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全国の税理士登録者数について

2018/08/21

税理士として年収をアップさせるためには、独立開業という方法があります。しかし、独立稼業して成功するためには競争に勝たなければいけません。税理士同士の顧客獲得競争が今後どのように推移していくか検討するためには、税理士登録者の人数や今後の推移についてよく知っておくことが有効です。そこで、さまざまなケース別の税理士登録者数の推移と今後の展望についてまとめてみました。

☆全国の資格別税理士登録者数と推移

平成29年3月31日現在、日本全国における税理士登録者数は76,493人です。(※1)その内訳は「国家試験合格者」がおよそ45%、大学院の税法科の修士課程を修了、または税務署に一定の期間以上勤めていたものなどが資格を得られる「試験免除者」がおよそ35%となっており、この2つだけで全体の約80%を占めています。また、公認会計士や弁護士の資格を持っていれば税理士会に登録(公認会計士は国税審議官の指定する試験で一定以上の点数を獲得する必要あり)することができ、これらの割合はおよそ13%と比較的大きなウェイトを占めているのが特徴です。また、全国の税理士の数は年々増加傾向にあります。平成2年時点での全国の税理士数は55340人でしたが、そこからおよそ30年経過した平成29年にはおよそ1.4倍となっています。年によって増減には多少の誤差があるものの新規登録者数は2500人から3000人、資格抹消者は2000人前後で推移しており、平均して毎年700人程度登録者数が増えている計算です。また、驚くことに毎年の増減における統計が残っている平成11年から平成29年までの18年間において、一度も減少した年がありません。これらのことから、今後もしばらくの間は税理士の人数は増え続けると予測できます。(※1)

※1.【佐藤茂税理士事務所】5.全国の税理士の人数と税理士資格を取得した方法・税理士試験受験者と合格者の推移

☆都道府県別税理士の登録者数と推移
税理士の登録者数を都道府県別に見てみると「1位東京都22330人(全体の29.1%)」「2位大阪府8505人(同11.1%)」「3位愛知県5242人(同6.8%)」となっており、やはり人口の多い3大都市圏が中心となっています。これは人口の多い3大都市圏には「会社数が多く、規模の大きい会社も集まりやすい」ため、税理士として仕事がしやすいためであると考えられます。3大都市圏に続くのは東京周辺の関東地方で神奈川県(第4位)、埼玉県(第5位)、千葉県(第8位)です。また、その他の地域でも関西地方の兵庫県(第6位)や京都府(第9位)は比較的多く、九州地方の代表的な県である福岡県(第7位)も上位に入っています。一方で、人口の少ない県は会社数が少ないためか税理士数も少ないことが多いです。特に島根県や鳥取県といった山陰地方はその傾向が顕著で、それぞれ第46位、第47位となっています。都道府県別の推移としては「どの地域も現状維持または増加」という具合で、著しく減少している場所はありません。ただし、税理士数の多い都道府県ほど増加傾向にあり、逆に少ない都道府県では現状維持もしくは微減といった具合です。これは人口の大都市への集中が進んでいることが、都道府県別の税理士登録者数にも影響していると考えられます。(※1)

※1.【佐藤茂税理士事務所】5.全国の税理士の人数と税理士資格を取得した方法・税理士試験受験者と合格者の推移

☆税理士試験受験者の推移

税理士試験の受験者数は、平成14年では52560人でした。平成17年までは増加していましたが、その年の受験者数56314人をピークとして減少に転じています。平成29年の受験者数は、ピーク時の58%である32974人です。毎年平均ではおよそ2000人減少している計算になりますが、特に平成25年からの5年間は1年あたりおよそ2500人も減少しており、スピードが加速しています。
最終合格者数については毎年1000人前後で推移していましたが、受験者数の減少とともに少なくなっており、平成25年以降は一度も1000人を超えていません。その後は平成27年には835人、平成28年756人、平成29年は795人と800人前後で推移しており、合格者数が多かった平成15年(1193人)と比べるとおよそ70%まで減少しています。合格者率は平成14年から2%前後で推移していて、これは平成29年時点でも年によって多少の誤差はあるものの変わっていません。そのため、単純に受験者数が減少することによって、合格者数も減少していると考えられます。(※1)

※1.【佐藤茂税理士事務所】5.全国の税理士の人数と税理士資格を取得した方法・税理士試験受験者と合格者の推移

☆税理士受験申込者数の今後の展望

税理士試験の受験申込者数は平成17年以降年によって人数は異なるものの、毎年減少しています。この理由として最も大きいと考えられるのが「少子高齢化」です。少子高齢化によって学生の数が減っているということは社会的な問題としてよく取り上げられますが、それは税理士業界も無縁の話ではありません。ただ、少子高齢化は一朝一夕に解決する問題ではありませんし、解決したとしても成果を実感するのは子供が成人するおよそ20年後のことです。そのため、税理士試験の受験者数は特に平成25年以降の減少スピードが速いですが、今後ますます加速する可能性も考えられます。長期的な視点で考えると税理士の数は減っていくと考えられるでしょう。ただし、受験者数の減少がすぐに税理士数の減少に結びつくわけではありません。なぜなら、受験者数は減っているのに税理士登録数は毎年増加しているからです。この要因としては「一定期間以上勤めた国税のOBが税理士資格を持つ」という「試験免除」といった制度が影響しています。つまり、国税を定年退職したて税理士として登録をする人の方が、税理士試験受験者の減少も多くなっているということです。定年間際の人たちの人数は若い世代と比べると多いので、この傾向はしばらく続くことでしょう。(※1)

※1.【佐藤茂税理士事務所】5.全国の税理士の人数と税理士資格を取得した方法・税理士試験受験者と合格者の推移

☆まとめ

税理士数の今後の推移としては「少子高齢化に伴う受験者数の減少」といった理由によって、長期的には減少していくことが考えられます。税理士数が減るということはライバルが少なくなることを意味しますが、今後は少子高齢化による後継者不足によって中小企業の統廃合が進み、企業数そのものが減少するとも予測されています。税理士としてのキャリアプランを描くときは、そのあたりも計算にいれて考えるようにしましょう。
また、短期的には国税のOBが退職することによる税理士登録などの理由によって毎年増加していることから、しばらく増加傾向は続くことが予想されます。さらに都道府県別にみると人口も多く、規模が大きい会社も集まりやすい都市部ほど増加傾向にあり、基本的にはこの流れも続くと思われます。ですから、税理士として長く働くつもりであれば理解して就職、独立を検討するようにしてください。

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