経理の役割とは?仕事内容や他部署との違いなどを解説
2024/08/09
経理は経理事務ともいい、事務作業のイメージが強い職種ですが、経理の役割は企業のお金の管理のみならず多岐にわたります。
この記事では意外と知らない経理の基本的な仕事内容や他部署との違い、経理職からのキャリアパスについてまとめてご紹介します。
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コンテンツ目次
経理の企業内での役割
「経理」の由来は「経営管理」の略称になります。その文字どおり、経理部は会社経営において重要なお金を管理する部門となります。ここでは企業内における経理の主な役割についてご紹介します。
帳簿などの記帳
経理担当者のもっとも基本的かつ重要な役割が日々の帳簿の記帳です。経営者は経営成績と財政状態を正確に把握することで初めて適切な経営判断をおこなうことができます。この後にご紹介する集計作業なども正確な帳簿記帳が前提となるため、経理の役割としてもっと大切なものとなります。
決算などの集計
経理では決算など、さまざまな集計を行うのが大きな役割です。「決算」といっても色々な集計軸があります。具体的には、月毎に締める「月次決算」、3ヶ月ごとに締める「四半期決算」、期中で締める「半期決算」、年に一度税金の申告などを行う「年度末決算」があります。どのような会社であっても年度末決算は必ず行われますが、その他の決算が行われるかどうかは会社の規模や方針によって異なっています。
経理では、決算以外にも様々な集計を行います。例えば部門や地域ごとの業績数値などを集計することで経営状況を可視化し、経営者の判断材料を作っています。
また、そのような重要なデータを集計する役割も担うわけですから、ミスは許されないというような正確性が求められます。
現預金の出納
現預金の出納や管理をするのも経理の役割です。現預金の出納業務は、会社の現金や銀行預金の入出管理・処理し、「現金出納帳」と呼ばれる帳簿に記録する一連の業務のことです。例えば企業内の業務として従業員が出張や取引先との飲食や備品類の購入などをするため、会社の現金を社内に保管しておき必要なときにこれを利用しますが、これの管理などが該当します。
給与計算
役員・従業員の給与を計算するのも経理の役割です。世の大多数を占める中小企業では経理が給与計算もおこなっていることが多いようですが、ある程度の規模の会社になると給与計算は総務や人事部が担当し、経理はそれを帳簿に計上することを担当し、分業しているケースが多くなります。
経理の仕事内容
ここでは経理部門の仕事内容を見ていきます。
経理の仕事は繁忙期と閑散期の期間がはっきりしていて、年間を通してスケジュールの見通しが立てやすい仕事です。
日常業務
例えば、経理の日々の業務には次のようなものがあります。
- 商品の販売や請求書などの情報から売上計上
- 従業員が立て替えた経費の精算
- 領収証などの各種伝票の管理
- 現預金の管理、記帳など
など
月次業務
例えば、経理の月次業務には次のようなものがあります。
- 取引先への請求および支払い
- 月次決算業務
- 従業員の給与計算
- 各種社会保険料の納付
- 税金の納付
など
年次業務
例えば、経理の年次業務には決算書の作成を主として次のようなものがあります。
- 年次決算書の作成
- 税務申告
- 開示対応
- 株主総会
など
3月決算の企業であれば、決算の業務に追われる3~4月が最も忙しい時期となります。
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経理と他部門との違い
経理はなんとなく「帳簿付けや事務作業をおこなう部署」「お金を扱う部署」といったイメージを持たれてる人が多いかもしれません。ここでは経理部門と他部門との違い、特に混同されやすい財務・総務との違いについて解説します。
経理と財務との違い
財務の主な仕事はこれから会社がつかう資金の調達・管理をすることです。 いっぽう経理の主な仕事は、これまでに使用されたお金の記録(つまり帳簿記帳)になります。 両者とも「お金に関わる仕事」という意味では近いものがあるため混同されやすいです。しかし、お金の調達や支出を管理する仕事と、お金の出入りを記録する仕事のため、両方をセットで担うことはミスや不正が発生しやすい業務環境ともいわれています。そのため、上場しているような大きな会社では「財経分離」といって両社を切り分けられる業務体制を構築して役割分担をすることが求められています。
経理と総務との違い
総務は従業員が業務に専念できるように仕事環境を整えたり、サポートするのが主な仕事です。中小企業になるほど総務が経理や人事と同部署になっているケースが多いため同じ仕事と思われがちですが、お金の管理をおこなう経理と総務は異なる仕事となります。
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経理として働く魅力とは
ここでは経理として働く魅力について解説します。
経営に近い仕事ができる
経理で作成する決算書類などの資料は会社の経営成績を反映しています。経理担当者は自社の業績がどのような状況なのか、決算書類を作成するプロセスでその詳細を確認することができる立場にいます。仕事をしながら全社を俯瞰して把握できるので、個々の部門を越えた経営者的な視点を身に着けることができるのが魅力です。
専門知識を身に着けられる
経理職はどんな会社にも必要とされ、逆に必要ない会社はありません。また会計や税金など専門性の高い知識とスキルが求められます。経理の経験を通じて、汎用性と専門性の高い知識を身につけることができるのは魅力といえます。
経理のキャリアパス
ここでは経理を通じたキャリアパスについてご紹介します。
管理職になる
企業の役員やマネジメント層には経理出身者が多いです。それは経理の仕事を通じて会社全体を俯瞰して確認することができているからかもしれません。そのような視点は管理職としてメンバーの育成やマネジメントに活かすことができるでしょう。
経理部の部長職は経理スタッフから管理職へキャリアップする上で1つのゴールだといえるでしょう。
より専門性の高い部門へ異動する
経理の経験を積むことにより、より専門性の高い別の仕事に応用することができます。例えば、財務部門なら資金調達など資金繰りの仕事をするときに、経営企画なら経営陣に近いところで経営計画をより良く実現したり課題を解決していくのに、経理で培った帳簿に対する知識や読み解く力が役に立つでしょう。あらゆる仕事には必ずお金が絡むため、経理の経験や知識は幅広く活かすことができます。
上位資格を取得しスペシャリストになる
経理職のための一般的な資格として日商簿記1〜3級があります。その中でも日商簿記1級はかなり難易度の高い資格ですが、さらにその上位資格として税理士や公認会計士があります。士業と言われる国家資格で、税理士、行員会計士ともに独占業務といった資格を有したものだけが行える業務があります。いずれも取得することが難しい資格で少なくとも2〜3年は勉強しなければならないですが、資格を取得できればスペシャリストとして活躍したり、独立開業も視野に入れることができます。
参考:日本税理士会連合会「税理士を目指す」
参考:日本公認会計士協会「公認会計士試験について」
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意外と知らない経理の役割を理解できましたか?
ここまで経理の役割や仕事内容についてご紹介してきました。経理は単なる帳簿記帳やお金の管理だけの仕事ではなく、会社全体の管理業務や経営にまで影響を与える重要なポジションですので、とてもやりがいのある仕事といえます。
すでに経理業務に就いている方や、これから就いてみたいと興味がある方は、経理を経てその後どのようなキャリアプランを立てていきたいか考えてみましょう。もし、より良い会社を見つけたい場合や転職でお悩みの方は、 会計業界専門の転職エージェントに相談してアドバイスをしてもらうことをぜひご検討ください。
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投稿者情報
- 現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しているかたわら、会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。
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