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「会計事務所を辞めたい」と思ったら

会計事務所を辞めたい!退職届を出す前にしておくこと、転職は計画が大切?

2022/08/08

やる気に溢れて入社した会計事務所、将来は税理士を目指して独立開業も視野にいれてと希望をもって努力をしていた。しかし、働いていくうちに「なにかイメージしていたのと違う…」と退職を希望する方もいるかと思います。

せっかく、入社したにも関わらず「なぜ」退職を選択してしまうのでしょうか。

そこで、会計事務所や会計業界に勤めていて辞めたいと思う方によくある理由や、辞めたいと思った時に取るべき行動について解説します。

また、同じことを繰り返さないよう、次の転職を失敗させないための方法や、会計事務所の経験を活かした転職先、さらに、実際に転職して成功した方の体験談も合わせてご紹介します。

会計事務所を辞めたい理由

会計事務所を退職したいと思った理由については、会計業界特有の働き方などにも起因していることも多いようです。
そこで、会計求人プラスにご相談いただく求職者の方からよくお聞きするよくある退職理由についてまとめました。

労働環境への不満

会計事務所では、企業や個人事業主に対して、経理業務などをサポートするサービスを提供しています。主な業務内容として、決算期における税務申告、年末調整等がありますが、クライアントは1社のみでありません。

複数のクライアントの案件を同時進行で処理しなければならず、さらに業務が集中する時期が、ある程度決まっているので、確定申告期の2~3月あたりや、年末調整期の11~12月は特に忙しくなります。

この時期は、業種上、どうしても避けることができないのですが、業務量が多いことや、残業や休日出勤が増えること、あるいは数字チェックや入力作業など、細かい業務に対する不満などが多いようです。

また、スポットのお仕事が舞い込んでくることも有り、通常業務のみならずスポットのお仕事もこなそうとすると、予想できない業務量が突発的に発生してしまうことがあります。
担当しているクライアントからのスポットのお仕事ですと、他のスタッフに任せられないケースもあり、自身で抱えてしまうと言ったお話をよくお聞きします。

小規模会計事務所(個人事務所を含む)の多くは、スタッフごとにクライアントを担当していますが、属人化してしまうことが多く他のスタッフと分業するということが難しいことも多いのです。
そのため担当クライアントの多いスタッフほど残業時間が増えてしまい、繁忙期には終電で帰ることもしばしばといった労働環境が生まれてしまうのです。

職場の人間関係

会計事務所に限らず、どの業界でも共通している仕事を辞めたいと思う理由の多くが、職場の「人間関係」です。

組織規模の大小によって従業員数も異なりますが、一般的には数十人程度の法人で人間関係のトラブルが多いようです。

業務量が多い上、細かい数字のチェックなど神経を集中しなければならないことが多く、さらに人間関係にまで気を遣うとなると、精神的な負担も大きいでしょう。

小規模の事務所の場合は、人事異動もなく、同じメンバーで働き続けることが多いため、社内コミュニケーションも余計に気を遣うことが多いのかもしれません。
特に個人事務所では代表税理士(経営者)の意向や考え方が強く反映されていることも多く、また長く勤めている人が多い環境の中に転職して入社すると既にできあがっている職場内の人間関係に馴染むのに苦労される方も多いようです。

職場の人間関係を重視したいのであれば、人事異動がある会計事務所の方を選ぶのもひとつの選択肢です。

キャリアアップが望めない

会計事務所の業務は、税務に関する専門的な分野のため、一度クライアントを獲得すれば、末長い関係が築けるメリットがあります。しかし、業務内容が専門的過ぎて、働く人にとっては同じ業界、同じ業務にしか携わることができず、他の業務への応用がきかない経験を積み続けるといったデメリットも起こりえます。

特に小規模の会計事務所の場合、業務経験を積んでも、今の状態がずっと続き、次の自分のキャリアアップがイメージできずに、悩んでいる方も少なくありません。しかし、個人のスキルや経験によっては、もちろん、個人事務所から大手会計事務所へキャリアアップを図るために転職することは十分可能です。

一通りの業務を覚え、担当クライアントも持てた一人前となりつつあるスタッフの離職率が高い要因として、業務の幅を広げたいと思っても、通常業務はルーティン化(定型化)しやすい作業も多く、新たな業務が発生しずらく、幅の広い経験を積むのが難しい場合もあり将来に不安を感じている人も多いのです。

そのため、現状維持に満足できない上昇志向の方は、入社して数年後に、早く辞めて転職したいと感じる傾向があるようです。

税理士試験との両立が難しい

税理士になるには、税理士試験に合格しなければなりません。しかし、合格に必要な全ての科目を1回でパスするのは難しく、その後は会計事務所で働きながら、勉強を続けて合格を目指します方が多くなります。

しかし、 正社員として働きながらの勉強は、時間的な制約があるため、合格するまでの道のりはそう簡単ではありません。中には全ての科目に合格するまで10年近くかかることも珍しくありません。

加えて会計事務所は、繁忙期と閑散期との業務量の差が大きい特徴があります。
繁忙期になると勉強する時間を確保すること自体が難しく、それでも合格を目指すなら、よほどの強い覚悟と意志が必要です。中には試験に集中するために、仕事を辞めたいと考える人もいらっしゃいます。

しかし、会計事務所の中には、試験勉強との両立を支援する制度を設けているところもありますので、働きながら税理士を目指すなら、そうした制度が整っているかどうかの観点から、会計事務所を探すのも良いでしょう。

また、最近では税理士資格取得を支援する事務所も増えてきていますし、受験勉強に重きを置きたいと考えている人に対してはパート・アルバイトで収入を得ながら勉強時間も確保すると言った選択をしている人も増えています。

会計事務所を辞めたいなら

家族に相談する

退職や転職をすることで、家計や生活に影響が出る可能性があります。家族の理解やサポートも必要になってきますので、「そろそろ退職(転職)しようかな…」と考えはじめたら、一人で決めずに、家族にも早めに相談をしましょう。
家族の理解があることで転職活動にも力を入れることができたり、不安が軽減することもありますから非常に重要なことなのです。

ましてや、第三者として冷静に相談にのってくれて、自身の判断が間違っていないかの分析に役立ちますから感情的になってしまっている場合などはオーディエンスからの意見には耳を傾けることは有効な手段です。

転職に関する情報収集をはじめる

転職する意思が固まっており、退職後に間を開けること無くすぐに次のところで働きたいなら、現在の事務所に勤めている間に転職活動を進めましょう。しかし、退職後、すぐに転職しない場合であっても、在職中に転職に関する情報(企業情報、採用条件、勤務時間、経営方針、代表者メッセージなど)を集め、いざという時にすぐに動ける状態を作っておくことが大切です。

以前と比較しても現在は会計業界も人材不足が深刻化しています。中堅規模の税理士法人であっても経験者の中途採用は難しいといわれているのです。
そのためか、多様な転職支援サービスが増えており、会計業界や士業に特化した転職サイトや転職エージェントも増えています。

会計業界専門の転職サイトであれば、業界特有の専門的な項目や、アピールポイントが求人情報に掲載されていたり、自身のスキルシートや職務経歴書も専門的な項目が多いので、アピールしやすいというメリットがあります。
そのため、専門転職サイトでスカウトを受けた場合、会計事務所と自身の間でミスマッチが起こりにくいので、入社後に「思っていたのと違う・・・」という状況になり難いのです。

貴方にとって最適な転職先を見つけたいと思ったら、専門転職サイトを活用し自身の条件などをしっかりと伝える準備をしておくことが大切です。また、求人を探して不明な点などがないようにしっかりと情報収集することがミスマッチをなくし、最適な転職を実現するための近道になります。

退職から転職までのスケジュールを決める

会計事務所でお勤めの経験があるなら、繁忙期と閑散期が分かりますし、いつ、どのタイミングで求人情報が出るのかも、ある程度予測がつきます。引継ぎ期間も考慮し、転職先で働きはじめる時期を逆算しながら、「いつまでに何を行うのか」のスケジュールを立てましょう。

在職中の転職活動について

在職中に、上司や周囲の方に退職の意思が伝わることで、職場の雰囲気にも影響が出てしまうケースもあります。無用のトラブルを避けるためにも、平日に転職活動(転職先の情報収集やメールのやり取り等)は行わず、有給休暇を利用するようにしましょう。例え、職場に不満があったとしても、退職をほのめかす言動も避けた方が賢明です。

退職のタイミングについて

法律では遅くとも2週間前に退職を申請することで退職することができます。しかし、だからと言って、繁忙期に退職するのは、「このタイミングで…」と周囲からの反感を持たれてしまう可能性もあります。個人の都合とは言え、できれば退職は気持ちよく済ませられるよう、原則として社内規定を尊重した、退職のプロセスを踏んだ方が良いでしょう。

会計事務所を辞める時の手続き

会計事務所を辞める時

退職を申し出る

上司に退職を申し出た時点から手続きがはじまります。もし、直属の上司がいるなら、まずはその上司に退職の意向を伝えます。その後、直属の上司から所属長に伝えてもらう流れが一般的です。直属の上司から「思い留まってほしい」との慰留を受けた場合は、所属長に伝えるまでに多少の時間がかかることもありますが、退職の申し出が受理されると、業務の引継ぎや欠員の補充を加味し、退職日を決めます。

引継ぎ・関係者への挨拶

退職日が決まれば、退職に向けて、業務の引継ぎを行います。会計事務所の業務は、その人でしか分からない程、属人化している場合が少なからずあります。次の担当者がすぐに業務内容が理解できるよう、業務マニュアルを用意しておくと、引継ぎもスムーズに進みます。引継ぎが終われば、仕事でお世話になった方々へ退職の挨拶を行います。そして引継ぎがひと段落したタイミングで、有給休暇を消化します。退職が決まっても、有給休暇の消化期間中は、まだ従業員の扱いですので、後任担当者からの引継ぎに関する問い合わせには快くフォローしてあげましょう。

最終出勤

最終出勤では、事務所からの貸与品(社員証など)、健康保険証などを返納します。事務所で使っていた名刺、業務に関する資料、パソコンに保管された情報の持ち出し等は、禁止されていることが多いです。社内規定を厳守した対応を心がけましょう。

転職で失敗しないための方法

退職理由を整理する

転職活動では、志望動機や面接などで必ずといって良いほど、「前職の退職理由」を問われるでしょう。そこでしっかり答えられる様、自分が退職した理由をまとめておく必要があります。在職中は退職したい様々な理由があったかもしれません。しかし、「業務量が多い」「残業が長い」など、ネガティブな理由は、「忍耐力がない人」「嫌になったら投げ出す人」という印象を与え兼ねませんので、ポジティブな表現に置き換えることが賢明です。「物は言いよう」というように、伝え方次第で、相手に良くも悪くも受け取られます。ネガティブな理由をポジティブに変える事例には、次のようなものがあります。

<退職理由をネガティブからポジティブに変える事例>
●仕事内容に対する不満 ⇒「自分が目指すキャリアに合った仕事がしたい!」「より幅広い経験を積みたい!」
●仕事がきつい ⇒「勉強する時間を確保したい!」「自分の年収を上げたい!」
など

希望条件を整理する

転職活動をスムーズに進めるために、あなたの「希望条件」を整理しましょう。転職先に何を求めるのか、仕事内容、年収、福利厚生、ワークスタイルなどを調べて、優先順位を決めましょう。全ての条件を満たせる求人なら理想的ですが、そうでなかったとしても、入社後のミスマッチが起こらないように、自分の希望条件を整理しておくことが大切です。

志望動機を作る

会計事務所でなくても、転職をする際、書類選考や面接で一番見られること、聞かれることが「志望動機」です。なぜ、会計業界を選んだのか、なぜ希望先の事務所を選んだのか、その理由をしっかり答えられるかどうかが、転職活動の成功を握るカギといっても過言ではありません。会計事務所で内定を勝ち取るには、どのように志望動機を書けば良いのでしょうか。自分の考えを整理するためにも、次の5つの質問を考えながら志望動機を作りましょう。

<志望動機を作るための5つの質問>
●なぜ会計業界を選んだのか?
●なぜこの会計事務所なのか?
●なぜそれをやりたいのか?
●自分のキャリアゴールは何か?
●志望先が自分を採用するメリット(自分の強み)は何か?

会計事務所での経験を活かした転職先

会計事務所経験を活かした転職先

他の会計事務所

税理士の転職先で最も多いのが会計事務所や税理士法人です。募集要項には、経験者採用を中心として、税理士試験の一部科目合格者を優遇しているところが多いようです。実務経験のみで、税理士試験の一部科目合格を持っていない人を採用するケースもあります。税理士を目指す方への支援制度を設ける会計事務所もありますので、支援制度の有無や、支援の充実度合も調べた上で転職活動を進めましょう。

企業の経理業務

税理士には一般企業に転職する選択もあります。一般企業の場合は、すでに税理士事務所、あるいは会計事務所と契約を結んでいることがほとんどです。もし、あなたが税理士の有資格者なら、顧問税理士とダイレクトに税務の話ができる貴重な存在として活躍できます。また、税務の専門知識も持っているので、わざわざ顧問税理士に相談しなくても、正しい税務処理が行えます。

ただし、一般企業の主業務についてはしっかりと確認しておきましょう。
不動産や建設業、医療系など専門的な知識、経験が必要となるケースもありますので、経理職を希望する場合は企業分析を綿密にしておくことが大切です。

コンサルタント会社

コンサルタント会社は、企業に経営アドバイスを行うことを生業としています。コンサルタント会社で活躍するには、税務知識だけでなく、経営全般に関する知識も求められます。転職するメリットには、(1)企業の経営について幅広い知識が得られる(2)税務業務に限らず経営コンサルタントとしての技量が磨けることがあります。さらに将来、自分が税理士として将来開業する場合にも、クライアントへ税務相談のみならず、経営アドバイスも提言できる存在になります。

Big4などの大手コンサルティングファームでは、公認会計士が多かったり、転職する際に実務経験が必須だったりする場合もあります。
近年では会計事務所(税理士事務所、税理士法人)でもコンサルティングをおこなっているケースが増えていますので、コンサルティング業務をしたいということであれば選択肢は増えています。

【あわせて読みたい記事】

転職成功者インタビュー

最後に、会計業務のキャリアを活かして転職に成功した方のインタビュー記事を紹介いたします。既に転職された方の体験談は、現在、転職を検討中の方の背中を押してくれることでしょう。

質問(1)この道を選んだきっかけを教えてください。

前職では経理の責任者として働いていました。出産して家庭に入っていた時に確定申告で税理士にお世話になったのがきっかけで、この道を選びました。この業界に飛び込んでまだ3年ほど。税理士試験を目指しながら、日々仕事をしています。主な業務は、会計帳簿の作成と訪問を含めたお客様対応です。

質問(2)試験勉強する環境としてこの会社はいかがですか?

よい環境だと思います。試験対策のeラーニングも用意されていて、勉強の材料を与えてもらっていますね。

質問(3)今どのような形態で働いていますか?

家庭の事情で、月に2回お休みをいただける正社員が希望だったので、その通りにさせていただいています。女性が多く4割ほどいますが、時短勤務など自由なスタイルで働いています。

質問(4)どんな人が成長していくと思いますか?

自分が目指したいところに向かって向上心を持って仕事ができる人だと思います。業務の幅が広いので、経験が浅くてもスキルが十分でなくても、その人のレベルでできる仕事が必ずあります。

質問(5)お客様に対して大切にしていることは?

誠実であることです。仕事で手を抜かないのは当然ですが、できることもできないことも、きちんとお伝えすることを大切にしています。

質問(6)これからどんなチャレンジをしたいですか?

経営をマネジメントできるくらいの知識と経験を身につけていきたいです。コンサルティング業務も希望すれば任せてもらえるので、どんどんチャレンジしていきたいと思います。

まとめ

会計事務所を辞めたいと思う理由などについて解説してきました。

以前の会計事務所は繁忙期にはどうしても残業が大幅に増えてしまい、終電で帰る日が続くといったような労働環境に疲れてしまったという人も多いのではないでしょうか。
また、個人事務所に勤めていたが所長税理士の考え方についていけず、心労が耐えないという人や、勤務年数の長いパートの人と意見があわず苦労しているといったことをよく耳にしました。

はっきりと言えることは、自分以外の要因で退職を考えるほどの理由がある場合、退職してしまうのも1つの方法です。
ただし、退職理由を冷静に振り返ってみて、改善される見込みがないのか、なにか回避策がないのかは分析をしっかりしてみてください。

近年、会計業界の働き方は大きく変革しています。
会計業界専門の転職サイトで求人を検索してみると、以前との違いが明確にご理解いただけると思います。

きっと、下記のようなキャッチコピーや見出しが数多く見つかると思います。
・残業時間ゼロ
・繁忙期でも残業が少ない
・未経験者OK、教育制度が整っています
・リモートワークも可能

多くの会計事務所は昔からの働き方のイメージを払拭したいと考えており、働く環境を整えたりと努力をしている事務所が増えています。
また、会計業界も深刻な人手不足になっており経験者の中途採用がどんどん難しくなっており、人材不足を解消するため未経験の人も視野にいれ教育環境を整備して未経験者を採用をしている事務所もあるのです。

中途採用を諦めていない会計事務所は、相続、事業継承、特定の業界特化、コンサルティングなど専門的な業務に磨きをかけることで競合先との競争に打ち勝とうとしているのです。
そうすることで特徴のある会計事務所となり、結果的に経験者が求めている業務とマッチすれば、経験者の中途採用も可能なのです。

そのような会計事務所の求人を見つけることができれば、貴方のキャリアパスにも役立つ経験を多く積むことができるでしょう。

最後に、以前はネガティブな印象であった退職、転職ですが、現在はキャリアップのため、年収アップのため、業務の幅を広げたいなど、ポジティブな理由によって転職を考える人も多い環境になっています。
また、会計事務所もどの事務所でもおんなじような業務をしているんだろうというイメージは変わってきています。

辞めたいと思ったときにネガティブな気持ちになってしまう必要は無いのです。
貴方のこれからのキャリアを彩るためにどのような選択をするのか、フラットな気持ちで考えてみてください。

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