税理士にもバッジがある?由来や着用の義務があるのか解説
2024/09/11
国家資格である士業の多くは、テレビドラマなどでスーツの襟にバッジがきらめいている姿が印象的で、多くの人が目にしたことがあるのではないでしょうか。
税理士を目指して勉強を進めている人も、確か税理士もバッジがあったけど、あまりしている人をみたことがないなと感じていませんか?襟元に税理士バッチが輝く姿をイメージするとモチベーションも上がりますよね。
そこで今回の記事では税理士バッジの由来や、いつもらうことができるのか、着用の義務はあるのかなどを解説します。税理士のバッジの歴史やデザインの意味への理解を深めることで、より税理士になりたいという気持ちが強まるのではないでしょうか。
税理士を目指して頑張っている方に向けて、今回はちょっと違った角度から税理士についてご紹介します。
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コンテンツ目次
税理士バッジのデザインとその由来
税理士バッジはどのようなものでしょうか。バッジのデザインは黒の半球に桜の絵がデザインされています。このデザインのモチーフは大蔵省造幣局の「桜花の図」と呼ばれるものです。
1956年(昭和31年)の税理士法改正により、税理士会へ入会しないと業務が行えないという強制入会制となりました。このタイミングから日本税理士会連合会で税理士バッジ(統一会員章)を制定し、現在のデザインが採用されたのです。
このバッジのデザインについて東京税理士会は「外側を縁どる円は、日本の『日』を示し、日を追って限りなく進行することを意味しています。紋様の桜は日本の国家である桜をあしらっている」と説明しています。
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税理士バッジには種類がある
税理士バッジには2つの素材の種類があります。通常は銀のバッジですが、プラチナ製のものもあります。プラチナ製のバッジを取得するにはキャリアが長いともらえるといった条件はありませんが、別途15,000円を支払って購入することになります。
また、留め具にも種類があり、男性の場合にスーツの襟に空いた穴(フラワーホール)に留めるための「ネジ式」と、フラワーホールのない服装が多い主に女性向けの「ピン式」があります。所属する税理士会によって、留め具を自由に選択する、もしくは種類を変更できる場合があります。
税理士バッジはいつもらえるのか?
税理士バッジは税理士試験に合格しただけでは受け取れるものではありません。まず、税理士試験の合格者は、税理士名簿に登録をしたうえで自治体の税理士会に入会することで業務を行うことができるようになります。
この税理士の登録後に「交付式」が行われ、そこで税理士証票、会員門標とともに税理士バッジが交付されます。なお、ここで交付されるバッジは先述の銀のバッジです。プラチナ製のバッジを希望しなければ登録費用が必要となるのみで、バッジのために別途費用はかかりません。
なお、このバッジはあくまで税理士会から「貸与」されているものです。いずれ税理士をリタイアする際には、税理士会へ返却する必要があるため、紛失や損壊しないように注意が必要です。
税理士バッジの着用は必須なのか?
税理士バッジは基本的に常に着用がするようにとされています。ただ、実際の着用率はそこまで高くないようです。税理士バッジは税理士である証明として身に付けるものですが、着用していないと業務ができない、特定の場所に行けないなどの制限がありません。そのため、実際には税理士バッジを付けている税理士は少なく、若い世代の税理士は特にその傾向があるようです。
このように通常の業務では税理士バッジを付けずに仕事をしている人が多く見受けられます。ただ、確定申告の相談や役所での税務相談など、より公的な業務ではバッジを付けることがあるようです。
すでに取引のある企業担当者などとは違って、初対面の人とお金に関する話をする場合にはバッジを付けることで自身の職業を示すことで相手からの信頼感が増すでしょう。
また、役所によってはバッジの着用が必要、というケースもあります。そして、主に業務中に見えるようにバッジを付け、業務が終わったあとには外す、もしくは裏向きにして見えないようにするという人もいます。
晴れて税理士登録をすることができて、税理士バッジを手にしたら、バッジの付け方がわからないと言うことにならないようにしましょう。
もし紛失してしまったらどうする?
税理士バッジは税理士の身分を証明するもので、その管理には十分に注意が必要です。とはいえ、ふとしたことで紛失してしまったり壊してしまったりすることもあるでしょう。
その場合、登録している自治体の税理士会へバッジの再交付の依頼をしなければなりません。具体的には「税理士会員章再交付願」という書面を提出し、本人が直接手渡しで再交付をしてもらう必要があります。再交付を申請する場合には費用として5,000円かかります。また、紛失して手元にバッジがない場合に、バッジの代わりに略章というものを付けることもできます。この略章もバッジと同じく貸与されるもので、税理士会に交付の申請の手続きを行わなければなりません。
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公認会計士や弁護士のバッジはどのようなものか?
そのほかの士業にも、バッジは存在します。例えば、公認会計士も税理士と同様に身分を証明する会員章(バッジ)が配布されます。デザインは形状が楕円形で、金色と黒色の「正方形」が交互に並ぶ形でバッジ全面に描かれています。
「正方形」は安定感を意味しており、経済社会の安定を示すデザインとして採用されています。また、金色と黒色の「正方形」には「個別に働く会計士一人一人の力」という意味があり、グローバルなイメージを楕円形で表現しています。
このバッジ全体で、個々の力を連携させて世界経済の安定を守る役割の公認会計士を表現しているのです。また、よくテレビ等で見かけるもので弁護士のバッジがあります。弁護士バッジは「ひまわり」をモチーフにした丸い形状をしていて、中央に天秤が描かれたデザインです。この「ひまわり」が「自由と正義」を、天秤が「公平と平等」を追い求めることを意味しています。
公認会計士バッジは税理士バッジと同様に、基本的に業務時は常に身に付けるようにとされていますが、実際に付けている人は多くありません。それは税理士と同じ背景が大きく影響しています。つまり、バッジを必要とする場が限りなく少ないということです。弁護士であれば、裁判所の出入りや拘置所での接見時に必ずバッジの確認が必要ですが、会計士は監査の場面などでもバッジを見せることが必須とはなっていません。
加えて、会計士の独占業務である法定監査の業務であれば、まだ会計士である事の証明としてバッジは機能する可能性がありますが、昨今はコンサルティングや財務デューデリジェンスや投資顧問などの業務は独占業務ではないため、公認会計士であることを証明する必要性がないためつけない人が多いのです。
その他の士業のバッジのご紹介
その他にも、国家資格である士業にはバッジがある資格があります。以下の職業の一覧にはバッジがあり、それぞれデザインが異なります。そのデザインやバッジのもつ意味合いは、各士業の目指すべき姿や役割を示すものです。
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
- 司法書士
- 行政書士
- 弁理士
- 土地家屋調査士
- 不動産鑑定士
公認会計士と税理士の両方の資格を持っていたら?
公認会計士の資格を取得した人は税理士会に登録・申請をすれば無試験で税理士の資格が取得可能です。そうした場合、それぞれのバッジを持つことができます。
ただ、2資格のバッジを持ったときにどちらのバッジを付けるのかと疑問に思う人がいるのではないでしょうか。実際のところ、税理士のバッジも会計士のバッジも常に付けている必要性があまりないことから、通常の業務においてどちらのバッジも付けないという人も少なくありません。
特に若い税理士・公認会計士は付けないことが多いようです。先述のように、公的な場所での税務相談の業務や確定申告のとき、税務調査の場面など、限られた場合で税理士のバッジを付けることがある、という程度の人が多くを占めています。
バッジの着用義務はないけど税理士バッジをつけることを目指そう
今回は税理士バッジについてご紹介しました。
実際にはバッジの提示の必要がないため普段はバッジを着用しない人が多いようです。それでも、何年も勉強を重ね、難関試験に合格して晴れて税理士となったときには実感を得たいものです。バッジを手にすることで、その実感が湧くのではないでしょうか。そして、何よりも税理士であることを証明する、資格を有しているとわかりやすく示すことができるのがこのバッジなのです。
もし、税理士試験の勉強に行き詰まったり挑戦することへ疑問を抱いてしまったりしたとき、自分がバッジを身に付けた姿をイメージすることで、それが励みになって乗り越えられるかもしれません。税理士を目指して勉強を続けているという人は、税理士バッジの存在を意識し、モチベーションを上げてみてはいかがでしょうか。
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投稿者情報
- 現役の税理士として10年以上、会計事務所に勤務しているかたわら、会計・税務・事業承継・転職活動などの記事を得意として執筆活動を5年以上しています。実体験をもとにしたリアルな記事を執筆することで、皆さんに親近感をもって読んでいただけるように心がけています。
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