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円安になるとどうなる

円安とは?具体例を使ってわかりやすく解説!メリット・デメリットも

2023/11/01

2022年に20年ぶりの水準で円安が進んでも、個人の生活に良い影響は見えてきません。
その理由として円安のメリットではなくデメリットの方が強く意識されることが挙げられます。
本来、円安が起こると輸出企業を中心に収益の押し上げが起こり賃金も上昇するはずですが、賃金はなかなか増えず、
様々な物価上昇により消費者の負担は増えてしまっている状態だと考えられます。

そもそも、円高・円安を正しく理解していないと、よくメディアで言われている「円安が進む」「円安で物価が急上昇」の意味は理解できません。
円高・円安は、製品やエネルギーの価格などを通じて、私たち消費者の生活に密接にかかわっています。

そこで今回は、円高・円安についてわかりやすく解説し、現在の円安が何をもたらしているかを解説いたします。

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円高・円安とは?

円安とは?

円安とは、文字通り、「円が安くなった」ことを意味します。
具体的に例で見てみましょう。

ある時点では150円払えば1ドル買えたのが、時間が経つと300円払わないと1ドル買えなくなったとします。
さて、これは円高・円安どちらの動きと言えるでしょうか。
150円から300円になったことで「円高になった」と考えるのは間違いで、「円安になった」というのが正解です。

300円=1ドルだと150円で0.5ドルしか買えません。
150円=1ドルのときよりも150円で買えるドルが少なくなり、それだけ円の価値が安くなった(=円安になった)ことになります。

円高とは?

円高とは、文字通り、日本円が高くなったことです。

円高を具体的に理解するために、例を使って説明しましょう。

ある時点では120円払えば1ドルが買え、時間が経つと60円払えば1ドルが買えるようになったとします。
120円から60円になったから、円安になったというのは正しくない考え方です。
正解は円高です。

つまり、120円で1ドルよりも多くのドル(2ドル)を買うことができるので、
それだけ円の価値が上がった(=円高になった)ことになります。

現在の円相場はどうなっているのか

現在の円ドルレートは、2002年以来、実に20年ぶりに1ドル=135円の水準に達するなど、円安傾向が続いています。
2016年から2021年までの5年間、1ドル=100~120円の範囲で変動していた為替レートですが、
2021年初頭から2022年半ばまでのわずか1年半で1ドルあたり30円以上の急落が見られました。

最近の円安の要因として考えられるのは、日本と欧米との金利差の拡大です。
米国が記録的なインフレに対応して利上げによる金融引き締めを加速しているのに対し、
日本は景気回復のための大規模な金融緩和を続けているため、円でお金を貯めても利益が少なく、円を売ってドルを買うという動きがあり、ドルにお金が流れています。
これにより、円安ドル高が加速しているのです。
このような状況は一時的なものとは考えられず、しばらく続く可能性があり、
食料品やエネルギー資源の価格上昇により、家計や企業の負担が増加することが懸念されています。

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円高のメリット・デメリット

メリット

円高のメリットは、円安のときよりも外国製品の価格が安くなることです。
また、輸入産業は輸入コストが安くなるため、利益の増加が期待できます。
外貨と比較して円の価値が高くなるため、少ない円でより多くの外貨を獲得することができます。

さらに円安になることで海外旅行の費用が安くなります。

デメリット

円高のデメリットとして、日本製品を海外で販売することが難しくなるため、輸出産業(自動車産業など)の業績が悪化することが挙げられます。
そしてこれらの悪化の結果、従業員の所得が減少し、消費に回せるお金が少なくなるため、景気の悪化につながる可能性があります。

また、海外投資をしている企業では、円高が損失につながる可能性もあります。
海外投資で利益が出た場合、海外通貨を日本円に換算するが際に円高が進んでいるため、換算によって利益が減少し、最悪の場合、損失が発生する可能性があります。
これは、海外通貨に投資する投資家にとってデメリットとなります。

円安のメリット・デメリット

メリット

円安のメリットは、外貨建ての投資をしていて、それを日本円に換えれば、円高のときよりも資産が増えることです。
外貨建て投資とは、日本円から外貨に交換する投資のことで、高い金利が期待できます。
外貨投資の場合、為替レートによって利益が左右されやすいため、円高になったときのことを意識しておく必要があります。

また、円安になると日本製品が海外で安くなるため、売れやすくなるというメリットもあります。
そのため、海外向けに商品を販売する輸出企業は、外貨で商品の対価を受け取り、日本円に変換することで利益が大きくなります。

デメリット

円安の最大のデメリットは、輸入品が割高になり、家計が苦しくなることです。

円安になると輸入コストが上がり、エネルギー資源や食料品の価格が上がります。
例えば、ガス・衣料品・小麦などのほとんどは海外から輸入されています。

また、円安になると、海外旅行の費用も高くなります。
円安になると円の価値が下がるため、外貨を両替する際に円高時よりも多くの円が必要になるからです。

円安と円高はどちらのがいいのか?

円安が消費者の生活与える影響とは

円安のデメリットの項で説明したように、円安が個人に与える直接的な影響は大きいです。
特に、以下の場面で円安が個人に与える悪影響は大きいです。

a)原油・大豆・小麦などの資源価格の上昇

b)世界経済が後退している

c)労働賃金が上昇せず、停滞または減速している状態

このような状況で円資産しか持っていないと、円安になると実質的に「損」をし続けることになります。

個人でできる円安対策はあるのか

為替レートは常に変動しているため、相対的に円高になる時期と円安になる時期があります。
円安になると、生活に変化が生じるだけでなく、収入や資産の価値が下がるケースもあるので注意が必要です。
しかし、適切な対策を行うことで、資産を増やしたり、円安の恩恵を受けたりすることができるかもしれません。
また、円安によるデメリットを最小限に抑えるような生活を送ることも可能です。

個人でできる円安対策は、主に以下の2つです。

a)外貨建ての資産を保有する
b)国産品への切り替え

これらについて説明していきます。

a)外貨建ての資産を保有する

円安に備えるには、外貨建ての資産を保有することが望ましいです。
外貨建て資産とは、外国の株式・債券・外貨預金など、その価値が米ドルやユーロなど日本円以外の通貨で表示された資産のことです。
日本円が安くなると外貨建て資産の価値が上がるので、円資産の価値下落リスクから資産を守ることができます。
ただし、外貨建て資産だけだと円高になったときに資産を守ることができないので、日本円建ての資産も持っておくことが大切です。
為替レートの変動に関わらず大切な資産を守れるよう、複数の種類の通貨に資産を分散させるようにしましょう。

b)国産品に注目する

国産の原材料を使用し、日本で製造された国産品は、為替レートの影響を受けにくいです。
円安のときは、外国製品よりも国産製品を選ぶと、生活への影響を最小限に抑えることができます。
ただし、国産原料を使用した国内生産品であっても、製造や出荷の過程で石油などの燃料を海外に依存している場合は、
円安の影響で価格が上昇する可能性があります。

円安は今後も続くのか

今後も円安は続くのか

今後の米ドル円については、断定はできませんが、今後も横ばいで推移することが予想されます。
現在、様々な要因を背景に円安が急速に進んでいますが、多くの政府や銀行による金融政策が実施される可能性は高く、
これ以上の円安は考えにくいと思われます。

また、新型コロナウイルスの影響は徐々に緩和されてきており、今後安定すれば、さらなるドル高円安が予想されます。
ただし、今後、変異株などの新型ウイルスが出現すれば、再び急激な円安になる可能性もあります。

会計事務所にも関係がある円安とは

円安によるインフレが起こると中小企業はコスト削減と同時に販売価格の引き上げが必要です。
ただし販売価格引き上げた結果、販売数量が減少することが懸念されます。
どのコストをどれだけ削減するか、値上げ分をどれだけ販売価格に反映させるか、どの程度の販売数量を目標とするかなどのモデル化が必要です。

このシミュレーションを行うためには、既存の試算表を組み替えた変動損益計算書と直接原価計算の概念を利用することが有効であるといえます。
これらの計算の知識を得ることで、会計事務所はよりクライアントに実効的なアドバイスができるようになります。

まとめ

以上まとめると、円安とは外貨に対して日本円の価値が低くなっている状態を指し、円高とは日本円価値が高くなっていることをいいます。

円安になれば同じ外貨を買うための円の金額は大きくなり、円高になると同じ外貨を買うための円の金額は小さくなります。
すなわち、同じ外貨を買うための金額の増減と円の価値の高低は反対だということを理解しておくといいでしょう。

円高・円安は、一概にどちら良いとか悪いとは判断できません。どちらも、日本人に良い影響も悪い影響も与える可能性があるものです。

まずは現在が円安・円高の傾向がどちらかを理解しておくことが大切であると言えるでしょう。

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投稿者情報

税理士副業ライターSOU
税理士副業ライターSOU
現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しています。会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。

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