【採用担当者必見】企業が経理採用を成功させるポイントはどこ?
2023/04/20
経理業務とは、会社のお金の流れに関する事象を記録・管理する業務のことです。記帳代行・給与計算・決算業務・税務申告・請求書の発行など、会社の重要な業務をこなす管理部門になります。経理には優秀な人材を採用したいと思っている経営者や採用担当者も多いと思われますが、どうしたら採用活動を成功させ、優秀な経理人材を確保できるのでしょうか。
今回は経理人材の採用担当者様向けに、経理人材の採用時にスキルを確認する方法、経理人材に必要な職歴、求めている経理人材を採用するポイントなどについて解説します。
コンテンツ目次
経理人材の採用時にスキルを確認する方法
経理業務は専門的な業務も多いので、採用時に求職者が自社の求めているスキルを備えているかどうかを確認する方法はあるのでしょうか。ここでは、経理採用時に求職者のスキルを確認する方法の1つとして資格を判断材料にする方法をご紹介します。
スキルを見るために資格を判断材料にする方法
経理業務では実務経験があったほうがよいのですが、どこまでの知識やスキルがあるのかを採用面接や履歴書・職務経歴書などの資料だけで判断することは難しいでしょう。企業によって業務の流れが異なるので、仕事のやり方が変わるとうまく進められないケースも出てきます。
スキルを判断する上では、保有資格を見ることも1つの判断材料となってきます。資格の勉強で得た知識があれば、経理業務の根底にある会計知識により、業務のやり方が変わっても順応しやすいという利点があるからです。
もちろん資格がなくとも会計知識のある人はいらっしゃいますが、応募者が多い場合などは全員と面接をしての判断は難しくなります。そこで保有資格を目安に判断をするようにすると、職務経歴書などから読み取りも早くなり、効率的に採用活動を進めることができます。
経理業務で活きる資格を知っておく
一般的に、経理業務で活用できる資格は以下のような資格です。経理人材の採用担当者として押さえておきましょう。
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つです。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められる知識を合格者は持っているとされます。
企業によっては上位の1級が求められるケースもあります。
・FASS検定(経理・財務スキル検定)
先進企業50社の経理・財務幹部によって開発された試験で、経理・財務の現場で求められる「実務力」を見える化する試験です。
「実務スキルの測定」が目的のため、5段階評価で能力を評価します。
・給与計算実務能力検定
企業・団体の総務・人事・経理などの管理部門で求められる給与計算業務に必要不可欠な、社会保険の仕組みや労働法令、所得税・住民税等の税法等の広範にわたる知識と実務能力を測る試験です。
2年ごとの更新制で、給与計算業務には労働関連の法令・社会保険制度・税制と影響を受ける法改正が多いことから知識の更新が必要とされています。
・ビジネス会計検定
公開・公示された財務諸表から企業の状況を解釈して各種の意思決定を行う財務諸表分析と、その際に必要な会計基準に関する知識を示す試験です。
上位に進むごとに財務諸表の数値の理解を進め、ビジネスに役立てていくことに重点が置かれています。
・BATIC(国際会計検定) ※IFRSの知識が必要な場合
英語での会計能力を測る試験で、日商簿記試験の英語版に相当するものです。日商簿記と異なり、国際会計基準(IFRS)に沿って出題される点が大きな違いになります。試験の獲得点数によって4段階の称号認定が行われます。
英語での出題となるため、受験にあたってはTOEIC750点相当の英語力が必要と言われています。
経理の経験者採用に必要な職歴は?
経理人材で経理業務経験者の採用をする場合、それまでにどんな業務を行ってきたかを採用面接でしっかりと見極める必要があります。このとき、一般企業の経理部経験者か、会計事務所経験者かで見極めるポイントが異なるので注意しましょう。
求職者の職務経歴を採用面接で直接ヒアリングすることにより、自社に適合する職務経歴があるのか、自社の求めている経理スキルを保持しているのかなどを見極めることができます。
経理部経験者のケース
経理部経験者の場合には、どのような規模の会社で経験を積んできたかがポイントになります。会社の規模によりIFRS(国際会計基準)やJ-GAAP(日本会計基準)などの会計基準が異なり、それによって自社で活用できる職務経験かどうかが判断できるからです。
たとえば、大企業や大手外資系企業の経理部経験者の場合、大半が連結会計システムを導入していて、連結決算における簿外の資産・負債の取り扱いの判断や子会社や関連会社の決算を精査する場合など、高度な会計知識と帳簿読解能力を保有している優秀人材の可能性があります。
また、経理業務は職務範囲に幅があり、業務の一部を会計事務所などに外部委託している会社もあります。これまで勤務していた会社がどのような業務を外部委託していたのかをヒアリングすることによって、求職者の経理業務経験が判断できます。経理業務経験を判断する際には、経験年数よりも業務経験の中身が重要だからです。
さらに、記帳代行をある程度自動化している企業もあるため、自社のやり方とマッチするかということを確認することも重要です。
総務など経理以外の業務も担当してもらう可能性がある場合には、担当範囲の経験があるかどうかの確認もするようにしましょう。
会計事務所経験者のケース
会計事務所経験者の場合、税理士の下で税務書類の作成をすることが会計事務所職員の仕事として一般的な業務内容ですが、記帳代行など企業の経理業務を請け負っている会計事務所のケースもあります。求職者がどのような経理業務経験があるかどうかを確認しましょう。
また、会計事務所経験者の場合、補助金や助成金に関する知識を有しているケースが想定できます。この場合、企業運営にとってメリットのある助成制度の知識があるので、単なる経理ではなく税務や財務にも明るい優秀な人材の可能性があります。
さらに、会計事務所経験者の場合、会計事務所の求人応募資格に、日商簿記2級以上の資格保有などのケースが多く見受けられることから、簿記1級や2級、税理士や会計士などの超難関資格を保有している人材の場合もあります。
このような難関資格保有者は、簿記専門知識を身につけているだけでなく、超難関資格を突破した実績からの能力の高さ、目標に取り組む積極姿勢や意欲、向上心など優秀人材の可能性が高いと想定されます。
欲しい経理人材を見つけるポイント
自社が求める経理人材を採用するためにはいくつかのポイントがあります。もちろん、面接時に自社の求めている経理人材かどうかの判断をすることも重要です。
その面接を的確に行うために入念な事前準備をすること、優秀な経理人材が自社の求人に募集するように求人サイトを厳選することなどが主なポイントです。ここでは、その2つのポイントについて詳しく解説します。
入念な面接の事前準備をしよう
採用面接で自社に適した優秀な経理人材を採用するためには、面接の事前準備としてどのような人材を採用したいのかを採用担当者が明確にしておくことが重要です。以下の着眼点に絞って、自社が求めている経理人材のレベルや採用後の配置や働き方などを確認しておきましょう。
・必要な業務スキルは?
・求職者に担当してもらう業務は?
・必要とする業務経験は?
・求める人柄や価値観は?
・国際業務などに使う英語力などの語学力は必要?
・マネジメント経験は必要?
・求職者のビジョンは?
求人は専門サイトやエージェントサービスを利用しよう
求人募集を行う場合、転職サイトにも総合サイトと専門サイトがあります。総合サイトは多数の求職者が登録している反面、専門性が少ないため求める人材がどの程度の割合で含まれるのかは実際に利用してみないとわかりません。
スキルシートなども特化しているわけではないため、登録されているデータからでは必要なスキルを満たしているかどうかの判断が難しくなるのが現状です。
他方、専門サイトは総合サイトに比べると求職者の数こそ少なくなりますが、登録している人材は業界の希望者や経験者のみになります。専門サイトは会計・経理業務に特化した求人サイトであるため、取得資格やスキルシートなどは経理採用に必要な要素で細分化されており、求職者の振り分けの判断も楽に行えます。
経理人材のように求める職種が定まっている場合、専門サイトに出稿したほうが、求職者について細かい比較ができるため採用におけるメリットが大きくなります。
人材採用は、採用後の経過も含めてコストも時間もかかります。労力・時間・コストをかけて採用したものの、採用のミスマッチにより離職してしまってはすべてが無駄になってしまいます。適正な経理人材を採用して教育研修を行い、自社に長く定着してもらうことが一番のコスト削減にもつながります。そのような自社に合った経理人材の採用のためにも専門サイトを利用することをおすすめします。
また、一般的な経理ではなく将来のCFP候補や経理部長(課長)など、高スキルの人材を採用するには、エージェントサービスが有用です。こちらも要求されるスキルを把握している専門サイトのエージェントに声を掛けておくとよいでしょう。
ポイントを押さえて効率的な採用活動を
これまで、経理人材の採用について、経理人材の採用時にスキルを確認する方法、経理人材に必要な職歴、求めている経理人材を採用するポイントなどについてご紹介させていただきました。
自社に合った適正な経理人材を採用するためには、面接前に求める人材に必要なスキルや経験、資格などを明確にした上で、専門サイトで求人募集を行うと効率的に応募を受けることができるでしょう。また、面接時には求職者の言葉で業務経験などを説明してもらい、自社に合った経理人材かどうかを判断しましょう。
可能であれば、面接時に自社の経理職員に同席してもらい、自社の経理業務に適合するかどうかの判断の一助をしてもらうことをおすすめします。今回の記事が、自社の経理人材の採用方法を検討する際の一助になれば幸いです。
投稿者情報
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