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不動産鑑定士の年収とは

不動産鑑定士の平均年収の現実とは?男女別、年代別、働き方で変わるのか解説

不動産鑑定士は、弁護士・公認会計士と並んで「三大国家資格」と言われる難関国家資格のひとつです。不動産鑑定士資格を取得することにより不動産の鑑定評価ができるようになります。

もし、無資格の人が不動産の鑑定評価を行うと刑事罰が課せられてしまいます。

不動産鑑定士資格を取得できれば、不動産業界はもちろん、金融業界や地方公共団体などからも仕事が受けられます。不動産鑑定士は独占業務に加えて、幅広く業務が受けられることから、会社に所属せず独立開業する人が多い士業です。

そんな不動産鑑定士の収入事情に興味のある人も多いのではないでしょうか。本記事では、不動産鑑定士の平均年収から不動産鑑定士を取得するメリットについてご紹介しています。

これから不動産鑑定士を目指す人やダブルライセンスを目指している人は、本記事を参考にしてみてください。

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不動産鑑定士の年収は高いのか?

厚生労働省が2019年に発表した『賃金構造基本統計調査』によると、不動産鑑定士の平均月収は490,300円です。年間賞与その他特別給与額は1,662,300円を含めると、平均年収は7,545,900円になります。

参考:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』

一方、国税庁が令和5年9月に発表した「令和4年分民間給与実態統計調査結果」によると、日本の労働者の平均給与は 458,000円(前年比 2.7%増)です。以上から、日本の平均年収に比べて不動産鑑定士の平均年収は高いといえます。

参考:国税庁『令和4年分民間給与実態統計調査結果』

賃金構造基本統計調査の平均年齢などを加味しなければ、国家3大資格である弁護士や公認会計士よりも平均年収が高いという結果です。不動産の評価を行う職業への期待・評価は高く、需要のある資格であることが実態統計調査結果から見てわかります。

また、これらの年収についてはあくまでも平均年収ですので、実際には年収1,000万を超えている人も多く、高年収と言われる不動産鑑定士になることは可能なのです。

不動産鑑定士の業務とは

主な業務概要

不動産鑑定士の主な業務は不動産の評価です。土地や建物の評価は年月とともに変化していきます。不動産鑑定士は変化する不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示します。

例えば、不動産の価値は、不動産の売却(実勢価格or固定資産税評価額)と不動産の相続(相続税路線価)では評価額が異なり、不動産を見る人や使用目的によって評価額が変わります。不動産鑑定士は、高い専門性を活かし、目的によって正しい評価額を算出する社会的に重要な役割を担っているのです。

独占業務(不動産鑑定評価、コンサルティング)

不動産鑑定士の独占業務は、「不動産の鑑定評価」です。不動産の経済価値や地理的価値などのさまざまな要因を踏まえて適正な鑑定評価を行います。不動産の鑑定評価を不動産鑑定士以外の者が行った場合は、刑事罰が課せられます。

また、不動産の専門知識を活かし、不動産の価値を見極め、不動産投資のアドバイスを行うコンサルティング業務も高い需要を得ています。

不動産鑑定士の働き方

不動産鑑定士の働き方とは

安定した働き方なら勤務鑑定士

不動産鑑定士の働き方は多岐に渡ります。不動産の売買や賃貸業を営む不動産会社に勤務する人や不動産の価値を見極めて、不動産投資を行う投資ファンドに勤める人、会計事務所と提携し不動産の価値を評価・計算する人など、幅広い分野で専門知識を活かすことができます。

自身で切り開くなら独立鑑定士

不動産鑑定士は独占業務があることに加えて、幅広い分野で活躍できるため、独立・開業しやすい資格として認知されています。民間の仕事だけでなく、地方自治体と提携し、不動産の適正価格を算定するなど、自治体から定期的な仕事が入ってくるため、仕事が全くなくなるなどの心配は入りません。

コミュニケーションが苦手な人でも不動産の評価・算定業務に特化した会社など、働き方も自身で選択できる魅力があります。

不動産鑑定士の性別平均年収

不動産鑑定士は、男性の平均年収が755万円:女性の平均年収が669万円です。一方、日本の平均年収を表す「令和4年分民間給与実態統計調査結果」では、男性の平均年収が563万円:女性の平均年収が314万円です。

民間の男女で平均年収を比べると249万円もの差が生じているのに対して、不動産鑑定士の男女比の年収格差は86万円。不動産鑑定士内の男女では年収差があるものの、日本の平均年収と比べてみると、平均年収差が小さいのも特徴のひとつです。

民間企業と不動産鑑定士の年収差を見てわかる通り、男性は192万円の差があるのに対して、女性は355万円と平均年収差が高いことがわかります。以上のことから不動産鑑定士資格は、高収入を目指すのであれば女性にもおすすめの資格といえます。

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不動産鑑定士の年代別平均年収

不動産鑑定士の年代別年収の詳しいデータは公表されていませんが、口コミや転職サイトを参考にした結果以下のようになります。

年代 平均年収
20代 500〜550万円
30代 650〜700万円
40代 800〜850万円
50代 950〜1,000万円

上記表を見てわかるように、不動産鑑定士は資格があれば、若くから日本の平均年収を超える高い年収が期待できます。独立・開業している人が多い業界ではありますが、会社に勤務しながらでも平均年収が1,000万円近くになる職業はそう多くはありません。

独立開業すると年収はどれくらい上がるのか?

不動産鑑定士として独立・開業している人の平均年収は、雇われている人より高い報酬を得ているケースが多いです。雇われている会社や業態によっても年収差はあるものの、雇われ不動産鑑定士の平均年収は500〜1,300万円です。

一方、独立・開業している不動産鑑定士は700〜1,500万円以上です。もちろん、1,500万円を超える報酬を得ている人も珍しくありません。さまざまな業態でキャリアと実績を積み、独立・開業できれば大企業に就職するよりも高い年収が期待できるのも不動産鑑定士の魅力といえます。

高年収を実現するためには?

不動産鑑定士の資格を活かして、より高い年収を目指すためには、「独立」するのが一般的です。雇われ会社員で年収が2,000万円を超える例は少なく、多くの実績と経験を積むまでにも時間と労力を使います。

弁護士事務所や会計事務所と同じように、何人かの不動産鑑定士を抱える不動産鑑定士法人を設立して、役員クラスにならなければ、2,000万円以上を自分一人の力で稼ぐのは難しい。

不動産鑑定士の中には、外資系の不動産投資ファンドに勤めて高い報酬を得る人もいるため、独立が全てではありませんが、独立した方が高い年収をが期待できるのは他の士業と同じ仕組みといえるでしょう。

宅建士とのダブルライセンスは役に立つ

不動産の国家資格といえば、「宅建士」を想像される人も多いのではないでしょうか。「不動産鑑定士」と「宅建士」は親和性が高く、ダブルライセンスによる仕事のメリットも多いです。

「宅建士」の仕事は不動産売買の仲介など、営業力を活かした仕事であるのに対して、不動産鑑定士の仕事は、不動産を鑑定評価します。当然、両方できれば、仕事の幅が広がることはもちろん、営業力と分析力を活かした質の高い提案やサービス提供ができるようになります。

さらに、宅健士は100万人以上が登録しているに対して、不動産鑑定士は8540人、この希少性は他社との差別化に加えて、アドバイスの説得力が増し、クライアントに安心感を与える効果も期待できます。

不動産鑑定士の将来性

不動産鑑定士の将来性は?

不動産鑑定士の仕事は、変化する不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示するのが仕事です。言い換えれば、評価項目を元に不動産の価値を数値化することが仕事です。会計士や税理士と同じように、数字を扱う仕事は、AIに変わる。つまり「なくなる仕事」と言われています。

とはいえ、上述でも解説したとおり、不動産鑑定士の業務はさまざまです。不動産の評価だけでなく、不動産に関する相談や不動産投資のアドバイスなど、コンサルティングを通して報酬を得ることもあります。

こういった顧客ニーズに応える相談やコミュニケーションはAIの苦手分野です。不動産鑑定士の人数で行っても、8,540人(内 女性642人)と他の士業に比べて人数が少ない業種でもあります。需要の観点からも不動産鑑定士は、将来性のある資格といえるでしょう。

ただし、不動産の評価については、ビッグデータを元にしたAIの発展により、簡単に算出できる未来もそう遠くないです。不動産の評価をメインにお仕事されている不動産鑑定士は、業務の転換期に差し掛かっているかもしれません。

また、不動産鑑定士はやめとけと言われる理由について、更に詳しく知りたい場合は「不動産鑑定士の将来性とは?やめとけ、無くなると言われる理由を解説」の記事をご覧ください。

不動産鑑定士の転職は士業事務所も選択肢の1つ

不動産鑑定士の年収について理解は深められたでしょうか。

不動産鑑定士は不動産関連業者から金融業界、地方公共団体、コンサルティング業界など、幅幅広い分野で活躍が期待できます。安定した収入が得られることもあり、独立できる資格を取得したい人にはおすすめの職業です。

ただし、不動産鑑定士試験は難関国家資格。簡単に取得できるほど甘くはありませんが、「三大国家資格」と比べると取得しやすい資格と位置付けられています。「定年退職なし」「独占業務」「高年収」「独立開業」ができるという面では、コスパの良い資格といえるでしょう。

不動産鑑定士として実績を作ることができれば、年収1,000万円以上というハードルは決して高くありません。さらに、途中で不動産業界から転職したい場合でも、希少性の高い難関国家資格であることから高待遇で転職できるケースも期待できます。

近年では、不動産の専門知識を活かし、会計事務所や社労士事務所、行政書士事務所などで働く人も増えています。高待遇で転職したい人は、士業事務所の求人にも注目しましょう。

また、不動産鑑定士試験の難易度などについて、更に詳しく知りたい場合は「不動産鑑定士試験の難易度とは?合格に必要な勉強時間は」の記事をご覧ください。

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