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司法書士試験の難易度

司法書士試験の難易度・合格率とは?難易度の理由も解説

2024/05/10

法律の専門知識に基づき、法人や不動産登記、各種書類作成を行うのが司法書士です。司法書士を目指す方にとって、司法書士試験の難易度や合格率は重要な関心ごとなのではないでしょうか。本記事では、司法書士試験の難易度や合格率をご紹介します。なぜ司法書士試験は難易度が高いのか、その理由もまとめました。

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司法書士試験の難易度は高い?

司法書士試験の合格率は、およそ3~5%です。令和4年時点のデータによると、受験者数12,727人に対し、合格者は660人と報告されています。合格率は、5.18%という結果になりました。令和4年度から平成30年度まで、過去5年の合格者数と合格率をまとめると、以下のとおりです。

年度 受験者数 合格者数/合格率
令和4年度 12,727人 660人/5.18%
令和3年度 11,925人 613人/5.14%
令和2年度 11,494人 595人/5.17%
令和元年度 13,683人 601人/4.39%
平成30年度 14,387人 621人/4.31%

過去5年分のデータから読み取れるように、司法書士試験の合格率は低く、難易度の高い試験であることが分かります。

参照:
法務省:令和4年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:令和3年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:令和2年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:平成31年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:平成30年度司法書士試験筆記試験の結果等について

他試験との合格率を比較

司法書士と同じく難関だとされる、司法試験(弁護士試験)や税理士試験、公認会計士の合格率も比較してみました。令和4年時点のデータをもとに、それぞれの試験における合格率をピックアップしています。

試験名 合格率
司法書士試験 5.18%
司法試験(弁護士試験) 45.50%
税理士試験 19.50%
公認会計士試験 7.70%

他の資格試験と比較しても、司法書士試験の難易度の高さ・合格率の低さが伺えます。数年にわたって試験対策を講じなくてはならない税理士試験や、出題範囲が広く一次試験と二次試験で学習方法を変える必要がある公認会計士試験よりも低い、合格率5%台となっています。

司法書士試験はなぜ難しいのか

司法書士試験の合格率は3~5%前後で、合格までに必要な勉強時間は、最低でも3,000時間以上とされています。この時間はあくまで「予備校に通う受験生を基準とした際の最低限の時間」であり、5,000~10,000時間以上の勉強時間が必要だったというケースも珍しくありません。では、司法書士試験の難易度の高さにはどのような要因があるのでしょうか。難易度の背景にある要素をピックアップしました。

科目数が多い

司法書士試験は、民法をはじめとした全11科目からなります。1科目ごとの範囲も広く、膨大な量の知識を徹底的にインプットしなくてはなりません。具体的な科目内容は、以下の「主要科目」と「マイナー科目」に分けられます。

以下の4科目は、主要科目に分類されます。主要科目は、多肢択一式問題の全出題数の7割以上を占める教科となっています。

  • 民法
  • 商法(社会法)
  • 不動産登記法
  • 商業登記法

続いて、「マイナー科目」は以下のとおりです。

  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 司法書士法
  • 民事保全法
  • 供託法
  • 憲法
  • 刑法

特殊な法律科目が多い

司法書士試験では、「不動産登記法」や「商業登記法」など、多くの方にとって馴染みの薄い法律の知識が問われます。司法書士試験は11科目もあるうえ、イメージしづらい法律が多いため、苦手意識が芽生えることもあるでしょう。膨大な暗記が必要になる一方で、それぞれの科目をきちんと理解することも求められます。なぜなら、司法書士試験では択一式問題と記述問題の両方が出題されるからです。主要科目の理解が浅いと、記述式問題を解くことも難しくなります。また、主要4科目は択一式問題の7割以上を占めており、マイナー科目を理解するうえでも欠かせない基礎的な法律です。主要科目で理解の及ばない範囲があると、マイナー科目の攻略も困難になってしまうでしょう。

相対評価である

司法書士試験の評価基準は、絶対評価ではなく相対評価となっています。より具体的にいえば、上位5%に入る得点を取らなければ不合格となってしまいます。「一定以上の点数を取れば合格できる」というシステムではないため、「どの程度の点数を目指せば良いのか」「基準点以上を目指すためにどの程度勉強すれば良いのか」という目標が立てにくいのが現実です。午前・午後の択一式問題、午後の記述式問題のうち、いずれかひとつでもふるい分けの対象になってしまえば不合格となってしまいます。

一定の基準点を超えることは大前提としたうえで、そのなかでもさらに上位の成績を狙わなくてはなりません。また、相対評価制では自身のレベルはもちろんですが、周囲の受験生のレベルによっても合格率が左右されます。対策が立てづらく、非常にシビアな評価基準だといえるでしょう。

ふるい分けが厳しく全科目満遍なく得点を取る必要がある

科目数が多く、相対評価で合否が決まるのが司法書士試験の特徴です。相対評価にくわえて、午前・午後の択一式問題、午後の記述式問題それぞれにふるい分けとなる基準点のポイントが設けられていることから、全教科で満遍なく点数を取らなければなりません。いわゆる「捨て科目」を決めることは難しく、全教科の学習にしっかりと取り組む必要があります。

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司法書士試験の合格者はどんな人?

合格率が低く、士業のなかでも特に難易度が高い司法書士試験。そんな司法書士試験には、どのような方が臨み、合格しているのでしょうか。年齢や地域などのデータから、試験合格者の属性についてまとめました。

合格者の年齢

令和4年度の合格者数の平均年齢は、40.65歳と報告されています。なお、令和4年度から平成30年度の5年間のデータをみると、司法書士試験合格者の平均年齢は40.26歳という結果になりました。令和4年度の受験生の最低年齢は20歳、最高年齢は71歳という結果でした。少数とはいえ、直近5年では20代の合格者が12名、70代の合格者が5名出ています。平成30年度には、10代(19歳)の合格者と80代(80歳)の合格者がそれぞれ1名ずつ出るという結果になりました。

参照:
法務省:令和4年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:令和3年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:令和2年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:平成31年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:平成30年度司法書士試験筆記試験の結果等について

地域別の受験会場と合格者数

司法書士試験の試験会場は、全国に設けられるわけではありません。筆記試験は全国の都市のうち15ヶ所程度・口述試験は全国8ヶ所の会場で行われます。2020年度以前は、全国50ヶ所以上の試験会場が設けられていたものの、現在では15ヶ所ほどに絞られています。令和4年度のデータによると、札幌から那覇までの受験地における合格者数は以下のとおりです。

受験会場がある都市 合格者数
東京 174名
横浜 55名
さいたま 47名
千葉 29名
静岡 12名
大阪 55名
京都 17名
神戸 41名
名古屋 68名
広島 18名
福岡 50名
那覇 6名
仙台 40名
札幌 21名
高松 27名

東京をはじめ、横浜・大阪・名古屋など大都市圏での受験会場における合格者がやや目立つ結果となりました。過去5年間のデータを参考にすると、合格者数が最も多い受験地は5年連続で東京都となっています。同データによると、東京会場における合格者数の平均値は過去5年で159.8名です。

参照:
法務省:令和4年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:令和3年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:令和2年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:平成31年度司法書士試験筆記試験の結果等について
法務省:平成30年度司法書士試験筆記試験の結果等について

司法書士という職業が持つ魅力・やりがい

司法書士となるためには、膨大なインプット・アウトプットをして、難関の司法書士試験を突破しなくてはなりません。しかし、それを踏まえても、人によっては司法書士の仕事に魅力ややりがいを感じられるでしょう。下記にて、司法書士になることで得られるメリットをご紹介します。

定年がなく一生続けられる

司法書士には定年がなく、自身が健康でいる限り働き続けることが可能です。「確かなスキルを持ったうえで、生涯現役で働き続けたい」と考える方にとって、司法書士は魅力のある仕事だといえるでしょう。受験するにあたって、年齢や学歴、職歴は一切不問。難易度が非常に高い分、資格取得のチャンスは誰にでも開かれています。合格できれば、司法書士の資格を活かしたキャリアチェンジも可能です。「安定して働き続けられる職業に就きたい」と考えている方にとっても、大きな選択肢のひとつとなるでしょう。

社会的信用を得やすい

司法書士は国家資格のひとつ。特に、民法・商法・不動産登記法・商業登記法のエキスパートです。特に不動産登記法や商業登記法の場面では、個人から法人まで様々な規模の顧客から頼りにされます。また、「難関資格である司法書士試験を突破した」という肩書だけでも、社会的信用を得やすいという魅力があります。

場所を問わず全国に活躍の場がある

各種登記業務や供託業務を行うのが、司法書士の役割です。なかでも、主要業務である各種登記業務は不動産(土地)や企業がある場所にはなくてはならないもの。したがって、働く場所に縛られず全国各地に活躍のチャンスがあるといえるでしょう。Iターン・Uターンを検討されている方にも適した資格です。地域ごとの特性やニーズを丁寧に汲み取ったサービスを展開できれば、より多くの顧客から信頼されます。

独立開業しやすい

司法書士の資格があれば、独立して自身の事務所を構えることも可能です。独立することで、自身の裁量によって業務量を調整できるのが魅力。「積極的に仕事を受けて高収入を狙いたい」「プライベートの時間を確保しつつ業務にあたりたい」など、自身のライフスタイルに合わせた働き方を実現できます。また、独立開業後は自身で顧客を得る必要があるため、営業力やマーケティングスキルも磨けます。

法律のプロとして世の中の役に立てる

法律の専門知識を活かして、個人・法人など様々な顧客の役に立てます。司法書士の顧客や相談者のなかには、複雑で馴染みの薄い法律上の手続きに戸惑っている方も少なくありません。そんな顧客に寄り添い、適切な手段で解決策まで導くのが司法書士の務めです。顧客からお礼の言葉をかけてもらえれば、より強くやりがいを感じられるでしょう。

働きながら司法書士を目指すことは可能?

司法書士試験には、学歴や職歴、年齢などの受験資格が設けられていません。したがって、働きながらでも試験に臨むことは可能ですが、司法書士試験は難関です。知識レベルによっては、10,000時間以上の勉強時間を確保したうえでしっかりと試験対策を練る必要があります。大学や予備校などで勉学に専念できる学生とは異なり、働きながら司法書士を目指すことは容易ではありません。

まとめ

司法書士はやりがいのある職業ですが、働きながら合格を目指すのは至難の業です。「仕事と資格取得を両立させたい」とお考えの場合は、司法書士に必要な関連知識を学べる職場に勤めるのもひとつの手です。例えば税に関する法律の知識や実務経験があれば、不動産登記や相続登記などの場面で大いに役立ちます。一般企業での労務経験も、司法書士としての知識を身につけるうえで役立つはずです。

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会計業界ライターZEN
税理士や公認会計士、会計業界に関する記事を専門に扱うライター。会計業界での執筆歴は3年。自身でも業界についての勉強を進めながら執筆しているため、初心者の方が良く疑問に思う点についてもわかりやすくお伝えすることができます。特に業界未経験の方に向けた記事を得意としています。

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