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公認会計士試験に独学で挑む!

公認会計士試験を独学で合格するには?勉強方法と壁を乗り越えるコツ

2024/05/10

独学で難関資格の公認会計士試験合格者になることは可能でしょうか?

公認会計士試験の受験を考えている方は、大学生、仕事を続けながら勉強を両立して受験を目指している方、または仕事を辞めて短期決戦で勉強に専念する方の3つのタイプに分けられると思います。特別な受験資格は不要な公認会計士試験ですが、それぞれの立場に応じて、最適な勉強方法は変わってくるでしょう。

独学での公認会計士試験合格にチャレンジすることを考えたことはあるでしょうか?今回は、独学で公認会計士試験に合格できるかどうかを検討していきます。ぜひ参考にしてください。

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公認会計士資格取得に向けた学習スタイルは何がある?

公認会計士の試験は、受験者数・不合格者数も多い非常に難易度が高い大変で膨大な努力が必要な試験なので、モチベーションを維持しながら長期的に学ばなければなりません。その高い難易度から、公認会計士試験は「働きながら合格を目指す」のは無理ではないでしょうが非常に困難で、大半の方は在学中など、試験勉強だけに集中して資格取得に挑戦する形になります。一般的に、公認会計士試験対策は「独学」「専門学校」「通信教育」の3パターンです。自分の性格や環境と照らし合わせながら、適した勉強スタイルを選びましょう。

独学

結論として、独学でも公認会計士に合格することは不可能ではありません。数は少ないですが、とにかく自分のペースで勉強したいという受験生にはおすすめです。独学で公認会計士を目指すメリットとデメリットは、本記事の後半で詳しく解説をします。

予備校、専門学校に通う

次に、一番の王道スタイルである受験予備校や専門学校で実施されている講義を受けるというスタイルです。受験者の多くはこのスタイルを取ります。具体的な大手予備校としては、CPA会計学院、クレアール、LEC、資格の大原、TAC、FIN、ICOライセンススクールなどがあります。カリキュラムに沿って勉強を進めることになります。

専門学校に通って公認会計士を目指すメリットとデメリット
メリット 時間が決まっているので勉強時間を確保しやすい
試験のポイントを抑えながら勉強を進められ、わからない点は講師に質問できる
情報の更新が早く、受験に必要な法改正などの情報収集の時間がかからない
受験勉強の仲間ができる
自習室があるため、集中できる勉強場所を確保できる
模試などは本番さながらの緊張感で受けられる
デメリット 予備校・専門学校代は安くない
校舎にライバル意識の強すぎる受講生がいるケースもある
勉強時間が決まっているため、スケジュールの確保や移動の時間・費用が必要

Web授業・DVD授業などの通信教育

最後に、Web授業やDVD授業などの通信教育・通信講座です。校舎に通うのは無駄なので一人の方が勉強しやすいけれど、不安なので講師に質問したい、アドバイスは受けたい、答案練習会の採点はお願いしたいという方におススメです。Web授業・DVD授業には以下のようなメリット・デメリットがあります。

Web授業やDVD授業で公認会計士を目指すメリットとデメリット
メリット PCがあれば好きなときにいつでも、どこでも学習できる
勉強するときに周りに気を遣う必要がない
特定の場所で受講する必要がないため、移動の時間や費用を省略できる
デメリット 通信教育代は安くない
試験のポイントを抑えながら勉強を進められ、わからない点は講師に質問できる
情報の更新が早く、受験に必要な法改正などの情報収集の時間がかからない
受験勉強の仲間ができず、独りで試験に向き合う必要がある
決まった勉強時間がないため、自分の意思が弱いと勉強する機会がなくなる

独学の基本的な勉強方法

独学のキホン的な勉強方法とは

公認会計士資格取得への道は、長期戦です。そのため、しっかりとした勉強計画が欠かせません。非効率な勉強の仕方だと、モチベーション維持も難しくなるでしょう。続いては、合否を分ける効率的な独学の勉強方法を3つのポイントに分けて解説します。

効率的な勉強法1.市販のテキストで問題の理解から
効率的な勉強法2.ひたすら過去問を繰り返す
効率的な勉強法3.予想問題を繰り返し模試にも参加

効率的な勉強法1.市販のテキストで問題の理解から始める

どんな資格試験でも、文章で書かれた問題を解く場合には問題文の意味を正しく読み解く力が必要です。

何が書かれているかが理解できなければ、正しい答えを導くことができません。独学の場合、最初に苦労するのは専門用語がたくさん出てくる問題文の読解です。専門用語の意味を間違えると問題全体の意味が変わってしまい、正しい答えに結びつかなくなります。

テキストだけを読み続けても具体的なイメージが湧かないため、問題集を早いうちから手元に用意することは必要ですが、いきなり問題を解くのではありません。最初は問題集に出てくる問題文をどう読み解くかという訓練をします。問題を解こうとせず、まずは問題文にはどんなことが書いてあり、どのような質問をしているのか、ということがわかるようになるまで練習を繰り返し自信をつけましょう。

効率的な勉強法2.ひたすら過去問を繰り返す

独学を進める中で実践的な力を身につけるには、過去問を繰り返して解くことが有効です。詳しい解説付きの問題集を選んで解いてみましょう。答え合わせをするときには、解答理由についても確認します。最終的な答えだけではなく、途中の過程についても正しく理解することが大事です。何度も繰り返し勉強しましょう。

ただし、法改正には注意が必要です。自分が受けようとしている試験について、どの会計基準や法律が適用になるかは、公認会計士・監査審査会のホームページでしっかりとチェックしましょう。過去問が出題された時点と現在では、解き方や答え自体が違っている場合があります。間違ったインプットをしないように、十分気をつけましょう。

効率的な勉強法3.予想問題を繰り返し解き、模試にも参加する

過去問と同様に、予想問題も繰り返し解いていくことで身につけます。予想問題の場合、過去問とは異なり、法改正が行われていても新しい法律に準拠した内容で出題されていることがほとんどです。

過去問と予想問題の両方を解いた際に矛盾点が出てきた場合、その部分は法改正で違った答えになっている可能性があります。矛盾点を洗い出すことで、独学でも法改正を見落とす確率を減らすことができます。

また、独学で学習を進めているときこそ模試の活用は重要です。模試は予備校などで行われるため、自分の実力がどのくらいのレベルなのかを客観的に知ることができます。さらに、本番の試験の傾向に合わせて予備校が作っている問題ですから、どの部分に重点を置いて勉強すれば良いかもわかりやすくなります。

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独学での公認会計士試験の難易度

公認会計士試験は、例年10%前後の合格率を推移しており、難易度が高いことがうかがえます。公認会計士の資格を有していれば、税理士資格は無試験で取得すことが可能です。独学の場合、専門学校とは異なり、わからない点があっても解決するのに時間がかかります。

しかし専門学校であれば、すぐに講師の指導を受けられるほか、仲間と励まし合いながら合格が目指せるというメリットがあります。独学で挑む場合、専門学校に通うよりも困難な点が多いということは認識しておく必要があるでしょう。

なお、短答式試験や論文式試験の合格率については、以下のページで紹介しています。
公認会計士試験の合格率を分析!合格者の傾向は?(令和2年度版)

独学する上での壁とは?

公認会計士試験の勉強は、独学では非常に難しいといわれますが、実際にどのような壁が立ちはだかるのでしょうか。独学において困難なポイントがわかっていれば、対処法もイメージしやすくなるでしょう。続いては、公認会計士試験を独学で学ぶ際の壁について解説します。

学習量・学習時間の確保

公認会計士の試験に受かるためには、一般的に2,500~3,500時間の勉強時間が必要だといわれています。3,500時間の勉強時間を確保するには、1日5時間の勉強を1日も休まず2年続けなければなりません。そして1年で受かる方であれば1日10時間以上勉強する方も珍しくありません。

しかし、効率良く勉強をするためには休息も必要ですので、1日も休まずに、というのは現実的ではありません。そう考えると、実際は1日あたり更に長時間の勉強が必要になることもあるでしょう。

仕事をしながら勉強をする場合、1日に何時間もの学習時間を確保することは困難でしょう。1日あたりの学習時間が少ないと、合格までにかかる年数が増えていく可能性が高くなります。このような事情から、働きながら公認会計士を目指すのは非常にハードルが高いといえます。

試験科目が多い

公認会計士の試験が難しい理由の1つに、試験科目の多さがあげられます。全部で9科目ある上に、学習範囲が広く内容も複雑です。経営学や統計学や民法などの選択科目も含めた9科目を独学で学ぶためには、しっかりとした計画を立てなければなりません。しかし、何から手をつけたらいいかわからない人も多いでしょう。その点、専門学校であれば、効率的なスケジュールを立ててもらえます。また、各科目に合わせた学習量を提示され、学習時間も確保できるので、合格に近づきやすくなるでしょう。

公認会計士の試験科目については、以下のページでご紹介しています。
公認会計士試験の全貌とは!試験科目や流れを徹底解説!

出題傾向の変化が把握しにくい

公認会計士の試験は、毎年同じような問題が出るとは限りません。試験委員が定期的に変わるため、合わせて出題傾向も変わる可能性があります。専門学校であれば、試験委員選出がされたタイミングで、すぐに分析を行い試験問題の傾向と対策を練っています。しかし独学の場合、自分で情報を得た上で、対策を立てなければなりません。

法律・会計基準改正の対応

独学をする上で、大きな壁となるのが法令改正です。特に、「企業法」や「租税法」の法改正は非常に頻繁に行われるため、見落とさずに把握する必要があります。どちらも必須科目のため、把握できていなければ合格するのは困難といえるでしょう。法改正に関する情報も、専門学校であれば講師からその都度伝えられます。独学の場合、改正内容や適用時期などを自分でリサーチしながら勉強しなくてはなりません。

独学の壁を乗り越えるコツ

前章で記したように、公認会計士の試験に独学で受かるためには、乗り越えるべき壁が多数あります。闇雲に立ち向かっても、壁は乗り越えられません。続いては、独学の壁を乗り越えるコツを解説します。

勉強時間の確保と管理を徹底する

専門学校や通信教育などの勉強法であっても同様ですが、公認会計士の試験に受かるためには、大量の勉強時間を確保する必要があります。勉強時間を確保するためには、目標とする試験日から遡って計算し、徹底したスケジュール管理を行うのがおすすめです。また、もちろん体調管理も大切です。休息を踏まえたスケジュールを立て、隙間時間も活かせるような工夫を行いましょう。

科目別に適切なアプローチする

公認会計士試験では、合計6科目の勉強が必要です。必須科目5科目と選択科目1科目があります。学習範囲が広いため、科目ごとに適切なアプローチが求められます。各科目に合った学習方法を選び、効果的に対策することで合格を目指すことが重要です。

モチベーションを維持する

専門学校とは異なり、独学の場合は勉強仲間がいません。同じ勉強をする人がいれば、ライバルとして切磋琢磨しながら学べます。しかし、独学だとモチベーションの維持が難しく、途中で挫折する可能性があります。モチベーションを維持するには、1日、1週間、1ヶ月といった短いスパンで目標を立てるのがおススメです。目標達成後のために自分にご褒美を用意しておくと、モチベーションが保ちやすいでしょう。また、合格後のイメージを明確にすることも大切です。例えば合格発表後の就職・転職活動で、監査法人の求人に応募し勤めることができれば、同年代よりも高年収が期待できます。試験合格後に社会人になって給料で買いたいものや行きたい場所・就職説明会の様子などを積極的に思い描くと、モチベーションを保てるでしょう。

最新テキストを購入して試験範囲に対応する

公認会計士の試験に対応したテキストには、著名人が執筆しているテキストや特定の税法に特化しているテキストなど、さまざまなものがあります。古本屋やフリマアプリなどでも売られていますが、古いテキストだと法改正に対応していない可能性があるため注意が必要です。テキストを購入する際には最新版であることを確認しましょう。また、試験範囲に対応しているかどうかもテキストを選ぶ際の大切な要素の1つです。基本的な知識を身につけるための基礎テキストや、試験科目別の対策を立てるためのテキストを選びましょう。基本的なテキストを使用し、基礎的な知識が整ったら、演習問題集や過去問、模試を揃えて試験範囲を網羅するようにしましょう。

「日本公認会計士協会」の専門情報を確認する

公認会計士が登録する日本公認会計士協会では、公認会計士に関連する専門情報が発表されます。試験に関連する最新の法改正についての情報もあるため、定期的なチェックが必要です。特に、独学で公認会計士を目指す人にとって、重要な情報源となるため、見落とさないようにしましょう。

受験仲間を作り情報共有する

前述の通り、一人で勉強をしているとモチベーションの維持が難しくなるケースがあります。そこで活用したいのがtwitterなどのSNSです。SNSを活用すれば、同じ目標を持って頑張っている方と知り合うことができる他、公認会計士を目指す人のコミュニティが立ち上げられていることもあります。また自分でコミュニティを立ち上げ、仲間を募るのも1つの方法です。

同じ目的を持った人との情報交換は、いい刺激になりモチベーション維持に役立つでしょう。しかし、あまりにSNSに依存しすぎると相手の言動に心を奪われてしまい、逆効果になる可能性があります。本来の目的である勉強に悪影響を及ぼさない程度に活用しましょう。

独学におすすめのテキスト

独学のためには、公認会計士試験での重要性が低い部分はあまり厚く触れていないテキストが必要になります。注意点として、教科書でも公認会計士試験の対策としては不足しすぎていたり、過重すぎたりするテキストを選ばないことが重要です。場合によってはメルカリなどで入手できるかもしれません。

公認会計士試験 財務会計論の重点詳解

1.公認会計士試験 財務会計論の重点詳解
タイトル通り、公認会計士試験の対策として書かれたテキストです。
財務会計論は配点が大きいのでしっかりと対策を練りたいところです。

管理会計

2.管理会計
公認会計士試験の管理会計の有名人といえば岡本先生といわれる位に有名な岡本清氏らの著書です。
これ一冊で大丈夫というわけではありませんが、管理会計論の土台を作る一冊です。

スタンダードテキスト監査論

3.スタンダードテキスト監査論
元試験委員が作成しています。
やはりこれ一冊で大丈夫というわけではありませんが、独学で公認会計士試験に臨むなら抑えておきたい一冊です。

はじめての会社法

4.はじめての会社法
こちらも公認会計士試験の対策として書かれたテキストです。
ただし、これ一冊では公認会計士試験に対応できないことに注意し、企業法の勉強をするきっかけの本として利用してください。

租税法は、年々必ずといってよいほど改正などが入るため、市販の一般教材で独学の合格レベルに達するのはなかなか難しい現状があります。公認会計士試験予備校である東京CPA学院は、講座に申し込まずにテキストだけを購入できます。租税法に関しては東京CPA学院の租税法のテキストを利用するのが近道といえるでしょう。

独学で合格を目指す!そのメリットとデメリットは?

独学で合格できるかを考えるにあたって、独学で合格を目指すことのメリットとデメリットについて整理してみましょう。公認会計士の試験を受験する上で考えられるメリットとデメリットは次の通りです。

独学で公認会計士を目指すメリットとデメリット
メリット 市販の教材やWeb情報をもとに勉強するため、
授業料を払って勉強するのと比べるとコストを抑えられる
自分の生活環境に合わせて好きな時間に勉強することができる
すき間時間をうまく使えれば忙しい人でも勉強時間を確保することは難しくない
デメリット わからない点があっても質問する相手がいないため、
疑問を解決するのに時間がかかる
自分が得た情報が正しいのかどうか、新しいか古いかなどの確認が難しい
意志が強くないと挫折しやすい
論文式試験の答の書き方が合格レベルに達しているかの確認が難しい

このように独学にはメリットもありますが、やはり相当の時間と労力は必要になります。他の選択肢を選べない場合は独学の道を進むことになりますが、覚悟を持った上で臨む必要があるでしょう。

公認会計士試験の受験には実務経験も必要

公認会計士の資格取得には実務経験も必要

ここまで、公認会計士試験に独学で臨むことについて説明してきました。

公認会計士試験の合格率は10%前後ということもあり、専門学校に通っても合格が難しい難関試験です。今回の記事の中で、独学で合格することが簡単ではないか、しっかりと理解できたという方も多いでしょう。

正直に申し上げると、どうしても公認会計士試験に受かりたいという人の場合は、独学は可能な限り避けた方が無難であるといえます。費用の問題などで独学を選ぶという人も、期間を決めた上で専門学校に通いつつ勉強することを選択肢の1つにしても良いでしょう。いずれにしても、独学では回り道になる可能性があることもしっかりと認識しておきましょう。

公認会計士は勉強法に関わらず合格の可能性はありますが、時間や費用等の問題がある場合はメリット・デメリットをしっかり把握した上で自分の道を考えるようにしてください。また、一度決めたからといって以降も同じやり方を続ける必要もありません。専門学校に申し込んだが通学する時間が取れなかった、独学で進めてみたが途中で行き詰まったなど、状況に合わせて取り組み方を見直していくようにすると良いでしょう。

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