
税理士の就職先はどんなところがある?独立開業だけではない豊富な選択肢とは
税理士の就職先は会計事務所や一般企業、さらには市役所や税務署など、さまざまな選択肢があります。
就職先を選ぶときは給与はもちろん、事業内容や業務内容、福利厚生などさまざまな角度から確認し、自身の希望に合った就職先を見つけることが大切です。
本記事では、税理士の主な就職先や年収の目安、選び方のポイントを紹介します。
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コンテンツ目次
税理士の主な就職先
税理士の約7割は独立開業しています。残りの約3割は企業などに所属して働いており、以下のような就職先があります。
- 税理士事務所・税理士法人
- 公認会計事務所・会計事務所
- 金融機関
- コンサルティングファーム
- 官公庁
- 一般企業
それぞれの就職先の特徴を紹介します。
1.税理士事務所・税理士法人
税理士の就職先と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、税理士事務所や税理士法人だと思います。
税理士事務所に就職した場合、どのような業務を担うことができるのでしょうか。税理士の業務は、大きく以下の3種類に分かれます。
●税務の代理
●納税や節税についての税務相談
●税務に関する書類の作成
税理士事務所に就職した場合は、これら全ての実務経験が積める可能性が高いでしょう。
税理士として、将来的に独立開業を考えているのであれば、就職先でできる限り豊富な業務経験を積むことが重要です。税理士事務所での勤務で培った経験は、独立後にもさまざまな場面で役立つでしょう。
なお、独立せずに所属税理士として働き続けることもできます。
2.公認会計事務所・会計事務所
税理士資格取得後の就職先候補としては「税理士事務所」だけでなく「公認会計士事務所」もあります。公認会計士事務所の業務は「法人の会計監査」や「企業会計」に関するものが中心です。
公認会計士は税理士試験の免除を与えられており、代表者が税理士と公認会計士のダブルライセンスを持っていることも少なくありません。そのため、税理士として公認会計士事務所に就職しても、税理士業務を行うことが多いでしょう。
なお、会計事務所とは、税理士事務所や公認会計士事務所、税理士法人、場合によっては監査法人も含めた総称のため、これらも税理士の就職先として一般的です。
3.金融機関
税理士資格は、銀行や証券会社などの金融機関でも生かせます。自社の決算や税務申告、税務調査への対応などが主な業務です。他にも社内の税務相談や、税務が関わる社内規定の刷新、税務面からの経営課題のサポートなども担っています。
グローバル展開している証券会社では海外子会社と連携し、想定される税務課題の確認などを行うこともあるでしょう。ただし、海外とのやり取りはEA(米国税理士)のような国際税務と英語に精通した税理士に限られるため、一般的には社内業務がメインです。
4.コンサルティングファーム
コンサルティングファームとは、企業課題を見極め、解決に導くサービスを提供する企業です。総合系やIT系、マーケティング系などさまざまなファームがあるものの、税理士は、主にM&Aに関わる課題解決支援を行うFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)のような会計系のコンサルティングファームや、経営課題全般の解決を行う総合系のコンサルティングファームが就職先として多いです。特に、税理士の独占業務である税務相談は経営上重要なため、有資格者は優遇されやすい傾向にあります。
会計系では、会計コンサルタントや税務コンサルタントとして、経理・会計業務の効率化や支援を行います。総合系では、企業の再生支援やM&A支援、IPO支援など、経営コンサルタントとしての業務が主です。
5.官公省庁
市役所や税務署、町役場なども税理士の活躍場所です。多くの市役所や税務署などでは、税について悩んだり疑問を持っていたりする市民のための税務相談窓口を開いています。税理士資格を持った職員が在籍していることは、市役所や税務署にとって非常に心強いです。ただし、副業は制限を受けることもあるため注意しましょう。
官公省庁では他にも税理士の経験を生かせる職種もあります。警視庁や警察本部が採用する財務捜査官や、地方裁判所の執行官などが一例です。
6.一般企業
税理士に対する需要は一般企業でも高まっており、企業内税理士というポジションがあります。勤務部署は、経理部門か税務専門部門のどちらかが多いでしょう。経理部門では、自社の決算業務を中心に行います。一方、税務専門部門がある企業では、他部署や子会社からの税務相談への対応が多いでしょう。
なお、ベンチャー企業や中小企業のように、人的・資金的リソースが限られる企業では、バックオフィス業務全般を任されることもあります。
一般企業への就職は税理士事務所と違い、さまざまな業務を経験できる点が魅力です。
税理士は働き方の選択肢が多い
ここまでに紹介したように、税理士資格を取得してからの働き方には、多様な選択肢があります。そのため、税理士資格をどのように生かしたいのかによって、最適な就職先もさまざまです。
雇用方法も正社員やアルバイト、パート、業務委託など、ライフスタイルによって自由に選べます。選択肢の豊富さも、税理士資格の魅力の1つといえるでしょう。
働き方の自由度を最大限に発揮するためにも、税理士資格取得後の就職先は、いくつもの候補を比較した上で、慎重に検討を重ねるのがおすすめです。
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税理士の就職先別の年収目安
就職先別の税理士の年収目安は以下の通りです。
就職先 | 年収 |
会計事務所 | 650万~700万円 |
一般企業 | 600万~1,000万円 |
官公庁 | 350万~900万円 |
会計事務所の税理士の年収は、年齢が上がるほど高額になりやすいです。また、世界的規模の「BIG4税理士法人」であれば、年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。
一般企業は、事業内容や従業員数などの条件により、平均年収に差が生じやすいものの、会計事務所よりも高額の収入を得られる可能性があります。
官公庁は、役職が付けば高額の年収を期待できます。役職が付かない場合、年収は他の就職先と比較して高くはないものの、安定性があり手当が充実している点が魅力です。
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税理士が就職先選びで確認すべき10のポイント
税理士が就職先を選ぶときは、以下の10個のポイントを求人情報や採用面接、企業の口コミサイトなどで確認するのがおすすめです。
1.経営方針
2.業務内容
3.給与
4.福利厚生
5.雇用形態
6.勤務地
7.勤務方法
8.教育制度
9.有資格者数
10.社風
それぞれについて解説します。
1.事業内容
経営方針や企業理念の他、業界特性や企業の現在の事業内容や今後の事業展開などを確認しましょう。管理職候補で入社したいなら、経営方針に納得がいかないと、企業のやり方に不満がたまる恐れがあります。また、今後の事業展開は企業の将来性を測る上でも重要です。
2.業務内容
税理士資格やスキルを生かし、どのような業務に従事するのかを具体的に確認しましょう。併せて、業務は分業か専業かなどといった働き方も確認します。独立を考えていないのであれば、キャリアプランも確認しましょう。
また経理全般など幅広い業務を任されるなら、税務知識以外に入社後に必要となるスキルを聞いておくと良いでしょう。
3.給与
給与は基本給だけでなく、経験や能力は考慮されるか、定期昇給や賞与はあるかを確認します。また月当たり何時間の固定残業代を含むかも重要です。物価上昇などに合わせたベースアップを実施しているかも聞いておきましょう。
4.福利厚生
福利厚生の充実度は働きやすさに影響します。社会保険・交通費・住宅手当・退職金制度など、基本的なものは一通り確認しましょう。
会計業界では、税理士資格に資格手当や税理士会登録費の手当てが付くこともあります。また、一般企業では、飲食費の補助や健康支援など、独自の制度を導入していることもあります。
5.雇用形態
正社員・契約社員・アルバイトなど、雇用形態を確認します。企業によっては、試用期間中は有期契約(契約社員)で勤務し、試用期間終了後に正社員に登用されることもあります。試用期間中の扱いは、後々労使トラブルにもつながりやすいため、事前に確認しておきましょう。
6.勤務地
支店や支所が複数あるときは、勤務場所だけでなく転勤の有無も重要です。また、交通費の支給額に上限がある場合、自宅と勤務地が離れるほど自己負担が増えるため注意しましょう。
7.勤務方法
勤務方法は勤務時間や月の残業時間の他に、テレワークや時差勤務などが可能かを確認しましょう。勤務方法に融通が利く企業であれば、私生活と両立しやすくなります。
8.教育制度
教育制度は、仕事のキャッチアップをすることはもちろん、職場になじむためにも重要です。新入社員研修や中途採用社員向け研修の他に、OJT(職場内訓練)やOFF-JT(職場外訓練)、eラーニングなどもあるか聞いてみましょう。業務がマニュアル化されていると、より分かりやすいでしょう。
9.有資格者数
会計業界であれば、有資格者数は、教育制度の充実や専門性を測る指標となります。一方、民間企業であれば、税理士など会計系の有資格者が極端に少ないと、業務が資格保有者に集中する恐れがあります。
10.社風
給与や福利厚生などが充実していても、社風や企業文化が合わないと働きづらさを感じる恐れがあります。自身が求める社風や企業文化の条件をリストアップし、優先順位を付けましょう。その上で、求人サイトや企業のWebサイト、面接などでどのような社風かを見極め、なじめそうかを判断すると良いでしょう。見学ができる企業であれば、職場に実際に足を運ぶのもおすすめです。
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就職先に税理士事務所を選ぶときの3つのポイント
税理士の就職先はさまざまあるものの、税理士事務所を考える人は多いでしょう。ここでは、税理士事務所を選ぶときに見るべき以下の3つのポイントを詳しく解説します。
1.年齢構成
2.税理士有資格者の数
3.未経験者の採用経験の有無
1.年齢構成
1つ目のポイントは、その事務所の年齢構成です。
特定の年代に偏り過ぎず、20代から50代、60代と広範囲の年代の職員がバランスよくそろっている事務所が理想的です。年齢構成が若年層もしくは高齢層に偏り過ぎており、中間層がいないときは理由を確認しましょう。
若い年代の税理士資格者だけでスタートしたばかりの税理士事務所なら、年代が偏るのは仕方がない部分もあるかもしれません。しかし、大手事務所や長く続いている税理士事務所で中間層がいないなら、一概には言い切れないものの入所した若手資格者がすぐに辞めてしまっている可能性があります。
そういった事務所には待遇面や人間関係などの問題があるのかもしれません。事務所の年齢構成は可能であれば、確認するようにしましょう。
2.税理士有資格者の数
2つ目のポイントは、税理士有資格者の数です。税理士事務所の業務の質を測る一つの目安が、所員全体に占める有資格者の割合だとされています。
所員に占める有資格者の割合が多ければ、業務の質も高くなりやすいでしょう。反対に、税理士有資格者の割合が少な過ぎると、特定の資格のない所員が業務に携わる割合が大きいと考えられます。
教育体制や業務体制が整っている事務所であれば、有資格者が少なくても仕事を回せるでしょう。しかし、環境が整っていないなら、有資格者に業務が集中したり、仕事の質が低かったりする恐れがあります。
3.未経験者の採用経験の有無
3つ目のポイントは、未経験者の採用経験の有無です。多数の未経験者採用実績がある事務所であれば、税理士業務未経験者を一人前に育て上げるための教育体制がある程度整っているでしょう。ゆくゆくは独立開業したいと考えている人にとっては、効率的に実務経験を積むためにも教育体制が整っている事務所に入所したいところです。
しかし、未経験者の採用実績がないからといって、その事務所に教育体制がないとは限りません。事業拡大に伴って未経験者を採用したいという事務所であれば、教育体制をある程度確立してから募集をかけている事務所も多いからです。事務所内研修などの教育体制が整っているかは、面談時などで確認しておきましょう。
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税理士が就職・転職活動でアピールしたい内容
就職・転職活動では、税理士資格自体が大きなアドバンテージになります。しかし、未経験の業界や役職付きで採用されたい場合は、これまでの経歴や保有資格、コミュニケーション能力などのアピールをすることが重要です。それぞれの点について説明を加えます。
これまでの経歴
面接の際に税理士としてどのような業務に従事し、実績を残したかを詳細に伝えましょう。税理士以外の職務経験があるなら、その内容もあらかじめ整理しておきます。また、チームリーダーのような指導・管理系の業務に従事した経験も就職・転職活動では強みになります。
税理士以外の保有資格
公認会計士や宅建、社会保険労務士など、税理士以外の保有資格も就職・転職活動では役立ちます。特に、就職希望先の部署や事業で役立つ資格があると、なお良いでしょう。また資格ではなくても、特定の会計ソフトを使いこなせることなどもアピールポイントになります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、会計業界・一般企業を問わず求められます。コミュニケーション能力に自信がある場合は、仕事上でどのように生かしてきたか、具体的なエピソードを交えて伝えましょう。
ただし、コミュニケーション能力に自信がない場合は、この限りではありません。無理に自分を偽って採用されれば、後々苦労するため注意が必要です。
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その一環として、会計業界でお役に立つ情報をお届けするために10年以上記事を書いています。是非、会計業界で働く人が楽しく、知識を得られるような情報をお伝えできればと思います。
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