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記帳代行と経理代行の違いとは

記帳代行で依頼できることとは?外注するメリット・デメリットを解説

2023/11/01

会計業務において「記帳業務」は、日々の取引内容を記録する大切な作業です。

企業において記帳業務は主に経理担当者が行う業務ですが、記帳業務を企業に代わって対応する「記帳代行」を利用する企業が増えています。どのような企業が、どのような理由で利用しているのでしょうか?

この記事では下記について詳しく解説します。

  • 記帳代行とは
  • 経理代行との違い
  • 記帳代行を利用するメリット・デメリット
  • 記帳代行の依頼先や依頼する流れ

これを読めば、記帳代行で依頼できる内容、依頼から完了までの流れ、依頼先などが理解できます。「経理スタッフが急に退職してしまった…」「経理スタッフを雇いたいけど求める人材がこない…」とお悩みで外注(アウトソース)を検討している経理担当者や、「まだ、経理スタッフを雇えない…」という経営者の方は、ぜひご一読ください。

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記帳代行とは

記帳業務を外部に依頼すること

記帳代行とは、経理業務の中でも、日々発生する「売上」や「仕入」「経費」などの取引を帳簿に記入する「記帳」を、自社に代わって外部に依頼することです。

通常、記帳は、企業の経理担当者が行うものですが、人を雇う余裕がない場合や、そもそも経理担当者が不在といった場合に、比較的リーズナブルな費用で依頼できる便利なサービスです。

記帳は、最終的に企業の経営状況をまとめた「決算書」の作成に使われますので、正確な数字を記帳することはとても重要なプロセスです。

記帳は平成26年の税法改正に伴い義務化

記帳は、今では企業が取り組むべき業務の1つとして認知されていますが、かつては全ての企業が記帳する必要はなく、例えば「白色申告(個人事業主が行う申告方法)」では、前々年分、あるいは、前年分の事業所得や不動産所得などの合計が300万円を超える場合に限られていました。

しかし、記帳していないと、税務調査が入った時に、お金の出入りが不透明であった場合、その正当性を証明できないことから、平成26年に税法が改正され、白色申告者を含む全ての企業に義務づけられました。記帳業務には、経理の専門的な知識が必要で、誰でも簡単にできる業務ではありませんので、外部業者への依頼も増えています。

記帳代行で依頼できること

記帳業務を外部に代行してもらう際、具体的にどのような業務が依頼できるのでしょうか?

●会計ソフトへの入力…「領収書」「請求書」「通帳コピー」など、取引内容が分かる資料を預け、その内容を「会計ソフトに入力」してもらいます。
●帳簿作成…「現金出納張」「預金出納張」「売掛残高一覧表」など、経理業務に必要な「各種帳簿の作成」が依頼できます。

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経理代行との違い

記帳代行と似たような言葉に「経理代行」がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?どちらも同じ経理に関わる業務ですが、主に記帳のみを行う「記帳代行」に対して、記帳を含んだ経理業務全般を行うのが「経理代行」です。記帳の他にも、経理代行は次のような業務を行います。

<経理代行の主な業務>

  • 記帳
  • 簿記チェック
  • 給与計算
  • 年末調整
  • 決算・申告
  • 売掛金・買掛金の管理
  • 振込代行 など

記帳代行を利用するメリット・デメリット

記帳代行のメリット・デメリットとは

記帳代行を利用するメリット

●経理コストが抑えられる
経理スタッフを雇う場合、数十万円の人件費がかかりますが、記帳代行なら月額数万円程度の支払いで済みます。もしも経理担当者が退職して困った時でも、早急に対応してくれるので安心です。

●業務スピードと正確性の高い仕事が期待できる
経理の実務経験が豊富なスタッフが多数在籍しています。経理知識が浅いスタッフが自分で調べながら記帳するよりも、作業スピードが早く、かつ正確性の高い帳簿の作成も期待できます。

●金融機関への融資申請がしやすくなる
正確な記帳や帳簿の作成は、企業の経営状況を示す「決算書」の作成にとっても重要なプロセスです。金融機関に融資を申請するには、決算書の提出が求められますが、日頃から取引内容を正確に記帳しておけば、数字が間違っていないかどうか確認する等に余計な手間がかかるリスクも減り、スムーズな申請が可能です。

記帳代行を利用するデメリット

●違法な業者が混在していることがある
業者も数多く存在するため、信頼できるどうかの見極めが大切です。税理士がいないのに「税務申告まで請け負います」と謳う業者もいるので注意して選ぶ必要があります。

●社内の経理ノウハウが蓄積しにくい
経理業務にかかるコストが抑えられる一方、外部業者に任せきりになると、経理データを活かしたノウハウが蓄積しにくい面もあります。例えば、経営判断に必要な経理データが今すぐ欲しい状況でも、情報の格納先やデータの詳細を理解しているスタッフがおらず、閲覧に時間がかかってしまい、経営判断の鈍化も懸念されます。

●依頼内容によってはコスト高になる可能性もある
記帳代行は、基本料金の他に、「スピード納品」「資金繰り表の作成」「帳票の整理」などの「追加オプション」が用意されています。追加するほど確かに便利でありますが、「どこまで依頼するか」を明確にしていないと、オプションを付け過ぎてかえってコスト高になる可能性があります。

記帳代行の流れとは

記帳代行の依頼から完了までの流れ

記帳代行を依頼すると決めたら、どのような流れで進めたら良いのでしょうか。記帳代行の依頼から完了までの流れを紹介します。依頼する側(企業)で準備すべきことも合わせて解説します。

●依頼先へ送る資料を準備する
●記帳作業を依頼する
●報告書のチェックを行う

依頼先へ送る資料を準備する

依頼先が決まったら、依頼先へ送る資料を準備します。(依頼先の種類についてはこの後解説)記帳代行の依頼方法には、「丸投げ」と「記帳代行のみ」の2種類があります。どちらを選ぶかによって準備すべき資料も変わってきます。ちなみに、「丸投げ」とは、記帳代行のみならず、税務署への申告までを依頼することを言います。

・丸投げの場合  …「領収書」「請求書」の原本、「通帳コピー」を送ります。
・記帳代行の場合…「現金出納帳」を自社で作成して送ります。(手書きまたはExcel)

丸投げの場合、領収書や請求書以外に、「給与明細」「会社名義のクレジットカード」「振込明細」など、お金の流れが分かる、その他の書類の送付も依頼先より求められることがありますのでご注意ください。

記帳作業を依頼する

資料を送付して記帳作業を依頼します。依頼先は、会計システムを利用して入力を行いますが、単に数字を入力する以外にも、損益推移表、決算報告書、貸借対照表なども作成して、現状の数字データから見える「経営改善へのアドバイス」を行うところもあります。記帳代行作業の終了後は、月次の決算報告書を作成してもらいます。

報告書のチェックを行う

月次決算報告書が届いたら、依頼者はその内容に不備がないかどうかを確認します。記帳代行サービスは、年間契約をしていなければ、基本的に1ヶ月ごとの単発依頼になるので、記載内容に誤りがあったり、満足のいくサービス内容でなかったりした場合は、その月で契約を終了させることもできます。記載内容に問題がなければ「承認」をし、また翌月に依頼します。

記帳代行は誰に依頼すればいいのか

記帳代行は誰に依頼すればよい?

記帳代行業者

記帳代行(一部)、あるいは経理代行(経理全般)を専門的に取り扱う業者に依頼します。代行業務に特化しているため、税理士に依頼するよりも費用が安く抑えられるメリットがあります。長年の経理経験を持つスタッフが対応するので、自社で経理スタッフを雇うよりもコストが抑えられ、スピーディーで、かつ正確性の高い業務が期待できます。一方、記帳代行業者は、税理士免許を持つスタッフがいないことが多く、節税対策などの経営に一歩踏み込んだ相談ができないデメリットがあります。

税理士事務所

税理士は、「経理のプロフェッショナル」ですので、税務申告のサポートを行うだけでなく、記帳代行や経理代行など、企業の経理業務を担うサービスも実施しています。一般的に経理業務は、企業内の経理部で処理するものですが、担当者が知識不足であったり、経験年数も少なかったりする場合があります。記帳業務や帳簿の作成などには、「正確性」が求められるため、その精度にも不安を覚えてしまいますが、税理士に依頼すれば、百戦錬磨の経験があるので安心して任せられるだけでなく、「税務」に関する相談にも乗ってくれます。

税理士が必要になる理由の詳細は「事業主や法人において税理士が必要になる理由とは」の記事で紹介しています。

税理士に依頼できる業務の詳細は「税理士に何を依頼できるのか?報酬額の相場とは」の記事で紹介しています。

記帳代行の費用相場はいくら位?

記帳代行は、経理スタッフを雇うよりもリーズナブルとは言いますが、依頼すればどの位かかるのか気になることでしょう。目安となる費用も依頼先によって異なりますが、料金システムはある程度決まっており、次の2つのパターンに分けられます。依頼先を決める際の判断基準としてお役立てください。

従量課金

「仕訳の数」だけで料金を決定するシステム。記帳代行業者が多く採用しており、依頼する数によって金額が変わります。依頼数が少なければ、支払い額も少なく、多ければ当然増えます。

多くても少なくても毎月支払う「月額基本料金」がありませんので、費用を安く抑えることができます。ただし、依頼できるのは基本的に作業のみで、税務や経営に関する相談ができないデメリットがあります。従量課金は、1仕訳あたり50~100円くらいが相場と言われていますが、「従量課金」の業者に依頼する際には、実際の料金を確かめてから依頼をしましょう。

月額基本料金+従量課金

「月額で決められた金額」プラス「仕訳の数」で料金が決定するシステム。税理士事務所で多く採用されています。従量課金と比べて「月額基本料金」がかかるため、コストの安さを第一に考えるならデメリットかもしれません。しかし、単なる作業依頼だけでなく、税金や経営に関するアドバイスも受けられるメリットがあります。「月額基本料金+従量課金」の場合の相場は、月額基本料金が1~3万円ほど、1仕訳あたりが50~100円くらいになります。

今回は、記帳代行について紹介しました。記帳業務を行うのは、主に企業の経理担当者が行いますが、「経理担当者を雇う余裕がない…」「経理担当者が退職してしまった…」という場合に、大変便利なサービスです。また、記帳代行の依頼先には、「記帳代行業者」や「税理士事務所」などがあります。依頼できる業務内容、料金体系などが違いますので、どちらを利用するのが適切か、双方の違いを理解した上で依頼しましょう。

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