エンプロイアビリティとは?評価や向上のためにも転職サイトは役に立つ
2023/10/27
世界がコロナ禍に見舞われる中、日本では首都圏を中心に非常事態宣言が発出され、2021年7月現在、日本国内の感染者数は増加の一途をたどっています。
読者の方がお勤めの会計事務所にも、様々な影響が出ているかもしれません。
日本国内には多数の会計事務所がありますが、その内5名以下の税理士事務所が殆どを占めています。
所長税理士が高齢である事務所の割合も非常に多いです。
その所長税理士がリタイアしてしまったら、その事務所はどうなってしまうのでしょうか?
勤務税理士にとって不安な要素として、他にも、新型コロナによる影響で、事務所の抱えるクライアント数が激減してしまったというお話も耳に入ってきます。
士業の事務所だから今後もずっと安泰であるという時代は、とうに過ぎ去ってしまっていると考えたほうが良いでしょう。
ではそのような状況の中、勤務税理士やスタッフの人はどうすればいいのでしょうか。
いざというときのことを考え、事前に準備をしておくことが重要であると言えるでしょう。
ところで読者の皆様は、エンプロイアビリティという言葉を聞いたことはありますか?
雇われるための能力、雇われ続けるための能力などと、日本語に訳される言葉です。
この能力を向上させておくことで、自分の勤める会計事務所にもしものことがあったときでも、動じずにしっかりと対処できるようになる、と考えてよいでしょう。
本件では、エンプロイアビリティとは何か?会計事務所に勤めている中でどう役に立つのか?、などについて、詳しく解説します。
コンテンツ目次
エンプロイアビリティとは何か?
エンプロイアビリティは、労働市場における自分の能力に対する評価や、能力を開発する目標となる就業能力のことです。
会計事務所に勤務する方に求められる能力は、その会計事務所内で役に立つ能力から、1つの会計事務所の枠を超え他の会計事務所でも通用するような能力へと変化していると言えます。
また会計事務所内においても、クラウド会計ソフトの普及などの影響で、1つの業務を習得していくだけではなく、
問題を発見し解決していく能力や、より効率的な業務方法を考える能力などが重視される傾向になってきています。
会計事務所で働く方に求められる能力は、以前と比較すると大きく変化しており、会計事務所内・会計事務所外という枠を超えて捉えるべきものとなっている、と言えるでしょう。
エンプロイアビリティの要素とは
エンプロイアビリティの要素として、主に以下のものが挙げられます。
・仕事に必要となる知識や技能など
・協調性や積極的など、個人の考え方や行動の特性
・動機・性格・信念など
このうち、動機・性格・信念などについては、非常に個人的なものであり、これを具体的・客観的に評価することは困難であると言えるでしょう。
逆に評価や向上が行ないやすいのは、仕事に必要となる知識や技能などです。
エンプロイアビリティの絶対性
絶対的なエンプロイアビリティとは、コミュニケーション能力など、仕事全般に対して必要となる能力のことです。
エンプロイアビリティの相対性
エンプロイアビリティには労働市場における自分の能力に対する評価を含みます。
そのため、ある人が持っているエンプロイアビリティがどの程度のものなのかは、
雇用市場の動向により左右されうる、相対的なものであると言えます。
したがって、市場のニーズ動向を踏まえて評価し伸ばしていくことが必要です。
スキル面については、労働市場で求められている能力と本人が実際に持っている能力の違いを評価しやすいと言えます。
一方、考え方や行動の特性については、労働市場で求められている能力と本人が実際に持っている能力との違いを評価しにくい傾向があります。
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エンプロイアビリティのメリット・デメリット
1.エンプロイアビリティのメリット
・雇用の維持、又は、転職を容易にする
エンプロイアビリティのメリットとして、会計事務所に勤務する方は、自分自身の雇用が安定します。
また、仮に転職をするとしても、転職しやすくなります。
・キャリア形成への取り組み
エンプロイアビリティのメリットとして、スキルの習得に対して努力することや
自身の会計事務所における専門性を高めていくことなどが期待できます。
キャリア形成を行なうにあたっては、自分の希望する職業像に見合った、あるいは、そこに達するために必要な仕事を見つけ、
必要な能力と自分の思考・行動の特性やスキルとの違いを確認し、
必要な行動特性やスキルを習得していく必要があります。
言い換えると、エンプロイアビリティを評価し、向上させることが求められると言えます。
2.エンプロイアビリティのデメリット
エンプロイアビリティを高めるにはコストがかかります。
ただしコストをかける価値があるだけのものを習得することも可能であると言えるでしょう。
内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティ
内的エンプロイアビリティ
内的エンプロイアビリティとは現在の会計事務所で評価され、雇用され続ける能力のことです。
言い換えると、会計事務所の経営状態が悪くなっても、辞めさせられずに残れる能力のことです。
これを高める上で少し前までは、今勤務している会計事務所でしか使えない能力を蓄積することが求められてきました。
外的エンプロイアビリティ
外的エンプロイアビリティは転職を可能にする能力のことです。
ただし単に転職できるというだけでなく、現在と同等以上の処遇や条件で転職できる能力です。
時代や環境の変化に合わせて、今勤務している会計事務所でしか使えない能力でなく、他の会計事務所でも使える能力が求められ始めています。
いつ転職しなくてはいけない状況になるかわからない
会計事務所に勤めていて、所長税理士が高齢にもかかわらず後継者がいない場合は事務所が存続されるか不透明です。
そのためいつでも転職できるように、外的エンプロイアビリティを高める必要がある時代になってきていると言えます。
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エンプロイアビリティとは「転職する力」でもあること
転職する力とは
先述したように、エンプロイアビリティは「転職する力」でもあります。
転職活動をすることは、仮に実際には転職しないとしても、自分の市場価値を図る方法として非常に有効です、
転職活動をすることで、推定年収の確認や、市場に必要とされているスキルを把握したり、
コミュニケーション能力を鍛えたりと、
御自身のエンプロイアビリティを向上させることができます。
すぐ転職するわけではなくても転職サイトに登録する意味
エンプロイアビリティを客観的に評価し向上させるため、まずは、求人サイトに登録してみて、
求人を掲載している企業を分析することから始めてみてはいかがでしょうか。
手っ取り早く情報を得たいということであれば、人材エージェントに相談してみるのが近道です。
特に会計業界に特化した人材エージェントであれば、業界特有の転職ノウハウや、業界での貴方の市場価値(推定年収)を丁寧に教えてくれたり、
貴方のスキル・経験の棚卸しまで手伝ってくれるケースもあります。
重要なのは、必要とされるために何が必要なのかを知ること
自分のスキル・経歴を棚卸しして、今何ができるのかや、市場で求められていることを念頭に置いた上で将来どうなりたいかを明確にすることで、
今自分に何が不足しているかが確認できます。
不足していることを補うことや、今できることを更に磨きあげることで、エンプロイアビリティを向上させることが読書の皆様の価値を上げることに繋がります。
特に会計業界では、会計事務所毎に必要とされるスキルが明確になっている場合が多く、求められているスキルや経験が把握しやすい状況です。
まとめ
コロナ禍が長く続いている現在、企業が長期的に継続して営業されるかは以前より不透明になっています。
特に会計業界においては、スタッフが5名以下の会計事務所が大きい割合を占めている現状があります。
もし、勤めている会計事務所の将来性に不安があるということでしたら、事前の準備をしておいたほうが良いでしょう。
エンプロイアビリティを向上させることは、今お勤めの事務所での貴方の価値も上げることに繋がります。
お勤めの事務所に雇ってもらっているという考えは捨てて、自分自身の能力や経験を活かせる事務所で望まれて働いているという気持ちになれるように
エンプロイアビリティ(雇用され続ける能力)を鍛えてください。
転職サイトに登録を行なったとしても、必ず転職しなくてはいけないということではありません。
今の自分自身の価値を再確認するためにも、日頃から会計業界の転職事情をチェックすることは非常に重要なことであると言えます。
まずは情報収集という観点から、転職サイトに登録を行なってみるのはいかがでしょうか。
思いもよらず、自分自身にピッタリと合う会計事務所とのめぐり合わせもあるかもしれませんよ。
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その一環として、会計業界でお役に立つ情報をお届けするために10年以上記事を書いています。是非、会計業界で働く人が楽しく、知識を得られるような情報をお伝えできればと思います。
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