
税理士と共に働く税理士補助の仕事内容とは?
2022/08/19
税理士事務所には、税理士の資格を取得した「税理士」だけではなく、税理士補助という立場で働いている人がいます。
税理士の業務をサポートする人なのですが、税理士に仕事を依頼したことがある人でも税理士補助の具体的な仕事内容知っている人はあまり多くないかもしれません。
そこで、忙しい税理士の仕事を裏で支えている税理士補助の仕事内容についてご紹介します。
Contents
税理士補助の主な仕事内容は?
税理士補助の場合、いくら税理士事務所で働いていても税理士の資格を持っていない場合は、税理士の独占業務である税務の代理、税務書類の作成の代理、税務相談の3つの業務は行うことができません。しかし、税務署に直接提出する以外の書類の作成やチェック、会計ソフトを使った資料作りなども税理士事務所に依頼されるため、すべてを税理士が行うとなると手が足りません。
そこで、税理士補助は独占業務以外の業務を任されることになります。
どこまでの仕事を任されるかは税理士事務所ごとの判断により、雑務に止まる場合や、伝票整理やデータ入力、資料作成が中心になる場合などもあります。
税理士補助と補助税理士は別物
「税理士補助」と似た名称で「補助税理士」という立場の税理士がいます。税理士補助と補助税理士は名称がよく似ているので同じようなものと思われがちですがまったく違います。補助税理士はあくまでも税理士資格を持っている人だからです。そのため、税理士の独占業務をすることが可能です。ただし、補助税理士は、補助税理士制度によって、一般的な税理士ならできるはずのことがかなり制限されています。
- 自分の事務所を持つことが許されません。そのため、税務申告書を自分の名前で作ることができません
- 補助税理士として登録したうえで業務を行い、直接顧客から依頼を受けて税理士業務をすることが許されていません
つまり自分の顧客を持つことができないのです。もし顧客になってくれるという人が現れても、勤め先の顧客にしなければなりません。このような制限があるため、税理士の資格を持っているにもかかわらず、実際には税理士としての資格を活かして自由に仕事をすることは難しいと言えます。
そのため、事務所によっては税理士補助も補助税理士もほぼ同じ業務をしている場合があります。
税理士事務所で税理士補助の立場で働くメリットとは
税理士事務所で税理士補助という立場で働いている人の多くは、税理士資格の取得を目指している人です。そういう人たちが税理士補助として働くメリットは、資格を持っている税理士が行う業務を間近で見ることができる点です。
税務書類を書くことができなくても、税理士事務所で税理士補助としてサポート業務を行っていれば、実際にどんな書類を作成しているのか、どんな書き方がされているのかを見ることはできます。
本などで資格試験の受験勉強を行っているだけではイメージしにくいことも、実物を見ることでわかりやすくなるはずです。
税理士を目指す人の修行の場
税理士補助として税理士事務所で働くと雑務に追われてなかなか勉強する時間がないという人もいます。しかし、税理士試験合格後に税理士として働けるように、実務経験を積んでいる人も少なくありません。
税理士は試験合格後、実際に税理士として働く前に2年間の実務が必要ですから、修行の場と割り切って税理士のサポート業務をしている人が多いのです。
税理士補助をしながらの資格取得ってあり?なし?
税理士になるための勉強をしている、またはした経験のある人に、税理士補助として税理士資格の取得を目指すことをどう思うか質問をしてみました。
【質問】 税理士補助として働きながら税理士を目指すことについてどう思いますか?
【回答結果】 あり:157名 / なし:8名
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2016年12月27日~2017年01月04日
有効回答数:165サンプル
税理士補助として働くことを歓迎する人が大多数
アンケートの結果、税理士を目指す人が勉強しながら税理士事務所で税理士補助として働くことはありだという声がほとんどでした。
- 税理士の実務と、税理士試験とではまた違った部分があるため、より多く実際の案件に触れて経験を積みながら税理士資格取得をした方が、直ぐに仕事に繋がり活かすことができると思う。(無職/女性/20代)
- 税理士の仕事は知識も重要ですが経験も非常に重要です。自分で税理士として独り立ちする前に多くの経験を積んだ方が良いと考えます。(自営業(個人事業主)/男性/50代)
- 勉強だけしても身につかない部分があると思うし、試験に合格した後の2年間実務経験を積まなくてはならないから。(会社役員/男性/30代)
今回のアンケートでは、税理士資格の取得を目指す人が、税理士事務所で税理士補助として働くことを、ほとんどの人が肯定的に捉えていました。ただし、税理士の資格を持たない税理士補助の立場で、一般的な税務書類を作成する実務を積むことができると思っている人が多かったのは気になる点です。
これに対して、税理士事務所で税理士補助として働きながら税理士資格の取得をすることに反対した人のコメントは次の通りです。
- 税理士補助に限らず、働きながらの税理士資格取得は大変だと思います。まず、勉強の時間がとれないからです。(専業主婦・主夫/女性/40代)
- 実際に細かい仕事をしながら覚えるほうが身に着くけれど、試験はまた別問題。(その他専門職/女性/40代)
実は税理士補助として働きながら資格取得をすることに反対した人のコメントはほぼすべてが同じ内容でした。税理士事務所の仕事が忙しくて勉強時間を取ることができなくなるからやめた方がよいという意見です。
実務経験ができても、税理士試験は働きながら勉強して受かるほど甘くないという意見で一致していました。ですから、税理士補助として働きながら税理士資格を取るとすれば、確実に勉強時間を確保できる状況にしてから働く必要があるようです。
税理士補助で働くのもひとつの選択肢
税理士補助は税理士でないため、税理士事務所で仕事をしても、税理士の独占業務については実務経験を積めるわけではありません。
しかし、税理士の身近でサポート業務を行えるようになることは確かです。税理士資格を取得として働くことを目指しているなら、税理士補助として税理士事務所で働くことも選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

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