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税理士として独立・開業するために必要な準備や費用を解説

2020/08/07

税理士として独立するぞと決意したとき、燃える情熱と野心とともに、ふと冷静になって「開業資金はいくら必要なのだろう…」という現実的な疑問が浮かぶのではないでしょうか。独立するといっても、何にどれだけの費用がかかるのかを把握していなければ、具体的な開業計画も立てようがありません。ここでは、税理士として独立する場合にかかる費用や準備について紹介します。

税理士資格取得から独立開業までの流れ

税理士試験に合格する

税理士になるには、税理士に必要な知識があるかを判断する国家資格、「税理士試験」に合格しなければなりません。
試験は毎年1回行われ、以下の科目に合格する必要があります。

(1) 会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)の2科目
(2) 税法に属する科目(所得税法・法人税法・相続税法・消費税法・酒税法・国税徴収法・住民税法・事業税・固定資産税)の9科目
(3)(1)の2科目と、(2)9科目のうち3科目の合計5科目を合格すれば、晴れて税理士の資格が取得できます。

しかし、1回の受験で5科目全てに合格することは難しく、数年かけて合格する方がほとんどです。

2年以上の実務経験を積む

税理士試験に合格したからといって、すぐに税理士として活動できるわけではなく、会計事務所などで、租税または会計に関する実務を2年以上積まなければなりません。税理士試験の合格に必要な5科目全てクリアするまで数年かかるとお伝えしましたが、その間、会計事務所などにいったん就職して、実務経験を積みながら、税理士試験の勉強に励む方がほとんどです。

ところで、実務経験を積む会計事務所の中にも、もしあなたが将来的に独立を目指しているなら、「独立開業」を支援してくれるところがあること、ご存知ですか?実は独立を志す若手会計士のために、経営感覚を身に付けてもらうため、支社長を経験させてくれる事務所もあります。独立開業したいなら、独立を支援する環境が整った事務所で働くことをおすすめします。

でも、「そのような求人を一人でどうやって探せば良いの?」「会計事務所のサイトにある採用情報を全部見るのは面倒…」と思う方もいるでしょう。

日本税理士連合会に税理士登録をする

2年以上の実務経験をクリアし、税理士試験にも合格したら、正式に日本税理士連合会の税理士名簿に登録申請します。申請が受理されると、所属するエリアの税理士会による面接や調査が行われます。「登録適当」と認められれば、税理士名簿に登録され官報に公告されます。

資金調達

税理士試験に合格し、実務経験も積んで独立に必要なスキルや人脈を築きながら、独立開業のための資金の準備も進めます。独立するには、まず事務所が必要です。事務所を借りるための敷金・礼金、賃貸料に加え、パソコン機器、オフィス家具などの購入資金も必要です。他にも、自分の事務所をアピールするための名刺、案内パンフレットの制作、ウェブサイトの開設にかかる費用もかかります。

一度にまとまった資金を用意するのは大変ですので、いつ開業するのかタイミングも考えて資金を貯めましょう。開業にかかる費用全てを賄うのが難しい場合は、外部からの資金調達も必要になります。資金調達は一般の金融機関もありますが、低金利での融資が可能な日本政策金融公庫に依頼する方法もあります。

独立開業

ようやく開業を果たし、独立への第一歩を踏み出しました。自分が一国一城の主ですので、今後の事業を軌道に乗せるのも、そうでないのも全て自分の責任にかかってきます。軌道に乗せるための経営センスも磨かなければなりませんので、経営セミナーになどに積極的に参加して、経営学について学びつつ、事業を拡大するための人脈ネットワークも築きましょう。

独立した税理士と組織に所属する税理士の年収比較

独立した税理士の平均年収

独立した税理士の平均年収は、一般的に3,000万円前後と言われており、組織に所属する税理士と比べてもかなりの高収入が得られます。しかし、あくまでも平均ですので全ての個人事業が高収入を得ているわけではありません。組織や事業規模の大小による収入の格差は否めず、従業員を数十人も抱え年収1億円を超える経営者もいれば、逆に数名の小規模な事務所で年収300万円程度の経営者もいます。経営が成功するか否かで収入面に相当な差が開きます。

組織に所属する税理士の平均年収

一方、税理士や会計事務所などに所属する税理士の平均年収は、およそ700万円と言われています。独立した税理士の4分の1程度ではありますが、組織に所属しているため収入は安定しています。しかし、就職先の規模、組織内の役職によって年収が変わります。十数名くらいの小規模な会計事務所に働いた場合の年収はおよそ500万円ほどですが、管理職クラスになれば年収500~800万円くらいになります。大手の会計事務所の管理職クラスにもなると、年収1,000万円以上を実現できる可能性もあります。

税理士の独立開業するメリット・デメリット

独立開業のメリット

独立開業のメリットは、誰かの指示に従う必要はなく、自分の采配で自由に仕事が進められる点が挙げられます。組織のように勤務年数や昇進で少しずつ給料を上げるのも良いですが、自分の努力次第で収入が何倍にもアップできるので魅力があります。定年もないので長く働き続けることができます。自分の個性や得意分野を前面に押し出せるメリットもあります。例えば、語学に長けているなら、国際的税務(入管業務など)の専門家として活躍でき、他の税理士が参入できない独自の分野を開拓することも可能です。

独立開業のデメリット

独立開業のデメリットは、仕事の成功や失敗が全て自分の責任になります。休日であっても経営を軌道に乗せるため、常に業界知識や経営の勉強をし続けなければならず、ゆっくり休んでいる暇はありません。また、独立しても最初から仕事があるわけではなく、新規の仕事を獲得できるのかという不安も残ります。多くの経営者は、新規開拓のために地道な営業を続けながら、顧客獲得のためのマーケティングも学ばなければなりません。だからと言って、仕事が約束される保証はどこにもなく、実を結ばない結果になることもあり得ます。経営が安定するまでは、収入が不安定な状況が続くデメリットもあります。

税理士としての登録費用と会費

税理士試験に合格すれば、すぐに税理士として勤務または独立できるわけではありません。
(1) 日本税理士会
(2) 各エリアのブロック会
(3) 支部会(ブロック会をさらに区分け)
上記の3つの入会が必要で、それぞれ費用がかかります。

(1)~(3)に入会するための費用は以下の通りです。

(1) 日本税理士会への登録費用は合計で11万円。その内訳は登録免許税が6万円で手数料が5万円になります。
(2) ブロック会費と支部会費は、全国で統一されているわけではなく、入会するエリアによって支払う費用が変わります。
例えば東京ブロック(東京税理士会)に入会する場合、入会金4万円と会館建設費2万円、年会費8万1000円の合計14万1000円が必要です。
(3) 支部会費(支部によって異なりますが、およそ3万円から)を合わせた金額を税理士会に支払います。

(1)~(3)を支払うおおよその目安として25万円から30万円を準備しておくこと良いでしょう。

オフィスの開設にかかる費用

税理士として独立する場合には、当然オフィスの開設にかかる費用があります。その費用については、物理的に「どんな事務所を構えるか」によって大きく変わります。

事務所の構え方は大きく分けて3つです。

(1)賃貸事務所
(2)レンタルオフィス
(3)自宅開業

ちなみに(3)の自宅開業は、自宅とオフィスと兼用するため、賃貸のような敷金・礼金・仲介手数料・前家賃などの費用が不要です。費用がかかるのは、インターネット設備、必要機器を整える費用のみ程度になります。

また、賃貸事務所とレンタルオフィスですが、どちらが費用を安く抑えられるかと言えばレンタルオフィスでしょう。レンタルオフィスには、開業に必要な設備(電話、インターネット環境、家具など)が最初から備え付けられており、ローコストでビジネスを始めたい起業家などから注目を集めています。賃貸事務所では、敷金・礼金などを含め年間100万円以上かかることを想定しておく必要があります。しかし、レンタルオフィスなら費用を抑えて事務所を開業することができます。

税務・会計システムの導入費

その他、独立するために必要なのが、税務・会計のシステムソフトの導入費です。事業規模に合わせてソフトの種類も様々ありますので、ソフトを選ぶ際には個人事業用のものか、あるいは中小規模用のものかを確認しましょう。個人事業用は比較的リーズナブルで、月額制で数百円から利用できるものがあります。事業規模が大きくなるほどソフト利用料も高くなり、月額約2,000円からのものが多いです。同じソフトでも機能・利用プランによって価格差があるので、どういう機能を重視するかを検討して契約しましょう。

また、従来のインストール型のソフト同様、注目を集めているのが、「クラウド会計ソフト」。ネット環境さえあれば、いつでもアクセス可能なデータ管理のしやすさが好評です。気になる価格も一般的な会計ソフトとほとんど変わりません。個人事業用で月額2,000円~、法人用で4,000円~といった価格が多いので、こちらも事業規模に合わせて選びましょう。月額制の会計ソフトの中には、年間料金をまとめて支払うと割引されるものもあります。

☆営業・マーケティングにかかる費用

税理士に限らなくても、どんな業種でも独立する上で必要なのが、「営業やマーケティングにかかる費用」です。名刺、ウェブサイト開設、事業案内パンフレット制作…、仕事に繋げるために必要なPR制作物を作る必要があります。

名刺印刷ですが、100枚で約1,000円から作れる業者が多いです。開業当初は、たくさんの名刺が必要になりますので、まとめての注文がおすすめです。ウェブサイト開設ですが、こちらは20万円ほどかかるでしょう。自分で制作する場合は格安で済ませることも可能ですが、見栄えや信用性、見やすさの点から、専門の業者に依頼することが望ましいでしょう。

パンフレット制作費は、業者によって価格帯はまちまちです。パンフレットの形式(用紙のサイズ、普通紙か特殊紙かなど)によって100冊あたりの金額も変わります。自分の中でパンフレットのイメージが固まっている場合はそれを印刷業者に伝えて相談を進めるのが良いでしょう。ちなみに一般的なA3サイズ、2つ折り式両面印刷カラーパンフレットは100部で1万円程度からの価格設定が多いです。

独立開業の成功のポイント

独立開業するまでには、これまで紹介してきたように様々な出費が予想されます。開業後、経営がまだ軌道に乗っていなくても、事務所の家賃、光熱費、通信費など毎月経費がかかります。

独立した証として、事務所の開設など物理的な環境をそろえたい気持ちも分かりますが、独立開業の成功のポイントは、最初は固定費の費用を抑えることです。特に「事務所の賃貸料」は、敷金・礼金・仲介手数料などがかかりますので、例えば、経営が安定するまでは自宅を事務所と兼用にする、とはレンタルオフィスにするなど、なるべく固定費を抑えることが大切です。

また、貯金を切り崩しつつも、しばらくの間は収入が途絶える可能性もあります。自分の事務所の仕事以外に、知り合いやお世話になった監査法人の監査補助の仕事をするなど、毎月の生活を維持するための収入源も確保しておきましょう。

将来的に独立を目指したいなら、「独立を応援してくれる会計事務所」でキャリアを積むのが一番の近道です。独立を志す若手会計士のために、経営感覚を身に付けてもらうため、支社長を経験させてくれる会計事務所もあります。

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