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タックス・プランニングとは

タックスプランニングはなぜ必要?目的や成功事例を解説

2023/11/01

経理に関わる方なら、「タックスプランニング」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。真新しい言葉に聞こえますが、タックスプランニングとは、無駄な税金を払い過ぎないようにするための、いわゆる「合法的な税金対策」のことです。税金対策と聞くと、「いかに支払う税金を抑えるか」といったネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、本来は将来支払う「法人税」などの納税額を予測しながら、「企業利益の適正な確保」を目指した計画のことを意味します。

この記事では

・タックスプランニングの意味
・タックスプランニングが行われる目的
・タックスプランニングが注目を集める背景
・タックスプランニング導入の成功事例

などについて解説していきます。これを読めば、タックスプランニング本来の意味や、どんな目的で行われるのか、どのように進めるのかなど、そのプロセスの理解が深まります。また、タックスプランニングを成功させるには、将来の事業計画を立てた利益予測が必要になります。経理や財務の仕事にも関わる話ですので、会計業務担当の方は、ぜひご一読ください。

タックスプランニングとは

タックスプランニングとは、分かりやすくいうと、「企業の税金対策」のことです。税金対策というと、「税金をいかに節税するか、その対策を練ること」とイメージしがちですが、そうではありません。タックスプランニングは、一時的な節税対策を取れば万全というものではなく、将来的に発生する税金(法人税など)に対して、いくら納税するのかを予測して過度な納税を抑えるための「事前計画」なのです。

適正な納税計画を立てることは、企業の利益を安定確保するため経営戦略の一環でもあります。もし、タックスプランニングを怠っていたらどうなるでしょう。いくら納税すればよいのか予測ができていないため、納税のタイミングで多額の納税を支払わなければならず、その結果、資金繰りが悪化してしまう事態も予測されます。そのようなことが起きないように、「経営」と「納税」の2つの視点で考えて長期的な利益を追求する計画が、タックスプランニングなのです。

タックス・プランニングが注目される理由とは

タックスプランニングが注目される理由

タックスプランニングが注目される理由には、特に海外事業を展開する企業における、「過度の税金支払いの見直し」があります。海外では支払う必要のない税金を納めているケースもあり、企業規模が大きくなるほど、納税額も膨れ上がり経営をひっ迫させる問題も起きていました。そこで、各国の税制の仕組みや特徴を理解し、各国の法律の範囲内でタックスプランニングを行う企業が現れるようになりました。

余計な税金を払わないためにタックスプランニングをしっかり行い、大きな節税効果のお蔭で、適切な利益確保にも繋がりました。このように、かつてはネガティブなイメージだったタックスプランニング(節税対策)も、今では安定した利益を確保するための取組みとして知られています。

タックスプランニングの成功事例については、この後の章で詳しく紹介します。

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タックスプランニングの目的

繰り返しになりますが、タックスプランニングの目的は、支出を計画的に行うために納税額を事前に把握し、企業経営の安定化を図ることにあります。例えば、ある企業が設備投資を行い、大きな支出をしたとしましょう。タックスプランニングを立てておかないと、納税額の予測もついていないため、納税に必要な資金が不足し納税できない事態に陥ります。

納税できなかった場合、資金繰りの際、銀行からの融資実績があったとしても、借入が難しくなり、事業継続も危ぶまれます。そのような時、タックスプランニングを事前に活用しておけば、いくら納税すればよいかも予測できるため、設備投資も見据えた借入相談もできます。

タックス・プランニングはどのように行われるのか

タックスプランニングを行うプロセス

タックスプランニングは、納税のプロでもある税理士に一任しさえすれば完了するのではありません。経営や経理に携わる企業側との連携が必要不可欠です。タックスプランニングはどのように行われるのでしょうか?

タックスプランニングは単に納税額を算出すればよいものではありません。タックスプランニングを行うには、これから所得(利益)がどの程度、どこから得られるのか予測を立てなければなりません。なぜなら、所得に応じて支払う納税額(法人税)が決められるからです。そのために、向こう1~3年程度の事業計画を立てます。所得(利益)がどのように推移し、支払う納税額はいくらで、結果的に手元に残る金額はどのくらいか、を予想します。

事業主や法人において税理士が必要になる理由とは

タックスプランニング導入の成功事例

最後に、日本を代表する製造業者が取り組んだタックスプランニングの成功事例を紹介します。世界各国に子会社を持ち、グローバルに事業を展開する同社では、国際的な税務に関する管理部門が不在だったため、世界中で支払う必要のない税金を支払っていた問題を抱えていました。そこで、支払う必要のない税金を見直し、「数千億単位のフリーキャッシュフロー(企業が自由に使えるお金)を3年間で創出する」というグループ経営の目標を掲げました。

しかし、海外における納税状況が一元管理できておらず、「どの国のどの子会社が、何の項目でいくら納税しているのか」を洗い出す必要がありました。とはいえ、海外における納税の仕組みを知るノウハウもなかったため、税理士法人に協力を依頼。税理士法人とタッグを組んで「タックスプラ人ニング導入プロジェクト」を立ち上げました。

まず、タックスプランニングに必要なデータ項目(課税所得、税率、繰越欠損金残高など)を、各国の子会社から収集し全体的な「見える化」を行いました。支払う必要の税金が過剰に納付されていたことが分かり、複数の子会社を合併して1社に集約するなどの対策を講じました。その結果、海外における納税の適正化が推し進められ、数十億もの納税コストダウンに成功したのです。

日本では、タックスプランニングといえば、「税法の抜け穴を利用して、支払う税金を減らすプラン」というネガティブな意味合いに取られがちでした。しかし、この成功事例は「企業のキャッシュフローを創出させ、持続的な成長に欠かせない経営戦略である」という、タックスプランニングに対する印象を大きく変えました。このように、タックスプランニングは「納税の負担を適正化」することが目的であり、企業価値を高めるのが最終目的なのです。

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