なぜ経理事務はやめとけと言われるのか?その理由とメリット、仕事内容を詳しく解説
経理事務は人気の就職・転職先だと聞いていたにも関わらず、「経理はやめとけ!」「経理はつらい」等のネガティブな意見を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
このようにやめとけという情報を目にすると、就職や転職するのが不安になってしまいますよね。
この記事では、なぜ経理事務はやめとけと言われるのか、その理由を深掘りするとともに、経理事務として働くメリットについても解説します。
まずは読んでいただければ、経理事務の仕事の面白さ、やりがいも見つかるはずです。また、経理事務はやめとけと言われてしまう職種ではないことを理解いただけます。
ぜひ最後までお読みいただき、やりがいがある経理という仕事への理解を深めていただければと思います。
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コンテンツ目次
経理事務の仕事内容の特徴
経理職は簿記や財務の高い知識をもとに企業のお金の管理や経営に関する数値を取りまとめるのが職務です。当然、数字を取り扱うこと、エクセル(Excel)や会計ソフト、IT関連ツールが複数あることも現在では普通です。それらのツールを使いこなしつつ、職務となる会計処理を正確に進めるのが経理事務の仕事になります。
月ごとのお金や数値のとりまとめに加え、年間(決算)がありますし、企業によっては四半期ごとに数値を取りまとめる場合もあります。また、どの業界でも、企業のお金の動きや取引の情報が入りやすい月末や、数値を取りまとめるために月初から数日は仕事量が増えるという特徴があります。
また、経理事務の仕事内容について、更に詳しく知りたい場合は「【未経験者必見!】経理の仕事とは?平均年収やおすすめの資格を解説
」をご覧ください。
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経理事務の平均年収のリアル
管理部門のなかでも専門性が高い経理職ですが、平均的な年収はどのくらいなのでしょうか。転職サイトが各自のデータをもとに経理職の平均年収を出していることがあります。その多くが450万円程度~550万円以上の金額を平均年収として取り上げているようです。
また、経理の部長職以上である場合や、大企業・外資系の企業などの規模感によっては、それ以上の年収となることもあるようです。経理の仕事は簿記や財務などの高い知識が必要なことに加えて、関連部署と連携を取るコミュニケーション能力や、知識を実際のビジネスに合わせて使いこなす柔軟性が求められます。
そのため専門職として扱われることがほとんどで、その年収は一般的な事務職に比べて高めになる傾向があります。
また、経理事務の年収について、更に詳しく知りたい場合は「経理職の給料・年収の実態とは?年収アップするには何が必要なのか」をご覧ください。
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経理事務はやめとけ!その理由を深掘り
経理職へのネガティブな意見には、次のような理由があげられることが多くあります。しかし、このような意見は解釈によっては違うとらえ方ができ、良い側面も見えてきます。
AIの発展で仕事がなくなる
近年、ChatGPTなどの生成AIが急速な進化を遂げ、様々な対応ができることに驚かれた人も多いのではないでしょうか。このようにAIの進化により経理事務や税理士が将来なくなる仕事としてラインナップされているのをご存知でしょうか。
集計作業や帳簿の入力、計算など、AIの発展により自動化されることが確実視されている経理事務の業務は確かにあります。一方で、そのAIツールを使いこなすことや経理事務の知識をもとに、どのようにAIを導入するか、またAI導入時の構想や導入後のチェック、イレギュラーな処理や非定型の業務は今後も人間が行うことになるでしょう。AIが不得意な業務などは必ず残りますので、一概に経理の仕事がなくなるとはいえませんが、繰り返し行う作業や、軽作業などはAIが代替してくれる世の中がすぐそこに来ています。
大切なのは、今後のAIの進化に怯えるのではなく、将来的にどのような業務ができる人材が必要とされるのかを考えて備えることです。
繁忙期(決算時期)が忙しい
どの業界の経理職であっても、決算などの繁忙期が必ずあります。ただし、経理職にも月の中頃は手が空きやすいなどの業務量の波がありますし、どの職種にも繁忙期はあることを考えれば、一概にこれだけでやめた方がいいとは限りません。
月次だけではなく、年次であっても繁忙期と閑散期がはっきりとしているのが経理事務の仕事ですので、繁忙期はがんばって、閑散期は長期の旅行など趣味の時間としたりとメリハリがある働き方ができるのが経理事務の長所として考えることもできます。
業績の貢献度の数値化などがしづらく評価されにくい
経理事務はいわゆる間接部門(バックオフィス)で業務内容が企業のお金の管理や数値処理が多く、成果が可視化されにくい職種です。適切な仕組みがあれば、適切に評価される職種と言えるでしょう。
そのため、経理事務への転職を検討されているのでしたら、昇給制度がどのようになっているのか、経理事務に適用される評価制度などは面接時に必ず確認しておきましょう。
平均年収が低め
経理職とはいっても、会計システムに仕訳を入力するのみの担当者と、決算業務までを行える管理職レベルとでは役職も違えば年収が異なるのは当り前です。前者のような入力業務メインの担当やパート等だと給与の設定が低い可能性はあります。経理事務の業務内容と給与・年収のバランスがどうなのか、まずは確認が必要です。
そもそも経理職の平均年収は一般的な平均年収よりも高い傾向がありますので、一概に年収が低めとも言えません。
人間関係が狭くなりがち
会社の規模によっては経理職がやり取りをする部署は幅広く対応することになります。そのようなコミュニケーションを取る役割がある経理職であれば人間関係も広がります。しかし、規模の小さな企業では、やり取りする人数、部署も少なくなりますので、人間関係が狭くなる可能性もありますが、一概にそうとは言い切れないでしょう。
たとえば、規模がちいさな企業であれば、経理事務と各部署の関係は密になると思いますので、深いコミュニケーションが築けるかもしれません、逆に規模が大きい法人であれば、経理事務の仕事も分業となり、深いコミュニケーションが必要ないかもしれません。
仕事を覚えてしまうと単調な作業
経理には定型的な業務も非定型な業務もあります。担当する業務が定型的な業務がメインかどうかを事前に確認し、自分自身が定型的である程度決まった業務が好きである、そちらの方がやりやすいと感じる人にとっては、仕事として進めやすいでしょう。
ただし、前述でもお伝えした通り、定型的な業務や繰り返しの計算や単調な作業は、近い将来にAIが代替してくれることは間違い無いと思いますので、そのような業務や作業の担当担っている場合は、危機感を持っていただいたほうが良いかもしれません。
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経理職のメリットとは
「経理はやめとけ!」の理由も、とらえ方によってはメリットと言える点がありました。加えて、一般的に経理職のメリットとして以下のような意見があります。どれも、経理業務の特色や専門的な知識やスキルがあるということから、経理職がどのような業界でも必要とされる職種であるため、それが利点とされています。
- 月中は仕事が少ない
- 会計の知識が身に付く
- 会社の数字を把握できる
- 関連する資格が多くスキルアップしやすい
- 転職しやすい
経理事務にもITスキルはかなり重要
経理職にとってITツールを使う機会はどんどん増えています。会計ソフトや集計業務のエクセルだけではなく、クラウドサービス上にデータをアップロードして共有する作業や、請求書発行や経費精算などの関連するシステムを使用する場面は頻繁にあります。
それらをうまく使いこなし、企業の会計処理を進めるのが経理職の仕事です。ITスキルは重要です。簿記や財務の知識が深くなくとも、ITスキルがかなり高ければ、経理職としてスキルアップの可能性が望めるかもしれません。
経理事務は1年目が辛いが覚えれば次年度からは苦じゃない?
経理職に慣れるには2~3年程度必要、という声が多いようです。月の業務の流れに加え、決算関連の業務など年に一度しかないものもあります。そのため、1年目はつらく感じることもあるでしょう。
慣れるのが早い人であれば1年目の業務を一周することで、それ以降は順調にこなせるケースもあります。1~2年経過したところで、担当業務が変わることや、システム変更のようなイレギュラーがあれば、それは新たに覚えることとして取り組むことにはなります。そういった大きな変化がなければ、2~3年でなれる人が多いでしょう。
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結局のところ、経理はやめとけなのか?
経理へのネガティブな意見やメリットとなる点を解説してきましたがいかがでしょうか。メリットなどを踏まえると、ひとことで「経理はやめとけ!」と言ってしまうのは短絡的かもしれません。経理業務が合っている・得意だと感じる人もいれば、苦手な人もいます。
業務量が多すぎる場合も企業によってはあります。苦手な人やあまりにも忙しすぎる職場環境の人からすれば「やめとけ!」となるかもしれませんが、そうではないケースも多くあることを知っておきましょう。
経理は向いてないと思ったら転職もあり!
もし、簿記検定の資格を取得している、もしくは企業の経営管理に興味があるなら、経理職にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
先述のとおり、経理職は企業のお金の管理を行い、経営数値に関わる業務の多くに触れる機会があります。ビジネスのなかでどのようにお金が動くのか、どのように数値をもとに経営判断をトップが行うのか、このような視点で経理業務と向き合うと面白さが増すのではないでしょうか。
ただし、定型的な業務がどうしても苦手と感じる、職場環境が自分と合わないような場合には、転職するのも選択肢のひとつです。経理職は転職しやすい職種でもあります。まずは挑戦してみて経験を積もう、という姿勢で臨むのも良いでしょう。
経理事務は人気の仕事だが見極める事が重要です
経理の仕事は毎月・毎年同じようなスケジュールで繰り返し作業が多いルーチンワークと思われがちですよね。しかし、初心者の頃は覚えることも多く、大変だったと感じた人も多いのです。
また、1円のミスも許されないことから、仕事ができて当たり前という見方をされてしまい、評価されにくい職種とも言えます。しかし、経理の経験を深めることで、会社の業績を把握することが出来たり、経営者の目線を経験出来たりと、役に立つスキルも数多く身に付けることができます。
経理や会計のノウハウを身に付けることは、一般的にもお金の流れを意識できるなど役立つ側面もあり、また企業を目指すひとにも必要なスキルが身に付きます。
大切なのはメリット・デメリットを把握し、自分のキャリアプランにどのような知識、経験、スキルが必要かを見極めることです。
経理は、決して「やめとけ!」と言われるような仕事ではなく、経理として将来のビジョンを持って向上心を忘れなければ。多くの知識や経験を積むことができる仕事です。実際に転職サイトの求人案件を見ていただければわかると思いますが、経理職の求人は常に多く出ています。また、人気もあって、良い求人はすぐに採用が決まってしまうほどなんです。
ただ、中小企業の場合は総務と経理が一緒だったりする企業もありますので、求人情報は注意してみておきましょう。
このように経理職は実際には魅力的な点があります。「やめとけ!」という言葉を鵜呑みにして経理を目指すことを辞めてしまわず、興味があればぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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- 現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しているかたわら、会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。
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