会計システム導入のチェックポイントを解説!種類・機能など
2023/11/01
会計システムは、伝票作成、帳簿への転記、試算書の作成、決算書の作成など、ひとつひとつの会計業務を連動させて、業務の効率化を図るためのシステムです。
現在では会計業務を行う上で必要不可欠ですが、その種類や機能も様々です。
この記事では
・会計システムを選ぶ上での6つのチェックポイント
・会計システム導入メリット
・会計システムの種類と主な機能
などについて解説していきます。
これを読めば、会計システムの種類、主な機能、自社に合う会計システムのチェックポイントなどが理解できます。「会計システムを入れ替えたい」「新たに会計システムを導入したい」と検討中の方は、ぜひご一読ください。
コンテンツ目次
会計システムを選ぶ上での6つのチェックポイント
会計システムにも様々な種類があります。ここでは自社に最適なタイプを選ぶ上でのチェックポイントを紹介します。
(1)導入目的は明確か?
会計システムは、使用する側の目的によって機能が異なります。主な導入の目的としては、「経理作業のスピード化」や、「経営の効率化」などがあります。会計システムには、入力した数字をグラフ化したり、資金繰り表を作成したりするなど、様々な機能が備わっていますので、会計システムを導入することで何を実現させたいのか、まずはその導入目的を社内で検討しましょう。
(2)種類や特性を理解しているか?
会計システムには主に「インストール型」と「クラウド型」の2つのタイプがあります。それぞれの特性を理解した上で、自社に最適な会計システムを選びましょう。
●インストール型
インストール型は、会社のPCに会計ソフトをインストールして使用するタイプです。初めに会計ソフトを購入する費用がかかるものの、その後の費用はかかりません。近年では、インターネット上で利用する「クラウド型」の利用者が増えていますが、インターネット上で起こり得る「情報漏えい」の懸念もあります。しかし、インストール型なら、データはPC内に保存されていますので、漏えいの心配も不要です。
●クラウド型
クラウド型は、インターネット上で提供される会計システムにアクセスするだけで利用できます。場所や端末に制限がなく、スマホやタブレットでも操作可能なタイプもあるため、近年、普及しつつあるテレワークにも対応しやすい特性があります。一方、月額制の契約で利用しますので、利用する限り、毎月ランニングコストも支払い続けるデメリットがあります。
(3)必要な機能が備わっているか?
(1)の会計システムの「導入目的を明らかにする」ことにもつながりますが、目的に合わせた機能が備わっているかどうかを「実務」と「経営」の2つの視点でチェックしましょう。
●実務で必要な機能
経理の実務に必要なのが、「仕訳入力」「帳簿・伝票入力」です。仕訳入力は、数字を入力すると自動で仕訳したり、転記もしてくれたりする機能も付いています。手作業で行うよりも、はるかにスピーディーで正確な処理が可能です。また、帳票・伝票の入力機能が備わっていれば、決算書の作成もスムーズに行えるので、経理の現場担当者にとっては大変助かる機能です。
●経営で必要な機能
経営で必要な機能として、「分析」「レポーティング」があります。単に数字をスピーディーにまとめるだけが会計システムの役割ではありません。入力した数字を分析し、今後の売上を予測しデータ変換する機能も備わっています。部門、あるいは事業ごとにセグメントできる機能もありますので、企業の「強み」「弱み」が把握でき、今後の企業が進むべき方向性も見えて来るでしょう。
(4)会計システムに拡張性はあるのか?
導入する会計システムに「拡張性」が備わっているかもチェックしましょう。企業が成長するにつれて、会計システムに求める機能も高度化していきます。例えば、導入当初は、数字の入力だけで良かったものの、経営判断に必要な「分析」「レポート」も必要になってきます。システムに元々付いている機能に加えて、新たな機能もスムーズに付加できるなら、新しく入れ換える必要もありません。将来の使用イメージを考えた上で、拡張性があるかもチェックしましょう。
(5)税法改正に対応できる会計システムか?
会計業務には、常に「税法」が関わってきますが、その最たるものが「消費税」です。税率が変われば、請求書などの各種伝票の発行業務にも影響が出てきます。このような時にでも、スピーディーに変更が可能かどうかもチェックしましょう。税法が変わったのにシステムがアップデートできなければ、長期的に使うことはできません。
(6)サポート体制は十分か?
システム導入後のサポート体制のチェックも重要です。業者より使い方のレクチャーを受けていたとしても、導入当初は分からないことが多々あるでしょう。場合によっては業務が停滞してしまう恐れもあります。そのような時、どんなサポート体制でフォローしてくれるのかも確認しましょう。
会計システム導入メリット
会計システムを導入することで、転記漏れなどの人的なミスも起こりにくく、より正確でスピーディーな会計処理が行えます。会計システムには、ソフトを購入し、使用する端末にソフトをインストールするタイプ(弥生会計21、勘定奉行11など)と、インターネットを利用したタイプ(クラウド会計フリー、マネーフォワードクラウド会計など)があります。ここでは、会計システム導入で得られる、その他のメリットについて紹介します。
会計業務のスピード化
会計システムには、数字やデータを入力すると自動で帳簿を作成してくれる機能があります。これまで、必要な伝票や書類を1つひとつ作成する手間も省けて、会計業務のスピード化が図れます。
人的ミスの軽減化
手作業による計算ミスが防げます。また、仮に数字の入力ミスで残高が合わない場合、アラートがあがる機能もあり、作業段階でミスに気づくこともできます。その結果、月末のタイミングになって初めてミスに気付き、修正に追われることもありません。このような人的ミスを最低限に抑えることができます。
経営状況の可視化
会計システムを導入することで、入力した数字を直ぐにデータ化することができます。収入や支出がどのくらいなのか、月間、年間でどう推移しているのか「見える化」できるため、スピーディーな経営判断をしやすくなります。
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会計システムの種類と主な機能
財務会計システム
財務会計システムは、日常的な仕訳入力から決算書の作成まで、幅広い財務会計処理ができるシステムです。主に以下の機能が備わっています。
●伝票入力…
入金伝票、出金伝票、振替伝票などを作成する機能。
●帳簿作成…
現金出納帳、総勘定元帳など、伝票の取引状況から転記して帳簿を作成する機能。
●自動仕訳…
これまでの仕訳データを予測して自動仕訳を行う機能。
●データ連携…
銀行の出入金、クレジットカードデータなど、外部のデータを会計システムに取り込む機能。
●決算書作成…
財務会計に必要な、貸借対照表、損益計算書などの書類を作成する機能。
●帳簿の出力…
作成した帳簿を出力する機能。PDFやCSVなどでの出力も可能。
●固定資産管理…
固定資産を管理する機能。
管理会計システム
管理会計は、企業の経営に活用するため、部門ごとの財政状況の把握、人員などの経営資源の配分を検討する際に活用する、「社内向け」の会計を管理するシステムです。管理会計システムには、次のような機能が搭載されています。
●予実管理…
予算と実際とを管理する機能。部門ごと、事業ごとに振り分けることも可能。
●経営分析…
貸借対照表や損益計算書をもとに、現在の経営や財政状況を分析する機能。
●経費管理…
従業員の経費を管理する機能。
●シミュレーション…
現在の会計情報をもとに、将来の経営状況をシミュレーションする機能。
債務管理システム
債務管理は、自社で購入した商品・サービス等の支払を管理するシステムです。支払先、支払日、支払金額などがしっかり管理できれば、支払が滞ることなく処理できるので、取引先からの信用向上にもつながります。
●支払消込…
支払済の債務を消込する機能。
●支払分析…
債務残高や支払情報から支払を分析する機能。どの部門で支払が多いのかが把握できます。
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