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会計公準とは

企業会計の基本「会計公準」とは?

「会計公準」という言葉を聞いたことはありますか?簿記1級レベルで習うため、簿記の勉強をしていない方にとっては言葉こそ聞いたことはあるものの、その概念を知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では

・会計公準の意味
・会計公準の仕組み
・会計公準3原則(企業実体の公準・継続企業の公準・貨幣的測定の公準)

について解説していきます。これを読めば、会計処理の基本的な考え方でもある「会計公準」について理解が深まります。適正な会計処理を行うためにも、経理初心者の方はぜひご一読ください。

会計公準とは

会計公準(かいけいこうじゅん)を紹介する前に、基本知識として「企業会計」について解説しましょう。企業会計とは事業活動の結果を記録・分析し、報告書として作成することです。投資家などの利害関係者に提出する「財務会計」と、企業内で経営方針を検討するために行う「管理会計」の2種類に分かれます。この企業会計をひと言で説明すると、企業の内外に向けて「どのような経営活動をしているのか」を公表するということです。

企業会計の代表例として、財務諸表や貸借対照表などがありますが、単に数字を計算した結果を書面にして提出すれば良いわけではありません。利害関係者など外部の方に対して、その数字に至った状況や経緯などを説明する必要があります。そのためには、誰もが納得できる公正公平な考え方に基づいて算出する必要があり、その土台となる考え方が、「会計公準(かいけいこうじゅん)」です。

ちなみに「公準」とは、「ある命題を導きだすための前提として導入される最も基本的な考え」のことをいいます。つまり、会計業務における基本的な考えが「会計公準」であり、それをベースとして企業会計手続きの方向性が定まり、実際の会計処理が進められていきます。その仕組みを図で解説すると、以下のようになります。

<企業会計の仕組み>
企業会計の仕組みとは

分かりやすく表現すれば、企業会計を行ううえで遵守しなければならない「憲法」のような存在と言えるでしょう。また、会計公準は、一般的に次の3つの原則から成り立っています。

<会計公準の3原則>

  • 企業実体の公準…企業の所有者の財産と企業の財産を分けるという考え方
  • 継続企業の公準…企業の経済活動は半永久的に継続するという考え方
  • 貨幣的評価の公準…企業会計は貨幣額を基準に行うという考え方

以下の項では3つの原則をそれぞれ詳しく解説します。

継続企業の公準とは

企業実体の公準

企業の所有者の財産と、企業の財産を分ける考え方が「企業実体の公準」です。わかりやすく言えば、会計業務を行ううえで「企業と株主を別々の存在として考えること」を指します。

例えば、株主は企業(株式企業)に対して「株主総会に参加して議決に加わる権利(議決権)」「配当金などの利益分配を受け取る権利(利益配当請求権)」といった権利を行使できます。株主は「企業を所有する立場」なので、所有物の企業に対して経営方針の決定や、配当金を受け取る権利が生まれるのです。

とはいえ、株主が企業の財産を好き勝手に利用すれば、企業経営の正確な利益・損益を計算しにくくなります。仮に企業が1,000万円の利益を上げたとして、利益から株主が200万円を借りたとすれば、企業の財布には800万円しか加算されません。このように、会計業務を行うには、企業の所有者であっても現金に手を付けるのはNGで、企業の所有者と企業の財布をしっかり区別しましょうという考え方が企業実体の公準なのです。

継続企業の公準

継続企業の公準とは、その名の通り「企業の経済活動は継続されるもの」「企業は解散しない」という考え方です。企業は「未来永劫にわたって発展し続ける」という前提で会計が行われます。「3年以内に経営を止めますよ」といった報告は、財務諸表に間違っても書くことはできません。
これは、株主や投資家に対して「企業の経営状況を定期的に報告する」という理由があるためです。

仮に、企業が倒産する時期がハッキリとわかっていれば、株主や投資家に対して企業の経営状況を定期報告する必要はありません。倒産するタイミングで財務諸表を作成し、その時点で企業の財産を株主や投資家に分配すれば良いわけです。

一方、企業経営が半永久的に続くという前提があると、企業の経営状況を定期報告する必要が出てきます。

逆説的にも聞こえますが、企業がずっと続くからこそ、株主や投資家に対して経営状況を細かく報告しなければならないのです。企業経営が続くという前提があるのに、定期報告がないと、現在の事業が順調なのか悪化しているのか、その途中経過がわからなくなります。経営状況が不明瞭となれば、株主や投資家から投資を控えると判断されやすくなり、経営にも多大な影響が出かねません。

そのような事態を回避するため、「企業の経済活動は継続されるもの」という考えをベースに、経済活動を一定の期間で区切り、その期間内の経営状態を損益計算書や、貸借対照表で報告するのです。ちなみに、この継続企業の公準を指して「ゴーイングコンサーン(going concern)」と呼ぶこともあります。

貨幣的評価の公準とは

貨幣的評価の公準

貨幣的評価の公準とは、「企業会計は貨幣額を基準に行われる」という考え方です。世の中には様々な企業が存在しています。車の販売を行う企業もあれば、衣料品を手掛ける企業もあります。販売する商品や、商品単位も各々異なりますが、一社一社、異なる数字の単位をベースに会計業務が行われていたらどうなるでしょう。

例えば、企業の経営状態をチェックする貸借対照表も一社ごとに違ってきます。例えば、A社は商品を基準に記入、B社は貨幣額を基準に記入等、企業によって基準が異https://kaikeiplus.jp/topic/wp-content/uploads/2020/10/AdobeStock_224820643.jpegなると、経営状態が良いのか悪いのか、読み解くのは難しいでしょう。そこで、会計公準の3つ目の原則として、「企業会計は貨幣額を基準に行う」という考え方を定めています。

商品が違っていても、その経済的な価値(価格)は、貨幣によって統一されているため、企業会計を行う上での単位は、貨幣額を基準とします。

以上が、会計公準の原則となる考え方です。経理初心者の方にとって、会計公準という言葉はあまり聞きなれない言葉かもしれません。簿記1級レベルで習う内容ですが、経理業務を行う上でベースとなる重要な考え方です。経理業務には、このような専門的な知識が必要とする場面が多々あります。

もし、簿記の資格を持っていないなら、ぜひ資格取得にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。資格を取得すれば、スキルアップや給与アップにも繋がりやすいのが経理のお仕事です。簿記について詳しく知りたい方は、合わせてこちらの記事もご一読ください。

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企業会計基準とはどういうもの?

  • 日本会計基準:企業会計原則に基づいて作成された、日本独自の会計基準
  • 米国会計基準:アメリカ国内の会計基準で、アメリカに上場している企業が採用する
  • IFRS(国際会計基準):2005年にEUで義務化された、グローバルな会計基準
  • J-IFRS:国際会計基準を日本国内向けにアレンジした会計基準

最後に、会計手続きの方向性を決める「企業会計基準」についても簡単に触れておきましょう。考え方や概念である会計公準に対し、企業会計基準は「財務諸表の作成に必要なルール」を指す言葉です。会計公準という考えの基、企業会計のルールに則り企業会計が行われるという認識でも良いでしょう。日本を含め、国々が独自の会計基準を設けてきた歴史から、上記のように複数の会計基準が存在します。

とりわけ、企業活動のグローバル化が著しい現代社会では、会計業務でIFRS(国際会計基準)を導入する日本企業が増えています。これは主に、IFRSを導入することで国の基準に合わせて財務諸表を作り直す必要がなくなり、国際取引の際に企業会計を楽にするためです。このほか、世界中の投資家から資金を集めたい企業や海外への株式上場を検討している企業などが、国際会計基準にIFRSを導入するケースもあります。

公認会計士の中には、IFRSを導入する企業のサポートを行い、会計士としてのキャリアを積む方も珍しくありません。このIFRSは、日本企業でも導入が拡大する可能性が高く、公認会計士の業務案件や活動領域も増えていくことが予測されます。公認会計士の仕事内容やキャリアについては、以下のページでも詳しく解説をしています。経理に関する仕事に携わりたい方であれば、今後のキャリアを考えるうえで参考にしてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】

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まとめ

今回は会計公準について解説しました。繰り返しになりますが、会計公準は経理実務の土台となる考え方ですので、経理に携わるなら覚えておく必要があります。はじめてこの言葉を知った方で、もっと詳しく掘り下げて勉強したいなら、簿記の資格を取得するのも一つの方法です。仕事のキャリアアップや給与アップを狙うことができます。

ですが、どんなに難関資格を取得したとしても、必ずキャリアや給与が上がる保障はありません。事務所や企業によっては、評価に繋がらないこともあるのです。当コンテンツをご覧になられている方の中に、キャリアを上げたいけど、「今の職場にチャンスはないかも…」と感じている方はいませんか?そのような方には次のような傾向が見られます。

●もう5年以上も働いているのに年収が300万円前後
●業務量に対して給料が割に合わない
●実務経験はあるが資格が取れる環境が欲しい
●自分の経験を活かして業務の幅を広げたい
●もっと規模が大きい会社で働きたい

もちろん、現在の職場に留まってキャリアアップするべく研鑽を積むこともできますが、限界を感じているなら「転職」を検討するのも一つの手です。

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