転職回数が多いのは転職に不利は本当か?採用担当に響く自己PRの作り方
2023/10/27
新卒の就職活動やいわゆる第二新卒、30代前半など若い世代の求職活動は未経験の職種であっても採用されることも多く、チャレンジしやすい年齢そうであると言えます。
一方、30代中盤以降の一定以上の年齢層はこれまでの経験値や伸びしろに加えてマネジメント力があるかなど、期待されることが多くなります。
期待値が高い転職活動においては、その世代ならではの自己PRがしっかりできていないと、採用担当者の理解を得られず内定を勝ち取ることはできないでしょう。
まずは、書類選考を通過できる自己PRを作るうえで、盛り込むと有効的な要素について、1つ1つポイントを解説します。
コンテンツ目次
資格はただ持つだけでは意味が無い
自己PRのひとつに、保有している資格を思い浮かべる人は多いでしょう。取得の難易度の高い資格は確かに、その努力を認められるものです。しかし、ただ持っているだけではその努力だけが評価の対象になってしまいます。
そもそも、資格は知識の裏付けを証明するものというのが基本的な考え方です。特に独占業務のある資格の場合は通常の資格と異なり、高難度の試験を合格するという努力が実務スキルという武器になるでしょう。ですが、どんなに武器が優秀でも使った経験が少なく、十二分に使いこなせなければ役に立たないと見られてしまいます。
だからこそ、資格を持つのであれば「なぜその資格が必要だったのか」「その資格で得た実務スキル・実績」が重要になります。
若いうちであればとりあえずは資格を取得して、そのチャレンジする姿勢をアピールできます。しかし、一定以上の年齢では経験と資格(技術・知識)の両方が求められます。ただ資格を手にしていても、経験を積んで使い方まで知っていなければ評価は下がりますし、場合によっては評価されません。
「〇〇がやりたいから資格を取った」というだけではなく、自身のこれまでのキャリアや将来を説明するために、資格取得が違和感なくキャリアの線の上に載せられることが重要になります。取った資格をいかに活かしているのか、もしくは今後いかに活かそうとしているのか、を自分自身のキャリア観と紐づかせてアピールするのがポイントです。
それでは、実際に応募する仕事に直結しない資格は書かない方が良いのでしょうか? これは資格の種別により、表現の仕方に違いが出てきます。
例えば、仕事でも異なる分野であれば活かせそうな資格の場合、その資格を持っていることで応募する職務に役立てられるメリットや、組織の中での将来的なキャリアパスをどう描いているかを示すことができます。年齢的に一定以上の応募者の場合は、特にマネジメント・人材や数値管理業務へ活かせる能力の自己研鑽をしていれば、将来を見据えた資格取得だととらえることもできます。
その他、趣味の延長で比較的難易度の低い資格を保有している人もいるでしょう。これは、工夫をすれば生き方・ライフスタイルなど自分自身を知ってもらえる材料になります。
自己PRで記載するのも良いですが、自分の趣味や特技として伝え、ON/OFFの切替え・リフレッシュ法など、体調やメンタルの自己管理ができる側面を伝えられます。ワークライフバランスや働き方改革を重要視している企業もあり、こういった資格は応募書類上の記載箇所や表現を工夫してみましょう。企業の取り組みや社風によっては自分がその志向性がマッチしていると示せます。応募先に合わせた形でアピールしましょう。
・専門性の高い、仕事に直結する資格は実務スキルやキャリア観と紐づく説明をする。
・すぐに仕事に活かせなくても、自分のキャリアパスを見据えた資格は有効な場合も。
(資格があっても実務経験がないと評価されない可能性も考え、文面に落とし込む。)
・趣味で取得した資格でも、応募先によっては人物像を伝える材料になる。
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転職の理由は多面的に納得させる
転職理由を考える際に、一番頭に浮かぶのが「なぜ前職を辞めたのか」「次に職場に求めているものは何か」でしょう。確かに退職理由は採用側が一番気にするところでもありますし、次に何を求めるかは募集とのマッチを見る上で重要な点です。
しかし、そこに不足している要素はないでしょうか?
答えは、「なぜこのタイミングで転職するのか」という点です。
転職のきっかけ(なぜ前職を辞めたのか)、転職で得たいもの(次に職場に求めているもの)、この2つと合わせてタイミングの説明を入れることで転職理由に必然性が盛り込まれます。いつ転職してもいいような理由より、今転職活動をする必然的な理由を持たせた方が説得力の高い内容となり、採用担当の目を引くものになるのです。
一定以上の年齢層での転職の場合、自身の家庭環境の変化・将来的な生活設計なども視野に入れて転職を決めることもあり得ます。もし、そういった理由があるのなら、事情を説明することも検討しましょう。たとえ書類に記載できなかったとしても、採用担当者には素直に伝えたい点です。
このとき、あまりにも他責にしているような表現にならないように注意しましょう。また、事前にこういったコミュニケーションが取れていれば、入社後に家庭の事情等を考慮してもらう必要が出てきた場合など、周囲からのサポートを得やすくなるなどのメリットも期待できます。
・転職のきっかけ(なぜ前職を辞めたのか)
・転職で得たいもの(次に職場に求めているもの)
・転職時期の背景(なぜこのタイミングで転職するのか)
・家庭環境などの事情があった場合、あまりにも他責にしているような表現は避ける
自身の強みを整理する(採用するとどんなメリットがあるのか)
採用担当者は多くの履歴書を目にしており、選考にあたって自社のニーズと照合します。よほど特殊なスキルを持っていない限り、応募の際は自分と同等のスキルを持っている競争相手がいると考えておきましょう。そう想定すると、より自分を採用することでメリットがあると思ってもらえることが大切になるのです。
つまり、応募書類から自分がその企業が欲しいと思う人材である事を示し、自分のスキルや経験が募集している条件にマッチしているという印象を持ってもらえることがポイントになります。
まずは自分のスキルを棚卸しし、列挙した内容から応募先に有力なスキルをピックアップします。それらを実際の職務経験と合わせて記載することで採用担当に具体的なイメージを持たせることが重要でしょう。
その業界や職務に関する知識や経験がある事や、具体的にどのくらいの期間やどのくらいの案件数・ボリュームでその職務に従事していたかを記載します。スキルや職務が多ければ箇条書きでも良いですし、スキルとそれを活かせた場面を事例として記載する形も良いでしょう。それらを通じ、採用担当者は応募者の業界・職務への理解度や経験値を判断しやすくなります。また、より詳しく応募者の話を面接で聞きたいと思ってもらえる可能性が高まります。
(例)前職とは異業種を志望する場合
応募先のニーズと自分の経験との共通項をいかに見出すかがポイントです。異なる業界であっても仕事の進め方、周囲とのコミュニケーション能力など、通じるスキルがあるはずです。それらを発揮できたエピソードや問題解決の体験などを交えて記載すれば、仕事への対応力をアピールできます。
また、30代後半以上の転職の場合、特に、どのように周囲との関係性を築いて仕事に活かせたか、未経験や新たな業務への順応性などを記載できると良いでしょう。幅広い年齢層や多様な職種、複数の業者と連携が必要となる職種への応募であれば、特にメリット感が高まります。これまでの経験からそういったエピソードがないかをピックアップし、もしあれば記載すると有効でしょう。
・自分の強みを整理する
(業界や職務の知識・スキルだけでなく、コミュニケーション能力なども含む)
・可能であれば、年代的に求められる組織の中での役割を意識したエピソードを記載する。
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なぜこの会社に応募したのか(志望動機)
どんな退職理由だとしても、求職活動では大半のケースで複数の企業に応募することになる人がほとんどです。
つまり、同業に相当する複数の企業へ応募するということになります。ただ、同じ業界・業務内容でも社風や企業理念、評価制度などの要素で企業ごとに差異があるのが普通です。
それでは、同業・同職種への応募であれば志望動機は同じ文面でもいいのでしょうか? 実際のところは、志望動機の使い回しは厳禁だと言われています。応募書類の中でも、ここがとても重要なポイントになるからです。
先述のように企業ごとに求める人物像や社風などに違いがあります。そこにいかに自分がフィットするかを記載する必要があるのです。
こう考えれば、応募する理由が同じにはならないのではないでしょうか?また、逆に使い回せるような理由は具体性に欠ける文面になりやすく、応募先へ勤めたい意欲ややりたいことの表現が弱く、不明瞭になります。採用担当への説得力が減ってしまうのです。中には例文を流用する方もおられるようですが、これも使い回しに近いため採用担当者に響く可能性は低いと考えた方が良いでしょう。
なぜその企業を志望するのか、納得感のある理由を示すことが大切です。一定の年齢を重ねた年齢層には特にそれが求められます。志望理由では、前職の企業を否定するのではなく、応募先の事業方針や組織の風土・社風がこれまでの職場よりも、いかに自分にマッチしていかを記載しましょう。
そして、これまで培った同業・同職種のノウハウを企業にどう提供していくのか、キャリアパスをどう考えているかなどを文章化します。その年代ならではの役割をどう捉えて、どう果たしていきたいかを書き添えれば、前向きな志望理由だと受け止めてもらえるでしょう。
(例)前職とは異業種を志望する場合
これまでの経験した業界・職務との共通点・相違点を整理しましょう。そのためにも、求人の募集要項などから応募先の業界事情だけでなく、職務の内容や業務フローへの理解を深めることが第一歩となります。
これを行っておくことで自分がその会社で働くイメージもできますし、具体的にどんな業務に自分のどの経験が活かせるのかを見出すことにつながります。自分の言葉で応募先で具体的にどのように経験を活かし、どう働きたいのかを示せば納得感が増し、説得力が増すでしょう。
・志望動機の文面は応募先ごとに作成する(文面の使い回し、Web上の例文の使い回しはしない)
・異業種への応募の場合は、より一層応募先について調べ、具体的に記載する。
・年代ならではのキャリアパスなどの意向を伝え、自身のキャリア観を知ってもらう
すべてが繋がる流れがあれば、転職回数は不利にならない
自己PRを考える上で、PR文に盛り込む要素はいくつもあります。その要素がチグハグだと統一感がなく、採用担当者は矛盾を感じてしまします。応募の際の自己PRは応募先に合わせて要素の中身を都度ピックアップし、細分化して作るのが良策です。
また、転職活動をする人の中には、転職回数が多い人もいることでしょう。
一般的には転職回数が多いと、転職の際に不利になると言われていると思います。
実際に、採用担当者も転職回数が多い人に対しては、堪え性が無いのか、問題を起こしやすい正確なのかなどの印象を持っている場合も多いでしょう。
しかし、これまでに紹介した要素を踏まえた自己PRの内容が興味を引く内容であれば、魅力的な応募者に見えるはずです。逆に、転職回数が多いことを気にして必然性のない資格を取得したり、取り繕った応募理由を用意したりしても、採用担当者から見透かされることが多いと考えた方がいいでしょう。
それでは、転職回数が多いことは悪いことなのでしょうか? 記載すると転職には不利なのでしょうか? 先に述べたように、「転職理由」は多面的に理由を示すこと、転職活動へ至る経緯の違和感をなくす工夫が必要です。「転職回数の多さ」に関しても同様に、その背景に納得のいくストーリーがあるのかが問われます。
転職回数が多くても同じ業界・職務に従事していたのか、それとも、様々な業界・職務へと転職を繰り返えしていたのか、ケースによって変わってきます。あまりにも転職の頻度が多い、業界や職種を転々とし過ぎいるなどの場合、採用担当者から見て納得感の得られる内容にはなりにくいかもしれません。採用担当者の先入観を超えるには、自身の考えやその当時の背景に筋が通っているかがカギとなります。
自分の経歴の中から、どんなポイントを重視して転職してきたのか、その芯を自分自身で見出し、周囲の納得を得られるように自分自身をプレゼンするイメージで作成しましょう。
30代後半以降ともなると、業務の経験値や専門性の高さを求められる世代でもあり、さらに一定水準の社会性・人間性や自身の管理能力を持ち合わせていることが前提とされがちです。転職回数が多くても、それらをアピールできる書類作成を心がけましょう。応募書類・履歴書から採用担当者に人物像を想像させるのも、書類選考では大切なポイントです。
自己PRや志望動機の作成には時間をかけよう!
このように、転職市場において一定以上の年齢層への期待は、若い世代に比べ高くなりがちです。応募先ごとに、その職務・その年代に対して求められるものはどんなポイントか。そして自分がそこにどうマッチし貢献できるか。これらを文面に落とし込んでいく作業が必要となります。
特に自己PRや志望動機は文章の使い回しやWeb上の例文を流用することは避け、応募先ごとに検討して準備をすることが、大切です。この記事を参考に、より採用担当者に響く書類作成を目指してはいかがでしょうか。
転職回数が多いといっても、いたずらに転職をしてきたわけではないと思います。
これまでの転職をしてきたことのストーリーが非常に重要だということはご理解いただけたと思いますので、堂々と採用担当者を唸らせるようなストーリーをアピールしてみて下さい。
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