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簿記資格の有用度は? 簿記資格について知っておこう

2020/03/30

これから会計業界に転職を考えている方であれば、「簿記ぐらいは必要かな?」と考えたことがあるもいるのではないでしょうか。

簿記と言えば会計業界の必須資格と思われる方もいるかもしれませんが、その内容や難易度はどのようになっているのでしょうか? 今回の記事では簿記資格が本当に転職に有利かどうかについて、簿記の内容も解説しながらお届けいたします。

簿記の概要

日商簿記検定を主催する日本商工会議所では簿記について以下のとおり定めています。

「簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。」

簡単にまとめると、企業活動における取引を記録して企業の状況を明確にするのが簿記の役目と言えます。
また、簿記には検定試験があり、検定の主催団体により簿記検定の名称が異なることをご存知でしょうか?

「日商簿記」・・・日本商工会議所が主催する簿記検定。主に社会人や大学生を対象としています。
「全商簿記」・・・公益財団法人全国商業高等学校協会が主催する簿記検定。主に商業高校の高校生を対象としています。
「全経簿記」・・・公益社団法人全国経理教育協会が主催する簿記検定。主に経理専門学校生を対象としています。

通常で「簿記」と言えば日商簿記のことを指すことが多く、最もポピュラーな簿記検定と言えます。

基本的には日商簿記が最も難易度が高く、他の2つの簿記は日商簿記と比較すると1級程度難易度が低いと考えられています。(全商や全経の1級は日商の2級程度の難易度、もしくはそれよりも易しいとされています)
なお、一般的には企業や会計事務所でも日商簿記を重視しており、実務レベルとして評価されるのは2級以上とされることが多いのが現実です。

日商簿記検定について

次に、日商簿記検定について級別に確認していきましょう。

日商簿記3級検定試験
・試験日程・・・2月、6月、11月
・合格基準・・・70%以上
・合格率 ・・・おおむね43%~56%程度、直近3年は平均48%弱
・勉強時間・・・50時間~(※既存知識による)
・出題範囲・・・商業簿記から5題以内の出題
・制限時間・・・2時間

日商簿記3級では、勘定科目や仕訳など、簿記の基礎的な内容が出題されます。
小規模な事業所の経理担当者に求められるレベルで、業種を問わずビジネスパーソンが身に着けておいたほうがよい基本知識とも言われています。

日商簿記2級検定試験
・試験日程・・・2月、6月、11月
・合格基準・・・70%以上
・合格率 ・・・おおむね12%~30%程度、直近3年は平均24%弱
・勉強時間・・・150時間~(※既存知識・他資格取得状況による)
・出題範囲・・・商業簿記および工業簿記から5題以内の出題
・制限時間・・・2時間

日商簿記2級では、商業簿記だけではなく、製造業で用いられる工業簿記も出題範囲となります。
税理士事務所や、ある程度の規模の中小企業の経理部に求められるレベルで、簿記2級の知識を活用すれば経営管理のために財務諸表から経営内容を把握・分析することができるようになります。

日商簿記1級検定試験
・試験日程・・・6月、11月
・合格基準・・・70%以上ただし1科目ごとの得点は40%以上
・合格率 ・・・おおむね6%~13%程度、直近3年は平均9.2%弱
・勉強時間・・・500時間~(※既存知識・他資格取得状況による)
・出題範囲・・・商業簿記、業簿記、会計学、原価計算
・制限時間・・・商業簿記と会計学で90分、工業簿記と原価計算で90分

日商簿記1級になると、会計学や原価計算の知識が必要となってきますが、合格率は高くなく難関な試験とも言えます。
大企業の財務部門での活躍が期待され、企業会計に関わる諸法規を理解しながら、より高度な経営管理・経営分析にも対応ができるレベルです。合格すると税理士試験の受験資格を取得することができます。

簿記合格者は転職に有利?

それでは、簿記に合格していると転職で有利かどうかについて級の違いによる影響を加味して考えていきましょう。

税理士事務所の監査担当や一般企業の経理部門の求人では、簿記2級以上を条件としていることが多いようです。条件とする理由としては、会計事務所で要求される簿記の知識の下地が作れているという判断材料であるというのが実情です。

実務で覚えていかなければならない点はどうしても残りますが、それ以前の知識段階については募集時期や事務所の求める人材、事務所のスタイルによって社内研修を行うかどうかが分かれます。2級まで取得していると基礎知識は十分に固まっていると判断され、即戦力となる期待もできることから歓迎する事務所が少なくありません。
しかしながら、何の資格も持たないよりは3級でも構いませんので簿記を取得しておくことをおすすめします。取得が比較的容易で短期間での合格も見込めるため、就職・転職活動と並行しての勉強も現実的です。会計の実務に関わるのであれば勘定科目や仕訳を理解しておく必要があるため、簿記3級レベルでも知識があるに越したことはありません。

また、昨今の税理士事務所業界では社会的な人材不足を背景に簿記資格を持たない全くの初心者でも可としている求人もあります。そのような求人の中には、入社後1年以内に簿記3級や2級を取得することを推奨している事務所もあるようです。
昨今では資格条件(日商簿記3級や2級など)と実務経験(未経験・1年以上や3年以上など)の組み合わせを条件として設定している事務所が増えてきています。概ねは経験が重視され、実務経験と資格の両方があると給与が一回り上になるケースが大半です。

<実際の求人例>
【税理士事務所の求人】
内容:税理士補助業務
給与:月給20万円~
条件:簿記3級程度の知識を持っている方(実務経験不問)

【税理士事務所の求人】
内容:税理士補助業務
給与:月給25万円~
条件:日商簿記2級・会計業務もしくは会計事務所での実務経験者歓迎

【税理士法人の求人】
内容:税理士補助業務
給与:月給25万円~
条件:資格不問・会計業務もしくは会計事務所での実務経験2年以上

なお、簿記2級以上と条件が提示されていることはあっても、簿記1級を条件としているような求人はほとんど見かけることはありません。税理士事務所では税理士資格の取得が目標となるため、簿記2級の後は税理士試験を視野に勉強を続けることになります。

会計業界に転職するなら日商簿記2級がおすすめ!

税理士事務所に転職をするのであれば、知識の裏付けとなる日商簿記2級の取得ができていると有利に転職できるでしょう。特に、業界経験が無い場合は業務知識の下地保証以外に会計業界への意欲をアピールする材料になります。
しかし、実務経験の方を重視する事務所も少なくないため、資格が取得できるまで転職活動をしないのは良策とは言えません。資格なし・未経験で転職できるチャンスがあれば、仕事をしつつ資格取得を狙った方がキャリア形成としては上を行けるでしょう。

既に簿記2級を持っている場合、より深い知識を持っていることを証明するために簿記1級を取得することが考えられます。税理士資格を取得して税理士となる道を選ぶ場合、簿記1級の勉強内容は8割が税理士試験の試験範囲に含まれるといわれています。簿記1級で得られる税理士試験の受験資格は実務を行っていればクリア可能なため、税理士として税理士事務所・法人に勤務を目指す方は簿記1級を無理に取得する必要はないと思われます。
転職目的としての取得については、合格率が低く、勉強時間も長くなりがちなのであまりおすすめしません。

未経験での転職の場合であっても、会計業界で続けていこうと考えている場合は知識取得の第一歩として簿記資格にチャレンジしておくと良いでしょう。自身の知識状況や性格に応じて、実用的な2級と基礎となる3級のどちらを受験するか決めることをお勧めします。

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