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簿財とは

簿財の科目合格後は会計事務所や税理士事務所に就職・転職可能?

2023/11/01

税理士試験において要となるのが、簿財の科目です。いわゆる必須科目である簿記と財務諸表論のことを指しており、まずはこの2科目を受験する方は多いでしょう。

受験する方の中には、簿財に合格した後のキャリアについて、気になるという方もいるのではないでしょうか。

こちらの記事では、簿財に合格した後の会計事務所や税理士事務所への就職・転職について紹介します。

すでに簿財の科目に合格した方や合格後のキャリアについて気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

簿財とは?

税理士試験の必須科目である「簿記論」と「財務諸表論」を略して簿財といいます。どちらも、税理士になるためには必要なものです。税理士試験のいわゆる登竜門であり、最初に受ける方も多いでしょう。

簿記とは、「帳簿記録」を略した言葉で、法人・個人を問わず、事業活動に関する帳簿を記録し、経営状態を明確にする役割を担っています。税理士の仕事におけるメインとなる部分といえるでしょう。税理士試験では、主に計算力が求められ、なおかつスピーディーに答えられるスキルが必要になります。

一方の財務諸表とは、企業の経済や財産の状況を株主に報告するために、簿記をもとにして作る書類のことを指します。

財務諸表論は、書類の作成手順や理論を学ぶ科目です。簿記論で会計における具体的な処理方法を担う一方、財務諸表論では理論的な内容を担当していると考えるとイメージしやすいでしょう。つまり、簿記論と財務諸表論はお互いに関連性のある科目といえます。

また、簿財の理論は、株式会社の仕組みを前提としてまとめられるため、株式会社の制度や用語について把握することも必要になります。

簿記論と財務諸表論、ともに多くの勉強時間を費やす必要がある科目です。税務や会計業務の根幹でもあり、同時に勉強することで理解が深まりやすくなるでしょう。簿記論・財務諸表論それぞれの詳細は、こちらの記事をご覧ください。

税理士試験科目の簿記論の特徴とは?試験内容と勉強方法を解説
税理士試験科目の財務諸表論とは?試験内容と勉強方法を徹底解説

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簿財に合格したら会計事務所や税理士法人に就職・転職できる?

税理士試験の必須科目である簿財に合格すると、転職や就職に有利です。特に、会計事務所や税理士法人で働く場合には、高く評価されるでしょう。ここでは、なぜ簿財が就職・転職に有利なのかを紹介します。

税務や会計の基礎知識があることの証明になる

簿財は、税務・会計の仕事における基礎といえます。税理士試験は、1科目あたりの比重が大きい試験です。簿財は、税理士試験の中でも難度が高く、勉強時間を大幅に割く必要があります。

簿財に合格することで、税務・会計に関する基礎的な知識は身についていることが証明できるでしょう。また、勉強に時間のかかる試験に突破した証にもなるため、持続力や自己管理力の高さもアピールできます。そういった人材は社会でも重宝されるでしょう。

財務や会計の基礎知識の証明とは

税理士の科目合格者を募集している求人案件もある

会計事務所や税理士法人の求人の中には「税理士試験科目合格者」を募集資格として設けている求人も多くあります。このことから、税理士資格に次ぐ資格として重宝されているといえるでしょう。

科目合格者が優遇される背景として、税理士や税理士補助の人手不足問題が挙げられます。個人の会計事務所だけではなく、大手においても若手の人材確保に苦戦しているのが現状です。

科目合格者であれば、税理士補助の役割を十分に果たせる上に、税理士試験の科目に全て合格した後は、税理士として働いてもらえることが期待できます。

このように、先を見据えている会計事務所や税理士法人では、税理士試験の勉強をサポートできる環境作りに力を入れている場合もあります。

実務経験を優遇する求人も多い

科目合格だけではなく、実務経験者を優遇する求人も多くあります。税務に関する仕事内容は税金計算だけではありません。税務の仕事を行っていく上では、経営自体を俯瞰して捉えるスキルも必要になってきます。

さらに、ビジネスマンとしてのコミュニケーション能力も欠かせないものだといえるでしょう。これらのスキルは、税理士試験の科目に合格したからといって得られるものではありません。

経験があってこそ培われるスキルです。こうした理由から、実務経験を重視する企業も少なくありません。

簿財に合格すると一般企業の経理事務にも有利

簿財の科目に合格した場合、有利に働くのは税理士や会計事務所への就職だけではありません。一般企業の経理事務においても重宝されます。

簿財に合格しておけば、決算業務は問題なくこなせるとみなされるでしょう。また、基礎的な知識は身についているため、実務に慣れるスピードも早いことが期待できます。会社側としては、多くの業務を任せやすいということです。

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簿財と日商簿記1級は具体的に何がどう違う?

簿財の他に、会計・税務関係で難易度の高い試験といえば、日商簿記1級をイメージする方も多いでしょう。似ている部分、異なる部分がそれぞれあり、資格を取る目的にも違いがあるものですが、具体的にはどのような点が異なるのでしょうか。

簿財と日商簿記1級の違い

簿財と日商簿記1級は試験範囲が重なります。大きな違いは受験資格です。日商簿記1級は誰でも受験可能ですが、簿財を含む税理士試験は受験資格がなければ受けられません。

税理士試験を受けるためには、学識・資格・職歴の3種類を満たす必要があります。そのうち、資格による要件には日商簿記1級を取得した人も含まれています。

簿財と日商簿記1級は試験を受ける目的が異なる

出題範囲が大きく重なる簿財と日商簿記1級ですが、どちらが良いかは目的によって異なります。税理士を目指す場合は、税理士試験の簿財だけではなくそのほかの科目にも合格しないといけません。

税理士試験は、1科目ごとに合格・不合格があります。全11科目のうち、必須科目である簿財を含めて5科目の合格が必要ですが、合格に有効期限はないため、1科目ずつ合格しても問題ありません。そのため、まずは必須科目である簿財の合格を狙うと良いでしょう。

一方で、税理士を目指す訳ではなく、経理のスキルを磨きたいと考える方は、より経理実務に近い日商簿記1級がおすすめです。

就職せずに税理士試験の勉強に集中しても良い?

税理士になるためには、税理士試験に合格するだけではなく実務経験も必要です。そのため、多くの受験生は税理士事務所や会計事務所で働きながら受験勉強に勤しんでいます。

しかし、職場環境によっては仕事と勉強の両立がうまくいかない可能性もあるでしょう。税理士試験の勉強に集中するためには、「就職をしないほうが良いのではないか」と考える方も少なくありません。実際のところ、就職せずに税理士試験の勉強に集中しても問題ないのでしょうか。

専念するためにはリスクを覚悟する必要がある

税理士試験合格のためには、数ヶ月の勉強時間では足りない可能性もあります。各科目とも合格率が低く、勉強に専念したからといって必ず受かるものではありません。また、受験勉強に専念中は収入がゼロの状況になります。

その中で、テキスト代や予備校の受講料を払う必要があるため、経済的な余裕も必要でしょう。万が一、何年も勉強に専念することになれば、キャリアにも差がつきます。こうしたリスクを理解した上で、真剣に試験勉強に取り組むことが大切です。

合格した後に就職・転職活動をするのも1つの手段

勉強に専念するとしても、長い期間、就職せずに暮らすのはあまり現実的ではありません。その場合、税理士試験のうち簿財だけ合格してから、就職・転職活動をする方法もあります。

必須科目である簿財に専念することで、会計事務や税務に必要なスキルを身につけられるため、就職・転職に有利に働くでしょう。

また、合格した科目によって評価に違いがありますが、簿財であれば、就職・転職先の選択肢も広がります。ただし、税理士になるためには、残り3科目の合格と2年の実務経験が必要です。

たとえ、就職・転職できたとしても、試験勉強は続けていかないといけません。そのため、就職活動では、仕事と試験勉強が両立できる環境かどうかを確認することが大切です。

科目合格は働きながらでも可能なのか?

働きながら簿財の科目合格に向けて勉強することはできる?

税理士試験は、国家資格の中でも難関といえます。そのため、できれば勉強だけに専念したいと考える方も少なくありませんが、収入やキャリアを考えると難しいケースが多いでしょう。

もちろん、働きながら試験勉強を行い合格している方も多くいます。では、仕事と試験勉強の両立を図るためには、どのような点に気をつけたら良いのでしょうか。また、簿財の未合格者でも応募できる求人があるかについても紹介します。

実務経験が受験勉強に役立つ可能性がある

税理士試験の中でも、簿財の科目は実務に直結する重要な内容です。例えば、税法が改正された場合、実務を通していち早く情報を知り事例を体験できる点は、試験においても大きな強みとなるでしょう。

また、試験内容の多くは判例をもとにしたものであり、普段から実務に携わっているほうがイメージしやすいといったメリットもあります。

キャリアにブランクができない

税理士試験の勉強に専念する場合、数年間はキャリアにブランクができてしまうことも考えられます。たとえ試験勉強のためであっても、こうしたブランクは就職・転職においてマイナス要素になる可能性が高いでしょう。

一方で、税理士事務所や会計事務所で働きながら勉強をする場合には、ブランクはできません。いざ、税理士試験に合格して、さらに条件の良い職場を選ぶ場合でも、キャリアとして認められるため、転職しやすくなります。

仕事と勉強の両立ができるところに就職する

税理士事務所や会計事務所には、税理士試験を含めた資格取得やスキルアップをサポートしている企業も多く見られます。例えば、専門学校に通いながら働くことを認めてくれたり、試験前には休暇がもらえたりするケースなどです。こうした職場環境は、働きながら簿財の勉強をする上で有利となります。

まとめ

税理士を目指す上で、簿財科目の合格は最初のハードルといえます。そのほかの選択科目を受験する前に、まずは必須科目である簿財に挑むケースが多いためです。

簿財は、実務に直結する科目であり、勉強時間もそれぞれ500~600時間程度必要だといわれています。働きながらこれだけの時間を確保することは簡単ではありません。職場の理解と協力なしでは難しいといえるでしょう。

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