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BATICはグローバルな時代には不可欠

グローバルな時代だからこそ!BATICはこれからの経理業務に不可欠!

2023/10/30

企業のグローバル化が進み、国際会計基準や英語の財務関係資料を理解できる人材の需要が増しています。そこで注目を集める資格のひとつが「BATIC(バティック)」です。BATICとは、英語と国際会計のスキルを同時に証明できる検定試験のことです。資格そのものにも価値はありますが、資格勉強を通じて英文簿記や国際会計への知識を身につけることができるため注目されています。

英文簿記や国際会計の知識は、海外に取引先や支店・支社のある企業では必須の知識ですので、取得すべき資格のひとつです。今回は、会計業界・経理職でのキャリアアップと年収アップに役立つBATICの基本から勉強法までを解説します。

BATIC(バティック)とは?

BATICとは、東京商工会議所が主催する英語での国際会計処理能力を測る試験のことです。国際会計検定とも呼ばれ、同じ東京商工会議所が主催している」日商簿記検定」の英語版での試験といえます。英文簿記をはじめとする英語での会計処理や、IFRSに関する知識など国際的な会計基準の理解度をテストしますが、点数によって合格不合格が決まるものではありません。BATICの場合、TOEICのように取得したスコアによって得られる称号が異なるスコア制を採用しています。

BATICのスコア

BATICには、「コントローラーレベル」「アカウンティングマネジャーレベル」「アカウンタントレベル」「ブックキーパーレベル」といった4つの称号があります。これらは試験を受けて取得したスコアによって、得られる称号が変わります。

スコア 称号 理解度 参考レベル
880~1000 コントローラーレベル 国際会計理論と国際財務報告基準を理解している。 日商簿記1級レベルの知識
700~879 アカウンティングマネジャーレベル 国際会計理論と国際財務報告基準の基本を理解している。 日商簿記2級レベルの知識
320~699 アカウンタントレベル 英語で会計帳簿の記帳と管理ができる。 日商簿記3級レベルの知識
200~319 ブックキーパーレベル 英語の会計取引を理解できる。 日商簿記3級レベルの知識
0~199 称号は得られず、得点のみ認定。

ちなみに、BATIC取得スコアが699までの「ブックキーパーレベル」「アカウンタントレベル」の場合、認定期間はありません。しかし、スコア700以上の「アカウンティングマネジャーレベル」「コントローラーレベル」になると、常に最新の会計基準について学んでいることを証明するために、認定期間が設定されているため更新が必要です。

BATICはどのような人が受験する?

BATICは、グローバル展開している企業への転職を望む経理職の人や、日商簿記資格取得者でキャリアアップしたい人に最適の資格です。特に、日商簿記検定の知識がある人であれば、既に得た知識を、英語に置きかえるだけで良いため有利に勉強が進めることができます。

BATICの取得で活躍できる仕事は?

BATICでハイスコアを取得することで転職に有利になる仕事として「外資系企業」「コンサルティングファーム」が挙げられます。

外資系企業

日本に子会社がある外資系企業の多くは、IFRS(国際会計基準/国際財務報告基準)を導入しています。これには、本国にある本社との経理業務を簡略化するという目的もあります。
BATICはIFRSに関する知識も問われる資格で、さらに受験言語が英語に限られています。つまり、BATIC取得者は英語と国際会計基準の知識があるという証明ができますので、転職ではより有利になるでしょう。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームでも、BATICの資格が役立つ場合があります。 コンサルティングファームのクライアントの中には、海外進出をめざす企業も少なくありません。このようなクライアントに対してはIFRSの知識で支援を行う必要があり、英語もできるBATICハイスコア取得者が活躍できるでしょう。 また、グローバル企業の経理部門に対してコンサルティング業務を行うときも、BATICの資格が役立ちます。

BATICと他の資格の違いとは

IFRS検定やUSCPAとの違い

国際会計に関する知識やスキルを証明するための資格としては、BATICの他にIFRS検定、USCPAという3つの資格があります。これらはIFRS(国際財務報告基準)に基づいた試験ではありますが、試験の実施団体などについていくつか違いがあります。

BATIC(国際会計検定)

BATICは東京商工会議所が実施する試験で、国際資格というよりは、日本国内で評価の高い資格です。以前はUSGAAP(米国会計基準)を中心に出題されていましたが、2015年以降はIFRSに切り替わっています。
日本基準で作成した財務諸表をIFRSに準拠した財務諸表に組み替えるなど、日本で活動している企業で実務を行ううえで有用なスキルを学べます。試験言語が英語であることから、英文会計の知識のみならず実務に必要な英語力も証明できます。

IFRS検定(国際会計基準検定)

欧州最大規模の会計士協会であるICAEW(イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が実施する試験です。IFRSに関する基本知識を国際的に証明できる資格として、IFRS導入国を中心に注目度が高まっています。日本国外の受験者も多い国際資格ですが、日本語でも受験が可能です。

USCPA(米国公認会計士)

USCPAとは、世界で最も認知されている米国の会計士資格です。米国公認会計士試験に合格していることは、プロとして英語の会計実務ができるレベルであるという客観的な証明になります。BATICとの違いは、資格の取得認定です。BATICはスコア制で、得点割合により称号が付与されます。USCPAは各科目で99点中75点以上を獲得すれば合格となります。

BATICが注目を集めている理由

日本では会計基準の国際的基準への統合がいっそう進んでいることもあり、多くの企業が対応に追われています。そうした中で、グローバルスタンダードな共通言語と会計知識を身につけた人材がいれば、ビジネスで大きく飛躍するチャンスをつかめるでしょう。これから先も、国際会計スキルを持つ人材へのニーズがますます高まることは明らかです。

会計の仕事に英語が必要とされる理由は?

国境を超えて活動する企業が増え続ける中で、世界の共通語である英語の重要性も高まっています。
そこで、会計・経理職の経験者にアンケート調査を実施し、これからの会計・経理職にとっての英語の必要性についてきいてみました。

【質問】
将来的に会計・経理の現場でも英会話や英文書の読解スキルは必要だと思いますか?

【回答結果】
思う:110
思わない:57

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年04月03日~2017年04月10日
有効回答数:167サンプル

経理職で英語は必要なのか?

調査の結果、英語の必要性を感じている人が多数を占めていることがわかりました。

  • 国際会計基準などの兼ね合いから(40代/男性)
  • 取引先が日本国内以外にもあるため。(20代/女性)

実際に今でも英語圏の企業との業務は増えていますので、知っている、使えるほうが会社で重宝されて立場が強くなると思います。(40代/女性)
このように、海外との取引が増えていること、国際会計基準などを理解・活用するためには必須ということが理由としてあげられるようです。
その一方で、英語は今のところ必要ないと答えた人も全体の約3分の1を占めています。

  • 海外と取り引きがあるような大きな会社なら分からないけど、私が勤めている工務店では英会話が必要になる事は無いと思う。(50代/女性)
  • 現状業務をしていて全く必要性を感じないから。(20代/男性)

英語の必要性を感じていないという人からは、海外との取引があると思えない、今のところ業務に関係ないからなどの意見が出ています。

一方、グローバル化が進行するとともに、会計基準などの国際化も進んでいます。このことから英語や国際会計に関する知識の重要性を痛感する人が多いようです。BATICの高スコアをめざして勉強することは、これらのグローバル化の時代に必須のスキルを磨くことにつながります。

BATICを取得するメリット

BATICは、海外展開する企業と、自らの市場価値をより高めたいビジネスパーソンに支持される資格です。この資格をめざすことには、3つのメリットがあります。

日商簿記の知識を活かせる

日商簿記検定の学習経験者なら、BATICの学習も有利に進められます。
これはBATICの試験範囲と、日商簿記検定の試験範囲に重なる部分が多いためです。
既にある知識を英語で覚え直す形になりますので、効率的な試験勉強が可能になります。

IFRSを体系的に学習できる

BATICは2015年7月より、国際的な会計基準であるIFRSに基づいて出題されています。そのため、試験勉強がそのままIFRSの体系的な理解に直結します。IFRSは、欧州や北米など世界各国で導入が進んでいる会計基準です。グローバル化が進行する中、日本でも採用している企業が増えつつあります。

米国公認会計士試験の足がかりになる

BATICの取得は、米国公認会計士をめざす人にも役立ちます。米国公認会計士試験科目のうち、FAR(財務会計)で問われる内容については、BATICの試験内容と大部分が重なっています。つまり、BATICを勉強することは、米国公認会計士試験の足がかりになるのです。

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BATICの資格を取得するまでの流れ

BATICの申し込み方法

1年に2回ほどある試験期間内であれば、受験者が自由に試験場所と日程を選択することができます。受験者個人のみならず、企業としても業務状況に合わせて試験への対応がしやすくなるでしょう。希望受験日から7日前までに、オンラインで申し込みが可能です。ただし、申し込みは先着順のため、希望の日時を選択できない場合もあります。

同一試験回においては1回のみ申し込みが可能です。同一試験回において、複数日にわたって申し込みをすることはできません。試験を欠席した場合もこのルールが適用されます。

受験概要

受験資格は試験当日において、日本国内に居住している人に限られます。

BATICの試験は、受験形式がCBT・IBTの2通りあります。自宅でインターネット環境やテストを受ける機器を揃えられるならIBTを選択するとベター。どちらも用意できない場合は、CBTを選択してください。IBT(Internet Based Test・インターネット経由での試験)は受験者のコンピュータで受験する方式です。CBTは全国にあるテストセンターで行います。

BATICのCBT実施は、使用機器や受験環境等の用意が困難な人を対象に2021年度~2023年度に限って行われます。2022年度以降は見直される場合がありますので、最新の試験概要を確認してください。BATICの問題は多肢選択式および記述問題の2構成です。出題はすべて英語で行われます。制限時間は70分で、試験結果の合否ではなく400点満点のスコア制で点数の認定が行われます。

資格取得の難易度

BATICの試験科目はSubject1(英文簿記)とSubject2(国際会計理論)があります。そのうちSubject1については、過去にSubject1で320点以上(アカウンタントレベル)を取得している人を除き受験が必須となっています。

問題はマークシート方式および記述式で、配点はSubject1が400点満点、Subject2が600点満点、合計1000点となっています。200点以上得点できた人には、Subject1・Subject2のトータルスコアに応じて称号が与えられます。ただし、Subject1でアカウンタントレベルに達していない場合、Subject2の得点が認定されないので注意が必要です。

試験の難易度は、Subject1で日商簿記3級レベル相当、Subject2で日商簿記1~2級レベル相当といわれています。そのため、すでに日商簿記2級以上を持っている人であれば、高スコアを狙うことは十分に可能です。
実際、BATICの受験者の約半数は日商簿記2級の合格者となっています。こうしたことからBATICは、すでに日商簿記2級を取得している人のキャリアアップにもつながる資格ということができます。

BATICと他の資格の違いとは

BATICに合格するには

BATICは英語と日商簿記検定の知識が必要になる資格です。簿記の勉強時間も含めるなら、勉強時間は750時間ほど必要だと考えられます。簿記の知識(2級程度)がある人ならば、1日2時間程度の学習を2ヶ月程度続ければ取得できるでしょう。

BATICはSubject1、Subject2のそれぞれに公式テキストと問題集があるので独学でも勉強しやすいです。簿記と英語力をバランスよく勉強することがポイントです。簿記の基礎力があり、短時間で効率よく学習したい人はUSCPAが学べる予備校に通うこともおすすめです。

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