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税理士にとって進むべき道とは

税理士資格をとって活躍したい人が進む道とは

2023/11/02

身近な税の専門家として知られる「税理士」ですが、税理士制度やその職域について正確に理解できている人はどれくらいいるのでしょうか。

ここでは税理士の独占的業務を含む職域や税理士試験の仕組み、そして試験科目や受験資格などを詳しく解説していきます。

☆意外に知らない?税理士とは

税理士とはどんな士業なのか

「税理士とはなにか?」シンプルですが、端的に答えるのは難しい質問だと言えます。各市区町に1つは確実に税理士事務所があると言えるほどの身近な存在でも、まず税理士という資格がどういった制度に基づくものなのかを詳しく知っている人は多くはないでしょう。

では全国に税理士と言われる人たちはどれくらいいるのでしょうか。
日本税理士会連合会のデータでは、令和3年4月末日現在、全国に税理士は79,281人、税理士法人の主たる事務所の届け出数は全国に4,373件もいるのです。
中でも東京には税理士は23,568人もおりますので、多くは首都圏にいるものと思われます。

【日本税理士会連合会】税理士登録者数

税理士については、1951年制定の税理士法により定められており、税理士という制度としてはなんと70年以上の歴史があります。税理士は一言でいうと「税務の専門家として申告税制度を順守し、よって公平な納税義務の実現を図ること」を社会的使命とする税務のスペシャリストです。分かりやすく言えば、「税負担を公平化し、国民生活の改善を目指す」ための社会的役割を担っているということです。

また、国が定めた税法等に単に従うばかりでなく、税制の改善のための提言を行うなどの積極的な姿勢もとっているのです。(※2)(※3)しばしば会計士と比較されますが、会計士は大規模企業の財務監査などを専門としているという点で、税理士とは職域を異にしています。といっても税理士が監査的業務を行えないというわけではありません。

この点については後ほど説明します。職域に加えて、「誰のために会計的業務を行うのか」という面でも税理士と会計士の違いを見ることができるでしょう。税理士は主に中小企業に個人事業主、そして地主のために節税対策や会計処理、税についての各種アドバイスを行います。対して会計士の財務監査は企業のためというよりも、株主などの投資家の保護が目的なのです。(※1)

(※1)【渋谷区恵比寿の税理士事務所センチュリーパートナーズ】税理士とはどんな仕事をするのか?他の職業との相違点に関して。

(※2)【日本税理士会連合会】税理士とは

(※3)【日本税理士会連合会】税理士制度

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☆資格がないとできないこともある税理士の仕事とは

税理士の職務範囲は多岐にわたります。まずは、税理士の独占的業務から説明しましょう。独占的業務とは、シンプルに「その資格がなければできない仕事」を指します。税理士資格を要するのは、「税務の代理」「税務書類の作成」「税務に関する相談にのること」です。それぞれの内容を1つずつ詳しく見ていきましょう。(※4)

まず1つ目の「税務の代理」です。税理士は、租税に関する法令、行政不服審査法の規定にのっとり、青色申告等の代理や税務署等の調査に対する申述の代理、代行をすることができます。

次に「税務書類の作成」ですが、まずは「税務書類」の説明が先でしょう。税務書類とは、租税に関する法によって列挙されるところの「申告書」「請求書」「計算書」「明細書」等を指します。これらの書類の作成代理も、税理士にしか認められていない独占業務の1つなのです。

そして3つ目の「税務相談」ですが、ここで疑問になるのが、「相談の範囲」ではないでしょうか。「相談業務」と言っても抽象的で、具体的にどういった趣旨の相談が税理士の独占業務にあたるのか分かりにくいところです。そこで「個別具体性の有無」が独占業務か否かの基準とされます。つまり、税理士の独占業務としての税務相談というためには、個別的かつ具体的な納税義務がその内容である必要があるということです。

税法や税制についての一般的な意見や解釈を述べることは、その「税務相談」に含みません。(※5)独占的業務以外にも、税理士の活躍の場は多いです。例えば企業の経営相談、経理として税理士資格が有用ですし、他にも現物出資の評価証明業務や税務訴訟の補佐業務が挙げられます。

また、地方公共団体の税金の使い道の監査役や、国税不服審判所での国税審判官、株式会社の会計参与としての活躍も期待できるのです。(※5)

(※4)【BIZ KARTE】税理士資格はどう役に立つ?試験の概要と仕事内容

(※5)【税理士の専門家責任を実現するための100の提案改訂版】2.税理士の業務(独占業務)

☆税理士試験はどんな仕組みになっているのか

次に、税理士試験の仕組みについて見ていきます。税理士試験は毎年1度実施され、実施月は8月の上旬です。受験場所は各地の国税局、及び国税事務所の所在地なので全国の12カ所から16カ所の地で受験することができます。受験資格についても細かく定められているのですが、それについてはのちほど詳しく説明しましょう。試験科目は、まず2つの分野わけがされてます。「会計学」と「税法」です。

会計学はさらに2種の科目に、税法は9種の科目に分けられます。といっても、これら11種の科目をすべて受験しなければならないわけではありません。会計学の2科目と、税法9科目のうち所得税法か法人税法のいずれかを含む3科目で合格点を取ることが、税理士資格取得の条件なのです。

こちらの科目の種類や難易度についても、後ほど説明します。(※6)税理士試験の特色の1つが、「単位合格制」です。税理士試験においては、一度に5科目を受験する必要はありません。1年に1科目ずつ、という受験の方法も許されています。しかも合格した科目に有効期限はありません。そういう意味では、長期間の計画をたてて取得を目指しやすい資格であると言えます。(※6)続いて、各科目ごとの合格基準点についての説明です。

平成29年度の時点において基準点はいずれも「60点以上」と定められています。つまりは、会計の2科目そして税法の3科目の合計5科目すべてで60点以上をとることができれば、晴れて税理士試験合格です。しかし、税理士試験に合格イコール即独立開業可というわけではありません。

試験合格者が独立開業するには2年以上の会計、税務の実務経験が必要ですので注意しましょう。(※6)また、学位や国税従事者にかかわる科目免除規定が用意されているのも、税理士試験特有の仕組みです。

例えば、修士または博士の学位を有する者は1部の試験科目の免除を受けることができます。また10年または15年以上の税務署での国税業務の従事経験を有する者は税法科目の受験が免除されるのです。長期(23年または28年以上)にわたる税務署での国税従事者で指定の研修を受けた者も、会計学科目の受験が免除されます。

(※6)【日本税理士会連合会】税理士の資格取得

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☆税理士試験の試験科目はたくさんある

税理士試験の試験科目を具体的に説明します。大きな科目の区分としては「会計学」と「税法」ですが、それぞれがさらに細かく分かれるためトータルでは11科目です。会計学の分野は「簿記論」と「財務諸表論」に分かれています。どちらも必修科目なので、合格要件の5科目中2科目については受験生に選択権はないということです。そして「税法」は「所得税法」「法人税法」「相続税法」「消費税法」「酒税法」「国税徴収法」「住民税法」「事業税法」「固定資産税法」の9種に分かれます。

これらのうち必修なのが、「所得税法」または「法人税法」のいずれか1つです。つまり、それ以外の2科目は自分の好みによって選ぶことができます。好みと言っても、好き嫌いで選ぶよりは、「どの科目なら合格しやすいか」という客観的分析に基づいた選択を重視することが、合格の道筋への第一歩と言えるでしょう。(※6)

税理士試験の科目についてしばしば話題になるのが、「科目ごとの難易度」です。人によって得意、不得意があるために一概に難易度を断じることはできませんが、自分が「どの分野なら点数をとりやすいか」の分析は可能と言えます。

暗記が得意か、計算が得意か、それとも理論的文章題に自信があるのか、自分の思考傾向に照らし合わせて受験科目を選ぶというのは税理士試験受験における1つの戦略です。酒税法なら計算問題や暗記問題が多く、国税徴収法なら理論問題ばかりなど、そういった傾向を過去問や予備校の説明会などによってまず把握しましょう。(※7)

(※6)【日本税理士会連合会】税理士の資格取得

(※7)【会計求人TOPICS】税理士試験は科目の選び方が重要!合格に近づく選択方法とは?

☆まず税理士試験の受験資格の有無を確認する

税理士試験の受験資格とは

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税理士資格取得の第一歩は、自分が受験資格を有するかどうかの確認です。税理士試験の受験資格は、「学識」「資格」「職歴」の3分野においてそれぞれ定められています。「学識」の分野で判断されるのは、「大学又は短大を卒業しており、かつ法律学もしくは経済学の中の1科目以上を修めた者」などといった要件を含む5項目です。

5項目のうちどれか1つにでも該当していれば、すなわち受験資格を有します。「資格」においての要件は「日商簿記検定1級合格者」と「昭和58年以降の全経簿記検定上級合格者」の2項目です。

職歴においては、実務経験の有無に重きを置いた3項目が定められています。これらの計10項目のうちの1つでも満たしていれば、税理士試験を受験できるのです。(※6)

(※6)【日本税理士会連合会】税理士の資格取得

☆まとめ

税理士の職域、資格試験の仕組みや科目について理解が深まったのではないでしょうか。税理士の職域は今後も拡大が望まれており、独占的業務以外にも活躍できる場が増えると大いに期待できます。

個人、法人問わず顧客をかかえることができ、業務の範囲も広いという税理士資格の開業後の自由度の高さは士業の中でも随一といえるのではないでしょうか。

税務の専門家としての活躍を目指すなら、まずは受験資格の有無を確認しましょう。独学での勉強に不安がある場合は予備校などでの説明会に参加してみてはいかがでしょうか。

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