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売り手市場と自動化の波で変わる税理士・公認会計士の採用シーン

日本国内での求人市場は売り手市場が続いています。
売り手市場というのは、企業側が求人を行う人数に対して求職者の数が少ないため求職者が企業を選びやすい状態のことです。

これは厚生労働省が発表している有効求人倍率からも読み取ることができ、平成25年に有効求人倍率が1.0を超えてから高い水準を維持していることを確認することができます。
なお、有効求人倍率というのは倍率が1.0を超えると求職者よりも求人の人数が多い状態で、1.0を下回ると求人よりも求職者の人数が少ない状態を示す指標です。

本来であれば求人を行う企業としては即戦力となる経験者を採用したいところですが、売り手市場のために他社との競争が激しくなり思うように採用ができていないのが現状です。
そのため、最近では採用したい企業側が採用条件や待遇を変化させることで採用率を高めようとする傾向が見受けられます。

今回の記事では税理士・公認会計士業界の採用シーンの変化をテーマにお届けさせていただきます。

経験者採用が難しくなった

他の業界と同様に会計業界も経験者採用が難しくなってきている業界です。
会計業界自体は離職率が高い業界と言われていますが、例え事務所が変わったとしても業務の内容は大きくは変わらないことが多く、経験者であれば即戦力として優遇される業界と言えます。

そのため業務拡大による負荷を迅速に減らすための求人として経験者を積極的に採用する事務所が多く、競合が多いために経験者採用は求職者の状況次第という側面がある業界です。
さらに近年の売り手市場の影響もあり、積極的に採用活動をしている事務所が好待遇での求人をおこなっているため、ますます経験者採用が難しくなっているのではないでしょうか。

雇用動向調査によると会計業界を含む「学術研究,専門・技術サービス業」については、未充足人員が改善されつつある一方で、現役引退・定年退職・他業界への流出等が半期で1万人ほど発生しています。区分全体の数字のため税理士・会計士の流出数は正確には出せませんが、離職後に戻ってきていない経験者がいることは疑いにくい状況でしょう。

会計業界の経験者であれば、一般の事業会社の会計や財務に関わる求人で有利に転職ができる可能性もあります。なぜなら中小企業を顧客とする会計事務所で記帳指導や決算等の経験があれば、その経験はそのまま中小企業の会計業務に役立たせることができるからです。
各企業の取引内容の違いに応じて割り当てる科目や処理方法が多少は異なるかもしれませんが、そもそも会計事務所では複数の企業の会計に関わっているため企業ごとに処理が異なるのは当然のことです。
中小企業の場合、専門的な知識を持たない身内が会計を行っていることもあるため、企業の発展とともに専門知識を持つ経理や財務の責任者を雇い入れることもあります。
そのような求人は会計事務所経験者が優遇されることがあり、結果的に会計業界から他業界への流出が発生していると推測される要因になっています。

現在の会計業界の求人事情は求職者にとっては好条件を引き出しやすく、求人する事務所にとっては求職者を集めるための工夫が必要な状況ということになります。

未経験者採用の活性化

即戦力となる経験者の採用は事務所にとっても好都合ではありますが、売り手市場の中で争いの激しい経験者を採用することは一筋縄ではいかない現実があります。
そのため、未経験者を採用して人材を育てる方針の事務所も増えてきているそうです。
これは、会計業界が他の業界と比べて「研修の多い」業界であることも影響しているかもしれません。

税理士会が主催する研修や税理士関連団体が企画する研修、加えて会計ソフトメーカーや提携保険会社が提供する研修などがあり、初心者向けの研修から専門性の高い研修まで多種多様に開催されているのです。
立地上の問題から会場に出向いての受講が難しい場合には、オンライン受講やDVD等を利用して受講できるなどの配慮がなされていることもあります。
業界的に多くの研修が用意されているため、研修制度を整えて採用活動を行う事務所も少なくありません。

また、未経験者が採用後に簿記や税理士試験を受験しやすい環境を売りにしている事務所もあるそうです。
テキスト代等の受験勉強のための費用を一部負担する、勉強時間を確保できるように勤務体制を配慮するといった求職者に寄り添った事務所もあり、未経験者であっても学びながら働ける環境が少しずつ整ってきました。
その他にも、以前であれば大手監査法人の新卒採用は公認会計士試験合格者のみを対象としていたのですが、入社後の一定期間内に合格することを前提とした採用方法も取り入れるといった変化が見えてきています。

経験者採用が難しくなっていることを背景に、採用側としても経験者や有資格者のみの採用だけではなく、学ぶ姿勢のある未経験者であれば積極的に採用する事務所が増えています。この傾向は今後も続いていくことでしょう。
ただし、研修制度や受験補助制度にはコストがかかっているため、事務所側としては真面目で長く頑張ってくれる方を採用したいというのが本音と言えます。やむなき事情の場合は転職も致し方ありませんが、事務所側が育てようとコストをかけてくれている点は忘れないようにしておきましょう。

採用スタンスの変化


一昔前のような終身雇用制度が当たり前という時代が終わり、転職に対する採用側の考え方も変化してきています。
これは会計業界にも言えることで、スキルアップなどの明確な目的のある転職であれば好意的に受け入れられるようになってきました。
転職者の転職回数が少ない方が評価されやすいことには代わりはありませんが、最近ではある程度の転職回数があっても実務経験が重要視されることも珍しくなくなりました。
もしも今の会計事務所の環境に満足できないようであれば、転職を検討してみるのもよいかもしれません。

特にここ数年の会計業界には「自動化」という大きな流れがやってきているため、今の事務所が古い体制を続けているようであれば将来的な不安が残ります。AIやRPAに積極的に取り組む先進的な事務所への転職も選択肢に入れてみていただきたいものです。

AIやRPAなどの自動化に取り組む事務所の中には、システムエンジニアを採用している事務所も存在します。少々特殊な事例になるかとは思いますが、これからは数字に強いだけではなく、システムにも強い会計事務所が求められる時代がやってくるのかもしれないですね。

求職者に求められる資質

システムエンジニア採用は少し特殊かもしれませんが、会計業界で有利に転職をしたいのであれば最も重要視されるのはやはり実務経験と言えます。
ただ最近では実務経験だけでなく、未経験者であっても採用する事務所が増えていることから、積極的に学んでいく姿勢が必要なのではないでしょうか。

税理士や公認会計士資格の取得は大切ではありますが、資格勉強のみを優先して実務を経験しないということは転職の際の選択肢を狭めてしまう可能性もあるのです。
仕事と勉強の両立は簡単ではありませんが、働きながら受験できる環境を用意してくれる事務所もあるため、自分のスタイルに合う転職先を探してみることをおすすめします。

また最近では税務会計の専門家としての道以外にも、経営を支援するためのコンサルティングに特化した事務所も少なくありません。
自分の強みを発揮できる事務所を見つけるためにこまめに情報収集をしてみてくださいね。

おわりに

「会計業界=税務・会計のプロフェッショナル」という考え方が少しずつ変わりつつあります。もちろん税務・会計のプロフェッショナルであることが重要なのは変わりませんが、時代の流れに沿ったプロフェッショナルであることが求められています。

自動読み込み機能を備えた会計ソフトが登場してから数年が過ぎていますが、未だに未対応の事務所も多いと耳にすることがあります。また、顧問会計事務所を変えた理由として、「最新の会計ソフトに対応できない事務所だから」という理由を耳にする機会も増えてきました。
会計業界はAIやRPAのような自動化で大きく変わっていく業界と言われています。普段から情報収集のアンテナを立て、最新の技術を積極的に取り入れている事務所も転職先として検討してみてください。

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