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オワハラとは?

オワハラとは?会計事務所への就職活動で注意するべきポイント

2023/11/01

「オワハラ」とはハラスメントの種類の1つで、自社の入社試験に合格した就職活動生に対し他社の選考辞退を促したり、強要したりする行為のことです。

中小事務所が内定を出しても「大手企業の面接を受けるまで待ってほしい。」という希望で内定ホールドをする学生が増えます。そんな就活生に「他社選考を受ける限りは、内定を出すことはできません。」と言っていませんか?このような対応も「オワハラ」と呼ばれ、オワハラに関する話題が増えてきています。

会計事務所でも採用は非常に難しい課題になってきていますが、だからといってオワハラが容認される理由にはなりません。

この記事では社会問題ともなっているオワハラについて詳しく解説いたします。

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オワハラとは?

オワハラとは、「就活終われハラスメント」の略称で、企業が新卒採用で内々定を出した学生に対して以降の就職活動を終えるよう働きかけたり、内定を出すことを条件に長期的に学生を拘束する行為のことを言います。

オワハラについて政府がまとめた「2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について」では、オワハラを「就職をしたいという学生の弱みに付け込んだ、学生の職業選択の自由を妨げる行為」として位置づけていることからも分かるとおり、オワハラは、就活生の権利を侵害する行為として認知されるようになってきており、日本における社会問題となっています。

オワハラを撲滅するために、企業には以下のような認識と対応が求められているため、事業者はオワハラがハラスメントであることを正しく認識し、対応することが求められています。

正式な内定前に他社への就職活動の終了を迫ったり、誓約書等を要求したりすることや、内(々)定期間中に行われた業務性が強い研修について、内(々)定辞退後に研修費用の返還を求めたり、事前にその誓約書を要求したりすることなど、採用選考における学生の職業選択の自由を妨げる行為を行わないよう徹底すること。

引用: 2024(令和 6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について

オワハラが認知された背景

オワハラが認知されるようになった背景を理解するポイントは、大手企業の選考開始時期の後ろ倒しと人材難による囲い込みです。就職活動(就活)の早期化には、いくつかの問題があります。主な問題点は以下の通りです。

学業への影響

就活が早期化することで、学生は学業に専念できなくなる可能性があります。就職活動に多くの時間と労力を費やすことで、成績が低下したり、卒業が遅れたりするケースがあります。

自己成長の機会喪失

就活が早期化すると、インターンシップや留学、ボランティア活動などの自己成長の機会を逃すことがあります。これらの経験は、将来のキャリア形成に大きな影響を与えることがあります。

適切なマッチングの妨げ

就活が早期化すると、学生は将来のキャリアについて十分に考える時間がなく、適切な企業とのマッチングが難しくなります。これは、学生だけでなく企業にとっても不利益です。

競争の激化

就活が早期化することで、学生間の競争が激化し、精神的なプレッシャーが高まることがあります。これは、学生のメンタルヘルスに悪影響を与える可能性があります。

不公平感の増大

一部の企業が早期に選考を行うことで、情報格差が生じ、就活における不公平感が増大することがあります。特に地方や留学生に対する影響が懸念されています。

これらの問題を解決するために、就職活動の時期を後ろ倒しする取り組みや、企業と学生がより良いマッチングを行えるような新たな就活スタイルの導入が求められています。

こうした問題を背景として、2015年に経団連(日本経済団体連合会)加盟企業は、新卒者の採用・選考時期を8月に後ろ倒しにしました。その理由は、学生の就職活動の負担軽減と、採用プロセスの改善を目指すためです。

これまでの就職活動は、学生が卒業前の早い段階で始まることが一般的であり、学業やインターンシップ、留学などの機会を逃すことがありました。採用・選考時期を後ろ倒しすることで、学生が卒業に向けた準備や自己成長により時間を充てられるようになります。また、企業側も選考プロセスを見直し、より適切な人材を採用できるようになると期待されています。この変更により、学生と企業の双方にとってメリットがあるとされており、就職活動の環境改善に寄与することが期待されています。

しかし、実際には、採用・選考時期を早期化して、新卒者の囲い込みをする企業もあります。就職活動における囲い込みとは、企業が他の企業との競合を避けるために、学生を早期に選考・内定し、他の企業への応募や選考参加を制限することを指します。

囲い込みは、学生が他の企業と比較検討する機会を奪うことになり、適切なキャリア選択や企業とのマッチングが難しくなるため、問題視されています。囲い込みの具体的な方法としては、例えば、選考の早期化や内定者限定のインターンシップ、条件付き内定などが挙げられます。これらの手法によって、学生は他の選択肢を検討する時間や自由が制限されることがあります。

就職活動における囲い込みを防ぐためには、企業が選考プロセスや時期に関するルールや指針に従い、適切な採用活動を行うことが求められます。また、学生自身も、複数の企業を比較検討し、自分に適したキャリアや企業を見極めることが重要です。

こうしたことを背景として、オワハラは社会問題として位置づけられるようになりました。

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オワハラは就活生のモラルも関係している

オワハラは、学生が他の企業との比較検討を制限される状況を生み出しますが、学生自身のモラルや意識も、この問題に影響を与える要因となっています。

例えば、学生が複数の企業から内定を受けた場合、迅速に決断し、他の企業に対して丁寧に辞退の意志を伝えることが求められます。しかし、モラルが低い学生は、複数の内定を持ち続けたり、内定企業への返答を遅らせたりすることがあります。内定を持っている学生がそのまま音信不通となってしまったり、突然内定を辞退することもここには含まれます。このような行為は、企業側に不安を与え、オワハラや囲い込みを促す要因となっています。

また、学生が企業の選考プロセスや内定に対して、十分なリサーチや自己分析を行わず、無計画に応募や選考に参加することも、オワハラや囲い込みの問題を助長する可能性があります。企業は、適切な人材を確保するために、オワハラや囲い込みのような手段に訴えることがあるため、学生のモラルや意識が重要な役割を果たします。

したがって、学生自身がモラルや意識を持ち、適切な就職活動を行うことが、企業によるオワハラや囲い込みの問題を緩和する一助となるでしょう。また、企業側も、選考プロセスや時期に関するルールや指針に従い、適切な採用活動を行うことが求められます。両者が協力し合うことで、より良い就職環境が整えられると期待されます。

オワハラの具体的な種類

オワハラの具体的な内容とは

一言でオワハラと言っても、具体的なオワハラのスタイルには様々なものがあります。以下のような行為は、オワハラとして認定される可能性がある行為ですので注意しなければなりません。

  • 採用内定または採用内々定と引き替えに他社の就職活動を辞めるよう働きかける行為
  • 採用内定または採用内々定と引き替えに他社の内定を辞退するよう働きかける行為
  • 他社の選考を受けていることが発覚した際に内定を取り消すと警告する行為
  • 就活生の内定辞退の意思表示に対して、長時間に及び執拗に説得を試みる行為
  • 他社の選考が集中しやすい時期に自社の内定者向けイベントなどを設定して、参加を義務付ける行為(不参加の場合は内定取り消しと警告)

これらの行為は一般的には適切ではありませんし、オワハラとして認定される可能性があります。学生は内定を受けた企業について十分に検討し、自分に合ったキャリア選択をする権利があります。したがって、その場での内定辞退を強制するなどといった行為は、学生の権利を侵害し、精神的なプレッシャーを与えることになるため、ハラスメントと捉えられることがあります。ただし、企業側から内定辞退について尋ねること自体は問題ではありません。重要なのは、学生が自主的に意思決定を行える環境を整えることです。

企業は、学生に十分な時間と情報を提供し、自分に合った選択ができるようサポートすることが求められます。学生自身も、就職活動においてモラルを持ち、選考プロセスや内定に対して責任を持つことが重要です。内定を受けた企業に対して、迅速かつ丁寧に意思表示を行い、企業と良好な関係を築くことが望まれます。

オワハラを行うと会計事務所が負うリスクとは

オワハラは、会計事務所にとっても無縁のものではありません。大手会計事務所などは、多くの就活生を確保するために、特定の時期に集中して採用活動を行いますが、それよりも前に内定を出して学生の囲い込みを行うことはオワハラとなる可能性がありますし、上記で説明した行為は当然オワハラとなる可能性があるので注意が必要です。以下では、オワハラを行った場合に会計事務所が負うリスクについて解説していきます。

学生や就活生からの不信感

会計事務所がオワハラを行えば、当然、学生や就活生から不信感をもたれることになります。その不信感は、年度を超えて募っていくことになり、最悪の場合、誰もその会計事務所を志望しないということになりかねません。

訴訟のリスク

過度なオワハラはハラスメントとして認定される可能性があるので、訴訟のリスクを抱えることになります。損害賠償責任を負う可能性もありますが、それだけではありません。訴訟されれば、そのことがメディアに取り上げられるなどして、会計事務所の評判が悪くなります。

SNSなどでの拡散リスク

オワハラが行われれば、SNSなどで簡単に拡散されてしまう時代です。意図しているか否かにかかわらず、オワハラのようなセンセーショナルな話題はあっと言う間に拡散されて大きな問題となりかねないので注意が必要です。

オワハラの対応として企業側が知っておくべきこと

オワハラを行う企業であると認識されてしまうと、企業側は採用活動がしにくくなってしまいます。したがって、正しくオワハラを認識したうえで、対応しなければなりません。以下では、企業側がオワハラをしないために知っておくべき3つのことを紹介していきます。

内定に法的拘束力はない

企業側が内定を出したとしても就活生が就活を止めなければならない義務はありません。したがって、内定に法的拘束力はないのです。そのため、企業側としては、内定を出すと同時に、就活生の意思を尊重する必要があります。こちらから働きかけて、内定を受諾するように働きかけてはいけません。

内定を出すまでは企業有利、出した後は学生有利

企業側と就活生のパワーバランスを考えると、内定を出すまでは企業側が有利ですが、内定を出したあとは、学生側が有利となります。したがって、内定を出す時期をいつにするかは採用の戦略を立てるうえで、企業側としては非常に重要です。同業他者の動向を踏まえて、適切な時期に内定を出せるように準備しておく必要があります。

内定辞退に対する損害賠償など認められない

どんなに企業側が気をつけていたとしても、内定辞退をする就活生がいるのはやむを得ません。企業側としては、内定辞退は迷惑ではあるものの、それに対して損害賠償をすることはできません。したがって、ある程度は辞退が出ることを前提に内定者数を多めに設定したり、採用時期をズラしてみたりと対応する必要があります。

まとめ

オワハラは企業にとっても、就活生にとってもメリットがないことであるのは理解いただけたかと思います。ましてや、オワハラしていたことをSNSで拡散されてしまうと企業の信用を大きく損なうことにもなりかねません。

企業としては就活生や学校関係者にクリーンであること、良い企業イメージを持ってもらえるようにすることが重要でしょう。そのような環境作りを続けることで、学生からの印象もよくなります。

ブラックな働く環境や、ハラスメントが横行しているような会計事務所で働きたいと思う人はいません。健全な働く環境を用意することが、従業員の生産性を向上させる1つの大きな要因なのです。

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