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簿記1級の最適な転職とは?会計事務所や一般企業でのキャリアプラン

2023/11/01

簿記1級の資格取得は、多くの人々がキャリアアップや転職を考える際の一つの大きなステップとなります。特に、経理職や会計事務などの職種では、この資格を持つことは大きな利点となるでしょう。ここでは、簿記1級を活用した転職について解説します。

簿記1級は、経理業務における高度なスキルと知識を証明する難関資格です。そのため、経理職や会計職などの求人を探している企業は、この資格を持つ人物を非常に高く評価します。経験やスキルを活かしてキャリアアップを図りたいと考えている人々にとって、簿記1級の取得は有利な条件での転職や、より高い年収を得る可能性を大いに開くでしょう。

しかしながら、簿記1級の取得者だけが有利なわけではありません。実際には、日商簿記2級や原価計算、商業簿記、工業簿記など、より広範な経理や会計の知識を持つ人々も、企業から高く評価されます。また、税理士試験への合格など、簿記1級の取得をさらなるキャリアアップへのステップとすることも可能です。

この記事では、簿記1級を活用した転職について、経理や会計、財務などの業務における必要なスキルや経験、そしてこの資格を持つことによる可能性について詳しく解説します。

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簿記1級とはどのような資格か

まずは、日商簿記1級試験はどのような試験であるのかを把握していきましょう。簿記という経済活動を記録する技術が、私たちの社会のなかでどのような位置づけにあるのかを把握していきます。

簿記検定試験の種類と概要

簿記1級は、企業会計や経済全般に関する深い知識と技術を証明する試験で、日本では日商簿記、全経簿記、全商簿記の3つの主要な試験体系が存在します。

特に、日商簿記1級は、企業で最も広く認識されている試験で、日本商工会議所と各地の商工会議所が主催しています。この試験は年に2回、6月と11月に開催され、簿記の知識レベルとしては大学の商学部で簿記を専攻した者が有する知識レベルが求められます。

また、全経簿記と全商簿記もそれぞれ簿記1級を設けており、それぞれ全国経理教育協会と全国商業高等学校協会が主催しています。これらの試験も、高度な簿記の知識と技術を証明するものです。

通称 正式名称 主催者 概要
日商簿記 日商簿記検定試験 日本商工会議所・各地の商工会議所 最も広く知られた簿記検定試験で、社会人も受験し、就職活動に有利。試験レベルは1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5段階で、1級が最上位級。1級取得で税理士試験の受験資格を得られる。
全経簿記 簿記能力検定 全国経理教育協会 主に専門学校(商業高校)の学生が受験。税理士合格を目指す学生も受験する。試験レベルは上級・1級・2級・3級・基礎簿記会計の5段階で、上級が最上位級。上級取得で税理士試験の受験資格を得られる。
全商簿記 簿記実務検定試験 全国商業高等学校協会 主に商業高校の学生が対象。試験レベルは1級・2級・3級の3段階で、1級が最上位級。1級の取得を推薦入試合格の条件としている大学や短大もある。

これらの簿記1級試験は、社会人や学生が就職活動におけるアドバンテージを得るため、または税理士試験などの国家資格の受験資格を得るために受験されます。具体的には、日商簿記1級や全経簿記の最上位級資格を取得することで、税理士試験の受験資格が得られます。また、全商簿記1級の取得は、一部の大学や短大の推薦入試合格の条件となることもあります。

以上のように、簿記1級は高度な簿記の知識と技術を持つことを証明する試験であり、多くの企業や教育機関に認知されています。試験は厳しく、高度な簿記知識と総合的な理解を必要としますが、その価値は非常に高いと言えるでしょう。

簿記1級資格の難易度

簿記1級試験は非常に高い難易度を持つ試験とされています。例えば日商簿記1級の試験は、出題範囲が広く、その範囲は簿記2級の約3倍程度と言われています。試験科目は、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目と多岐にわたります。

また、各科目ともに深い理解と高度な計算能力が求められ、1科目でも成績が悪いと合格できない足切り制度が存在します。これにより、全体としての総合力が求められます。

試験時間は3時間と限られており、合格率は約10%前後と非常に低いことから、その難易度の高さが伺えます。

求められる知識レベルは「大学の商学部などで簿記を専攻した者が有する知識」レベルとされており、公認会計士・税理士などの国家資格へのステップとして位置付けられています。

以上のことから、簿記1級は広範で深い知識と技術、またそれらを結びつける高度な総合力が求められる、非常に難易度の高い試験であると言えます。

簿記1級取得のメリット

日商簿記1級を取得した場合、次のようなメリットを享受できます。

1.就職・昇進に有利
日商簿記1級は、企業における会計・経理の知識やスキルを証明する資格として広く認知されています。そのため、就職活動の際、一般的には良好な印象を与え、また履歴書や面接で自身の能力をアピールするための具体的な証拠として活用できます。既に勤めている場合でも、評価や昇進の際に資格を持っていることはポジティブに働きます。簿記1級を持っていることは、会計・経理業務だけでなく、財務や経営に関わるポジションへの道も開きます。

2.税理士試験の受験資格取得
日商簿記1級を取得すると、税理士試験の受験資格を得ることができます。税理士は企業の税務処理を専門に扱う重要な役職であり、その資格を持つことはさらに幅広いキャリアパスを可能にします。

3.深い知識と技術の習得
日商簿記1級の学習を通じて、簿記や会計、財務分析などについて深い知識と技術を習得できます。これは、自身のビジネスに役立つだけでなく、個人的な金融活動にも有益です。例えば、個人投資や起業を考えている場合、簿記の知識は経済的な意思決定を行う上で重要となります。

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簿記1級取得のデメリット

一方で、日商簿記1級を取得する場合のデメリットとしては以下のようなものがあります。

1.学習時間と労力
日商簿記1級は難易度が高く、合格には広範で深い知識と高度な計算能力が必要です。したがって、その範囲と深度をカバーするためには、大量の学習時間と労力が必要となります。また、自己学習の場合、独学で難易度の高い内容を理解し進めるのは容易ではなく、自身の時間管理能力や学習能力に高い要求があります。

2.受験料と教材費
簿記1級の受験には、受験料や教材費、場合によっては学習塾やオンラインコースの費用が発生します。これらの費用は、学習計画を立てる際に考慮する必要があり、特に継続的な学習を必要とする場合、一定の経済的負担となる可能性があります。

3.専門性の高さ
簿記1級は非常に専門的な知識を必要とするため、全ての業界や職種でその能力が活かされるわけではありません。特に、簿記や会計に直接関連しない職種に就く場合、その知識や技術が必ずしも必要とは限らないかもしれません。そのため、自身のキャリアパスや将来計画によっては、簿記1級取得にかける労力と時間が過剰であると感じるかもしれません。

簿記1級取得者の転職先とは

簿記1級を取得していると、特に以下のような業界や職種で転職時に有利となることが考えられます。

●会計・財務部門
企業の会計部門や財務部門では、日々の会計処理、財務報告、予算作成など、簿記の知識が直接的に必要とされます。簿記1級の資格は、これらの部門で働く上で重要なスキルを証明するものとなります。

●監査法人
監査法人は、企業の財務諸表の正確性を検証するための専門機関です。ここでは、会計基準に基づく会計処理や財務報告の理解が求められるため、簿記1級の知識が大きな強みとなります。

●会計事務所・税理士事務所
会計事務所や税理士事務所では、クライアント企業の会計や税務処理を支援する役割を担っています。簿記1級を持つことで、クライアントに対する高度なアドバイスやサポートが可能となり、信頼性も増します。

●銀行や証券会社
銀行や証券会社でも、企業の財務状況を分析するために簿記の知識が求められます。特に、融資部門や投資銀行業務、証券分析などの職種では、簿記1級の知識が強い武器となります。

●起業・経営者
自分でビジネスを始める場合や、小規模企業の経営者である場合、簿記の知識は非常に重要です。会社の財務状況を理解し、適切な経営判断を下すためには、簿記1級レベルの知識が大いに役立つでしょう。

簿記1級の知識は、これらの職種だけでなく、多様な業界や職種で活かされる可能性があります。例えば、営業やマーケティングの職種でも、財務知識を持つことで、より深い顧客理解や効果的な戦略立案が可能となります。

もちろん、簿記1級を取得した場合の活躍の場は上記に限られるわけではありません。

簿記1級の資格は、上場企業の一般職においても大変有用です。

以下にその主な理由を挙げます。

●ビジネス理解
簿記の知識は、企業のビジネスモデルや戦略を理解するための基礎となります。財務諸表を読み解く能力は、自社の業績や競合他社の動向を把握するのに役立ちます。これは、経営層とのコミュニケーションや戦略的な意思決定において大変重要なスキルとなります。

●事業・部門を超えたコミュニケーション
上場企業では、さまざまな部署が連携して事業を運営します。一般職でも簿記の知識を持っていれば、会計部門や財務部門との円滑なコミュニケーションが可能となり、企業全体の効率と生産性を高めることができます。

●リーダーシップ
管理職やリーダーになる際、簿記1級の知識は重要なスキルとなります。部門の予算管理、業績評価、投資判断など、リーダーシップを発揮するためには会計や財務の知識が必要となります。

●キャリアアップ
簿記1級の資格は、自己啓発の証ともなり、上場企業においてはキャリアアップに有利となることが多いです。自ら学ぶ意欲があること、専門的な知識を持っていることが評価され、昇進や異動の際にプラスとなる可能性があります。

このように、簿記1級は上場企業の一般職においても非常に有用な資格です。会計や財務に関する深い知識は、ビジネスの理解を深め、より効果的な業績向上につながるため、上場企業で働く一般職の方にとっては非常に有益なスキルと言えるでしょう。

簿記1級をキャリアに活かす方法

簿記1級の資格を活かしてキャリアを発展させるには、その知識と技術を最大限に利用する方法を見つけることが重要です。一般企業から会計事務所へのキャリアチェンジ、一般企業から一般企業への業種転換、そして士業へのキャリアアップがそれぞれ可能です。

一般企業から会計事務所へのキャリアチェンジ

簿記1級の資格は、会計事務所へのキャリアチェンジにおいて非常に有益です。一般企業で得たビジネス経験と簿記1級の高度な知識を活かすことで、顧客企業へのアドバイスの質を高め、事務所の価値を向上させることができます。

会計事務所では、顧客企業の財務諸表の監査や税務申告、財務コンサルティングなど、多岐にわたる業務が求められます。これらの業務を遂行するためには、簿記1級で習得した高度な会計知識や財務分析の能力が必要となります。

また、一般企業での経験は、顧客企業のビジネスの理解を深めるためにも役立ちます。具体的な業務経験を持つことで、理論的な知識だけでなく実践的な視点からのアドバイスも可能となり、より幅広いサービスを提供できます。

一般企業から一般企業への業種転換

簿記1級を持つことは、一般企業から別の業種への転職を考えている場合にも有利です。異業種でも、会計の基本的な知識と理解はビジネスにおける重要な基盤となるためです。

簿記1級の知識は、新たな業界やビジネスモデルを理解するための強力なツールとなります。財務諸表を読み解く能力は、新たな業界の企業の業績を評価し、競合他社との位置付けを理解するのに役立ちます。

さらに、簿記1級の資格は転職市場における自己の価値を高めます。新しい業界や職種に進出する際には、自己のスキルセットを強調することが重要です。簿記1級はその一つであり、専門性と一定の知識レベルを証明する手段となります。

士業へのキャリアアップを目指す

簿記1級は、公認会計士や税理士などの士業へのキャリアアップを目指す際の一歩となります。これらの士業は、簿記1級で習得する会計と税法の深い知識と理解を必要とします。

簿記1級の知識とスキルは、公認会計士や税理士の試験への準備を助け、また、これらの資格を活用しての業務遂行にも役立ちます。また、簿記1級を取得したこと自体が、士業への進路を選択する際の決定的な要素となることもあります。

公認会計士や税理士になることは、独立して自己の事務所を開設する道を選ぶことも可能です。また、大手の会計事務所や税理士事務所に所属することも一つの選択肢となります。どちらの道を選んでも、簿記1級の知識とスキルは、高度な専門性を持つ士業として成功するための重要な基盤となります。

簿記1級を活かした転職でキャリアプランを広げる

簿記1級を取得することは、転職やキャリアアップにおける大きな武器となります。経理職や会計職での転職先では、特にこの資格を高く評価します。その理由は、簿記1級の取得者が高度な会計スキルと経理業務の知識を持っているからです。

経理や会計事務など、簿記1級を活かせる職種は多岐にわたります。また、簿記1級の取得者は原価計算や商業簿記、工業簿記といった経理業務の幅広い領域に対する理解を持つため、経理以外の業務にも対応可能です。

転職サイトなどで求人を探す際には、簿記1級を活かすことができる職種を対象に絞ることがおすすめです。その結果、簿記1級の資格を活かした仕事内容の求人が見つけやすくなり、取得者にとって有利な条件での転職が可能となるでしょう。

簿記1級の取得者が高年収を得やすいのは、そのスキルと知識が企業にとって非常に価値があると評価されるからです。また、税理士試験の合格などさらなるキャリアアップにも繋がります。

未経験の職種に転職する場合でも、簿記1級の資格は有利となります。会計の基本知識や連結会計などの知識は、新たな職種や業務を理解し、採用される可能性を高めるために役立ちます。

簿記1級を取得することは、求人市場での自己の価値を高め、より良いキャリアアップを目指すためのステップとなります。これらの点を踏まえて、簿記1級の取得とそれを活用した転職について考えてみてください。

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