経理職の給料・年収はどのくらい?

経理が年収を上げるには?評価される実務経験・資格・英語・ITスキルを解説

2026/06/30

企業の根幹である「お金」を管理し、経営を支える重要なポジションである経理職。しかし、日々の業務の忙しさや責任の重さに対して、「自分の年収は妥当なのだろうか」「もっと給与を上げるためにはどうすればいいのか」と悩みを抱えている方はきっと少なくないはずです。
 
経理はどの企業にも不可欠な職種であり安定している反面、ルーティンワークにとどまってしまうと年収が頭打ちになりやすいという側面を持っています。本記事では、経理として年収アップを目指す方に向けて、現在の年収相場から、年収を上げるための具体的なアプローチ、そして市場で高く評価されるために身につけるべき役立つスキルまで、徹底的に解説します。この記事を参考に、自身の市場価値を高め、理想のキャリアと収入を手に入れるためのヒントをぜひ見つけてください。

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経理の年収

さまざまな調査データを総合すると、経理職全体の平均年収はおおよそ450万円前後で推移しています。これは日本の給与所得者の平均年収と比較してもほぼ同水準と言えます。

しかし、この「450万円」という数字はあくまで全体をならした平均値に過ぎません。経理職の年収は、年代や役職、担当する業務の難易度、そして保有しているスキルによって大きく変動します。例えば、20代の若手で日次・月次決算の補助業務がメインであれば年収は300万円〜400万円台に留まることが多いですが、30代・40代で管理職となり、高度な決算業務やマネジメントを担うようになると、年収600万円〜800万円、あるいはそれ以上へと跳ね上がります。つまり、経理は「経験とスキル次第で年収の振れ幅が非常に大きい職種」なのです。

経理職の年収は、所属している「業界」や「企業体質」にも大きく依存します。
なかでも、電力・ガス・鉄道・通信などのインフラ業界は、事業基盤が強固で収益が安定しているため、全社的に給与水準が高く設定されている傾向にあります。そのため、同じような経理業務を行っていても、他業界より高い年収を得やすいのが特徴です。
 
また、外資系企業も経理職の年収が高いことで知られています。外資系企業では実力主義・成果主義が徹底されていることに加え、本国(グローバル本社)への詳細なレポーティング業務や、IFRS(国際財務報告基準)、US GAAP(米国会計基準)といった高度な会計知識が求められます。高い専門性と語学力が必須となる分、ベースとなる給与が高く設定されており、年収1000万円以上のプレイヤーも珍しくありません。

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経理が年収上げるポイント

経理職が年収を上げるための道筋は、大きく分けて「現職で昇進する」か、「他社へ転職する」かの2つに絞られます。自身の置かれている状況に合わせて、最適なアプローチを見極めることが重要です。

最もオーソドックスな方法は、今いる会社の中で着実に実績を積み、高い評価を得て昇格・昇進することです。主任、係長、課長、そして財務部長やCFO(最高財務責任者)とポジションが上がるにつれて、基本給や役職手当が加算され、年収は確実にアップしていきます。

現職で評価されるためには、与えられた定型業務をミスなくこなすだけでなく、業務フローの改善によるコスト削減や、経営陣の意思決定に役立つ財務分析レポートの提出など、「プラスアルファの価値」を提供することが求められます。

ただし、企業によっては年功序列の風土が根強くどれだけ優秀でも一定の年齢にならなければ昇進できないケースや、会社の業績自体が芳しくなく昇給テーブルの限界が低いケースもあります。自社の評価制度や先輩社員のロールモデルを確認し、「この会社で頑張り続ければ、自分の目標とする年収に到達できるのか」をシビアに見極める必要があります。

現職での年収アップに限界を感じた場合や、よりスピーディーに年収を上げたい場合は、今より高い給与水準の企業へ転職することが有効な手段となります。

先述の通り、経理職の年収は「業界」や「企業規模」によってある程度決まってしまいます。そのため、薄利多売の業界から利益率の高いIT業界や金融業界へ移ったり、中堅企業から資本の潤沢な大手企業や外資系企業へ移ったりするだけで、業務内容が同等であっても年収が100万円以上アップすることは珍しくありません。

また、スタートアップ企業において、上場準備(IPO)を推進できるコアメンバーとして入社する場合、ストックオプションの付与などを含めて大幅な年収増とキャリアアップを同時に実現できるチャンスもあります。

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経理が年収上げるために役立つスキル

経理職として現職での昇進を目指すにしても、好条件での転職を狙うにしても、共通して求められるのは「市場価値の高いスキル」です。ここでは、経理が年収を劇的に上げるために評価されやすい具体的なスキルと経験について詳しく紹介します。

高い実務経験

経理としての市場価値を最もダイレクトに引き上げるのが、難易度の高い実務経験です。日常的な伝票起票や経費精算、月次決算などのルーティン業務をこなせる人材は市場に多く存在しますが、例えば以下のようなより高度な業務を独力で完結できる人材は限られており、企業から高く評価されます。

年次決算業務の主導

企業の一年間の財務状況を取りまとめる年次決算を、一部の補助ではなく主担当として一連の流れを完結させた経験は強力なアピール材料となります。
 

連結決算の経験

親会社だけでなく、子会社や関連会社を含めたグループ全体の財務状況をまとめる連結決算のスキルは、事業を多角化している大企業やグローバル企業で必須とされます。
 

開示資料の作成経験

上場企業においては、有価証券報告書、決算短信、四半期報告書などの外部向け開示資料を適時かつ正確に作成する能力が求められます。金商法や会社法などの関連法規への深い理解が必要となるため、非常に高い評価を得られます。

マネジメントスキル

年収を大きく上げるためには「プレイヤー」から「マネージャー」への脱皮が不可欠です。年収の高い求人(特に年収600万円〜800万円以上の層)では、プレイングマネージャーとしての能力や、純粋なマネジメント経験を求める割合が非常に高くなります。

経理部門のマネージャーには、部下の労務管理やモチベーションの維持はもちろんのこと、経理業務全体の進捗管理、リソースの最適配分、さらには業務フローのボトルネックを発見して改善を促すリーダーシップが求められます。また、他部署との調整を行い、全社的な視点で円滑に業務を進めるコミュニケーション能力も重要です。

現時点で役職についていない場合でも、後輩の指導や育成を担当した経験や、特定のプロジェクトでリーダーシップを発揮した経験があれば、それは「マネジメントの基礎スキル」として十分にアピール可能です。

資格取得

実務経験を裏付け、第三者に自身の知識レベルを客観的に証明する上で、資格取得は非常に有効な手段です。経理関連の資格は数多くありますが、難易度と評価のバランスを理解して取得計画を立てることが重要です。

日商簿記2級から評価の対象に

経理として働く上で、日商簿記2級は「実務レベルの基礎知識を備えている」ことの証明となり、評価のスタートラインに立つための必須資格といっても過言ではありません。
 

日商簿記1級+経理経験3年で転職の幅が広がる

日商簿記1級は、高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の知識を有している証明となります。これに加えて「実務経験3年以上」という実績が掛け合わさると、上場企業の大規模な決算業務や財務分析などを担える即戦力とみなされ、転職市場における選択肢と年収相場が一気に跳ね上がります。
 

公認会計士・税理士などの超難関資格

公認会計士や税理士といった国家資格は非常に難易度が高いですが、取得すれば圧倒的な専門性を証明できます。単なる経理業務の枠を超え、企業の税務戦略の立案、資金調達のスキーム構築など、経営の根幹に関わるポジション(CFOや経営企画など)を狙うことが可能になります。
 

英語スキル

近年、日本国内の市場縮小を見据えて海外に進出する企業や、クロスボーダーのM&Aを行う企業が急増しています。また、外資系企業の日本法人も数多く存在します。このような背景から、経理職においても「ビジネスレベルでの英語力」を持つ人材の価値が急騰しています。
 
単純に英文メールのやり取りができるだけでなく、海外子会社の経理担当者と英語で直接コミュニケーションを取り、現地の財務状況をヒアリングしたり、グループの会計基準を指導・浸透させたりする業務が発生します。ビジネスレベルの英語力という強みに加え、英文会計のスキルを身につけることで希少価値の高い人材となることができ、外資系企業や日系グローバル企業への道が拓けます。
 

ITスキル

現代の経理業務において、ITリテラシーの高さは欠かせない要素となっています。定型的な入力業務などはシステム化が進んでおり、経理担当者には「ITスキルを活用して業務の効率を向上させ、生産性を高める力」が求められています。
 
例えば、Excelの高度な関数やマクロ・VBAを組んで定型業務を自動化できるスキルは現場で非常に歓迎されます。また、ERP(企業資源計画)システムや最新のクラウド会計ソフト、RPAを用いた業務効率化の経験があれば大きな強みとなります。
 
また、企業の成長に伴い、経理システムを刷新・導入する関係でプロジェクトが立ち上がることがあります。その際、現場の経理としての要望(要件定義)を正確にシステム部門や外部のエンジニアに伝え、連携できる人材は極めて貴重です。ITの仕組みを理解し、経理の専門用語をエンジニアに分かりやすく翻訳できる「ITに強い経理」は、業務改善コンサルタントのような立ち位置として高く評価されます。
 

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経理の転職にベストな時期

年収アップを目指して転職活動を始める場合、「いつ動くか」というタイミングも成功を左右する重要なファクターです。経理という職種特有の求人動向を把握し、戦略的に動きましょう。
 
一般的に、企業が経理職の求人を出すのは「繁忙期の2カ月ほど前」であると考えられています。経理部門の最大の繁忙期は決算期です。企業は、業務量がピークに達する決算期に向けてあらかじめ人員を補充し、即戦力として機能するよう社内環境や業務フローに慣れさせておきたいと考えます。そのため、逆算して求人をオープンにするのです。
 
日本の企業の多くは3月を決算月としています。そのため、年度末決算の準備が本格化する時期を見据え、その2・3カ月前である「12月〜1月」、あるいは引き継ぎの余裕をさらに持たせるために少し前の「10月〜11月」あたりから、経理の求人が市場に多く出回る傾向があります。
 
求人数が増える時期は、自身の希望条件に合致する企業と出会える確率が高まります。企業の採用意欲が高まるこのベストなタイミングを逃さずにエントリーできるよう、職務経歴書の作成などは早めに進めておきましょう。
 

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まとめ:年収を上げるには役立つ経験やスキルを取得し転職も視野に

経理職が年収を上げるためには、単に日々の業務を漫然とこなすのではなく、戦略的に自身の市場価値を高めていく意識が不可欠です。本記事で解説したように、年次決算や連結決算などの難易度の高い実務経験、チームをまとめるマネジメントスキル、日商簿記や会計士などの資格、グローバルに活躍できる英語力、そして業務効率化を推進するITスキルは、企業から高く評価される強力な武器となります。
 
まずは今の職場でこれらの経験を積む機会がないか模索し、スキルアップに努めましょう。もし現在の会社での昇給に限界を感じたり、希望する業務に携われなかったりする場合は、ためらわずに転職を視野に入れるべきです。経理の専門性はどの企業でも通用するポータブルスキルです。求人が増える決算前の時期を狙い、磨き上げた経験やスキルを武器に転職市場へ踏み出すことで、理想の年収とキャリアを手に入れてください。
 
以上

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