIの進化により、税理士の仕事がなくなるという論文が紹介されたことをきっかけに、税理士業務の将来像が見えない、といった印象があるようです。AIの進化によって税理士の仕事がなくなるというのは誤解と言っても過言ではありません。しかしながら、難関資格を得ても仕事がなくなるという印象があると、チャレンジする人が減少するのは仕方がないことかもしれません。
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【年齢別】税理士の人数構成と高齢化の実態
税理士の年齢構成をみてみましょう。日本税理士連合会によれば、60代以上が全体の53.6%を占めています。70代以上でも27.9%であり、高齢化が進んでいるうえ、20代はわずか0.6%、30代も10.3%と少なく、極端に高齢層に偏っています。若年層は「超売手市場」といえます。
高齢化が進む税理士業界で起きていること
受験者数の減少、税理士登録数が減ることに加え、税理士の高齢化により個人事務所は後継者問題が大きな課題となるでしょう。若手税理士や勤務税理士の需要はますます増加すると考えられ、会計事務所では、良い人材を確保するために採用活動を強化することが予想されます。
会計事務所の90%以上は個人事務所と言われており、後継者がいない場合には廃業するか、別事務所と統合などの選択が迫られるでしょう。
なお、企業側でも、今後は少子高齢化による後継者不足によって中小企業の統廃合が進み、企業数そのものも減少するとも予想されます。
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【男女別】税理士の人数と女性税理士の割合
2023年3月末時点での登録者数80,692人の男女別の内訳は、男性が68,100人(84.4%)、女性が12,592人(15.6%)となっており、男性の割合が圧倒的に高くなっています。女性は約6人に1人となっています。制度や職場環境などを整備し、女性が参入しやすい業界にしていくことが課題といえるでしょう。
女性税理士の割合は、2007年には12.1%、2012年は13.6%、2023年は15.6%、と推移しており、少しずつですが増加しています。
女性税理士が増えている背景
税理士の働き方として、開業税理士、社員税理士、所属税理士の3つがあります。開業税理士は独立開業している税理士、社員税理士は税理士法人において「役員」に相当する税理士を指します。所属税理士は、税理士法人や個人の税理士事務所に勤務している税理士を指します。
全体的には開業税理士が多いものの、安定した勤務形態である社員税理士や所属税理士を選択するケースも増えています。最近では時短勤務やリモートが可能な事務所も増え、家庭や育児と仕事を両立したい女性税理士には魅力的な働き方といえます。
また、人材不足を背景に、会計事務所側の「働き方改革」が進みました。多様な働き方が実現できる環境を整え、優秀な人材を確保したいという意識変化が生まれています。
税理士は性別に関係なく活躍できる専門職であり、近年の女性の社会進出やキャリア意識の高まりを背景に、今後も女性税理士の増加と地位向上が期待できるでしょう。
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【都道府県別】税理士の人数と地域差
次に、日本税理士会連合会の「15の税理士会=地域」別の税理士の人数と地域差について解説します。2026年5月末時点での82,233人のうち、東京会が24,715人(30.05%)、近畿会が15,562人(18.92%)、関東信越会が7,699人(9.36%)、となっており、大都市圏に税理士が集中していることがわかります。税理士法人についても、東京会・近畿会に集中している状況です。一方で、東北や北陸、四国、沖縄などの地方では、税理士の数は少なくなっています。
都道府県別に見てみると、1位東京都29.7%、2位大阪府11.1%、3位愛知県6.8%となっており、やはり人口の多い3大都市圏が中心となっています。人口の多い3大都市圏は会社数が多く、規模の大きい会社も集まりやすいため、税理士として仕事がしやすいと考えられます。
一方、地方では会社数が少ないためか、税理士数も少なくなっています。特に島根県や鳥取県といった山陰地方ではその傾向が顕著で、それぞれ47位、48位と最下位となっています。
税理士数の多い都道府県ほど新規登録者数は増加傾向にあり、逆に少ない都道府県では現状維持もしくは微減といった状況です。大都市への人口集中に伴い、税理士登録者数も大都市に集中するという関係が見えます。
地方では税理士数が少なく、人材不足が顕著となっています。高齢化と後継者不足が深刻な状況といえるでしょう。
地域偏在がもたらす影響
前述のとおり、税理士が対都市に集中し、地方で不足する背景には、受験者数の減少・高齢化・都市部への企業集中という複数の構造要因があります。この地域偏差は地方の税務サービスに大きな影響を与えています。
地方では税理士の数が少ないうえ、高齢税理士が多く、後継者不在のまま廃業する事務所が増えています。結果として、地方企業の顧問契約を引き受けられる事務所が限定され、複雑な税務相談に対応できる人材が不足するケースや、企業のDX化支援が遅れてしまう、といった課題が顕在化し、税務支援不足が懸念されます。
都市部と比べて若手税理士が極端に少ないため、その結果、未経験者でも採用したいと考える事務所が増え、科目合格者の評価も高くなっています。待遇改善や柔軟な働き方の導入が進み、地方の求人は、都市部よりも売り手市場になりやすい状況です。登録者数が少ない地域ほど、その状況は顕著です。
また、地方の税理士不足は、都市部で経験を積んだ税理士にとっても大きなキャリアチャンスといえるでしょう。社員税理士や所属税理士としては即戦力として歓迎されやすく、開業税理士としては、顧問先を引継ぎやすく、独立のハードルが低くなると考えられます。加えて、地方では地域密着で長期的な関係を築きやすいといったメリットがあり、地方移住や地元へのUターンを考える税理士にとっては追い風といえるでしょう。特にクラウド会計やDXに強い若手税理士は、地方でも非常に需要が高いと考えられます。
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税理士事務所への転職はまだまだ「チャンス」が多い
AIの進化によって税理士業務がなくなることはないでしょう。AIを効率化のために使い、税理士にしかできない価値提供を行っていく未来が予想されます。前述のとおり、税理士業界は超高齢化業界であるため、デジタル人材は不足しており、若手の有資格者は貴重です。クラウド会計ソフトなどをはじめ、会計・税務システムのデジタル化は一層加速しています。会計・税務業務の作業部分の自動化は可能ですが、すべてを置き換えることはできません。税理士の業務は多様化、税務は難解化しており、税理士のニーズがなくなることはないでしょう。
また、地方では人材不足が顕著なため、税理士事務所の求人も見つけやすいです。若手、経験者ともに求人数が多い状況です。テレワークや時短など、働き方を選択したい女性にも有利な状況といえます。税理士事務所の転職を考えている方や独立開業を考えている方は、「チャンス」が多いと捉えて前向きに検討してみてください。
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