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税理士登録に必要な実務経験とは?証明するためにはどうすればいいのか?

2023/11/01

税理士試験は超難関と言われる国家資格で、科目制度を活用して毎年数科目づつ合格したとしても、5科目合格するまでに数年を要するような資格です。

試験勉強に集中していて登録に必要な実務経験は積んでこなかったという人は試験合格後に実務経験が2年必要になります。

しかし、税理士試験受験者は試験勉強を進めるのと並行して実務経験も積んでいるという人が大半のようです。

試験勉強に集中するあまり、実務経験をどのように積めばいいのか検討されてこなかったという方もいるではないでしょうか。

また、税理士を目指し勉強と実務経験の両立をしているが、今の事務所が税理士試験の受験勉強を並行する環境として適しているのか疑問に思っている人もいると思います。

場合によっては、勉強に集中するため、正社員からパート・バイトに切り替えたい人もいると思いますが、その場合の実務経験はどのように計算されるのか、疑問が湧きますよね。

そこでこの記事では、税理士登録するために必要となる「実務経験」について詳しく解説します。

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税理士登録するために実務経験が必要な理由とは

税理士法では、税理士試験に合格した者または税理士試験を免除された者は、2年以上の実務経験を有していなければならないとされています(税理士法第3条)。

したがって通常は、税理士として登録するために、税理士試験に合格し、かつ、実務経験を積まなければなりません。

税理士登録するための登録要件は?

税理士になるには、次の(1)と(2)の要件を満たす方が、日本税理士会連合会が管理する税理士名簿に登録している必要があります。

(1)税理士となる資格

A.税理士試験合格者

B.税理士法の規定により税理士試験の全科目が免除される者

C.弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)

D.公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)
(注)平成29年4月1日以降に公認会計士試験に合格した者については、公認会計士法第16条第1項に規定する実務補習団体等が実施する研修のうち、財務省令で定める税法に関する研修を修了した公認会計士

(2)実務経験

上記(1)に該当する方のうち、AまたはBに該当する方は、通算2年以上の実務経験が必要。

そして登録時には、この職務経験を証明する「在職証明書」と、在職を証明する源泉徴収票または確定申告書の提出が必要となります。

登録申請書と在職証明書を提出後、税理士会にて調査(面接等)を行い、実務経験に該当するか否かの判断を個別に行います。

税理士登録に必要となる実務経験とは?

実務経験については「税務または会計業務に従事した期間の合計が2年以上」必要となります。

この場合の2実務経験が合計2年とは、在籍していた期間をいうではなく、通常の勤務時間の合計時間のことを指しているので注意が必要です。

実務経験が不要なケースとは?

上記のC.弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)とD.公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)

(注)平成29年4月1日以降に公認会計士試験に合格した者については、公認会計士法第16条第1項に規定する実務補習団体等が実施する研修のうち、財務省令で定める税法に関する研修を修了した公認会計士については実務経験が不要です。

税理士の実務経験として認められる業務は?

税理士の実務経験となる業務は?

(1)実務経験に該当するもの

  • 税務官公署での事務やその他の官公署や会社などでの税務事務
  • 簿記上の取引について、簿記の原則に従い取引仕訳を行う事務
  • 仕訳帳等から各勘定への転記事務
  • 元帳を整理し、日計表又は月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務
  • 決算手続に関する事務
  • 財務諸表の作成に関する事務
  • 帳簿組織を立案し、又は原始記録と帳簿記入の事項とを照合点検する事務

(2)実務経験と該当しないもの

会計事務所で経理事務に携わっていても、会計や簿記の知識がなくてもできる簡単な事務や、電卓を使ってデータの入出力を行う簡単な事務は実務経験としてカウントされません。

また、原則として、通常の労働時間内の労働時間のみが考慮されます。時間外労働(残業時間)は含みません。

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税理士の実務経験を積める職場は?

税理士として登録するために必要な実務経験を積める職場には、次のようなものがあります。

会計事務所

会計事務所は税理士の実務経験を積む場所として最もスタンダードと言えるかもしれません。

税理士を目指す多くの方が実務経験を積む場所です。

また、会計事務所の仕事内容について、更に詳しく知りたい場合は「会計事務所の仕事内容とは?就職・転職する際のポイントも解説」をご覧ください。

一般企業の経理部門

経理以外の部署での経験があったとしても、「経理・簿記の知識が必要な業務」のみ、実務経験期間としてカウントされます。

経理部門に勤めている人が将来のキャリアパスを考え、税理士試験に挑む人も多いのです。

また、一般企業の経理部門の仕事内容について、更に詳しく知りたい場合は「【未経験者必見!】経理の仕事とは?平均年収やおすすめの資格を解説」をご覧ください。

国税専門官として勤務

国税従事者における免除の対象となるのは、税務署に10年または15年以上勤務している国税従事者です。

この場合、税法に属する科目が免除されます。
また、税務署に23年または28年以上勤務し、指定研修を受けた国税従事者は、会計科目が免除されます。
この両方を満たしていれば税理士として登録できます。

実務経験の計算はどのようにするのか?

複数の勤務先を経験している場合

1つの職場で2年以上の実務経験は必須ではありません。
複数の勤務先での業務を合計して2年以上の実務経験があれば十分です。

パート・バイトの場合

アルバイトなど、通常の雇用形態よりも労働日数や労働時間が少ない場合は、積算すれば総労働時間が2年に相当することを証明しなければなりません。

試験合格前も経験も加算できる

実務経験の期間については、税理士試験合格後でなくても問題ありません。

税理士試験を受ける前に通算2年以上の実務経験があれば、試験に合格後すぐに税理士登録を申請することができます。
実際、会計事務所や税理士法人の多くの方が実務経験を積んだ後に税理士試験に挑戦しています。

実務経験があると思われる方でも、雇用主が何らかの理由で証明書の発行を拒否することがないよう、事前に雇用主に相談してください。

実務経験を証明する方法

パート・バイトの場合

アルバイトなどの非正規雇用の場合は、在籍期間=勤続期間として認められるわけではありません。非正規雇用の場合は、勤務時間の積み上げ計算書という書類も必要です。

勤務時間の積み上げ計算書において実際に働いた時間を計算して、合計時間が2年を超えていることを証明します。様式は、勤務期間、出勤日(曜日)、勤務時間等と細かく報告します。

日本税理士会連合会のホームページからエクセル・PDF形式でダウンロードできます。

会計事務所の場合

会計事務所での実務経験があれば、その事務所の代表者の「在職証明書」があれば問題ありません。
税理士法人の場合は、主たる事務所・従たる事務所にかかわらず、税理士法人の代表者の証明書が必要です。
複数の会計事務所や税理士法人に勤務している場合は、それぞれの事務所で在職証明書を取得する必要があります。

一般企業の経理部門の場合

一般事業会社の場合は、「在職証明書」の他に書類が必要です。一般企業の場合は、在職証明書に加えて「職務概要説明書」が必要です。

職務概要説明書の書式は自由ですが、担当していた仕事の内容や経理業務の割合などを記載し、勤務先代表者の署名捺印が必要です。会社の組織図も添付する必要があります。

実務経験を積むことの重要性とは

税理士が実務経験を積む重要性とは

ここまで説明してきた通り、税理士登録には実務経験が必要です。
特に一般企業では、実務経験の期間に数えられる業務と数えられない業務があるため、注意が必要です。

提出書類は、実務経験の形態によって異なります。

また、税理士登録に必要な書類などについて、更に詳しく知りたい場合は「税理士試験をパスしたら必見!税理士名簿に登録する方法とは」をご覧ください。

実務経験を積むことの重要性として、例え登録手続きが煩雑でも実務を通じて多くの経験を積むことができ、将来の税理士としての仕事にプラスになることが挙げられます。
実務経験をきちんと積むことで、将来の税理士業務に活かしてください。

また、税理士の年収の実態について、更に詳しく知りたい場合は「税理士の年収の現実とは?20代・30代・40代の年齢別や働き方による違いを解説!」をご覧ください。

まとめ

税理士登録をしようと思っている場合、実務経験を積むなら会計事務所に勤務することが最適だといえるでしょう。

特に税理士試験に合格したあと、スムーズなキャリアパスを描きたいと考えているなら、実務経験の積み方にも注意したほうがいいでしょう。
一般企業の経理職に在籍していた場合はそのポジションによって転職時の評価が変わります。

経理から会計事務所へキャリアチェンジを図ろうとするなら、会計業務に従事していたことがしっかりと伝わるボジションに着くことが大切です。

税理士登録に必要となる実務経験を2年積んだことが証明されるには基準をクリアしている必要があります。
自分が実務経験に当てはまる業務につけているかどうか、事前にチェックしておくことをお勧めします。

自分自身では実務経験としてカウントされているだろうと思っていても、実際には対象とならない業務に携わっていたということも起こりえます。

複数の企業で実務経験を積んでいる場合、退職後に在籍証明書を発行してもらうようなこともあると思いますが、退職時にもめたりしていると、依頼をしにくいようなケースもありますので、円満に退職しておくと良いでしょう。

税理士登録後に業務の役に立つように、2年の実務経験を通じてできるだけ多くの経験をして、税理士業務に活かしてください。

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投稿者情報

税理士副業ライターSOU
税理士副業ライターSOU
現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しています。会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。

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