事務職の年収はなぜ差が出る?職種・業界・スキル別にわかりやすく解説
2026/08/18
デスクワークの定番として根強い人気を誇る「事務職」。ワークライフバランスが取りやすく、安定して働けるイメージがある一方で、「他の職種に比べて年収が上がりにくいのではないか」「AIの普及で仕事がなくなるのではないか」といった不安や疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ひとくちに事務職と言っても、その仕事内容や求められる専門性、属する業界によって年収には大きな差が存在します。また、AIの進化によって単純作業の自動化が進む現代だからこそ、専門スキルや市場価値の高い業界を見極めることが年収アップの鍵となります。
本記事では、事務職の平均年収の現実から、職種別の特徴、年収を高めるために必要なスキル、そして年収アップを実現するための転職ノウハウまでを分かりやすく解説します。
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コンテンツ目次
事務職の平均年収
事務職全体の平均年収は約350万円前後とされており、他の職種(営業職やITエンジニア職など)と比較するとやや低めの水準に位置しています。
年収が低くなりがちな背景には、未経験から挑戦しやすい定型業務(マニュアル化された作業)が多いことや、直接利益を生み出す「直接部門」ではなく、組織を支える「バックオフィス(間接部門)」であることが挙げられます。
しかし、「事務職=年収が上がらない」というわけではありません。事務職の給与水準は、企業の規模、業務内容、雇用形態によって大きな幅(200万円台〜600万円以上)が存在します。
・企業の規模:大手企業や上場企業ほど基本給ベースが高く、賞与や手当も手厚い傾向にある
・業務内容・専門性:高度な法律知識や会計知識、語学力が求められる業務ほど高給
・雇用形態:正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイトによって給料体系が異なる
・業界の水準:高収益な業界(金融、IT、商社など)ほどバックオフィスの基本給も高めに設定される
つまり、どのようなスキルを持ち、どのような場所で働くかによって、事務職であっても高収入を目指すことは十分に可能です。
出典:doda「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)」(https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/)
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事務職にも様々な種類がある
事務職と一言で言っても、担当する領域によって求められる知識や日常業務は多岐にわたります。代表的な9つの事務職について、それぞれの役割と特徴を見ていきましょう。
一般事務
一般事務は、書類作成、データ入力、電話・メール対応、ファイリング、来客対応など、オフィス全体のバックオフィス業務を幅広く担当する職種です。特別な資格や知識がなくても始めやすいため人気が高い反面、定型業務が多いため年収水準は事務職の中でも平均的〜やや低めになる傾向があります。近年のRPA(業務自動化)や生成AIツールの導入により、単純なデータ入力作業などは自動化が進んでいるため、今後はプラスαの対応力や円滑なコミュニケーション能力が求められます。
経理事務
経理事務は、企業の金銭出納や伝票処理、請求書の発行、売掛金・買掛金の管理などを担当します。決算期には貸借対照表や損益計算書の作成補助など、経営に直結する数値データを扱います。数値に対する正確性と簿記の知識が必須であり、専門性が高いため、一般事務と比較して手当がつきやすく、年収も高めになる傾向があります。実務経験を積むことで、企業の財務戦略に携わるようなキャリアアップも期待できます。
総務事務
総務事務は、会社全体の設備・備品管理、社内イベントの企画運営、契約書管理、防災対策など、組織がスムーズに機能するための環境整備全般を担います。「企業のよろず屋」とも呼ばれるように、業務範囲が非常に広いのが特徴です。社内外の多くの人と調整を行うコミュニケーション力やトラブル対応力が評価されるため、幅広い業務を効率的にこなすマルチタスク能力が強みとなります。
人事事務
人事事務は、社員の採用活動のサポート、入社・退社手続き、研修の手配、評価制度の運用補助などを担当します。また、従業員の労務管理(勤怠管理、給与計算、社会保険手続き)を兼ねる場合もあります。個人情報や機密情報を扱うため高い倫理観が求められるほか、労働基準法や社会保険関連の法律知識が身につくため、専門性を磨くことで評価や年収につながりやすい職種です。
営業事務
営業事務は、営業担当者や営業部門をサポートする職種です。見積書・納品書・請求書の発行、商品の受注・発注処理、顧客からの問い合わせ対応、プレゼン資料の作成などを行います。内勤でありながら顧客や取引先と直接連絡を取る機会が多く、営業担当者がスムーズに活動できるよう先回りしてサポートする気が利き、スピード感のある対応が求められます。営業目標の達成によってインセンティブや賞与に還元される企業もあります。
貿易事務
貿易事務は、商社やメーカー、物流企業などで、商品の輸出入に必要な書類作成(通関書類、インボイス等)、出荷・輸送の手配、海外現地との連絡調整などを行う専門性の高い事務職です。英語をはじめとした語学力や、貿易実務に関する専門知識が不可欠となるため、事務職の中では年収水準が高く設定されていることが大きな特徴です。
金融事務
金融事務は、銀行、証券会社、保険会社などの金融機関で、口座開設手続き、融資書類のチェック、保険金の支払い手続き、顧客への商品案内補助などを行う職種です。コンプライアンス(法令順守)に対する厳格な姿勢と、金融商品や税制に関する専門知識が求められます。金融業界全体の給与水準が高いことに伴い、金融事務の年収も比較的高めになるケースが多く見られます。
医療事務
医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関で、受付・問診、会計、カルテ管理、そして最も重要な業務である「診療報酬明細書(レセプト)」の作成・点検を行います。レセプト業務には医療保険制度に関する独自の専門知識が必要です。全国の医療機関でニーズがあり、ライフステージが変わっても働き続けやすい利点がありますが、個人クリニック規模などでは年収が控えめになる場合もあります。
学校事務
学校事務は、小・中・高校や大学、専門学校などの教育機関で、学籍管理、証明書発行、教員のサポート、備品管理、資金・会計管理などを担当します。国公立学校の場合は公務員としての採用(公務員給与体系)となるケースが多く、私立学校の場合も経営母体が安定していることが多いため、雇用や年収が非常に安定しているのが魅力です。
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年収が高い事務職の特徴
事務職として高い年収を得ている人や職種には、明確な共通点があります。年収を高める大きな要素は「専門性の高さ」と「属する業界の市場ニーズ」の2点です。
専門性が高いスキルが必要な職種
特別な知識がなくてもできる仕事は参入障壁が低く、AIやシステムに置き換わりやすいため、どうしても給与水準は上がりにくくなります。一方で、知識やスキルの取得に時間がかかる以下のような高度な事務職は市場価値が高く、高年収が狙えます。
・貿易事務:英語力や貿易知識(TOEIC 700〜800点以上や貿易法規・手続きの専門知識など)が必要
・経理事務:会計や財務の知識(高度な会計知識、決算業務の完遂能力、税法に関する理解など)が必要
・人事事務:労務管理や社会保険労務関連の法律知識、複雑な給与計算の実務能力が必要
こうした職種は「専門知識が必要」「その人にしかできない業務」が発生しやすく、企業としても高い報酬を支払って確保したい人材となります。
市場のニーズが高い業界
事務職の給与は、個人の能力だけでなく「どの業界で働くか」によって大きく左右されます。市場のニーズが高いと年収が高い傾向があり、IT、金融、商社などの業界が代表的です。
・IT・Web業界:成長が著しく、優秀な事務・アシスタント人材の確保に積極的
・金融・証券・保険業界:業界全体の平均年収水準が高く、事務職のベースアップも狙いやすい
・商社(総合・専門):グローバル取引が多く、貿易事務や英語力を活かした高年収事務のニーズが高い
同じ「データ入力や書類作成」であっても、市場ニーズの高い業界に身を置くだけで年収が大きく変わることも珍しくありません。
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事務職の年収アップに役立つスキル
現在事務職として働いている方や、これから事務職で年収を上げていきたい方が身につけるべき実用的なスキルを解説します。
手当のある資格取得
資格手当の対象となる資格は会社ごとに異なりますが、日商簿記、TOEIC、MOS、秘書検定など事務職に役立つ資格は多くあります。特定の資格を保有していることで「資格手当」が毎月支給されたり、昇進の必須要件となっていたりします。
・日商簿記:経理事務だけでなく、すべての事務職において決算書を読む力やビジネスの金の流れを理解する強みになります(2級以上の取得が特におすすめ)。
・TOEIC:外資系企業、大手商社、貿易事務を目指すなら強力な武器になります。
・MOS:PCスキルの客観的な証明になります。
・秘書検定:ビジネスマナー、文書作成、手配業務など、総務や役員秘書、営業事務で活かせる実務力が身につきます。
PCスキルの向上
Word、Excel、PowerPointなどのOffice操作は事務職に必須ですが、Excelのマクロ(VBA)が組める、PowerPointでわかりやすい資料が作れるなど、さらにスキルアップできるとなおよいでしょう。
・Excelのマクロ(VBA)が組めるスキル
基本関数や表作成だけでなく、マクロを活用してルーティン作業や定型業務を自動化できるスキルがあると絶大な評価を得られます。近年では、生成AIツールやRPAを活用して業務プロセスを劇的に効率化できる事務職も非常に重宝されています。
・PowerPointでわかりやすい資料が作れるスキル
営業事務や企画補助などで、営業担当者や経営層がそのままプレゼンで使えるレベルの「見やすく・論理的でわかりやすい資料」が作れるスキルです。相手の意図を汲み取った資料作成ができる人材は評価が高まります。
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事務職の年収アップが期待できる転職
現在の職場での大幅な昇給が見込めない場合、最も確実でスピーディーな年収アップ手段は「転職」です。
給与水準が高い業界・企業
働く業界や企業規模によって年収水準は大きく異なります。金融業界、外資系企業、IT業界、コンサルティング業界、上場企業などが該当します。もちろん、専門知識が必要であったり、求められるスキルも高くなります。
・金融業界・外資系企業:
高い語学力や厳格な事務処理能力が求められますが、ベース給与が高額です。
・IT業界:成長企業:
変化に対応できるスピード感のある事務・オペレーション人材が高く評価されます。
・コンサルティング業界・上場企業:
充実した手当や手厚い賞与制度があるため、年収全体が底上げされます。
それぞれ求められるレベルも上がりますが、自分の市場価値を伸ばしながら高収入を得る絶好の環境と言えます。
一般企業のほかに会計業界も
一般企業のほかに、会計事務所や税理士事務所への転職も考えられます。とくに経理業務の経験があるなら活かせる可能性も十分にあります。
・経理経験の活用:日々の仕訳や売掛・買掛管理、月次決算補助などの実務経験がそのまま即戦力になる
・専門性の向上:実務を通じてより高度で専門的な会計・税務の知識が身につき、税理士等の資格取得を目指して年収を大幅に伸ばすルートも開ける
「一般事務・経理から会計業界へ転職し、専門性を高めて年収を上げる」というキャリア選択は非常に現実的で再現性が高い方法です。
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まとめ:事務職の年収は業界や企業規模によって大きく変わる
事務職の平均年収は約350万円と言われていますが、年収は業界や企業規模、専門性の高さによって大きく変わるのが実態です。AIの進化によって単純なデータ入力作業などは減少しつつありますが、高度な専門スキルや業務効率化スキルを持つ事務職の価値はむしろ高まっています。
年収アップを実現するためのポイントをまとめると以下の通りです。
・専門性を身につける:貿易、経理、労務など高度な知識が必要な領域を目指す
・スキルを磨く:簿記やTOEICなどの資格取得、Excelマクロ(VBA)やわかりやすい資料作成スキルを習得する
・適切な環境を選ぶ:金融・IT・外資・大手上場企業や、専門性を活かせる会計業界など給与水準が高い場所へ転職する
自分の得意分野や関心のある領域を見極め、スキルアップと適切な業界選びを行うことで、事務職であっても着実に年収を高めていくことが可能です。ぜひ本記事を参考に、今後のキャリアプランや年収アップへの一歩を踏み出してみてください。
投稿者情報

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会計事務所や税理士事務所、一般企業の経理職など会計業界の求人情報が豊富な「会計求人プラス」を運営し、多くの求職者の方、会計事務所の採用ご担当者とお話をさせていただいています転職エージェントです。
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