男女で給与に差があるって本当?公認会計士の給与事情とは!
2023/11/02
一般的に高額と知られている公認会計士の収入。公認会計士は国家資格のうちでも難易度が高く会計のプロとして社会でのニーズもある資格です。そのため公認会計士の資格を保有するとしないとでは就職や収入の面で大きな差がでる場合があります。実際、公認会計士になった場合の給与はどのくらいなのか気になるところです。男女雇用機会均等法の施行により一般企業では同じ職種の男女による収入の格差は是正されてきています。しかし公認会計士の給与に男女差はあるのでしょうか?気になる公認会計士の給与事情について迫ります。
☆そもそも公認会計士の男女比率って?
公認会計士の給与に男女差があるかをみてみる前に、まず公認会計士の男女比を押さえておきましょう。公認会計士・監査審査会の発表によると2016年公認会計士試験の実質受験者10,139人のうち合格者は男性872人、女性は236人となっており男女差は78.7:21.3です。(※1)男性と女性の比率はほぼ8:2となり、この割合は毎年大きくは変わらないと言われつつも年々女性の受験者および合格者が増えている傾向にあります。しかし、まだまだ公認会計士の世界では男性の割合が圧倒的に多いのが実情です。知識や専門性の高さから公認会計士の資格があればいったん職場から退いても業務への復帰は難しいものではありません。女性が長く働く環境を整えている監査法人や会計事務所が多数あります。そうであっても公認会計士を目指す女性が多くない理由にはどういったものがあるでしょうか。転勤は少ないものの監査のための出張などが多かったり納税時期など仕事が集中する期間は連日残業になったりするなど家庭との両立が難しい場合があげられます。会計は女性ならではの細やかさや鋭さを生かせる仕事です。社会全体で女性の活躍を推進している中で公認会計士の比率も男女の格差が埋められれば会計の世界もさらにイキイキとしたものになるでしょう。
※1.【ブログde会計】どこよりも早い2016年度公認会計士試験結果まとめと考察
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☆男女別の平均年収
公認会計士は会計のプロとして専門性の高い知識を生かし会計事務所や監査事務所、一般企業など多くの活躍の場があります。また事務所や企業に就職する以外に独立し個人事務所を立ち上げることやパートやアルバイトなど、さまざまな収入の源となる方法もあります。こういった公認会計士の雇用形態が多様なのは公認会計士が社会で必要とされているということに他なりません。専門性の高い公認会計士だからこそ、その分だけ収入の面でも優遇されます。2015年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によれば公認会計士の平均年収は718万円といわれています。(※2)大手監査法人に就職した場合は初年度の年収で500万円以上となる場合もあり、収入の面でみると大変魅力的な仕事です。2012年の賃金構造基本統計調査によると平均年収は男性が756.8万円、女性が623.7万円となっています。(※2)(※3)これをみると格差は約130万円となっています。なお、この場合の平均年齢は男性が42.1歳、女性が44.3歳です。女性の方が男性より2歳ほど年上となっていますが、年齢と年収のバランスを考えると女性の方が長く勤めた割に年収は男性よりも低めになっているという見方もできます。もちろん正職員や個人事業、アルバイトなどにより収入は異なりますが、給与の面でいえば公認会計士の収入に男女差はあるというのが実情です。
※2.参考サイト:【公認会計士の仕事】公認会計士の給与・年収
☆年収の差の理由は?
公認会計士の給与に男女の格差があるのは事実です。どうして男女間で格差が生じているのでしょうか。その理由は3つ考えられます。1つ目には監査のための出張の多さや多忙という点です。公認会計士は監査が主な業務となります。顧問先により地方への出張も少なくありません。監査の出張で家を空かすことをためらうこともあるでしょう。さらに忙しくて家庭をおろそかにすることや家庭や出産・育児との両立ができるのかなどの不安もでてきます。結婚・出産を考える女性の中にとってはバリバリ仕事をしたいが、家庭との両立を心配し二の足を踏む場合があるのです。両立を考慮して仕事の量をセーブすることも多く、その結果が給与に反映されます。2つ目には雇用形態の違いによる点です。やはり仕事の量に関係することですが、女性公認会計士の中には正職員ではなく契約社員やパート、アルバイトなどで業務を行う人もいます。その理由は雇用形態を変えることによって多忙な公認会計士の仕事の量をセーブし家庭との両立を図るためです。正職員と比べると有期雇用の場合は年収が下がるため、有期雇用が多い女性公認会計士の年収は結果的に正職員の男性より下がってしまいます。3つ目には役職付の女性職員が少ないということもあるでしょう。公認会計士も一般企業と同様、役職が付くと年収もあがります。しかし長期にわたってキャリア形成をする女性の数が多くありません。年収が高額と言われる公認会計士の仕事は、それほどタフな内容だということが分かります。
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☆スキルや経験が給与アップのカギ
年収、給与において男女間の格差がある公認会計士ですが、そもそも仕事の内容は男女の差別はありません。男性でも女性でも専門知識を生かし能力を発揮して平等に高い報酬を得ることが可能なのが公認会計士の仕事です。仕事を続けたい女性にとっては結婚や出産とのバランスに頭を悩ますこともあるかもしれません。しかしスキルや経験があれば比較的復職もしやすいと言われています。(※4)また公認会計士になりたての人も多くの監査を担当しスキルを身につけて経験を積むことで給与アップが期待できます。能力次第により30代で年収1,000万円を超えることも珍しいことではないのです。さらに40代で1,200万円、そして役員クラスになると2,000万円も夢ではありません。(※3)一般のサラリーマンと比較すると高額といわれる公認会計士の給与も日々の業務の積み重ねたことやスキルアップの結果なのです。仕事の評価に男女の区別のない公認会計士は、どんどん能力を磨くほどに給与アップを目指せるのが魅力です。
☆まとめ
多くの企業で是正されつつある年収や給与の男女間の格差は公認会計士にも存在しています。しかし公認会計士の場合は専門性のある業務のため、監査などで仕事に拘束される時間が長く女性の場合はこれを回避する雇用形態を選択しがちです。その結果、男女間で給与、年収の差が発生してしまう傾向といえます。しかし公認会計士の仕事はもともと男女間の差別がなくスキルと経験によってだれでも給与、年収のアップが可能です。また女性にも働きやすい環境を提供している職場も多くあります。自分の能力を磨くことによって目標の収入を得ることができるのが、公認会計士の魅力なのです。
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