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公認会計士の年収はいくら?

公認会計士の平均年収の現実とは?役職別・勤務先別の給料の違いも解説!

2024/09/04

公認会計士(IPA)は、日本における三大難関国家資格の1つです。公認会計士試験に合格することがかなりの難関である上、専門的な仕事内容ということからも、年収が高い仕事という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
実際に経験を積めば年収1000万を越えることはそれほど難しいことではありません。

実際に、公認会計士の平均年収は一般企業よりも高収入が期待できると言われていますが、年収1000万を超える人の割合はどれくらいか気になりますよね。一口に公認会計士と言っても経験年数や役職、働き方によって年収額は異なります。

例えば、独立開業した公認会計士の中には年収3000万以上を実現している人もおります。
この記事では、公認会計士の役職やポジションで年収がどれくらい違いがでるのかを解説します。

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公認会計士の平均年収はどれぐらい?

公認会計士の平均年収、新卒の初任給は実際どのくらいなのでしょうか。項目別に、それぞれ詳しく解説していきます。

平均年収について

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、税理士を含む、公認会計士の平均年収は約742万円でした。一般的な給与所得者の平均年収は国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると458万円のため、比較すると公認会計士は高収入と言えます。

ただし、この数字には税理士も含まれており、公認会計士のみのデータは公表されていません。一般的に公認会計士のほうが年収は高いとされているため、公認会計士のみの平均年収はもう少し高めの予想となります。

ただ、一概に言えないのは、企業規模や経験などによっても大きく違いがあるため、この数字はあくまでも統計上の一般的な傾向を示すものだと理解しておきましょう。

また、税理士の平均年収について、更に詳しく知りたい場合は「税理士の平均年収の現実とは?税理士の給料を20代、30代、40代、50代以降の年齢別や働き方別に解説!」の記事をご覧ください。

参考:
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省
令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁

初任給について

公認会計士として働くためには、試験に合格した後、必要な技能を座学で学ぶ「実務補習」を受けることになります。また、監査法人に就職して、実際に監査業務しながら覚える「業務補助等」を3年以上経験する必要もあります。
それらを終え、修了考査に合格してから初めて公認会計士の登録手続きができるようになります。公認会計士として収入を得るようになるのは、この後になりますが、実際には「業務補助等」で収入を得ることができます。

ここでいう「業務補助等」とは、監査法人などに新卒社員として就職をして、業務の補助をしたり財務に関する監査などの実務に従事したりすることです。大手の監査法人に就職した場合、初任給は30万円~35万円となっており、大学卒業生の平均初任給である約21万円を大きく上回っています。

年収で換算すると、大手監査法人であれば年収600万円ほど、中小でも年収500万円ほどになります。
大学卒業生の1年目の平均年収は350万円前後と言われているため、およそ1.5倍にあたります。また、一般的に年齢や職歴が年収に影響することが少ないため、可能な限り早めに公認会計士の資格を取って働き始めるのが有利と言えるでしょう。

公認会計士のボーナス額はどれくらい?

監査法人などに就職した場合は、一般企業同様ボーナスが支給されます。2022年(令和4年)の賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によれば平均193.9万円となっています。一般的に、所属する監査法人や事業所の規模が大きくなればなるほど、ボーナス額も増えると言われています。

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大手監査法人(BIG4)で働く公認会計士の年収

公認会計士全体の平均年収は658万円と言われていますが、ここではビッグ4と呼ばれる大手監査法人4つに焦点をあてた平均年収をご紹介します。

BIG4(4大監査法人)は下記の4つの企業のことを言いますので覚えておきましょう。

  • 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
  • EY新日本有限責任監査法人
  • 有限責任監査法人トーマツ
  • PwC Japan有限責任監査法人

他にもBIG4コンサルティングファームなどBIG4が使われることがありますが、世界4大監査法人のBig4に属する会計系ファームのことですので、同じBIG4でも間違えないようにしましょう。

転職する場合にはぜひ参考にしてください。

BIG4における平均年収はポジションによって変わる

まずはビッグ4と呼ばれている監査法人を紹介します。
監査法人の中でも大手監査法人であるビッグ4は、転職先としても大変人気がある転職先となります。

BIG4監査法人では他の監査法人とは異なる独自の4つのポジションが用意されています。
中には4つ以外にも細かくポジション分けをしている監査法人もありますが、一般的にはこの4つで考えておけば問題ありません。
それぞれ年収やどれくらいの期間で昇給できるのかなど、詳細に確認していきましょう。

スタッフ

まずは入社後~3年ほどまで与えられるのがこのスタッフポジションです。直属のシニアポジションにいる先輩から実務を教わりながら実績を積んでいきます。
新入社員と同じ立ち位置のため、先輩の言動などを見て学ぶことで更なるスキルアップを目指していきます。
この時期は特に今後の昇給に重要な部分となるため、全ての業務を勉強だと思いながら新しいスキルを取得していく必要があります。
年収は入社したてで300万円前後~500万円が多いと言われています。

シニア

勤務してから4年が経過した頃から実務経験を考慮したうえでスタッフポジションからシニアポジションへとキャリアアップしていきます。現場の責任者といった重要な役割を担うポジションとなりますよ。
現場での調査も段々慣れてくる頃で、後輩であるスタッフポジションの面倒をみながら更に自身のスキルアップを目指していきます。
尚、監査法人によってはこのシニアポジションからマネージャーポジションの間に「アシスタントマネージャーポジション」を授けている監査法人もあります。
シニアポジションの年収は600万円~700万円前後とされています。

マネージャー

シニアポジションを経て4年ほどが経過したら更に上のマネージャーポジションへと昇格。難しい案件にも挑戦でき、チーム全体の管理責任者としての役割を務めます。
現場での活躍や実績からマネージャーポジションに選ばれるため、年数を重ねれば誰しも必ずマネージャーになれるというわけではありません。
将来的にマネージャーポジションを目指している人はスタッフポジション時代から昇給の意識を持ち、積極的に実務に取り組んでいきましょう。
マネージャーとしての年収は800万円~1,000万円前後とされていますが、マネージャーになると残業手当がなくなるため、マネージャーになりたての場合は一時的に年収が下がることが考えられます。
最初は手取りが少なく感じてしまうかもしれませんが、その後は再び上がっていく傾向にあるため、長い目で見ていく必要があります。

パートナー

ポジションの中で最も高いポジションなのがこのパートナーポジションです。
平均的に入社から15年ほどで昇格することが多いですが、マネージャーポジション同様、年数を重ねれば全員パートナーポジションになれるわけではありません。むしろパートナーポジションになる公認会計士はかなり限られるとも言われています。

パートナーポジションになると一従業員というより運営側に回ることが多いため、共同経営者の1人として扱われます。
また、一口にパートナーと言っても「アソシエイトパートナー」や「役付きパートナー」など細かく分かれている場合があり、それぞれ年収の幅も変わってきます。
パートナーの年収は1,500万円と言われていますが、パートナーは上述の通り細かく役職が分かれていることが多いため、年収2,000万円~3,000万円を目指すことも可能です。中には年収1億円以上を手にしているパートナーポジションの人もいるため、昇給を目指してみてはいかがでしょうか。

準大手監査法人の年収を紹介

監査法人事務所にはBIG4と呼ばれる上記の監査法人以外だと、準大手監査法人に該当する監査法人もあります。
その名の通り、一般的な監査法人と大手監査法人の間くらいのポジションにありますが、気になる年収はどれくらいなのでしょうか。
参考のためにまずはBIG4との平均年収を比較してみましょう。

なお、各監査法人は年収を公開していないため、厚生労働省が行っている賃金構造統計調査より、従業員数1,000人以上の公認会計士,税理士と100人~999人の公認会計士,税理士年収から算出しています。

  • 準大手監査法人の平均年収・・・約700万円
  • BIG4の平均年収・・・約800万円

参考:
令和4年賃金構造基本統計調査│厚生労働省

平均年収であるため個人差はあるものの、BIG4監査法人の平均年収のほうが100万円ほど上回ることが分かりました。公認会計士の平均年収全体を見ても、準大手監査法人の年収は一般的な年収であり、ビッグ4の年収は高いことが分かります。

そのため、同じ公認会計士として仕事をしていく上で重要なのは就職先であると言えます。
年収を高くするために必要なことは、まず実務経験を積んでいくこと、そしてたくさんのスキルを身につけることに他なりません。そしてその第一歩として考えられるものでは「転職」の選択肢です。

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監査法人以外に就職する場合の年収

ここからは、公認会計士として監査法人以外に勤める場合の年収について見ていきます。

一般企業の経理・財務会計担当の年収

公認会計士の資格は日本の三大難関国家資格の1つであるため、 一般事業会社などの一般企業に転職をしても有利な条件で働きやすいでしょう。公認会計士が一般企業に勤務する場合、大手企業の経理職につくことが多いです。また実績や経験が評価されると、一般企業のCFOや監査役などという道もあります。

これは、監査について深い知識を持っている人材が社内にいることによって、決算書の作成などに大きなメリットがあるためです。

一般的な年収の相場は、40歳で600万円から700万円程度と言われています。利益率の良い企業や金融機関、グローバル展開をしている大きな会社では700万円から800万円程度よりも更に高い年収も望めます。

独立開業した場合の年収

公認会計士として働く場合、働き方は監査法人や会計事務所に勤めるだけではなく、独立開業をして自分の事務所を経営する方法もあります。監査法人や会計事務所で、ある程度の経験を積む必要はありますが、独立開業に成功することができれば更に高い年収を手にする可能性も出てきます。

独立開業した場合の平均年収は3,000万円前後と言われており、うまくいけば年収を大幅アップさせることが可能となるでしょう。しかし、独立開業にはリスクもあります。独立するということは、顧客がゼロの状態からのスタートになるため、開業してしばらくの間は経営が安定しない可能性もあります。

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公認会計士としてスキルアップするために

資格取得後でも仕事に役立つスキルを磨くことで、公認会計士としての価値をさらに高めることができます。仕事をしながらの勉強は大変ですが、まずは自分が挑戦しやすい内容から挑戦して、一つでも多くのスキルを身につけていきましょう。スキルが増えていくと公認会計士を続けるにあたっての自信を持つことにもつながります。

プラスしたいスキル

公認会計士として会計や監査スキルはもちろん、以下のスキルを磨くとさらに仕事が広がり、自身のスキルアップや年収を高めることに役立ちます。
一つでも多く持っていることに越したことはないので、まずは挑戦しやすいものから選んでいきましょう。

  • 税務スキル
  • ITスキル
  • 英語スキル

仕事をしながら勉強しスキル磨くことで、更なる自信向上とスキルアップを目指すことが可能です。資格取得後では仕事を優先にしてしまい勉強がおろそかになりがちですが、資格取得したからこそ頑張って勉強をし続けることで、今後公認会計士の仕事が増えることにつながります。

どのようなスキルであっても自分のアピールポイントになるため、意欲的にスキル取得に注力していきましょう。

公認会計士が年収を上げるためのポイント

公認会計士が年収を上げるためのポイント

公認会計士の年収は平均より高い傾向にありますが、努力次第ではさらに年収アップが見込めます。年収を上げるためのポイントについて詳しくご紹介します。

資格取得後も勉強を続ける

公認会計士資格を取得し、実際に働くようになってからも勉強を続けましょう。公認会計士の仕事は専門性が高く、経営に関して深い知識を習得していくことが可能です。例えば、経営コンサルティングや業務などのスキルを習得する、という方法もあります。

また、BIG4や準大手監査法人のクライアントには外資企業やグローバル展開をしている企業も多いこともあり、USCPA(米国公認会計士)など国際的な資格を取得しておくと役に経ちます。

コンサルティング業務は単価が高いため、会計事務所にとっても利益になり、収入として還元されるようになるでしょう。資格取得後にさらにステップアップを目指すのであれば、税務以外の仕事のスキルを習得することが大切です。

積極的に実績・経験を積む

公認会計士の資格を取得した後は積極的に実務を積んでいく必要があります。
これは資格取得前を含む監査法人や税理士法人での実務歴が3年以上なければ、日本公認会計士協会の公認会計士名簿へ登録ができないといった理由があるためです。
(尚、この3年は単に勤務期間というわけではなく、監査証明業務などに関係する仕事が3年必要となるため注意が必要です)

積極的に実務・経験を積むことによって、通常の業務が完璧にこなせるようになり、後輩や部下を育成していく能力を伸ばすことにもつながります。

後輩や部下の育成、チームを従えて、さらに実績・経験を積むことによって、評価も上がり、管理職につく機会が得られます。マネージャーやシニアマネージャーに昇格すると年収は格段に上がるため、昇格を目指しましょう。

その他、クライアントの業種に合わせた業界知識を学んで活かすことでクライアントとの信頼関係はさらに深めることができるでしょう。監査業務をしていくにあたって、その業界の知識が深いほうが監査の精度や効率を高めることにもつながりますし、会計コンサルタントとしての選択肢も検討できます。

また、英語スキルを身につけて、海外支社を保有するクライアントから求められるグローバルな公認会計士となれば重宝されるため、自身の年収アップや昇格にもつながります。

転職や独立開業も視野に入れる

転職や独立開業も、年収を上げるための大きな選択肢です。

公認会計士としての実績を活かした転職であれば選択肢も多いでしょう。

また、自信のある方は思い切って独立開業をするのも良いでしょう。独立後の年収が初年度から年収1,000万円以上となる方もいます。独立開業するには、会計事務所や監査法人に勤務していた時の人脈を活かし、新規顧客を獲得するための営業能力も必要です。

独立後の公認会計士は、税務の仕事が多い傾向にあります。将来的に独立開業やフリーランスというキャリアパスを描いているのであれば、会計事務所に勤務している間に税務の知識も身に付けておくと、独立後に役立つといえるでしょう。

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未経験から公認会計士に転職して年収アップを狙える?

未経験でも年収アップを狙うことは可能です。公認会計士の資格試験は、年齢や学歴などに関係なく誰でも受けることができます。大学や予備校、専門学校に通わなくても、独学で取得を目指すことも可能な資格です。

ただ、令和5年(2023年)の公認会計士試験の合格率は7.6%と、10%を切っており(※5)、難易度が高いことが分かります。

ただしコロナ禍でもあった2022年と比較すると2023年は受験者数も合格者数も増加していることもあり、2024年以降は受験環境も正常化しつつあること伺えます。

また、業界未経験者の場合は、年齢が上がるほど企業に採用されづらくなります。20代のうちに試験に合格して、転職するのがおすすめです。

※5 令和5年公認会計士試験の合格発表について
令和5年公認会計士試験(論文式試験)の合格点及び合格率等について

公認会計士という仕事が持つ魅力とは?

公認会計士の仕事は高収入である上に、安定しています。

監査業務は、独占業務として公認会計士のみに許される仕事であり、景気にも左右されにくいでしょう。今後も一定のニーズがある仕事と考えられていますが、2000年以降は公認会計士の合格者数が増加傾向にあります。その結果、就職における競争率が高まってくる可能性も考えられます。

ただ、公認会計士の仕事内容は監査業務だけに留まらず、様々な分野での活躍が期待できます。視野を広げて、公認会計士としての活躍の場を探すと良いでしょう。

よく公認会計士の仕事は将来的にAIに仕事を奪われる、仕事がなくなる、食えない仕事と言われていますが、状況や環境に応じた戦略やコンサルティング業務はAIが苦手とするところでもありますから、今後も公認会計士の仕事はなくなることはないでしょう。

例えば、上場(IPO)を目指す事業会社の株式公開に向けての支援や、海外進出を計画している企業に対して国際財務についての指導といった業務も公認会計士の仕事です。

様々なケースの可能性を見つけやすいことが、公認会計士の仕事の魅力とも言えるでしょう。また、公認会計士業界は実力勝負の世界でもあります。性別や学齢期に左右されることがないので、自分自身の実力を試すことができる点も魅力の1つです。

公認会計士が年収アップを目指すなら転職も1つの選択肢

実力がものを言う公認会計士。そのために最優先すべきものは自分に合った場所で1つでも多くの実績を積むことです。
せっかく難関試験に合格したのですから、正しく実績を積みながら年収アップを狙っていきたいですよね。
また、将来的に昇格を目指している方も、多くの監査法人を見て学ぶことは今後の公認会計士人生において必ずプラスになります。

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また、「仕事と普段の生活で精一杯なので今すぐ転職は考えていない」という人も現在の転職市場での求人情報のトレンドや現状把握をすることで、今後のキャリアパスやキャリアプランを見直すきっかけにもなります。
会員登録をしておけば、後々転職する際に役立つでしょう。

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会計業界ライターZEN
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税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。

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