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税理士の嗜み!試験科目になくても知っておきたい印紙税

国家資格でもある税理士の業務内容は、顧客の決算書の作成や節税対策などが基本業務です。もちろん、資格取得のために多くの勉強をし、知識を兼ね備えているから「税理士」を名乗ることができるのですが、その一方で、試験には含まれない知識を求められる場面も少なくありません。

今回はそのひとつである「収入印紙」「印紙税(印紙税法)」について解説させていただきます。
お金を扱う税理士の仕事は、信用が第一です。
「知らなかった」では済まされないこともありますので、これから税に携わっていく人はここで勉強していきましょう。

印紙税法って誰に相談すればいいの?


まず始めに、印紙税の専門家とは誰なのかを解説させていただきます。

印紙税法の専門家がいないという事実

一般の人に「印紙税法って誰が詳しいの?」と聞けば「税理士」と答えるかもしれません。

なぜなら「印紙“税”法」と言われる以上は税金であると察しがつくため、税法に詳しい税理士が専門家だと答えるのは無理もないことです。
しかし、実際は印紙税法に詳しい税理士というのはあまりいません。結論を先に言いますと、法律の上では印紙税法は弁護士の担当になります。

ただ、弁護士の方たちは自分たちが印紙税法の専門家だと認識している人は少なく、印紙税法の疑問についてテキパキと答えられないことも多いです。
収入印紙を貼る場面は意外に多いのですが、これでは本当に困ってしまいます。

印紙税法は税理士の試験項目に入っていない

印紙税法は弁護士の担当だとわかっていても、税に関することだから税理士でも大丈夫、と多くの人は思っています。
ところが、現実にはそうではありません。これはなぜなのでしょうか。

理由は簡単です。税理士資格の試験科目に印紙税法に関することは含まれていないからです。国家資格の中でも税理士試験の勉強はとにかく大変で、試験範囲でない印紙税法まで勉強する余裕がある人はほとんどいません。
ですから、税理士資格を持っていても印紙税法について詳しく答えられないのは、ある意味仕方がないのです。

印紙税法についての知識は顧客の利益につながる

そうはいっても、税理士が印紙税法の知識を蓄えておくことはメリットが大きいです。顧客を抱える税理士が収入印紙を貼る場面に遭遇することは多く、個別に相談を受けることも少なくないでしょう。
そんなときに「専門外だから知りません」で、果たして顧客は納得するでしょうか。?
難しい質問はあとから調べて回答すれば問題ありませんが、ごくありふれた課税文書に貼る印紙代のことくらいは、聞かれたときにすぐに答えられるほうが顧客の利益につながり、より信頼につながるといえます。

さらに、最近は政府が積極的に電子化を進めていることもあり、収入印紙が必要な場面と不要な場面が多様化してきています。
紙ベースの契約書の場合は収入印紙が必要なのに、電子文書になった途端に収入印紙が不要となるケースなど、顧客の経費削減に貢献することも可能なのです。

コロナ禍やテレワーク拡大の影響もあり、今後はますます書類の電子化が進むと言われています。
税理士が印紙税法の知識を深めておくことで、顧客の利益につながるだけでなく、自分自身の信頼にもつながるはずなのです。

知っておきたい印紙税法の基本


続いて、まず知っておくべき印紙税法の基本について解説していきます。

印紙税法に掲げられている20種類の文書

印紙税法に掲げられている課税文書は、全部で20種類です。

1号文書 [不動産、鉱業権、無体財産権、
船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書]
[地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書]
[消費貸借に関する契約書]
[運送に関する契約書(傭船契約書を含む。)]
2号文書 [請負に関する契約書]
3号文書 [約束手形又は為替手形]
4号文書 [株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、
貸付信託、
特定目的信託若しくは受益証券発行信託の受益証券]
5号文書 [合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書]
6号文書 [定款]
7号文書 [継続的取引の基本となる契約書]
8号文書 [預金証書、貯金証書]
9号文書 [倉荷証券、船荷証券、複合運送証券]
10号文書 [保険証券]
11号文書 [信用状]
12号文書 [信託行為に関する契約書]
13号文書 [債務の保証に関する契約書]
14号文書 [金銭又は有価証券の寄託に関する契約書]
15号文書 [債権譲渡又は債務引受けに関する契約書]
16号文書 [配当金領収証、配当金振込通知書]
17号文書 [売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書]
18号文書 [預金通帳、貯金通帳、信託通帳、掛金通帳、保険料通帳]
19号文書 [消費貸借通帳、請負通帳、
有価証券の預り通帳、
金銭の受取通帳などの通帳]
20号文書 [判取帳]

加えて、必要な収入印紙の額は取引金額によっても分かれています。(収入印紙の詳細は国税庁HPに記載されています)

課税文書と電子文書

そもそも、なぜ上記の表で示した契約書や領収書が課税対象となるのでしょうか。それは、「この取引の背景にはそれ相応の経済的な利益が発生している」とみなされているためです。
収入印紙を貼る(印紙税を負担する)のは文書を作成した側、そして万が一収入印紙を貼り忘れてしまった場合や、貼った収入印紙に消印を入れ忘れた場合は過怠税の対象となります。

しかし、この契約を電子文書で行った場合に収入印紙が不要になることがあるのです。同じ契約を行っているのに、印紙税を納めなくてもいいなんて本当だろうかと思うことでしょう。
これは印紙税法の解釈が関係しています。

印紙税法第2条で示されている課税文書とは紙ベースで作られたものを指していて、電子文書は含まれていない、という見解なのです。
それでも不安に感じる人はいると思いますが、2005年の国会において当時の小泉純一郎内閣総理大臣が「文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されない」と答弁しています。また、国税庁HPの文書回答事例でもハッキリと記載されています。
ただし、一部の文書については電子文書化が認められていないものがあり、すべてにおいて電子化して収入印紙が不要となるわけではありません。

印紙税の負担は経営者にとって大きなものです。うまく利用すれば節税対策にもつながる電子文書は、税理士としてメリットのある知識だと言えるでしょう。

必須でなくても印紙税法は覚えておきたい

これまで、印紙税や課税文書について税理士が知っておくべきこと、そして電子契約として契約を文書化することで得られるメリットなどについて解説させていただきました。
今までも契約の電子文書化は推し進められてきましたが、コロナ禍でテレワークが増えたこともあり、急激に電子契約の需要は伸びてきています。
今後、ますます電子文書化の流れは加速していく傾向にあると予測されます。すべてを覚えておく必要はありませんが、顧客に質問されたときは間違えずに答えられるよう、正しい知識を身に付けておくことが大切です。

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