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簿記3級は難しすぎなのか?

日商簿記3級は難しすぎ?資格試験の実際の難易度をくわしく解説

2024/01/26

経理職に就職・転職したい、会計事務所で勤めたいと考えている人は、まずは簿記の知識は理解しておきたいと思うでしょう。

その入口として経理・会計の入門資格とされる日商簿記3級を選択し受験を検討する人は少なくないはずです。そこで、初めて受験をするにあたり、このような意見を見かけることがあるのではないでしょうか。

  • 日商簿記3級は簡単で難しくない
  • 就職・転職にはあまり役に立たないほどライトな資格
  • 独学で簡単に取得できる資格

しかし、簡単だと思って実際に受験をしてみたら『難しすぎる』と感じる人もいようです。

日商簿記3級は、経理や会計に関する資格の初級といえます。日商簿記3級は難しすぎるのでしょうか?それとも簡単なのでしょうか?簿記3級の取得が初めての大きな壁となってしまい心が折れてしまわないように、日商簿記3級の難易度などを正しく理解して受験に備えていただけるよう詳しく解説します。

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日商簿記3級が簡単だといわれる背景

まず、日商簿記3級が簡単だという意見があるのはなぜでしょうか。経理・会計の入門資格として受験されることが多い日商簿記3級ですが、商業簿記の基本知識を得ることができる資格です。商業簿記とは株式会社のお金の流れを数値で把握するためのスキルになります。中小企業の運営に必要な簿記知識を身につけることができる証明になる資格ですので、取得しておけば役に立つことは間違いありません。

そのため、簿記初心者がまず取得しようとするのが簿記3級になります。そして、簿記3級をステップに上位資格である日商簿記2級や日商簿記1級を目指す、もしくは税理士などを検討する人にとっても基礎知識を学び、勉強方法を確立しておくためにも重要な資格なのです。その一方、簿記特有のつまずきやすいポイントがあるため、特に企業のお金の流れに馴染みがない人や簿記初心者からは思っていたよりも難しかった印象を持つ人が多いようです。

つまり、日商簿記3級の試験が『簡単』というのは、それまでに簿記の知識に触れたことがある・すでに経理職として働いている・会計士や税理士をめざしてすでに勉強しているといった人の感想や口コミのケースがほとんどなのです。それにもかかわらず、まったく簿記や経理業務の経験がない人がそのような評判を見聞きして鵜呑みにしてしまう危険性があります。誤解をしたまま十分に準備せずに受験をすれば、『難しい』と感じるのは当然でしょう。

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日商簿記3級の実際の難易度や合格率は?

日商簿記3級の実際の難易度とは

それでは、実際のところ日商簿記3級の難易度や、合格率について確認しましょう。日商簿記3級の合格には70%以上の正答が求められます。直近の受験者データは以下の表のとおりです。

一般的に資格試験の合格率はその年の試験内容・難易度により変動するものです。これまで日商簿記3級の合格率の平均は40~50%といわれてきました。しかし、先ほどの合格率の一覧のうち、157回と158回を比較してみると、2倍の差がある点が目立ちます。これは、試験時間や出題範囲の変更などが影響したと考えられます。

3級受検者データ
受験者数(申込者数) 実受験者数 合格者数 合格率
161(2022.6.12) 43,723名 36,654名 16,770名 45.8%
160(2022.2.27) 52,649名 44,218名 22,512名 50.9%
159(2021.11.21) 58,025名 49,095名 13,296名 27.1%
158(2021.6.13) 58,070名 49,313名 14,252名 28.9%
157(2021.2.28) 70,748名 59,747名 40,129名 67.2%
156(2020.11.15) 77,064名 64,655名 30,654名 47.4%

※商工会議所の検定試験HPより 

日商簿記3級の出題範囲が変わったことで難易度もあがったのか?

ここ数年、日商簿記検定では出題問題数や範囲、試験時間等の見直し・変更が進められてきました。過去、3級の試験では出題数が5問、試験時間は120分で筆記試験(統一試験方式)形式により行われていました。

しかし、現在は出題数が3問、試験時間は60分で、試験形式も従来の筆記試験に加えネット試験(CBT方式)があります。また、試験の出題範囲は2019年に変更されはじめ、2022年度にも出題範囲に変更があります。

出題範囲は増える項目・なくなる項目があるため、公式の出題範囲の一覧(出題区分表)を確認することをお勧めします。そのため158回以降は出題範囲や試験時間などの変更にまだ慣れていない、対応しきれない受験者が多かったと推測されています。

また、最近の試験では実務重視の傾向が高まっていることから、出題範囲をまんべんなく学習し、さまざまな問題を限られた時間内で解く演習などの対策が必要になっています。そういった状況から難易度が高くなったととらえられても仕方がないといえるでしょう。

日商簿記3級合格に必要な勉強時間・スケジュールは?

日商簿記3級の合格率や勉強時間とは

標準的な勉強時間の目安は約70時間といわれ、簿記初心者で時間に余裕がある場合は100時間程度かけて準備をするというケースもあります。毎日2時間の勉強をするとした場合、1ヶ月~2ヶ月弱は必要だという計算です。合格のため必要な勉強時間数は、ご本人が簿記や経理の知識を知っているか否か、実務経験の有無などにより異なります。事前にテキストや問題集などをチェックして自分のレベル感に合わせた勉強時間数を設定すると良いでしょう。

また、事前にスケジュールを整理することはとても重要です。日々どれだけの勉強時間の確保ができるかを踏まえ、最初に受験する試験日を決めます。筆記試験、ネット試験で試験日の設定が変わりますので、日本商工会議所のホームページをチェックしましょう。試験日を決めた後は、いつまでに何を修得するのかを試験日から逆算して計画を立てていきます。自分の生活スタイルに合った勉強時間を確保し、無理のない学習を進めていくことが理想的です。

日商簿記3級が難しいとされる理由とは?

先述の通り、日商簿記3級の試験が『簡単』というのは、それまでに簿記の知識に触れたことがある・すでに経理職として働いている・会計士や税理士をめざしてすでに勉強しているといった人たちです。簿記初心者や経理業務の経験がない人にとっては以下のような簿記特有のつまずきやすいポイントがあり、『難しい』と感じることが多いようです。

馴染みのない用語

簿記のテキストや参考書には、会計や経理、税金に関する専門的な用語が当たり前のように表記されています。これらの用語を理解しておくことは、簿記の問題を解くには必要不可欠です。この用語に慣れるまでに時間がかかったり、苦手意識を持ってしまったりすると、なかなか勉強する気力も起きず理解も深まりません。

暗記するだけでは解けない

簿記特有の専門的な用語を覚えただけで解ける問題はほぼありません。簿記のしくみや企業のお金の流れに関して理解をしておかなければ解けない問題がほとんどです。テキストや参考書を熟読したうえで借方・貸方の概念や仕訳などの簿記の考え方を十分に学ぶことが大切です。また、電卓を使用して計算することも必要ですので、正確に電卓を扱い計算ミスがないように演習を繰り返すこともポイントになります。

躓きやすいポイントとは

簿記3級の勉強を初心者が進める際に最も躓きやすいのが「仕訳」なんです。
「仕訳」は日々おこっている取引を分類して記録していく作業のことを言います。
決まったルールに沿って、商品の販売や材料の仕入れ、給与の支払いなどお金の出し入れを記録する作業が「仕訳」になります。

そしてその基本的な分類として「貸方」と「借方」がありますが、この考え方を理解するが難しいと感じる人が多いようです。
財政状況を把握するための貸借対照表、経営状態を把握するための損益計算書でも同様に貸方、借方に分類されるので、きちんと理解しておくことが必須となります。

また、日商簿記3級は独学合格できるかについて、更に詳しく知りたい場合は「日商簿記3級は独学合格できる?勉強方法で変わるメリットとは」をご覧ください。

初心者には難しいと思っておくべき

あらためて、日商簿記3級は初めて簿記を学ぶ人にとっては難しいものだと認識しましょう。

日本商工会議所のホームページでも、『業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」』とされています。社会の、特に個人事業や企業のお金の流れを整理する簿記は、社会人経験・経理の実務経験や基本的な簿記の知識が少ない人にとっては早い段階でつまずく人も多いようです。

ただ、初心者向けのテキストや参考書、通信講座なども充実しています。独学をめざす人もいればスクールに通学する人もいます。勉強方法はさまざまですし、関連する動画が視聴できるケースもあります。それらをうまく活用し、十分に準備をして学習を進めていけば合格できる試験です。

簿記3級取得のための勉強はこれからの試金石

簿記3級の便業がかなり重要な理由とは

日商簿記3級をできるかぎり早く勉強を進めて取得して次の上位資格へ挑みたいと思っている人も多いのではないでしょうか。

以前は、書籍でテキストや参考書を使って独学で合格を目指すというのが通常の勉強方法でしたが、現在はネットから多くの情報を得ることができるようになりました。
オンラインスクールや、動画学習サイトなど、勉強の手法も多様化しています。

これから簿記2級や1級、税理士や公認会計士などの資格を目指すひとにとっては、入り口であり、早く取得してしまいたい資格でもあると思いますが、簿記3級の勉強は非常に重要な意味を持っています。
例えば、将来会計事務所に努めながら税理士を目指そうと思っている人にとっては、簿記3級の勉強時間の何十倍もの時間を費やすことになります。

如何に効率的に勉強をすすめるかが重要になりますので、簿記3級を取得するまでに勉強方法を確立したり、自分に合った勉強手法を身に着けたりするためのトレーニングをして、上位資格に挑むことをオススメします。

また、簿記3級で得られる知識は、会計の基礎としても非常に大切です。
資格取得のため、試験に合格するためだけの試験勉強として勉強をこなすのではなく、会計の基礎を知識として正確に身につけることを心がけてください。
結果として、土台ともなる知識が身に付いていることで、高度が知識が効率的に理解できるようになります。

まとめ

ここまで、日商簿記3級は難しいのか、簡単なのか、という点について解説をしてきました。できる限りコストをかけず、簡単に合格できればと思う人も少なくないでしょう。ただ、それはご自身の経理や簿記に関する知識の程度にも関係します。自分がつまずきやすいポイントを把握し、自分に合った勉強法で準備することが大切です。

また、試験範囲の変更などで合格率や難易度が変動している側面もありますが、試験の変更に応じて参考書や問題集なども徐々に充実してくるでしょう。

日商簿記3級は簿記初心者にとっては簡単な試験ではないのは確かです。日商簿記3級が『簡単だ』『難しすぎ』といったさまざまな情報に惑わされず、対策をしっかりと行うことで実力をつけることがポイントです。
まずは経理・会計の基礎の理解を深め、日商簿記3級を目指してみてはいかがでしょうか。

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